81. ボーイズ・オン・ザ・ラン
《ネタバレ》 痛々しく、生々しく・・・なんと言うか日々自問自答していることを映像化され、晒されているようでとてもキツい作品でした。まあ、主人公役の峯田が惨めったらしくはあるものの非常にロックの魂を感じさせる演技だったのでまだ救われましたけどね。これで、本当に冴えない奴が演じてたら悶絶してたかもしれませんw 敵役の松田龍平も良い演技してましたね。確かにいるんですよ、こういう奴・・・(以下略) 何というか、この世界観はキツいけれども非常に共感できますね。原作は未読ですが、一度読んでみようかと思いました。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-22 23:37:00)(良:1票) |
82. 愛の勝利を ムッソリーニを愛した女
《ネタバレ》 最初から最後までマルコ・ベロッキオ監督の才能に圧倒され続けましたね。ストーリー的には、女好きの独裁者に捨てられた女性がストーカー化して云々ということなんで、正直個人的には興味の持てない題材ではあったのですが、とにかく監督はそういう我々の心情を想定しているかのように爆発音や古いニュース映像、そして当時のプロパガンダを思わせるようなスローガンの羅列等々興味を惹くような手法を絶妙のタイミングで挟み込み全く飽きさせることがありませんでした。そして、どこか日本的な趣さえ感じさせる美しい映像が、この昼ドラ的な物語を芸術にまで昇華させています。 特に主人公が雪の降る中を病院の柵に登りながら手紙を外にばら撒いているシーンはモノクロで本当に美しくて印象に残りました。 [映画館(字幕)] 8点(2011-06-18 09:15:18) |
83. ホワイト・オン・ライス
《ネタバレ》 在米日本人の生活の様子が描かれていて非常に興味深い作品でした。まあ、主人公のダメさ加減は同世代の人間としては中々思うところがありましたね。裕木奈江も雰囲気が昔と変わってませんでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-16 00:29:37) |
84. ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊
《ネタバレ》 ハワイ組と本土組の対立など442部隊の置かれた状況が良くわかる作品でした。まあ、見た目は我々と同じなのに、中味は当然ながらアメリカナイズされているのでどうしても違和感は感じてしまいましたが・・・・。 あの「プライベート・ライアン」の作戦を実際に日系人部隊が行っていたことには感銘を受けました。 見る前に442部隊について予習をしておいた方が良いと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-16 00:28:29) |
85. 三池 終わらない炭鉱の物語
《ネタバレ》 囚人労働、植民地出身者や捕虜の強制労働、戦後の労働争議、そして炭塵爆発事故によるCO中毒の後遺症問題・・・・。非常に興味深いドキュメンタリーでした。関係者が高齢化していくなか、このような記録を後世に残せたことは素晴らしいことだと想います。 三池炭鉱はまさに日本の近現代の産業史を象徴するような存在であったのだなと感じました。 [インターネット(字幕)] 7点(2011-06-11 23:11:24) |
86. チ・ジニ×ムン・ソリ 女教授
まあ、ムン・ソリの美しさだけは印象に残りましたけど、それだけですね。 [DVD(字幕)] 5点(2011-06-01 21:49:02) |
87. フェアウェル さらば、哀しみのスパイ
《ネタバレ》 冷戦時代の緊張感を思い出させてくれる、見応えのある作品です。エミール・クストリッツァの圧倒的な存在感がとても印象的でした。終盤の展開は事実に基づいた作品であることが信じられないくらいでした。 また、当時の各国首脳も出てきますが、演じる役者が微妙にそっくりさんで中々笑えます。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-27 21:56:40) |
88. 4月の涙
《ネタバレ》 思想の違いで同じ民族が殺しあう内戦の恐ろしさ、悲しさが様々な人間関係を通して描かれています。生々しい描写が多く目を背けたくなるシーンも結構ありましたが、全体的にかなり緻密に作られていて芸術性とドラマ性が両立した見応えのある作品となっています。 フィンランドの美しい風景が、人間たちの争いの醜さを強調する役割を果たしていて非常に印象的でした。音楽の使い方も効果的でしたね。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-25 23:07:24) |
89. マンモス 世界最大のSNSを創った男
《ネタバレ》 家族愛の大切さだけでなく、この世界で現実に起こっている貧富の格差がもたらす問題も描いていて非常に興味深い作品でした。 なんと言うか経済的に富むことと人格的に富むこととは別物で、逆に経済的に富むことにより人間的に下劣になっていくケースもあることが非常に哀しいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:06:01) |
90. ビルマVJ 消された革命
《ネタバレ》 ミャンマーの混乱を映した映像は長井さんの件もあってニュース等でも良く観ていたのですが、やはりデモが徐々に盛り上がっていく躍動感とそれが武力で押さえつけられてしまった絶望感が緊迫したビデオ映像(隠し撮り)で強く伝わってきました。 本当に不思議なのはどうしてこのような事態が行っているのに、日本はミャンマーの軍事政権と友好関係を維持し続けているのかですね?何か利権が絡んでいるのか、それとも反政府活動側のプロパガンダ活動が世界的に目立っているだけで、実はミャンマーの現政権は極めて真っ当な国政運営を行っているからなのか(とてもそうだとは思えませんが・・・・)? [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:04:57) |
91. 浮気な家族
《ネタバレ》 韓国の「勝ち組」家族も一皮むけば・・・・というような作品。 [DVD(吹替)] 6点(2011-05-20 00:07:43) |
92. パリ20区、僕たちのクラス
《ネタバレ》 あるクラスの状況を通して、フランスの教育事情だけでなく「移民国家」としてのフランス社会事情を映し出している作品です。 移民の子供たちの態度も未熟さ、甘えから来るものと言うよりは、自分たちの主張を声高に叫ばないと拾ってもらえないというような移民の社会的におかれている状況、そして社会からの疎外感が影響しているように思えます。 まあ、教師側が情に流されず割り切って淡々と教師業をこなしていること、生徒側もいろいろな騒動が起こった後も引きずることなく授業に出ていることなんかを見ると文化の違いを感じますね。 はっきり言って映画としてはそれほど面白い作品ではありませんが、ドキュメンタリーとしては興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2011-05-09 21:31:29) |
93. Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン
《ネタバレ》 北朝鮮や北朝鮮を支持する在日家庭の姿をかなり踏み込んで描いており非常に興味深かったですね。 主人公の父親のキャラクターはとても魅力的ではありますが、逆にそのキャラクターが北朝鮮問題を象徴しているようにも思えました。家父長制が国家運営に巧みに取り入れられていることが、あの頑なな姿勢につながっているような気がしてなりません。 北朝鮮問題を考えるにあたり、我々があまりに相手のことを知らなさすぎることを改めて教えられる作品でした。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-04 13:11:42) |
94. グッドモーニング・プレジデント
《ネタバレ》 「大統領も一人の人間」という視点から作られた可笑しくも暖かいコメディ映画でした。普段知る機会の少ない韓国政界の状況も垣間見ることができて興味深かったです(パロディですけど)。チャン・ジン監督の作品は本当に安心してみることが出来ます。 3つのストーリーとも面白かったですけど、日本が絡んでくるとちょっと「?」なシーンもありましたね。まあ韓国映画なんで仕方ないといえばそれまでですが。 [DVD(吹替)] 7点(2011-05-03 12:27:06) |
95. ポー川のひかり
《ネタバレ》 オルミ監督が「キリストさん」を通して我々に「書物や神に頼るだけではダメだ。自ら動かなければ!」というメッセージを伝えるためにこの作品は作られたのではないか・・・・そんな印象を持ちました。 そのメッセージの象徴として、大量の書物に釘が打ち付けられている衝撃的な映像を作り出すセンスはさすが巨匠としか言いようがありません。 キリスト教色が強い寓話的な物語なので日本人にはやや理解するのが難しい面もあったのですが、ポー川の雄大な姿とほんわかとした雰囲気に惹き込まれてしまいました。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-02 00:47:45) |
96. クロッシング(2008)
《ネタバレ》 物語としてよく出来ているかどうかは別として、北朝鮮の人々の暮らしぶりや脱北、そして収容所の様子が映し出されていて非常に興味深い作品でした。 日本の隣でこのような現実があることを多くの人に知ってもらいたいですね。 [DVD(吹替)] 8点(2011-04-27 23:44:42) |
97. メアリー&マックス
《ネタバレ》 久々に映画館で涙を流してしまいました。表現に結構グロテスクな面があって最初はちょっと不快に感じるところもあったのですが、それが逆に2人の関係の純粋さを強調してくれる効果を生み出してくれるんですよね。 そもそも、人間の内面なんてグロテスクで気持ちの悪いものです。ただ、みんなそれを見せないように隠す努力をしているだけで・・・。そして、隠しきれない人には社会の厳しい仕打ちが待っているという構図が現実にあります。 この映画は、そんなチョコレートのようには甘くない社会の現実の中で、人間の不完全さを受け入れることの大切さを教えてくれます。その視点は非常に暖かく、本当に心を揺さぶられました。何というか、フランク・キャプラの作品の世界観に相通ずるものを感じましたね。音楽も本当に素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 10点(2011-04-27 00:26:56)(良:3票) |
98. エリックを探して
《ネタバレ》 エリック・カントナの幻が出てきたり、クライマックスの展開などコメディ色はあるものの、やはりケン・ローチらしいイギリスの日常風景で起きる様々な問題を描いた作品でした。途中の絶望的な状況なんてまさに「いつもの」という言葉を使いたくなるような展開でした。で、「いつも」なら我々に強烈な問題提起を叩きつけて物語は終わるのですが、この作品についてはやはり「KING」エリック・カントナのカリスマ性が為せる技なのか一味違う印象を受けましたね。カントナの語る格言やアドバイスが中々心に沁みました。一番印象的だったのは「最大の復讐は赦すことである」ですかね・・・・・。 カントナの現役時代のプレー(本当に威厳があって格好いいです)もところどころに散りばめられていますし、マンチェスターユナイテッドがアメリカの実業家に買収された後に反対するサポーターがFCユナイテッド・オブ・マンチェスターを新たに結成したことなんかも触れられていたりして、サッカーファン(プレミアリーグ好きなら特に)の方には是非劇場で見ることをお勧めしたいですね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-04-17 16:01:40) |
99. ソウル・キッチン
《ネタバレ》 本当にこのファティ・アキンという才能と同時代を生きている幸福を感じましたね。やはり同世代ということもあって、ツボというか感覚が合うんですかね。何というか、芸術性だけでなく、ところどころにB級テイストがちりばめられていて娯楽性も上手く共存しているんですよね。それと、この人は音楽の使い方が抜群に上手くて、今回の作品でも堪能させていただきました。一昔前のソウルカルチャー風のエンドロールも最高でした。 ストーリーやキャスティング、設定もしっかりと荒々しいながらもツボをそつなく押えており、楽しい時間を過ごすことができました。 [映画館(字幕)] 9点(2011-04-17 15:58:52) |
100. ザ・コーヴ
《ネタバレ》 日本に住む者でも殆ど知らないイルカ漁の映像は非常に興味深いものではありました。ただ、文化・風習の違いを受け入れず、ひたすら自分たちの考えを正とし目的達成のために手段を選ばない方法はいかがなものかと思います。法を犯して秘密裡に行われているわけでもなく、日本の法令で認められているわけですからね。 問題にするのであれば、イルカ漁を認めている日本政府に対しその是非を問うべきで、法で認められた正当な漁業権を行使しているだけの漁師の活動をテロリストまがいのやり方で妨害するのは絶対に間違っていると思いますね。 「イルカは可愛くて頭がいいから殺してはいけない」なんて活動家たちが堂々と語っているのを観て、心の底から嫌悪感を感じましたね。自然界のバランスが崩れ問題が起こるとか種の存続が危機にさらされているというのならともかく、知性や見た目で選別をするのは余りにも傲慢ではないでしょうか・・・・。 まあ、アメリカ的思考が具現化されているといってしまえばそれまでなんですけどね。こういう作品にアカデミー賞を与えてしまうアメリカという国に恐ろしさを感じてしまいました。 [DVD(字幕)] 1点(2011-04-17 15:49:39)(良:2票) |