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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3865
性別 男性
年齢 53歳

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941.  砲艦サンパブロ
何しろ雰囲気がよく出てます。大規模なロケ撮影が効果的。騒然とした時代背景の中、混乱は砲艦サンパブロの中にも入り込み、それに馴染めずただ機関兵としての仕事を全うしたい主人公は、孤立する。これを昨今の「グローバル化」に置き換えると、他人事とは言っていられないツラサがありますな。機関室の細かい描写が持つ説得力。みなそれぞれの弱さを持つ登場人物たち。特にリチャード・クレンナ演じる艦長の役柄は、トラウトマン並みの曲者ぶり。全体的には、何とも救われないオハナシです。ラスト30分あたりからはいよいよ戦闘シーン、スペクタクルが展開されるものの、映画の基調である閉塞感はぬぐえない。ラストも寂しく締めくくられます。・・・乱闘シーンだけ、ちょっと『ウェストサイド物語』みたいな感じで、もう少し真面目に戦え~と思ってしまったのですが(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-20 23:34:55)
942.  麦秋(1951)
例によって例のごとく、嫁に行けとかまだ行かないワとかいうオハナシですが、本作、原節子の思わぬ選択の、そのあまりの唐突さには、誰しもつい「なんでやねーーーーん」と叫びたくなるところですが、その気持ちは登場人物たちも同じ。波紋、動揺、そして受容。笠智衆は珍しくも、相手との衝突を避けることなく、大いに吠えまくる(しかし、バカ息子2人は、遠慮せずにもっと叱り飛ばしてやってよろしい)。そういう会話上の衝突があることと関係があるのか無いのか、恒例の(?)「コマ切れカット対話」は抑え気味、カメラは引き気味。母親役の東山千栄子は、『男はつらいよ』シリーズの“オバチャン”の原型とも言うべきでしょうかね、『東京物語』に負けず劣らずの、愚かしいまでの無垢さ、これには心打たれずにはおられません。これはまさに生き仏です。合掌。ラストは、“家族みなバラバラになっちゃったけど、いつかまた会えるだろう”ってのが何だか『日本沈没』みたいで、良いですね、全然違うけど。この麦穂が揺れる奈良の風景、おいおいいくら奈良でもここまで田舎じゃないよ、本当は一体どこでロケしたんだよ~と思ったら、あ、耳成山みたいですね、これは奈良ですね、すみません。昔々はこんなのどかな風景だったんですね。え、今も大差無いってか。 (この麦が揺れるシーンですかね、何テイクか撮影されたうち、OKテイクとは異なるフィルムをスタッフが誤って用いたのを、小津監督が一目で見破ったというのは。)
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-06-12 23:50:40)
943.  金環蝕(1975)
古き良き、密室談合政治の時代。それなりに大らかで余裕のある時代だったから、こうういうのも裏で成立してたワケでして、“政権交代”とはつまり、社会から余裕が失われた証でもあったり。そりゃま、この映画で繰り広げられているのは、今の視点からだって当然、「醜悪さ」そのものであることは間違いないんですけど。ただ、奇妙な暢気さを伴う“切羽詰まった感”が漂う昨今、こういう映画にはどこかノスタルジーを感じてしまうのも事実であります。まあしかしこの映画。とにかく、ワルそうなヒト同士が集まり、ワルそうな会話を交わす、というシーンのひたすら繰り返し。会話、あるいは電話。事件ではなく、会話のやり取りが描かれ続け、ここまで徹底していると、いやスゴイ。後半、1時間を切るあたりから少し動きが加わってきて、「スーさん大いに吠える」あたりはなかなかに盛り上がったりもしますが。この映画、醜悪さのオンパレードの中で、巨悪との戦い―――これを「善と悪の対決」と呼ぶにはすべてがあまりにダーティなんですけれども―――があって、でもその本当の対決は直接は映画に描かれずに封印されている感じがします。周辺の小競り合いの数々を描きながら、巨悪のイメージを浮かび上がらせる。金環食において我々が目にするものとは、それは太陽の輪郭なのか、それとも月の陰なのか。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-05-28 00:24:27)
944.  トム・ホーン 《ネタバレ》 
西部劇ヒーローの“干物”みたいなもんですね。度胸や銃の扱いはヒーローのそれではあるけれど、年老いて体は動かない、主人公トム・ホーン。そして何より、周囲が彼を受け入れられない。彼もまた周囲を受け入れない。決して埋まることの無い溝。元々は牛泥棒に悩まされる“周囲”の方こそ、彼を求めたハズだったのに。元々は、人殺しを好まない彼に対して、牛泥棒の殺害を望んだのは“周囲”の方だったハズなのに。しかし、その牛泥棒ですら、「そんな悪い人間じゃない」との見方をする者もいて、つまりどこかに理解しあえる共通性を持っているのに対して、トム・ホーンのような共通性の無い人間、これほど危険な存在は無い。いや、人間というよりもはや、捕えられた野性のオオカミみたいなもんですな、煮詰まるととりあえず遠くの山々を眺める(よし、私も今度やってみよう)。彼も無理に周囲を理解しようとしないし、理解を求めることもしない。彼は我々を見ていない(めったに表情を見せない彼が笑顔を見せる数少ないシーンの一つが、荒馬を相手にしているシーンだったりする)。彼は我々を無視し、ただ、遠くの山々を見つめる彼の後姿だけを見せる。脱獄にも失敗する彼はもはや実効的に無力であるけれど、それでも処刑台で最期を迎える彼はヒーローらしいセリフを吐いてみせる。この、「遠い山々に視線をやって我々を無視しながらも、ヒーローであり続けて見せる」ということ。周囲に流され変節を繰り返していることにすら気付かない我々に対する、何と重い告発であることか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-17 13:27:47)
945.  グラン・プリ(1966)
空撮や車載カメラを駆使した圧倒的なレース・シーンが何と言っても見どころ。それも、レースを描くとは言っても「追いつ追われつ」あるいは「時間との勝負」みたいな“アクション”の作品と言うより、走っている「クルマ」そのものを描き、言わばクルマの持つメカニックなカッチョ良さそのものを描いた作品、とでも言いますか。作中で用いられる画面分割の手法ですら、動きや多層性の表現よりも、クルマへのフェティッシュな愛着の表現にしばしば用いられています。で、レースシーンの合間には、レーサーや、レースに関わる人たちの人間模様が描かれ、それは主に男女のイチャイチャあるいはドロドロなので正直どうでもいいのですが(笑)、そこにはまた、体に傷を受けた者もいれば心に傷を受けた者もいて、あるいは戦争に敗れたが再び世界に挑戦しようとする日本人実業家の姿もあって。しかし、いざレースが始まれば、そこにあるのはレースの力学のみ、各自の思いなどと無関係に勝敗が決し、時には生死が決する。と言う訳で、レースとは「お祭り(=非日常)」なんだぜ、どうだ参ったか、という映画ですね、いや参りました。
[DVD(字幕)] 8点(2011-04-17 12:29:54)
946.  引き裂かれたカーテン 《ネタバレ》 
ヒッチコック作品の中では評価が芳しくないものの一本、かもしれませんが、展開が速くてとにかく楽しい作品、です。盛り沢山の内容に、息切れしないように注意。冒頭からポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースが妙に濃厚にイチャイチャしているなあ、と思ったら、あっという間にそこに疑惑の影が差してくる展開。ああ、タイトルにある“カーテン”ってのはそのカーテンのことか、と思う間もなく、さらに物語は思わぬ方向に。絶望的な逃避行、というより殆ど荒唐無稽な脱出劇、ですが、ポール・ニューマンの飄々とした感じがうまくマッチして、サスペンスとユーモアを両立させています。1つのシーンが次のシーンへとバトンを渡し、まさに物語が“転がって”いくような、小気味よさ。いやむしろ慌ただしさと言っていいかも知れませんが。物語の展開の速さばかりではなく、主人公が彷徨う美術館のシーンなどを挿入することにより、独特の雰囲気も醸し出してみたり。と言う訳で、なかなかのオモシロ映画に仕上がっている、のですが、ただ・・・↓すでに指摘されている方もおられますが、劇場のシーン(大仰な“フランチェスカ・ダ・リミニ”の音楽に乗って、いかにもショボいバレエが演じられているのが可笑しい)で、主人公が英語で「火事だ」と叫ぶのが(しかもそれで劇場がパニックになるのが)、これはちょっと無理がありましたね(あまり関係ないけど、芥川龍之介の『煙草と悪魔』を連想する。寝惚けている悪魔が、わざわざ日本語で叫ぶか、どうか)・・・。さて、本作においても、ヒッチコック本人がどこに出演しているかが楽しみのひとつなのですが⇒⇒⇒音楽が「正解」を教えてくれます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-12 00:15:49)
947.  ながぐつ三銃士
東映アニメーションのトレードマーク、長靴をはいた猫“ぺロ”の活躍を描くアニメ映画第2弾。第1作のクオリティの高さたるや、ほとんど衝撃的とも言うべき奇跡的作品だったので、インパクトの面でどうしても続編に分が無いのだけど(実際、第1作には到底かなわないのだけど)、でもこの第2作も動きの細やかさは健在、アニメーションの楽しさを堪能できます。今回の物語は、三銃士、とは全然関係なくって、西部劇ですね。西部劇らしく盛り上げようとすればするほど、何だかマカロニ風味になってしまうのですが・・・。ま、それもまた楽し。作品の長さがもう少しあってもよかったかな、という点での若干の物足りなさを除けば、ほぼ満足。とにかく、この楽しさが貴重、ですね。
[DVD(邦画)] 8点(2011-03-30 22:50:06)
948.  硫黄島の砂
海兵隊のプロパガンダ映画的な側面のある映画ですが、そんなことを忘れるくらい、なかなか渋い作品であります。何しろタイトルからして『硫黄島の砂』。要するに、戦略的にはいかに重要な拠点であろうと、この「砂」しか無いような島を奪取するために、多くの兵士たちが血を流し斃れていく、という、やるせないオハナシ、なもんですから。ジョン・ウェイン演じるストライカー軍曹(鬼軍曹でありながら、どこか翳を感じさせる)を始め、それぞれに一癖ある登場人物たちの描き分けも活き活きとしており、単に「戦争のヒーローを描く」タイプの映画とは、趣きを大きく異にしております。実写を交えた戦闘シーンの凄まじさも、見ごたえあり、です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-03-26 17:32:52)
949.  暴走特急 シベリアン・エクスプレス
観始めてナンボもしないうちに「あ~この映画、列車の暴走なんて最後まで起こらないんだろうな」と気づくワケですが。列車を舞台にしたサスペンス映画です。しかし、こんな掟破りの邦題をヒネリ出したヒトの、一人でも多くにこの映画を見せたかった気持ち、わかります。こりゃなかなかの力作です。面白かったです。異国人に囲まれた、異国の列車行において、目の当たりにする光景の目新しさと、勝手の分からない不安感。それをうまくサスペンスにとりこみ、また登場人物たちの配置のうまさも加わって、実にハラハラさせられる展開になっています。巻き込まれ型で追いつめられ型の、じっくり楽しみたい作品。まー結果的に、この邦題でむしろ損してますね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-26 17:13:15)(良:1票)
950.  栄光何するものぞ
第1次大戦を舞台にした戦争モノ、とは言っても、最初の1時間ほどは戦闘シーンも無く、ポンコツL中隊のフラッグ大尉、彼の古馴染みのクアート軍曹、そして飲み屋のネーチャンとの、いかにもアホアホな三角関係が物語の中心。コメディタッチです。でも戦争映画、なので、やはりそこには、敵との戦い、運命の不条理があり(敵の将校を捕えてくるという任務の、二転三転する顛末)、当然ながら、悲しい別れもあります。そんな中で、フラッグとクアートの関係は、ただの“仲良し”なんぞではなく、むしろ何かと衝突し続けるのだけれど(とりあえず殴り合ってみたり)、それがいかにも明るく陽気でハチャメチャで、それが背景の醜い戦争と比べて実に超然としているのが、何とも愉快。何かとギスギスしてもおかしくない戦争の最中、オネーチャンをめぐりあってついに一触即発!と思いきや、始まるのはカード対決、というオトボケぶり。戦争下でも失わない、前向きで陽気な“生命力”、それがこの映画の魅力、でしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2011-03-26 16:49:17)
951.  まあだだよ
クロサワ節炸裂。これは映画なのか。もはや、演劇の中継を観ている気分というか、いやそれこそ、カブキ中継でも観ている気分になるのですが。冒頭のカットなどは、「先生」の登場を、扉に固定したカメラと、画面外から聞こえる喧騒で表現するあたり、“映画の企み”と言えなくもないかも知れませんが、これとて、舞台演劇でもとりそうな手法。そしてあとはもう、演劇中継よろしく、一歩も二歩も引いたカメラが視線を適宜入れ替えつつ、俳優たちの演じる世界を捉え続ける、という趣向。しかしその中に時々、映画ならではの切り返しがあったり(壁だったハズの場所にカメラが置かれる)、時間や空間を超えてシーンが繋ぎ合わされたり。映画の内容は、いくつかの独立したエピソードからなり、(『夢』で見せたように)オムニバスに近く、その点では構成に弱さがあるかもしれませんが、もうそんなことどうでもいいくらい、おおらかな気持ちになる映画、でもあります。ジジイがビールを一気飲みするという、ただそれだけの手に汗を握るサスペンス。ラストシーンはほとんど『2001年宇宙の旅』。所ジョージは大役を見事にこなしてさすがだけど、坂東英二は変だ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-03-01 22:29:20)
952.  OK牧場の決斗
後半1時間でようやく本題に入るような感じで、映画前半は必要なのか(いや必要だろうけど、も少し工夫がないものか)と思わんでもないけど、後半、特に最後の30分くらいの盛り上がりは相当なもの・・・と初めて観た時から思ってた訳じゃないのでワタシも偉そうなことは言えない。観るたびにだんだん興奮が増していくような。クライマックスの銃撃戦は、緩急をつけることで見事な緊迫感を演出。カッチョ良過ぎ。それにしてもデニス・ホッパー、さすがの彼も、若い頃はこんなにサワヤカだったのだ。リー・バン・クリーフはあんまし変わらんが。バート・ランカスターも例によって、角ばってる。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-01 21:35:33)
953.  モンキー・ビジネス
檻から抜け出したチンパンジーが、実験室にあった薬品を適当に混ぜ合わせ、出来上がったのは若返りの秘薬。しかもこいつを飲料水に混入してしまい・・・というワケで、収拾不能、ひたすらハチャメチャな、この映画。出演者たちの怪演、また怪演、カメラの前で展開されるのは、もはやほとんど“修羅場”と言えますね。チンパンジーや赤ちゃんの演技など、本来なら観ててもう少し感心するところなのですが、周囲の怪演ぶりに圧倒され、影が薄くなってしまうほど。いやあ、笑った笑った。ちなみにワタシもその昔、化学の学生実験で、実験後の薬品を適当に混ぜまくってたけど、何か役立ちそうなものを合成できたためしはありません(マネしちゃダメよ)。あと、この映画のケーリー・グラントの役作りは見事だと思います(こういう化学者に何となく憧れるのです)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-14 23:12:18)
954.  蝋人形の館
前半の長めの助走から、中盤はややイジワルにショック描写を畳み掛け、そしてクライマックスの“大崩壊”へ。物語の風呂敷を適度に広げて適度にこれを畳んでいく手際もなかなかのもの。ほっといたらどこかに埋もれ去ってしまうようなタイプの映画なので、今のうちにゼヒ観ておきたい映画です、これは拾いモノ。形あるものが“溶ける”ということが、いかにスリリングか。出色のクライマックス。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-02-10 23:09:31)
955.  ニューヨーク1997 《ネタバレ》 
カート・ラッセル演じる主人公スネークの反骨精神もさることながら、映画自体がまさに反骨精神の塊、「状況を説明してやるものか」とばかり、一人合点に映画は進み、「盛り上げてやるものか」とばかり、サクサクと映画は進む。このワケのわからなさ、とりとめの無さ、音楽の安っぽさ、それでいて網膜に焼き付いて忘れられなくなる光景の数々。これぞまさに“深夜放送映画”の王様ですな。ラストで(予想通り)カセットから音楽が流れた瞬間、ボーグナインのいかつい顔が脳裏をよぎり、ちょいと泣けてくる。
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-29 00:11:36)
956.  ケイン号の叛乱 《ネタバレ》 
これはどういうオハナシかと言いますと、暢気な部長と暢気に楽しく仕事ができる職場でヨカッタな~、と思ってたら、突然部長が変わり、これがとんでもないクソオヤジで、ちっとも会社が楽しくなくなっちゃった。しかも、「今の会社があるのは、あの新しい部長が昔頑張ったお陰なんだぞ、わかっとるのか」とか説教されても、正直、カンベンして下さい(笑)。という作品でして、あくまで劇中の事として他人事として観るならば、いやーなかなか深い内容でありました(笑)。多彩な登場人物、艦上でのマスゲーム的な兵士の動き、嵐の描写など、様々な見せ場を交えつつ、スリリングな法廷劇へと進んでいく面白さ。そしてラストでは、映画を勧善懲悪的に楽しんでいた我々に冷水を浴びせかけるように、意外な方向に向けられる矛先。あえて憎まれ役にハンフリー・ボガートを起用したあたり、彼のちょっと不器用そうな「ただのオッチャン」的な感じが、ラストにおいて(つまり彼が姿を消してから)絶大な効果を上げているように思えます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-18 23:16:28)
957.  バッド・ルーテナント
ヘルツォーク作品が“ハミ出し者の物語”と言うならば、この作品におけるハミ出し者とは、ニコラス・ケイジ演じる主人公ではなくむしろ、ヘルツォーク監督本人か。そして、ヘルツォーク作品が“文明と自然の対立の物語”と言うならば、この作品ではそういう二元的な対立を描くのではなくむしろ、文明そのものの中に潜んでいた野性をえぐり出した作品とでもいうべきか。まあ要するに、アメリカ社会に対してものすごーい色メガネで見ている訳ですが、それが社会批判になっているという感じではなくて、何だか本気で興味津津の視線でアメリカを観察しつつ、それを戯画化しようとしています。ああ、何も辺境の地に赴いて命掛けで映画を撮らなくても、実はこんな身近なところに、不条理で刺激的な世界があるんだなあ、と。と言う訳で、悪徳警官の悪徳ぶりを描いたサスペンスのような体裁をとっていますが、不条理モノ、ブラックコメディ、と言った方が当たっているかも知れません。悪徳警官と言っても、何か超越的な存在などではなく、悪いコトばかりしつつも一生懸命小市民的に生きている。何が災いし、何が幸いするやら。その人生の皮肉を眺めているのは、ワニ、イグアナ、そして魚。ラストの手持無沙汰感覚。
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-15 16:30:06)
958.  ジャスティス(1979)
裁判制度のいい加減さ。そのために人生を狂わせ、破滅する人がいる。そういう重いテーマを、コメディタッチで軽妙洒脱に描いた手腕が見事。脇を固める様々なキャラクターと、彼らが織りなすエピソードの数々が、時に重く、しかし基本的には楽しく映画を盛り上げながら、物語をクライマックスへと導いていきます。それが実に上手い。まあ、クライマックスの法廷シーン(のアル・パチーノ)には、賛否両論あると思いますが(そんなオチでいいのか~との声も多いでしょうが)、この辺りはもはや、勢いでイッチャエ、てな感じですね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-20 23:15:51)
959.  ニュー・ジャック・シティ
マリオ・ヴァン・ピーブルズと言えば、『ジョーズ’87/復讐篇』で初めて観て、人懐っこい表情が印象的だったんですが。その後『エクスタミネーター2』を観てみたら(ええと、たぶん木曜洋画劇場です)、これまたマンガのようなスゴイ悪役ぶりで、大ウケしてしまいました。まさかこんなヒトが監督業に乗り出すとは夢にも思わなかったんですけどね。その彼の監督作品、いやがコレなかなかの意欲作。内容的に欲張り過ぎな面は確かにあって、黒人ギャングとマフィアの抗争があるかと思えば、警察側にも、人種間の摩擦や友情があり、ギャングへの個人的な憎しみがあり。虚飾に満ちた栄光、転落、そして不合理。という盛り沢山の内容で、これらを料理しきれずいささか散漫な印象は残ります。でも、いいじゃないですか。これだけ骨太な作品もなかなか貴重。丁寧な演出にも好感が持てます。監督本人も重要な脇役で登場し、端正な顔だちを見せてくれています。入魂の一作。
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-16 23:54:36)
960.  マーニー
赤色恐怖症?って何コレ『めまい』の二番煎じかよ強引な設定だなー。とか思いながら観始めたハズなのに、ふと気付くと夢中になって観ている自分がいる。いやいや意外に面白いですよ。単純に謎が提示されてそれを解決する、というタイプのミステリではなくて、謎ときの要素がいくつもあり、それだけに物語がどこに行きつくのかがなかなか見えない。それどころか、登場人物たちそれぞれの思惑が、事態を複雑なものにし、波乱とサスペンスを次々に呼ぶ、という趣向。というとホメ過ぎですかね。まあそんな大げさなもんでもないですけど、先が読めない分、ハラハラさせるシチュエーションが思わぬ形で登場することになり、我々を楽しませてくれます。と同時にヒッチコック自身もパツキン女優を好きに動かして楽しんでる訳なんでしょうけど。ただ、本作、あくまで娯楽路線のサスペンスで通して欲しかった気はしますね、最後に急に深刻ぶって見せたのが、やや違和感。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-13 21:45:41)
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