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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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781.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
反発していたマクマーフィと婦長がわかり合えるストーリーかと思っていたら、結末がロボトミーとはまったくの予想外。 そいつが一人いるだけでグループが良い意味でも悪い意味でも変わってしまうような存在。 マクマーフィがそのタイプで、他の患者たちは人間性を取り戻したかのように生き生きしてきたのだけど。 出る杭は打たれる。 既存の秩序を破壊する異端者は抹殺されるのが習い。 精神病院の非人間的な管理体制の怖さがじんわりとくる。 ラストに大男のチーフが、マクマーフィのやりたかった形で脱走したのが救い。  婦長の淡々とした管理と融通の利かなさが、強圧的に大声を張り上げるようなステレオタイプではなくて、やけにリアルだった。 ジャック・ニコルソンもハマリ役。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-16 13:13:50)
782.  うつせみ
キム・ギドク監督の作品には奇妙な人物や設定が出てくる。 ここでの二人もそう。 留守宅にピッキングで上がりこんで、修理や洗濯をする男。 夫に暴力を振るわれている女との不思議なラブストーリー。 これは夢か現実か。 メタフィーに満ちたこの手の映画はまったく肌に合わない。 ほとんど無言劇というのもダメだった。
[DVD(吹替)] 2点(2014-10-16 01:11:09)
783.  ゾンビアス
巨大寄生虫、ゴキブリ、ウンコまみれのゾンビ、おならやゲロのオンパレード。 とにかく下品で汚らしくて不快。 悪趣味の極みで、下ネタ好きの学生が悪ノリして作ったかのようで笑えない。 スカトロ系がダメな人は見てはいけない。 男子小学生たちに見せれば、間違いなく大盛り上がりしそうだけど。  出演者、特にフルヌードになった女優が気の毒で、脱ぎ損としか思えない。 天才テレビ君の人気子役だったのに、どこでどう間違ってこの選択になったのか。 主演ということでこの役を受けたのだろうが、中村有沙にとって黒歴史となるかも。 こんな文字通りのクソ映画より、この女優がこの作品に出演した葛藤を映画化したほうが遥かに良作になりそう。 もし、身内やファンだったら、この監督と事務所に殺意が芽生えるのでは? 作品としては0点だが、中村有紗に+1点。 今後の活動が気になる。 ナナ隊員の黒歴史を持つ松嶋菜々子くらい強かにビッグになってほしい。
[インターネット(字幕)] 1点(2014-10-15 09:21:44)(良:1票)
784.  子猫をお願い 《ネタバレ》 
仲良し5人が高校から社会に出てそれぞれの人生を歩んでいく。 「それぞれの都合」で子猫がたらい回しにされ、あんなに仲良く結束して見えた5人の間にも「それぞれの都合」が入り込んで亀裂が生じる。 そこにはある種のエゴがあるが、それがあるからこそ人は一人で立っていかなければならないのだろう。 その上でぶつかったり折り合いをつけたり、互いを認めあったりして、相手との関係も新たに構築できるのかもしれない。 「それぞれの都合」に振り回されたかに見える子猫が、強かに生きていくことを願う。  仕事や家庭への不満、孤独感、コンプレックス、いつも一緒にいた友達の間に生じる環境や価値観のズレなど、誰にでも思い当たりそうなことが等身大に描かれる。 ただ、それが心を揺らすような物語に昇華できていないような…。 青春時代のスケッチを淡々と見せられているようで、「そういうのあるよね」「わかるわかる」とは思えるが、それ以上に訴えかけてくるものがなかった。 ラストも消化不良。 女性監督が脚本も兼ねて作った映画で、この年代の女の子の微妙な心情を細やかに織り込んでいて、やっぱり女性向けの作品だとは思う。 ペ・ドゥナはさすがの存在感。いい役者だ。
[DVD(字幕)] 4点(2014-10-14 22:51:51)
785.  仁義なき戦い 広島死闘篇
シリーズ2作目だが、1作目のほうが面白かった。 山中に焦点が当たっているので、実質的な主役は北大路欣哉。 ただ、あまりにも簡単に騙されているので、頼りなくて魅力を感じない。 出番は北大路ほど多くないが、狂犬のように暴れまわる大友を演じた千葉真一のほうが印象に残るくらい。 一番印象に残ったのは梶芽衣子で、驚くほどにキレイで魅力的。
[ビデオ(邦画)] 5点(2014-10-14 04:14:10)
786.  ラヴソング 《ネタバレ》 
よくある恋愛ものかと思ったが、ありきたりではないラブストーリーが面白かった。 婚約者がいるのに香港で出会った女とセフレのような関係になる男は、純愛ものの主人公らしくはない。 そこに、綺麗ごとに収まらない人間臭さが感じられた。 婚約者にとっては、とんでもない不埒な男だろうけど。 婚約者に嫌な面が描かれていれば男への同情もできたのかもしれないが、あれでは男に同情の余地はない。 ただ、それが嫌悪感にはつながらなかったのが救い。 大陸から出てきて香港ドリームを抱いた二人の日々が貧しくも眩しい。  マギー・チャンは綺麗とは思わなかったが、表情が良い。 その演技力に魅せられる。 大晦日に初めてキスした時や、再会して別れ際に自分の気持ちが抑えきれなくなった時など、素晴らしかった。 エリック・ツァンは腹黒いヤクザ役かと思ったが、悪ぶって別れてあげようとする男気にシビレた。 その男気のせいで、逆にレイキウは別れを告げられなくなってしまったが。  シウクワンとレイキウは、惹かれあっていながらもフラフラとスレ違いの繰り返し。 じれったくてフラストレーションが募る。 それが、ラストにニューヨークの街角でバッタリ再会するなんて、どれだけ天文学的確率なんだか。 でも、そこに目をつぶってファンタジーとして楽しむのも悪くはない。 見つめ合う二人の笑顔に拍手。  外国が舞台なのに、昭和の臭いがする映画。 テレサ・テンの歌が効いているせいもあるのだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-14 04:10:45)(良:2票)
787.  その男、凶暴につき 《ネタバレ》 
主人公のキャラがいい。 冒頭からクソガキどものホームレスいじめで不快指数を上げられる。 それを、主人公の刑事がクソガキの家に上がりこんでをボコボコにすることで溜飲を下げてくれる。 妹に手を出した男を苛める様子がどこかお茶目で微笑ましい。  ところが、後半になって暴力は陰惨にエスカレート。 躊躇なく銃口を敵に向ける、殺るか殺られるかの世界。 狂気と狂気がぶつかる武と白竜の対決は見応えがあった。 マワされてシャブ漬けにされた妹を射殺する主人公に凄みを感じる。 破壊願望を持って、死に向かってひた走っているかのよう。 何もかもが壊れてしまうラストに虚しさが余韻となって漂う。  ただ、ヘタレキャラの菊池を岩城の跡を継ぐ悪党にしたのはやりすぎ。 野沢尚の脚本にしては作中意味のわかりにくいシーンがあると思ったが、武が勝手に改変したようだ。 北野作品にしばしば見られる省略表現(例えば、岩城と我妻の会話の内容)のため、野沢作品とはまた違った印象を受ける。 基本的な作り方が全然違うので、ドラマツルギーに従って緻密に積み上げたものを変えられて野沢尚は相当頭に来たのではないか。  粗も見えるが、それでも初監督でこれなら大したもの。 北野カラーがちゃんと出ている。 当初は深作欣司が監督をする予定だったらしく、深作監督の『仁義なき戦い』を彷彿させるバイオレンスでもあったが、それよりも乾いたインパクトを与える。 『仁義なき戦い』は野心や欲望が渦巻いたものだったが、本作は憎悪や怒り、暴力への衝動に徹している。
[DVD(邦画)] 7点(2014-10-13 23:39:36)(良:1票)
788.  ラストサマー 《ネタバレ》 
ストーリーが破綻しているので、怖いというより疲れる。 一体犯人は誰なのか、もったいつけて引っ張ったわりには、おまえ誰だよ状態でキョトンとしてしまう。 人間関係のネタばらしも下手で、頭に入ってこない。 ベンは車にはねられる前にデヴィッドを殺していたのだろうけど、その辺りのことがわかりやすく描けていない。 突っ込みどころも満載で、呆れるくらい穴だらけ。 カニまみれのマックスの死体が、トランクから一瞬で消えたのはマジックか? 4人が車で轢いたのは犯人のベンだったということだが、顔が潰れていたはずなのに痕跡もなくなっている。 ベンが殺されても蘇生する化け物なら話はつながるのだが、一応生身の人間の設定みたいだし。  怖がらせ方もズレている。 デヴィッドの姉メリッサの挙動が浮いて見える。 例えば、車の中のジェーンらを呼び止めるために、すごい勢いで現われて窓をありえないくらい強く叩く。 ただ観客をビックリさせたいための演出で、登場人物の行動としてチグハグ。 血のついた包丁を持って殺人鬼と紛うような演出も、わざとらしすぎて冷める。  ラストも意味不明。 シャワールームで襲い掛かるのが誰だかわからず、まさかの夢オチ? 脚本も演出もお粗末で、見て損した。
[地上波(吹替)] 2点(2014-10-13 22:33:04)
789.  仁義なき戦い
一時期このシリーズにハマったが、なんでハマったんだろう。 暴力的な猛々しさへの無いものねだりか。 それぞれの欲望や思惑が錯綜し、陰謀、裏切りの終わりない抗争に不毛な虚しさが漂う。 今や大御所となった面々が、みんな若くて面構えがギラギラしてる。 梅宮&菅原の兄弟分の男気あふれる暴れっぷりと、対照的に金子信雄演じる山守組長のクズっぷりが見事。 戦国時代の権謀術数を見るようでおもしろい。
[ビデオ(邦画)] 7点(2014-10-12 21:57:05)
790.  アポロ13 《ネタバレ》 
アポロ13号の実話は知らなかったので、その舞台裏を見る面白さはある。 11号の月面着陸でクライマックスを迎え、13号にもなると宇宙飛行に慣れてしまった世間の反応の鈍さがリアル。 テレビ中継もなく、それを知らずに一生懸命地球に呼びかける飛行士たちが切なかった。 アクシデントによる危機で、一転して注目を集めることになったのが皮肉。 当初の目的からすれば失敗だけど、筋書きのないドラマなら大成功ってところか。
[DVD(吹替)] 6点(2014-10-12 00:36:01)
791.  黄昏(1981) 《ネタバレ》 
エセルのすべてを包み込むような人柄が素晴らしい。 慈愛にあふれ、ボケの入ってきた夫を常に気に掛け支えている。 妻、母、祖母、どの立場であっても理想的で、大好きにならずにはいられない。 対して、ノーマンは老人の嫌なところをしっかり見せてくれる。 プライドが高く自分の非を認めず、嫌味ったらしい冗談を好み、無神経な言葉で相手を傷つける。 プライドの高さゆえに老いを恐怖して目をそらし、虚勢を張ってしまう。 ノーマンがかまどの失火で少年を理不尽に怒ったのは、その最たるもの。 子供だったら普通それだけで祖父のことが大嫌いになるもので、たとえ祖母のとりなしがあってもすぐに許せるほどの寛容さはないはず。 大人でもそうした老人を理解してあげるのは人生の機微を味わってからなのに、随分と物分かりのいいできた子供のようだ。  ノーマンがチェルシーと違って少年と打ち解けたのは、年を取って子供と同じ目線に立てるようになったから。 同じレベルで釣りを楽しみエキサイトしているが、チェルシーとは厳格な父の立場を崩せずそうした関係が築けなかった。 私生活で不仲だったフォンダ親子を重ねれば感慨深いものがあるものの、作品だけを見つめるならばノーマンとチェルシーの描写は物足りない。 チェルシーが母に父の不満を吐露している場面があったが、セリフが説明的に感じた。 セリフで全部説明するのではなく、そうした二人のこじれた関係がはっきりわかる出来事をサイコロゲーム以外にも積み重ねてほしかった。 そうすれば、もう少し娘の気持ちにも感情移入できた気がする。 志賀直哉の『和解』には感動した覚えがあるのに、この父と娘の確執と和解は心に入ってこなかった。 ヘンリーとジェーンの実話を映画化したほうがよかったような…。  『12人の怒れる男』の若かりしヘンリー・フォンダと本作を重ねて、「老い」というものを考えさせられる。 誰にでも人生の黄昏はやってくるし、それをどう迎えるかというのは逃れられない課題でもある。 静かでじんわりとくるタイプの物語ではあったけど、観るタイミングがズレていたのかも。 もう少し年を取れば、また観てみたい。
[DVD(吹替)] 5点(2014-10-11 21:56:04)
792.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
誘拐という行為はとんでもない犯罪だし、家庭を滅茶苦茶にされた夫婦は殺しても飽き足りないだろう。 でも、子供が犯人を慕うのは無理もない。 「ひな鳥は最初に見た動くものを母鳥と思いこむ」 ローレンツの刷り込み理論からもうかがえるが、幼い少女にとってはすべてをかけて愛してくれた母に違いない。  子役はとても良かったが、永作博美の母は若くて綺麗すぎて、あまり母のイメージが重なってこない。 それでも、別れの場面では少しウルッとはきたけれど。 恵理菜が愛情をいっぱい受けた昔を思い出して、子供を育てる決意を新たに。 それは光の見える綺麗なラストに見えるが、その子の父は愛する男でなくても良かったのだろうか。 そもそも不倫男とあっさり別れる程度の関係でありながら子供を作ってしまうのは、考え足らずで無責任のような。 そう考えると、意地悪な見方をすれば恵理菜も希和子も同様に考えたらずで一人よがり、自分に酔ってるとも言える。  永作は童顔もあってか、いつまでも老けないのでビックリする。 40オーバーとはとても思えない。 井上真央と劇団ひとりがキスしていたのが、別にファンでもないんだけど何か嫌。 劇団ひとりにはキス我慢選手権のイメージがあるので、それと重なってしまう。 それに芸人と女優のラブシーンは、なんだか芸人が裏で自慢しているような気がして、雑念が邪魔して入り込めない。 実際はそんなことはないにしても、勝手なイメージで。
[DVD(邦画)] 6点(2014-10-11 00:22:44)(笑:1票) (良:2票)
793.  戦争と一人の女 《ネタバレ》 
主演女優の棒読み状態がすごく気になる。 坂口安吾原作で台詞が小説風なこともあるのだろうが、江口のりこは他の作品だとこんな風ではないので、感情のない女の演出だろうか。 それにしても違和感があり、狙いとしてもハズしている。 濡れ場はあっても少しもエロくなく、演技の下手なブサイクにしか見えず、江口の良さがまったく感じられない。  戦争で片腕となった帰還兵・大平が起こす強姦連続殺人。 その男に強姦され首を絞められて初めて感じる主人公。 そんなものに共感も何もできたもんじゃない。 死に瀕したときに生の本能に目覚めるということかもしれないが、見方によってはチンケなAVドラマ並の展開にシラけてしまう。 こんなのは原作にはないことだし、それどころか大平という強姦魔キャラさえいない。 映画化するにあたり付け加えたなりのメリットがあればいいのだが、狙いが奏功したとは思えなかった。  大平が日本軍や天皇のことを取り上げて釈明するのが、自分の異常性欲快楽殺人を正当化するように見えて反吐が出る。 よくあることだが、犯罪者が罪の意識もなく家庭環境や社会のせいに責任転嫁するのと同じような嫌悪感。 戦争を風刺しているようだが、反戦メッセージがその嫌悪感に邪魔されて響いてこない。 これが初長編監督作品だからなのか、演出、脚本、キャストなど、すべてしっくりこず迷走している印象。
[DVD(邦画)] 2点(2014-10-10 13:34:39)
794.  みなさん、さようなら(2012) 《ネタバレ》 
波瑠にお預けを食らう欲情した濱田岳の情けない表情が、捨てられた子犬のような切なさを醸し出す。 少女からどんどん綺麗に大人になっていく隣室の同級生と、いつまでも立ち止まったままの冴えない主人公。 「ブリーフ、やめたほうがいいよ。いかにも童貞って感じで。女の子に嫌われるから」 憐れむような女の子の忠告が残酷に突き刺さる。 それでも同窓会で好きだった可愛い子と付き合うことになるのだから出来すぎだ。 倉科カナや波瑠が魅力的で、引きこもりにはもったいない。  引きこもりのライトなラブコメディかと思ったが、途中から空気が一気にシリアスに。 団地から一歩も出られなかった理由がわかって、悟の今までの奇行にも合点がいく。 体を鍛えていたのも、トラウマになった事件があったから。 この映画でマス大山の名言が聞けるとは思わなかった。 刃物を持ったチンピラ三人を瞬殺したのは痛快ではあったが、マンガ的すぎる嫌いも。 所詮は本を読んでの空手習得なので、落としどころを圧勝ではなく痛み分けで、悟の気迫にタジタジとなるくらいにしておいたほうがリアルなのに。 チンピラもステレオタイプの悪党だったのが少し物足りない。  団地という閉ざされた独特の世界の中で、悟が取り残されていく様子がうまく表現されている。 どうしても降りられなかった階段を、最後は随分あっさりと駆け下りていったが、ここでモタモタと大仰な芝居を見せられなくて良かった。 それだけ母の力は偉大だったということ。 人間のできた理想的なかあちゃんだったけど、大塚寧々が若すぎたのか、母子ものには弱いはずなのにどうも実感が沸いてこず、最後の日記にも泣けなかった。 中村義洋監督&濱田岳主演は「アヒルと鴨のコインロッカー」「ポテチ」を見ても、相性がとても良いようだ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-10 10:51:16)
795.  ラスト・プレゼント 《ネタバレ》 
売れないコメディアンと不治の病に侵された妻。 甲斐性なしの夫のために、陰で奔走する妻がいじらしい。 不器用でうまく愛情表現できず、憎まれ口を叩く二人。 ベタベタの話だが、すれ違いながらも互いを一番に思いやる気持ちに打たれる。 素直に観れば泣ける映画で、涙腺のゆるい人なら号泣必至。 ユーモアもあって、ほのぼのするところもあるので、暗く重苦しくはならない。 悪に徹しきれない2人組の詐欺師が、人助けするハメになるのが可笑しい。  細かい部分でのリアリティはなく、ドラマティックにするために予定調和的。 そこに引っかかるなら、話に入り込めないだろう。 この映画はリアリティをあえて無視している。 そこは確信犯で、だから病名さえも明らかにしないし、病院の手順や常識からも外れている。 それは、もっともらしく誤魔化そうとしてもかえってボロが出るからと開き直っているようにも見える。 だから、おとぎ話のように、あくまで「物語」として味わうのがいい。  例えば、演芸場には、笑うために行く客と、笑わせるものなら笑わせてみて、という客がいる。 この映画は、そういう意味では、泣きにいく人のための映画だ。
[ビデオ(字幕)] 10点(2014-10-10 00:54:08)
796.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
久々に見直してみたが、北野映画では断トツで一番好き。 それぞれの人生模様が面白い。 サラリーマン、タクシードライバー、漫才師、そしてボクサーとヤクザ。 浮き沈みが激しく、力関係も絶えず入れ替わっていく。 兄貴分のマサルがスパーリングでシンジに圧倒されて、ボクシングを辞めヤクザの世界へ足を踏み入れていく姿には哀感があった。 悲しいかな、人には向き不向きがあるということ。 そのシンジも伸び悩みの先輩に悪影響を受け、ジムで期待の星とされながらもKO負けし、新たな期待の星に席を奪われる。 ヤクザの組長が優しい笑顔で子分の親御さんを気にかけている素振りを見せながら、対立組織の構成員を躊躇なく殺させ、罪をその子分になすりつける。 ヤクザの怖い裏の顔にインパクトがあったが、その組長もあっけなく敵対組織に殺されてしまう。 憧れの喫茶店の娘とようやく結ばれた真面目高校生が、タクシー会社に転職し、苛酷な労働条件が原因と思われる交通事故死。 栄枯盛衰の世の中でのほろ苦さが、この作品の底流にある。  ボクシングとヤクザの世界に分かれた二人の友情。 高校でバカやってた時には思いもしなかった挫折が、人生のどこかで待っている。 雑魚キャラの中から、不良三人組の一人がボクシングで頭角を現し、漫才コンビが客席を沸かせていたのが皮肉。 それぞれこの先どんな浮き沈みが待っているのだろうか? 夢の途中で梯子から落ちた感のある二人も、まだ負け犬の表情ではないのが救い。  とにかく全編に良いシーンが散りばめられており、説明過多にもならずに映像で語りかけてくる。 他の北野映画はそれほど好みではないのだが、この作品だけでも賞賛に値する。 脚本も兼ねてこれを作り上げたのだから、映画人として才能があることは確か。 後続の芸人たちが何人も監督業に手を出しているけど、プロと言えるのは北野武だけ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-10-10 00:36:54)(良:2票)
797.  俺はまだ本気出してないだけ 《ネタバレ》 
いかにも中二病の男の言いそうなタイトル。 能天気な中年オヤジの夢物語に、周囲も呆れるダメダメ感が漂う。 夢は必ず叶うと言い切れるほど若くはない年齢だし、漫画を見てもとても才能があるようには思えない。 下手な成功物語にならないで良かったが、もうひと盛り上がりほしかった。 娘が風俗で働いてるのを知ったら、自分のことは棚に上げても最初はもっと感情的に怒るのでは? 急に物分かりの良い父親になったようで肩透かし。 転職を決めたサラリーマンの子供が、シズオのようになってほしくないと心配して父の元に行くことを決めたのはちょっと笑える。 でも、再婚を決めていた奥さんが、それですぐにヨリを戻そうというハッピーエンドは都合よすぎるのでは?
[DVD(邦画)] 6点(2014-10-09 16:45:55)
798.  甘い鞭 《ネタバレ》 
石井隆ワールド全開。 拉致監禁で虐待された間宮夕貴の傷だらけになった体が生々しい。 グラドル出身ながら難しい役も体当たりで熱演。 それに対して、壇蜜はいつもの壇蜜。 こういうキャラにも新鮮さがなくなってエロくも感じないし、それをカバーする演技力があるわけでもない。 壇蜜よりも間宮のほうが存在感、インパクトがあった。  間宮は壇蜜の少女時代の設定だけれど、二人は容姿も声も雰囲気もまったく似ていないので違和感がある。 陵辱された女子高生と、SM嬢の顔を持つ女医が一向につながってこない。 犯人を殺した時に味わった甘い味。 それを確かめるためにSMの世界に走った主人公。 狂気が暴走する惨劇となるが、その性癖が現実離れしすぎてピンとこない。 もともとあった特殊な性癖に目覚めたのか、それとも凄惨な状況の中で精神を保つために快感を見出したのか。 高校生の自分を殺すのを止めた手は誰なのか、はっきり描かれてはいないのでスッキリしない。 正気を保ったもう一人の自分が狂気の自分を止めたということか。  監禁男はどこかで見たようなありがちなキャラだが、真に迫った緊張感が二人の間にあった。 でも、SM倶楽部は皆が大真面目に演じるほどに何だか間が抜けていて笑ってしまう。 上手くもないナレーションの多用も耳障り。
[DVD(邦画)] 5点(2014-10-09 16:44:31)
799.  サマータイムマシン・ブルース 《ネタバレ》 
よくよく考えるとやっぱり矛盾はあるんだけど、たとえば99年前に戻ってカッパ伝説を作ったことで過去を変えてしまっているはず。 すべて辻褄を合わせているように見せて、実は合ってない。 でも、ストーリーの流れにどんどん乗せられていくので、その勢いで矛盾を検証する間もなくサッと通り過ぎてしまう。 矛盾を感じなくて済むように脚本も上手く練られている。 そもそも軽いコメディタッチなので、真剣にパラドックスを考えるような作品でもない。 タイムマシンもコントレベルの装置だし、頭をからっぽにしてただ楽しめばいい。 瑛太と上野樹里のラブストーリーの行く末にニンマリ。
[DVD(邦画)] 7点(2014-10-06 23:42:56)(良:1票)
800.  マリアの乳房 《ネタバレ》 
触れた相手の死期がわかる超能力を持つ女。 体を与えながら死の恐怖を意識から取り除いてあげるが、恐怖がなくなったために自ら死を選んでしまう者が続出するという皮肉な結果に。 そんな女を止めようとする男との切ないラブストーリーのはずが、何も胸に訴えかけるものがないのはなぜだろう。 キャラ設定が暗くて陰鬱になっているので、いっその事もっと明るい天使キャラにでもしたほうが切なさが増したかも。 主演の佐々木心音はふとした角度や表情でブサイクに見えることもあれば、とても可愛く見えることもある不思議な女性。 体つきは文句なしにエロく、業界では「芸能界で一番エロい体」と称する声もあるようだが満更ウソとも言えないような。
[DVD(邦画)] 3点(2014-10-06 00:26:20)
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