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果月さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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61.  ズーランダー 《ネタバレ》 
私が一番笑ったのは変装後の二人が出てきたシーン。「別人だろ!」当たり前なツッコミを叫んで大笑いしてしまいました。コメディだからと、吹替で観たのは正解でした。昔はよく分からなかったアメリカンコメディ映画を大笑い出来るようになったのは歳をとったから?…一抹の淋しさがよぎる…;いや、目が肥えたのよ!うん、うん(そうしとこう)ベンって中途半端に男前ですね~(失礼;)
[DVD(吹替)] 7点(2010-09-08 11:47:28)
62.  天国と地獄 《ネタバレ》 
某海外の映画監督がリメイクするかもしれない、と噂を聞いて観賞してみました。子供は殺されるのか、ちゃんと身代金払うのか、犯人は捕まるのか、緊迫感と不安に襲われ、気分はイライラ心臓はバクバク。観ながらこれは映画の中の人物が感じている気持ちなんじゃないか、と思いました。ふと考えたのですが「天国と地獄」は犯人の心情のことかも?要求している時は支配感に満たされ、天国気分だったのではないか?犯人の目的は権藤氏の精神を「堕とす」ことにあったのではないか?人を恨み、社会を恨み、自分と同じように彼の魂が堕ちるのを望んでいた。彼は身代金を払い、無情に会社を追い出される。それでも、誰も恨まず、相変わらず靴を作っている。それを知った時の犯人は地獄を味わっていたのではないか?命をかけてまで自分のやったことは、意味をなさなかったと思い知るから。なんて哀れな男なのだろう。最初から最後まで、緊張と不安で不愉快感があった。現代と比べるとテンポは遅い。今の映画って観客を飽きさせないように、なんて配慮があるけどこれは違う。媚びがない(昔は映画って「芸術的」だったけど、今は「アトラクション的」なところがあるかもしれない)やっぱ職人体質監督の映画だな~と強く思いました。リメイク出来るのかな?
[DVD(邦画)] 7点(2010-09-02 10:23:14)
63.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 
あんまり期待せずに観賞しました。全体的な雰囲気が良くて、かなり上手い脚本ではないでしょうか。画面から感じられる不安や虚無は「事故で自分だけ生き残ってしまった事への罪悪感」からきているのかと思いました。が「後悔」「もう愛する人に会えない悲しみ」「浮遊感」であると分かりました。途中、エリックだけ●なのかと思いました。一人個別だったし、そういう錯覚をもたせる方向はあったと思います。全員とは意外性がありました。この映画は「驚き」というより「いきなり未来を奪い取られた者の悲しみ」を感じるものではないでしょうか。命あるものの死亡率は100%だけど、誰もいつ死ぬか分からない。よくある「後悔しない生き方をしよう」ではなく「いつか死ぬとしても、それが訪れる瞬間まで生きてきた事が素晴らしい。決して無駄なことなどない」と訴えているような気がしました。そういう意味で「優しい視点」の映画であると思います。DVD特典になっていた予告を観たのですが、あれでは「サスペンス陰謀あばき映画」みたいですね~;期待した人はがっかりしたんじゃないでしょうか?まだ「事故により心に傷を負った人達の悲しみ」を扱った映画として宣伝した方が良かったのでは?違和感のある宣伝はしないで欲しいですね~;
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-28 10:48:20)(良:2票)
64.  トワイライト~初恋~ 《ネタバレ》 
観賞はDVDレンタルでしかも半額でした。半額クーポンっていいですね~(水野晴夫氏口調でお願いします)「続きもの」だと知っていたので、序章としてはこんなものではないでしょうか?続きが気になります。小説は読んでいないのですが、上手く雰囲気だしてる感じ。日常の中に潜む非現実感の世界観がハマリました。おおげさ感がなくて良かったです。ベースボールは、日頃押さえてる力を発散させる為なんだろうな~(体育の授業って学生の喧嘩を減らす為に考案されたらしいし;)サブタイトル通り見事な純粋っぷりです。大人になるとある程度「損得勘定」が入っちゃうから、素直な純愛が清々しいです。命を狙われたり、足折られても初めて「愛すること」を知ったベラの心は揺らがない。「ずっといっしょにいたい」想いだけから吸血鬼になりたいと思う。それで失うものがあるなんて考えない。命を失っても後悔しないのは本心なのでしょうが、後に残された人の気持ちは考えない。そこが若者の純粋さの怖いところです(強さでもある)ヨーロピアンな雰囲気のベラと、ラテン系のエドワードはアメリカ的に見たら美男美女になるのかな。個人的にはジェイコブの方がタイプvでも、当て馬キャラになりそうで不安ざます;
[DVD(字幕)] 7点(2010-05-17 14:22:05)(良:1票)
65.  ある公爵夫人の生涯 《ネタバレ》 
史実が元で、この時代の女性の話なので少し予想していましたが、予想の範疇でした。特別好きな女優ではないけれど、豪華な美術に埋もれないキーラの美しさはため息もの。初夜の彼女の身体についたコルセットの生々しい痕が、この時代の女性を象徴している。型に押しこまれ心も身体も悲鳴をあげているのが聞こえてくるようだ。社会的な位置を確率出来ない彼女達の生きがいは子供だけ。子供だけが「個」である唯一の証し。家と夫(飼主)の許す範囲の『適度な自由』しか与えられない境遇はペットのよう。夫人の言葉通り「犬と同じ」である。そんな社会に疑問を持つ夫人と、社会を変える夢をもったグレイ氏が惹かれ合うのは当然だったろう。型通りの公爵夫人で満足の女性ならともかく、心に翼をもった彼女にとって、檻のような型を要求する公爵との結婚は不幸だった。公爵は非常に狭小でつまらない男だ。イライザの出産を許したのもグレイ氏が議員になるぐらいの貴族だったからだろう(グレイ氏が庶民階級なら違ったと思う)「世継ぎを産め」と夫人を縛り、それが出来なくなると義母と子供の手紙を使って縛るという情けなさ。連れ戻すのに「お前は私の妻だ。だから連れて帰る」と一人で言う事も出来ないのだ。自分の情けなさに気づかないところがまた哀れである。彼は公爵以外の生き方を知らない。一人の男としての生き方なんて知る事さえ許されなかった。皮肉な事に夫人の自由を奪う事で、自分が「自由で無い」のを知った気がする。夫人もそれが分かったから、この夫となんとかやっていく事にしたのだろう。どの時代のどんな立場の人間でも「自由が無い」事は不幸である。この映画の息苦しい閉塞感と、声にならない心の悲鳴を感じて観賞時は胸が苦しかった。史実でもこの公爵夫人を知った方がもっと感情移入しやすいかも。
[DVD(吹替)] 7点(2010-02-15 11:03:47)(良:1票)
66.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 
いやいや大人はこうあるべき!最後に歓喜の声をあげる生徒達が清々しい。彼等は誰が一番勇気ある行動を取っているか分っている。それが認められる世だと示してやらねば。でなければ「勇気より要領」と考えるようになってしまう。この話は「庇い合い」ではなく「魂の高潔」の話だと思う。問題の根本は校長の態度。学校は「教育」の場であって「裁判所」じゃないのよ。校長は判事じゃないのよ。教育者なら実行犯に「罪に問わないから名乗れ」など促すべき。生徒を脅すなんて卑劣な行為はやるべからず。三人組は本当にバカタレ。高潔さと勇気があれば、級友を救う為に「俺がやった」と名乗っただろう。イキってるだけの幼稚なガキ。チャーリーは「見てない」ではなく「言えない」と言った。どんな時も彼は嘘をついていない。フランクの言葉は「こんな子を学ばせてやってくれ。それが教育の筈だ」という懇願である。文句言うだけの大人と少し違う。正しいから皆が納得した。エロ話をよくしてたのは「死の覚悟」をしつつも生(性)にしがみついてた現れでしょうか。根っから「嫌な奴」じゃないのは姪の態度から分ります。パチーノの演技はさすが。過去が詳しく語られなくとも(全部長男主観)一番苦しんでいるのがガンガン伝わってきた。でも、彼に対等なクリスの演技が良かった。チャーリーは頭良いけど少し気が弱い。金持ち級友は好きじゃないけど羨ましかったり。迷っても純粋で聡明な17歳を自然に演じてた。出ている女性はみんな美人。香りも含めて誰がタイプか考えるのも面白いかな(笑)(シーモアが若くてびっくり!ランディはDr.コトーに見えちゃった;)
[DVD(吹替)] 7点(2009-12-16 15:07:42)(良:1票)
67.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 
リンチ作品なので鑑賞前に「前半は夢」「ブルーは死の意味」という予備知識を仕入れておきました(でないと無理;)初めは夢を話す男性の夢(小説?)かな?と思ってました(彼は作家志望でいっしょにいた男性は出版社の人間とか?)が、劇場から帰ってベティが消えた時「あ、リタの夢か」と思いました。彼女は事故で死んでいて、それからブルーキー(死)を持った。ブルーボックスを開けるのは「死を受け入れる」意味。ベティは守護天使か優しかった母親というリタのイメージではないか? 案の定、ボックスを開けるとリタは消えます。が、その後の展開はどう見てもダイアン(ベティ)が主観;車の中の「ここじゃないでしょ」でやっとダイアンの夢だったと気づき、ジルバ大会の話で確信しました(それで冒頭にしつこく出てた) 分って見るとダイアンが哀れでなりませんでした。リタに優しいベティ。カミーラに優しくしたかったダイアン。彼女に必要とされたかった。「泣き女」の歌は彼女の心そのもの。だから、あんなに泣いていた。オーディションシーンは、リタとベティが部屋で練習していたのが実際ダイアンがやった演技で、本番でやったのが合格した女優の演技かも?(ダイアンは二流女優だった)最初と最後に出て来た老夫婦は「大衆」という意味ではないでしょうか?女優を夢見ていた頃は優しく応援してくれるように感じたけど、犯罪者となったダイアンにとってはあざ笑う存在。「大衆」に追い詰められて自殺する。カウボーイは「殺意」ではないかと解釈してます。パーティーで横切った時、ダイアンはカミーラを殺す決意をしたのではないか。アダムに「二回会う」の意味は、ダイアンはカミーラ殺しが上手くいけば、アダムも殺す気だったのでは? でも、その前に罪悪感から自殺する。夢見て破れて、愛する人に捨てられて殺して、自分も死んでしまう…可哀想な女性の悲しみ、憎しみ、夢、孤独を言葉ではなく、映像でここまで伝えるリンチ監督。さすがですね。
[DVD(吹替)] 7点(2009-12-12 20:00:41)
68.  ローズマリーの赤ちゃん 《ネタバレ》 
若い時に初鑑賞した時は、ラストにローズマリーが赤ん坊を殺すんじゃないか、と思ってビクビクしてた; 果物ナイフで刺したり、抱いたまま窓から飛び降りるとか…でも、そんな事はなくてほっとしたような拍子抜けしたような気分になった; ある程度大人になって、監督の生立ち等知って、他の怖さに気がついた。これは普通の善良な女性が「悪魔崇拝者」になる話じゃないだろうか? ユダヤ系の監督にとって某独裁者は悪魔に等しく、彼の支持者は「悪魔崇拝者」に見えただろう。 この映画の隣人達(悪魔崇拝者)は人間的にとても醜い。彼らに日常を破壊され心の平和も乱されるローズマリー。 しかし「悪魔崇拝者」達に最後まで罰は下されない。自分の妻を「どうぞ陵辱して下さい」と差し出した最低の夫にも。 唾をかけられるだけで俳優としての成功は揺るがない。100人中99人が「雪は黒い」と言う中で「雪は白い」と真実を言い通す事はとても大変だ。 周りから異端児とみなされ、叩かれる。 「●●●万歳!ユダヤ人を収容所に!」と周りが叫ぶ中、「迫害など許されない」と正しい事が言える勇気がある人はどれ程いるだろう? 前の彼女は、悪魔に穢されない為には命を絶たねばならなかった。最後にローズマリーは悪魔(子供)を受け入れる。 これは彼女が「悪魔崇拝者」になった瞬間であり、受け入れるという事は、彼女の心に悪魔が宿った事を意味しているのではないか? もう、不安に怯える事も苦しむ事もない。「苦しめる側」になったのだから…な、なんて怖い映画なんだ… 監督は私達に問いかけているのではないだろうか?あなたも心に悪魔を受け入れる日がくるかもしれない、と…
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-12 00:34:17)(良:1票)
69.  Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 《ネタバレ》 
映画のレベルは高いと思います。脇も存在感のある役者で固め、カメラも演出も洗練されてて重厚な仕上がり。いろんな事が同時進行で進み、人物がからみあってきますが、破綻せずに進むのは脚本が良いのでしょう。観客の受けを狙った派手なシーンや無理矢理な進行で「そんなばかな…」と絶句させられる事もないので、現実的な恐さがありました。スミス君は小物感たっぷりでらしい最後でした。百戦錬磨の殺人鬼に適う訳ないのよ;見せる部分と見せない部分のサジ加減も良かった。娘が自分を殺すんではないか?と不安がるので、ブルックスは自分の父親を殺してるかもな…と思いました。12歳からマーシャルがいるし。「羊」は全然気づかなかったです;確かにラストは彷佛とさせますね。このシーン、私は違和感を覚えました。挑発するなんてブルックスらしくない気がして。でも、マーシャルが止めるにも関わらず娘の為に殺人を犯したり、スミス君を自ら殺したり。あの目を開ける瞬間はマーシャルではない「殺人鬼ブルックス」が生まれた時だとしたら、電話をかける行為も納得出来ます(ケヴン・コスナーは好きな役者ではないけど、やっぱり上手いわ~と思いました)思えばこの映画の最初の殺人から予兆はあったのかも。カーテンの確認してないし、デミも死体の配置がらしくないって言ってるし。「完璧」なマーシャルではないブルックスの殺人はいつか捕まりそうです。新しさはないけど「一流シェフが作った卵だけのプレーンオムレツ」って感じで美味しく味わえた映画でした。が、やっぱり量が少ないのがもの足りない;「他の料理も注文してね(続編見てね)」って事でしょうか?;一発入魂して欲しかったかな~;
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-07 11:41:46)(良:1票)
70.  レッド・バイオリン 《ネタバレ》 
なんの予備知識もなく鑑賞しました。タロット占いで「旅をします」と言われていたので、当初は男の子が世界各国をバイオリンと共に渡り歩き、偉大なバイオリニストになる話なのかなと思いました。が、亡くなってしまうので、そこからバイオリンが時代を渡る話なんだと分かりました。一番せつなかったのは、中国の時代。芸術家にとって芸術そのものが否定されるのは魂が引き裂かれる想いがする事だろう。あのネガネの男の子が成長してオークションに来ていたので、きっとお母さんとの約束を破った事をずっと気に病んでいたのだろう、と感じました。鑑定士がバイオリンを手にした時、もしかして死んでしまうのではと不吉な予感を覚えましたが、はずれてよかった;車が止まってホーっとしました。彼はバイオリン工房にいた弟子の子孫だった、なんてオチがあるかと思いきや、なかったのでちょっと拍子抜け。けれど、彼が娘に電話していたので「もしやこの娘がアンナの生まれ変わり。またはアンナに姉妹がいてその子孫では?」と考えた時、つながったような気がしました。「血の元に還った」として「旅が終わった」のも納得。なので私としてはこの解釈でいきたいと思います(笑)某学者の「世界中のあらゆる場所、あらゆる時代にあらゆる文明が誕生して消えていったが、音楽のない文明は一つもなかった」という言葉が深く噛みしめられる映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-14 16:48:41)
71.  サイコ2 《ネタバレ》 
「サイコ」の続編、と聞いてあまり期待せずに観賞しましたが、どうして、どうして。見事な正統派続編で良作だったと思います。ノーマンは本当に治っているのか?女性は助かるのか?殺しているのは誰か?謎が不気味さに覆われた形で物語は進み、その緊迫感が怖いのなんの;幼い頃の話をするノーマンが哀れで可哀想でした。精神に異常をきたしたものは、それだけの理由がある。前作で真相を暴いた妹が、ノーマンばりの異常者に見えてゾッとしました。彼女も過去の傷からこうなったのでしょうか?「闇を見つめる時、闇もこちらを見つめている」の言葉を思いだしました。心理学的に言えば、精神不安定な犯罪者は、犯罪を犯した場所から離れなければならないそうです。ノーマンが最後にああなったのも、彼が「犯罪者」になった場所に戻ってきたからでしょう。あの呪われた「母のいる家」に。正気だった時のノーマンは孤独で自分の過去を自覚して辛そうでしたが、最後は解放されたかのようでした。「人間って他人を犠牲にしても、自分が楽になる方を選ぶんだな…」と痛切に思いました。それが一番恐ろしかったです。 正気を失った殺人鬼でいる間は自分の犯した罪と向き合わずにすむのだから。
[地上波(吹替)] 7点(2009-08-20 11:34:13)(良:1票)
72.  つぐない 《ネタバレ》 
自分が加害者である、と認める事は人の罪を許すのと同じぐらい難しい。彼女は小さい頃はあんなに独裁的だったのに、すっかり変わっていた。人を思いやる心をもち、人の悲しみも罪も美しさも理解していた。「救済」を行う決意も固めていた。自分の罪を認め、一生を償いに捧げる覚悟をしていたからだろう。その勇気は相当なものだと思う。「つぐない」とは、決して許されない事を前提に行うべきものである。「許される」為に行う償いは、償いではなく、その時点でその人に許される資格はない。無期懲役の囚人が「仮釈放」の申請を自ら行う事が出来ないのと同じように(申請する時点で「仮釈放」の資格はない、と判断される為)彼女はそれを分かっていた。自分の罪を認め、決して忘れぬように決めていたに違い無い。だが、病気の為に彼女は「忘れる」ようになってしまう。だから、世界中の人に「自分の罪を知ってもらい、覚えてもらう」為に小説を書いたのではないだろうか?決して「許される」為に書いたのではないと思う。最後の結末の変更は読者の為であろう(彼女の他人に対する優しさが感じられる)彼女のした事は取り返しのつかぬ事体を招いてしまった。しかし、誰にでも起こり得る事である。その時、彼女のように勇気をもって「自分の罪を認められる」人が、何人いるだろうか?「罪の告白」はかなりの勇気と覚悟を必要とする。罪を自覚し、一番苦しんでいたのは彼女であろう。最後まで彼女は苦しみ続ける事を選んだ。それが「つぐない」なのだから…加害者の苦しみと哀しみを美しく描いたこの作品は稀な映画であると思う(蛇足ながら…いくら美しいからって監督、キーラにタバコ吸わせすぎです;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-18 10:42:34)(良:2票)
73.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
「オペラ座の怪人」はやはりオペラで観てこそだな、と確信させてくれた映画でした。昔、完全な映画としての「オペラ座の怪人」を観賞した事があったのですが、魅力が今ひとつ伝わりにくかったように思います。劇中劇も混同する事なく生かされていて、あの音楽と豪華な雰囲気と、光と影の無気味な美しさに酔いしれる事が出来ました(惜しむは「舞台で観たい~!」と思ってしまう事でしょうか^^;)感動したのはなんといってもラスト。ファントムがクリスティーヌを解放するところ。相手の拒絶する権利、選択する自由を奪って得られるものは愛ではなく、服従です。ファントムはクリスティーヌを愛していると言いながら、彼女を支配しようとしていました。愛を知らない彼はそれが分からない。しかし、クリスティーヌが愛を与えた事によって彼は初めて愛を知る。だからこそクリスティーヌの「拒絶する権利」と「選択する自由」を認める事が出来たのだと思うのです。「愛とは与えるものである」という事を哀しく、美しく、感じさせてくれる感動のシーンでした。ファントムが死んでいるのか生きているの曖昧にした脚本も素晴らしく、舞台演出も見事でした。この映画は本当に「オペラ座の怪人」が好きな人達によって作られているのだ、と思う映画でした(しかしやっぱり舞台で観たいな~;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-27 14:31:43)(良:2票)
74.  アンダーワールド:ビギンズ 《ネタバレ》 
私はルシアンひいきなので好印象で満足しました。(彼に感情移入出来るかどうかで評価は分かれるところだと思います)恋人と結ばれない運命である事はもう知ってましたし。この映画の世界観は気に入っていましたし、一見「獣」と蔑まれそうな「狼一族」が「ヴァンパイア一族」より崇高な感じがするのが特に好きです(裏切りもないし)「1」で、ルシアンは「狼一族」の長なのに獣に変貌せずに、心まで獣になって堕ちるないように、と仲間に言い聞かせていた(だから最期があっけなかったのはショックでした;)その不満を今回の「ビギンズ」がはらしてくれたので、余計に満足感があったのかもしれません。 ビクターが最低の君主であったのが、嫌という程確認出来ます;本当に最低;しかし、そんな最低な君主を威厳と品格を常に感じさせた役者さんの力量に感服しました。予告とかチラシを観ていると「ルシアンとソーニャの悲恋」が軸となっている気がしますが、どちらかと言うと「狼一族の魂の解放」がテーマになっていた気がします。終盤の、ルシアンの元に一丸となった「狼一族」が城を制圧する様は、まさしく「奴隷」から「戦士」になった解放の場面だと思います。 「1、2」を観てないとちょっと分かりにくいでしょうか。R15指定だけあって残虐なシーンは多かったです;(「他人の尊厳を踏みにじる」残酷さも多かった…)万人受けする映画ではないかもしれませんが、このシリーズの世界観が好きで、なおかつルシアンが好きなら満足すると思います(マイケルとセリーンが好きな方はちょっとがっかりするかもしれません;見事なまでに出てきませんから;)
[映画館(吹替)] 7点(2009-03-17 11:04:02)(良:2票)
75.  アンダーワールド/エボリューション 《ネタバレ》 
何の期待もせずに観賞しましたので、この点数です。映像美とアクションに酔いしれる映画なのだ、と割り切きって観ると好印象になると思います。CGなんかも「こんなものだろ」と思って見ると結構頑張っているのではないでしょうか。俳優さんが「ヨーロッパの雰囲気があるな~」と思っていたら、イギリスの俳優さんなんですね。ケイトも前作よりアクション慣れしているようで、動きが良かった。特に「止め」が前作より決まっていた感じがする。監督はMTV畑の人なのですね。どうりで映像は洗練されてて美しい。美術も青白いカラー画像も綺麗だった。ストーリーは今回も前作と同じで「詰め込み過ぎ」の感は否めず…設定はすごくいいのに、活かしきれてないような…視点を絞ったらいいのにな~と思いました。「ウィリアムの復活」か「不死者の父親」のどちらかに焦点を合わせれば良かったのでは?と思いました。設定も俳優も美術もいいのに…非常にもったいない。 近年における「吸血鬼」映画は、ダークな雰囲気とアクションに比重がかけられているので、ストーリー性はあんまり期待しちゃいけないのかもしれません。悲しいですが;敵が吸血鬼かゾンビか、の違いだけで「バイオ~」などとあまり変わらないのでは?「吸血鬼」である意味が薄れてきているように思います。十字架やら太陽の光を浴びると灰になる、という設定も今ではほとんど見られず…味付け程度;昔は「日が沈む」とか「もうすぐ朝」とかストーリーにおいて重要で「吸血鬼」であるという意味があったものですが;何より、日本の数々の「吸血鬼話」と違って「人外」である事の苦悩とかま~ったくナッシング。そう考えると「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」がハリウッドの「吸血鬼」映画において、かなり異色作だったのだな~と実感。もう一度、「吸血鬼」である事の意味を感じられる「吸血鬼話」が見たいな~と思いました。
[DVD(吹替)] 7点(2009-01-20 17:13:45)
76.  時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 
超有名な映画でタイトルだけはずっと前から知っていましたが、監督が監督なだけにちょっと大人になってから観た方がいいだろうと思っていまして、やっと観賞しました。大人になってから観た方が絶対いいです;良くも悪くもインパクト有り過ぎ;実際、この映画が封切られた時、英国の若者の犯罪率が上がった、と聞いた事があります。 この監督の映画は「ストーリー」や「主人公の人生」を描いているのではなく、社会とか世界のうねり、狂った巨大な流れ、などを哲学的に見せているような印象です。風刺映画、と言った方がしっくりくる感じがしました。 この映画は狂った社会をブラックユーモア風に味付けしました、みたいな感じではないでしょうか? どれほど破壊的な人物で、人を破滅させたり、冷徹に殺害する人物でも、結局「社会」という狂った化け物に適う筈がないのだ、と。
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-08 10:43:32)
77.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
監督がアン・リーとは知らなかった。どうりであの空気感は見事です。言葉の裏側、交差する視線がもたらす緊迫感は並の映画ではだせないのではないでしょうか。 「ワイルドスワン」という本を読んだことがあるので、その予備知識があったうえでこの映画を観れたのはラッキーでした。 女性の賭けマージャンは孤独な上流階級の奥方の象徴だとか、国民党の性質と信念、日本人街で見せた日本軍の堕落振り、アメリカ参戦によって、敗北が決定的となった日本の犬になっていたイーの涙ぐんだ姿。そういった歴史と文化の裏側を知って観るのと観ないのとでは印象の深さがまったく違うと思います。ある程度の歴史を知ってから鑑賞されることをお勧めします。 ふと、思いましたが、宝石店でイーがワンに「ずっといる」と言ったのは、彼女といっしょに逃亡する事を考えていたのではないでしょうか。破滅する前にすべてを捨てて、唯一信じられる女性と共に。イーはこれで完全に逃亡する気力を失ったでしょうから、彼に待っているのは破滅だけかもしれません。 「本当の愛」を示す事が、二人にとっての「破滅」になるとは…悲しすぎる、しかし深い悲恋映画でした。
[DVD(吹替)] 7点(2008-12-31 13:29:34)
78.  記憶の棘 《ネタバレ》 
これは行間を読む物語というか、裏側を察する映画ではないだろうか、と思いました。終盤になっていろんな事が明らかにされていく。それは推理小説のような「謎」ではなく、人の心理。何故、この人はこんな行動をとっていたのか、という感情が明らかにされるので、そこを分かったうえでもう一度観賞すると奥深い。例えば、アナの母親が少年をうさんくさそうな目で始終見ているが、それは少年を疑っているのではなく、かつての婿が嫌いだったから、という理由が分かったりする。 ラストのアナのせつない感情の爆発が痛々しい。刺は決して抜ける事はないのだろう、と察せられる。彼は刺の刺さった彼女を愛さなければならないのだろう。自分では刺を抜く事は出来ないのだから。
[DVD(吹替)] 7点(2008-12-18 15:49:48)
79.  愛人/ラマン 《ネタバレ》 
かなり昔、アジアの湿度と埃っぽい雰囲気に憧れて映画館で観賞致しました。 映像と音楽が素晴らしかったです。 話題になっていた情事のシーンも猥褻ではなく、エロティックの範囲で撮られていたように思います。 少女の年齢と二人の関係は道徳的な角度からはいろいろと問題があると思うのですが、観賞時は映像と音楽に聞き惚れて、この世界にダイブするのがよろしいかと思います。 少女の「私はついてる」の言葉通り、15歳半の少女が愛人になるにあたって、あの御曹子は精神的ショックが少ないですむ相手だったんじゃないでしょうか?(中国人だったり、なれてるとか、育ちが良い、とか) 後日、DVDで鑑賞した時に吹き替えで観たのですが、ナレーションの女性がとても良かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-13 17:19:26)
80.  約束のネバーランド 《ネタバレ》 
原作未読。映画の予告を観た時から期待はしていなかったがストーリーが気になったので地上波で鑑賞。俳優の演技も初めから期待していなかったので気にせず見れました。「鬼」の食用とはびっくりでした。 そうね、ウシさんもストレスのない飼育方法で育てたほうが高いし味がいいのよね。でも学習させる意味あるの?食用なら下手に知恵をつけない方がいいのでは?と思っていたら「エサの頭脳」が味と鬼の知能に関係あるという設定はお見事でした。 クローネとイザゼラはもう少しギラギラした攻防が見たかったな~原作通りなのでしょうか? 美しい景色とその奥にある真実残酷さの対比はお見事でしたがやっぱ残酷さがどこか「甘い」よね…;邦画の限界かな~と思いました。普段はメロドラマしか見ない母がしっかり最後まで鑑賞して 「怖かったね~子供達これから大丈夫だといいね~」と言っていたので+1点で(^^;)
[地上波(邦画)] 6点(2022-04-06 20:44:40)
021.27%
121.27%
242.53%
353.16%
4159.49%
52616.46%
62515.82%
74327.22%
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9106.33%
1000.00%

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