61. 憧れのハワイ航路
「東京の花売娘」「啼くな小鳩よ」「憧れのハワイ航路」と戦後の歌謡界に君臨した岡晴夫の出演映画。歌はたくさん聴いたけど映画はもちろん初めて。さらに天才少女歌手美空ひばり出演とあっては見ずにいられなかったが、映画自体は甚だ・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2013-11-04 11:17:58) |
62. 西鶴一代女
戦後の映画なのにずいぶん古臭さを感じるし映像も暗い。そこに描かれている女性像はなお暗い。溝口映画なのに好きになれない作品だ。それに田中絹代の年齢に合わない娘役というのもぞっとする。 [DVD(邦画)] 5点(2013-11-03 22:52:43) |
63. 七変化狸御殿
子どもの頃見た美空ひばり主演映画のひとつ。今見直してみてもおもしろい。ストーリーも明快だ。狸の七変化にふさわしく、いろんな者に化け歌いまくるひばりがすばらしいし、堺駿二のおどけた格好がまた良い。奈良光枝も歌だけでなく顔も見せてるし、広沢虎造の森の石松だって見ることができるのも貴重。蝙蝠軍団のコウモリ傘には笑ってしまう。 [映画館(邦画)] 7点(2013-11-02 05:59:44) |
64. 素直な悪女
男を惑わす悪女と言ってしまえばそれまでだが、彼女が孤児院で育った経緯を考えると寂しがりやの女なのかもしれない。色気と奔放さが魅力のBBこその映画ではあるが・・・。 邦題はいまいち、原題の「そして神は…女を創造された」という聖書の一節の方が魅力的。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-26 11:49:50) |
65. 風船
あまり好きになれない物語だが、芦川いづみだけは断然良い。 [DVD(邦画)] 6点(2013-10-22 15:31:33) |
66. 異母兄弟
当時30代のバリバリの若手だった三國連太郎が大女優田中絹代と共演、老け役を演じるため上下の歯を10本抜いた話は有名。それほどまで役に対する意気込みは強く、軍国主義の権化のような鬼頭範太郎を堂々と演じた。対する田中絹代は女中の身から後妻に収まった故、辛抱に辛抱を重ねた生活を送り、ようやく本心が言えたのは戦後になった幕際。あまりに悲惨と言えば悲惨。高千穂ひづるの明るい歌声も一瞬のものだったのか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-10-04 10:13:23) |
67. 荷車の歌
農村の嫁、そして母の生き様を描いた名作。私もそのような人を身近に見てきただけに、切実なものを感じてならない。三國連太郎と望月優子の名演は文句ないが、姉左幸子の子ども時代を演じた左時枝にたまらない愛着を覚える。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-10-03 06:15:05) |
68. オードリー・ヘップバーンの モンテカルロへ行こう
他の皆さんと同様「オードリーの~」の名前につられて見た口だが、出番が少ないとは言え一応ちゃんと出演しているし文句は言えないだろう。いやオードリーが例え出ていなかったにせよ、大変楽しい映画だ。多少ドタバタ(すぎるかな)だけど、これくらい許容範囲。ところでジャンルにミュージカルを加えても良いのでは・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-09-28 16:16:21) |
69. 智恵子抄(1957)
資産家の家に生まれ、画家の道を歩んだ長沼智恵子。彫刻家で詩人の高村光太郎と出会い結婚したが、実家の破産等で心労が多く、病気がちだった彼女の身体が次第に蝕まれていく。映画としてはおもしろみに欠けるが、智恵子を演じる原節子は絶品、大変際だっている。統合失調症で記憶が薄れていくなかで、時折蘇る記憶にハッとする。 [映画館(邦画)] 6点(2013-09-27 23:10:52) |
70. 武蔵野夫人
終戦前に手に入れた青酸カリがラストで出てくるとは夢にも思ってなかった。ただ他の方も言っておられるように田中絹代と片山明彦の親子ほどの年齢差がひっかかる。ストーリーも釈然としなくて、私の好みで合わない。ジャンルもラブストーリーでなく、女の生き方、ドラマと見た方が・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2013-09-17 06:52:50) |
71. 遠い雲
メロドラマには違いないが、昔は家や世間体に泣かされるドラマも多かった。しかしさすがは木下恵介、しっかりと感情が込められている。そういえば、昔の電話は交換手がいて何番をお願いしますと言ってつないでもらっていたんだったっけ。 [DVD(邦画)] 7点(2013-09-10 20:17:15) |
72. ウンベルトD
この歳になると身につまされる映画だ。戦後のイタリアと現在の日本でどれくらい違うだろうか。愛犬フライクが救い。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-03 20:47:20) |
73. ベリッシマ
我が娘を映画スターにというマニャーニの母親ぶりがすさまじい。そしてまたしゃべりまくること、どうぞご勝手にと言いたくなるほどうんざりだ。だが、我が娘のなく姿を見て、我に返る。コメディとして笑えるおもしろさではなく、敗戦からほどないイタリアの貧しさと悲しささえも感じる。ところでオープニングにオーケストラが登場し、ドニゼッティのオペラを演奏し始めたのにはびっくり。 [DVD(字幕)] 6点(2013-08-31 23:39:01) |
74. 夕やけ雲
人間関係や心情を切々と表現することの多い木下恵介監督らしい作品。77分と短い映画の中に、家族や友との別れや青春の思い出を描く秀作。妹の和枝が叔父さんに引き取られていく場面は思わず涙ぐんでしまった。なお主人公の洋一と遠メガネの少女は、あの「野菊の如き君なりき」のふたりである。 [DVD(邦画)] 8点(2013-08-28 06:04:42) |
75. 第十七捕虜収容所
捕虜を扱った映画だけど「大いなる幻影」とは違って娯楽映画の色彩が強い。米国映画で監督がビリー・ワイルダーだからかもしれないが、戦争の悲惨さに的を絞ったものではないと思えば腹は立たない。というか、やっぱりワイルダーらしいおもしろさだ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-27 15:49:00) |
76. 嘆きのテレーズ
登場人物特に主人公二人に共感できぬままだらだらと見ていたが、列車のシーンあたりからだんだんおもしろくなった。それにしても大の男たちが双六とはなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-16 09:12:10) |
77. 祇園囃子
新憲法が交付され基本的人権が尊重されるような時代になってもなお残る古くからのしきたり、そして悲しくも切ないさだめ。旦那というスポンサーを持つ持たないなど、一間華やかに見える芸妓の表と裏の世界が垣間見える。この手の女性を描かせたら溝口の右に出る者はない。若尾文子の若さに驚くと共に、理不尽なさだめを強く生きる木暮実千代にうたれる。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-11 06:03:33) |
78. どん底(1957)
間仕切りもなく、ただ寝床にムシロを敷いただけのルンペン宿、暗く薄汚れた雰囲気はまさしくゴーリキーの戯曲、よくぞロシア文学を日本に置き換えたと感心。それぞれ癖のある人物描写が良い。台詞に舞台劇のおもしろさがあるのだが、やや聞き取りにくい。主人公のこそ泥が侍っぽく見えるのはやはり三船だからだろうか。 [DVD(邦画)] 5点(2013-08-09 02:04:47) |
79. 噂の女
他の溝口作品に比べ地味というか少々物足りない。特に前半は退屈で、後半若い医者をめぐって田中絹代と久我美子が対立するあたりからおもしろくなった。ところであの的場という医者、木村功かなとちょっとまちがえたのだけど、何だったんだろう。ラストの明るく再生した 久我美子に安堵。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-03 06:14:55) |
80. 裸足の伯爵夫人
何と言っても伯爵夫人のエヴァ・ガードナーがすばらしい。大柄で彫りの深いエキゾチックな容姿は美しく、この映画ではトップダンサー、ハリウッド女優、そして伯爵夫人と観衆を引きつける。物怖じせず威厳に満ちた振る舞いは、周囲の男性陣、ロッサノ・ブラッツィにしてもハンフリー・ボガートにしてもかすんでしまうほど。回想形式で語られる物語もすばらしく、映画と現実の世界を錯綜させ情熱を感じる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-31 08:06:47) |