801. 父、帰る
《ネタバレ》 父親と息子の関係の微妙な部分を巧く描いていると思います。役者陣の演技も良かったです。ただ、「これからどう展開していくんだろう」という期待を持たせながら物語が進んでいくのですが、結局謎は謎のままで終わってしまい正直言って取り残された感じを受けました。 [地上波(字幕)] 7点(2011-08-25 00:06:33) |
802. 激情版 エリートヤンキー三郎
《ネタバレ》 これだけの濃いキャストを揃えながら、それぞれの個性を上手く引き出しながらもクドすぎない仕上がりは見事ですね。内容云々は言うだけ野暮なので・・・ しかし、板倉のはまり役っぷりは素晴らしかったですね。小沢兄弟と竹内力の共演も見物です。 [地上波(邦画)] 7点(2011-08-24 00:39:48) |
803. ニューヨーク、狼たちの野望
《ネタバレ》 華やかなマンハッタンの隣にひっそりと位置し、NY市の行政区の一つでありながら存在感のないスタテンアイランドと、同じように己の存在感の薄さを感じながら生きている3人の男たちのドラマです。 とにかく、主演の3人の配役が見事で面白かったです(マフィアの親分役は、あの「フルメタル・ジャケット」のデブを演じたヴィンセント・ドノフリオです)。また、同じ事件を3名の異なった視点で描く手法も効果的で良かったと思います。スタテンアイランドの存在を上手く設定に取り込んでいるのも興味深かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2011-08-24 00:37:49) |
804. 悲しみのミルク
《ネタバレ》 どこの巨匠の作品か?と思わせるぐらいの非常に完成度の高い芸術的な作品でした。2作目にしてこのクオリティは凄いですね。まあ、トラウマからの脱却を静かに淡々と描いているので、ちょっと睡魔に襲われかけましたが・・・・・ただ、時折それを見越してか、激しい音が鳴り響く場面を時折入れているのも中々見事でした。 [映画館(字幕)] 7点(2011-08-18 08:59:17) |
805. 母べえ
《ネタバレ》 反戦映画であり、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」という日本国憲法第19条の精神の重要さを強く訴える映画でしたね。 吉永小百合のキャスティングはドラマとしてはちょっと違和感(年齢的に)がありましたが、山田洋次が自分の考えを伝えるためにはどうしても彼女でなければならなかったのでしょう。 母べえが死ぬ間際に、死んだ夫にあの世でなんか会いたくない、生きている夫に会いたいという台詞は非常に考えさせられましたね。「綺麗事」に人々を縛り付け、自らも「綺麗事」に殉じようとする風潮(美徳ですけどね)に対するカウンターであるように感じました。 鶴瓶がいい味出してました。 [地上波(邦画)] 7点(2011-08-18 00:53:50) |
806. TOMORROW 明日
《ネタバレ》 一瞬で大量殺戮が可能である原子爆弾の非人間性を、そしてありふれた日常が突然人為的に遮断される恐ろしさを我々に伝えてくれる作品でした。 戦争を完全になくすことは正直難しいかもしれませんが、少なくとも核爆弾による大量殺戮だけは二度と繰り返してはならないと思いました。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-12 00:51:28) |
807. 戦場カメラマン 真実の証明
《ネタバレ》 悲惨な戦争の現場を、カメラを通じてであれば冷静に見ることができる戦場カメラマンも、自らの目で自らが悲劇的な状況に置かれた時には心に大きな痛手を負ってしまう・・・・そんな戦場カメラマンの苦悩をコリン・ファレルが熱演しています。 [DVD(字幕)] 7点(2011-08-10 00:17:27) |
808. 神々と男たち
《ネタバレ》 「神の沈黙」というフレーズが浮かんでくるような、殉教者の葛藤、そして覚悟を極めて美しく芸術的に描いた作品です。 素晴らしい作品であることは間違いありません。「白鳥の湖」が流れるシーンは本当に見事でした。ただ、アルジェリアとフランスの過去から現在にいたる関係を考えると手放しで賛辞を送るわけにはいきません。 たとえば映画の中で修道士がイスラム教徒の過激派に「キリスト教とイスラム教は隣人だと言ったりしてますが、かつてフランスがアルジェリアを植民地支配をしていたときにはイスラム教徒を押さえつけてたわけですからね。 それに、あまりにも「修道士たち=神に殉じた崇高な男たち」、「イスラム過激派=野蛮で無知なテロリスト」という構図が明確に打ち出されていてちょっといかがなものかと思いました。 [映画館(字幕)] 7点(2011-07-30 11:41:37) |
809. DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?
《ネタバレ》 予備知識がないと何がなんだかよくわからない作りになっているので、初心者向きではないですね。ただ、時代の寵児となるには、良く考え、努力を重ね、尚且つ運を掴まなければならないことは理解できました。 [DVD(吹替)] 7点(2011-07-21 23:50:06) |
810. 樺太1945年夏 氷雪の門
《ネタバレ》 樺太でこのような悲惨な状況になっていたことを知ることができただけでもこの作品を観た意味があったと思いました。ソ連の将校の「敗戦国に国際法など無い」というセリフが、戦争というものの本質を体現しているように感じましたね。 大空襲や原子爆弾で多くの民間人を虐殺しても、日本の無条件降伏後も戦闘・殺戮を続け、捕虜をシベリアで奴隷のように働かせて死に至らしめても、勝者であるが故に裁かれることは無く、敗者のみが徹底的にその罪を糾弾される・・・・・(まあ罪は糾弾されるべきなんですが)。非常に理不尽さを感じますね。 非常にいろいろなことを考えさせられる作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2011-07-20 00:36:20) |
811. 田中さんはラジオ体操をしない
《ネタバレ》 はっきり言って、田中さんはどう見ても「厄介な頑固者」ですし、職場秩序の維持を重要視する企業が彼を排除しようとするのも理解できます。そして、田中さんが戦っているものこそが、日本がここまで成長してきた原動力でもあるわけですからね・・・・・。 ただし、田中さんのような人がいなければ世の中変わらないこともまた事実なんですよね。声を上げて行動するその姿に真のロック魂を見ました。 [映画館(邦画)] 7点(2011-07-19 23:20:07) |
812. イップ・マン 葉問
《ネタバレ》 物語的には1作目に比べかなり単純明快になり深みは無くなったものの、痛快な娯楽アクション映画に仕上がっています。 敵役のボクサーがアホすぎたり、前作の敵役が急に良い人になったりと突っ込みどころが満載ではありますが・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2011-07-17 11:39:07) |
813. 軽蔑(2011)
《ネタバレ》 主人公の男があまりにもチャラくて馬鹿すぎるのと鈴木杏の激しい変貌っぷりが恐らく賛否両論を巻き起こすであろうなとは思いますが、何はともあれ新宮を舞台にした中上作品の映画化はファンにとってはたまりませんでした。スクリーンに映しだされる新宮の街並を見て、死ぬ前に一度は訪れてみたいなと思いましたね。また、親子の対立・複雑な家族関係などを見ていると、誰か「岬」や「枯木灘」、「地の果て至上の時」を映画化してくれないかなと願ってしまいますね。 後半部分の展開はまさに往年の角川映画が蘇ったという感じで非常に懐かしさすら感じました。 それにしても、大森南朋の崩れっぷりは同世代の人間として参考にしたいくらいでしたね。 [映画館(邦画)] 7点(2011-07-02 01:19:46) |
814. 西の魔女が死んだ
《ネタバレ》 サチ・パーカーの「魔女」役が非常に嵌ってましたね(お母さんであるシャーリー・マクレーンも魔女みたいな女優さんですからね)。特に独特な日本語の発音が絶妙でとても心地よかったです。そして、その「魔女」の魅力を垂れ流すだけでなく、考え方の違いから来るすれ違い、感情のぶつかり合いもしっかり描いてるのも良かったと思います。 山梨の風景も非常にきれいで、大画面のスクリーンで見たかったですね。まあ、ゲンジ役の木村祐一がどうみても怪しい関西のオヤジだったのはちょっとアレでしたけど・・・。 派手さはありませんが、じんわりと心に響いてくる映画でした。 [地上波(邦画)] 7点(2011-07-02 00:27:49) |
815. パーマネント野ばら
《ネタバレ》 どんなに苦しくても、どんなに辛くても、どんなに寂しくても人生は死なない限り続いていくわけですから、タフに生きていくことが一番なんだと思いますね。 この作品は、とにかく登場人物の殆どが生命力に満ちたタフな人たちなので、切ない物語ではありますが不思議と元気を与えてくれる映画でしたね。菅野美穂・小池栄子・池脇千鶴の3人がそれぞれの個性を生かした役柄を演じていて良かったと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-21 00:32:11) |
816. キャタピラー
《ネタバレ》 「お国のため」「軍神」というキレイな言葉で、醜い傷やドロドロとした感情・トラウマ、そして己を現在の姿にしたものへの疑問・恨み等々が外に溢れ出ないよう包み隠し、泣き寝入りを強いる全体主義的な社会の恐ろしさを描いた作品です。 非常に考えさせられる作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-17 00:27:33)(良:1票) |
817. ホワイト・オン・ライス
《ネタバレ》 在米日本人の生活の様子が描かれていて非常に興味深い作品でした。まあ、主人公のダメさ加減は同世代の人間としては中々思うところがありましたね。裕木奈江も雰囲気が昔と変わってませんでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-16 00:29:37) |
818. 三池 終わらない炭鉱の物語
《ネタバレ》 囚人労働、植民地出身者や捕虜の強制労働、戦後の労働争議、そして炭塵爆発事故によるCO中毒の後遺症問題・・・・。非常に興味深いドキュメンタリーでした。関係者が高齢化していくなか、このような記録を後世に残せたことは素晴らしいことだと想います。 三池炭鉱はまさに日本の近現代の産業史を象徴するような存在であったのだなと感じました。 [インターネット(字幕)] 7点(2011-06-11 23:11:24) |
819. 日本解放戦線・三里塚の夏
《ネタバレ》 圧倒的な闘争のリアルに引き込まれました。目的を遂行するために手段を選ばない国家権力の姿、そしてその強大な力に立ち向かう農家の方の力強い姿が赤裸々に映し出されています。 しかし、出てくる男性がどうも理屈っぽく感じる(農家の方々に対し妙に上から目線なのも非常に鼻につきました)のに対し、農家の女性の方々の明快さ、強さがとても印象的でしたね。機動隊だって公団の人間だって皆女性が産んだんだと堂々と言い切るおばちゃんには、男は誰も勝てません・・・・ [映画館(邦画)] 7点(2011-06-04 09:09:14) |
820. 不倫期限
《ネタバレ》 ストーリーは極めて単純です。妻以外の相手と不倫している男が、妻と別れて不倫相手と一緒になろうとする・・・。これだけです。 ただ、これだけの物語ではありますが、日常描写のリアルさと会話の面白さ、そして巧みなテンポの展開が観ている者を心地よい感覚に導いてくれました。 なかなか、この監督から侮れない才能を感じましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-01 21:46:33) |