101. キューリー夫人
小学生時分に偉人伝として読み偉い人だという認識はありました。部活時代に言われた「出来なきゃ出来るまで千回でも万回でもやるんだよ」をそのまま体現する姿に、大発見はポンと閃いたのではなく執念の果てだったのを初めて知る事に。ご主人と支え合う姿と併せて只々ひれ伏すばかりです。グリア・ガースンはベストなキャスティング。彼女以外には考えられない好演でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-11-10 02:48:44) |
102. 春の珍事
珍妙な題名通りの珍作。野暮なツッコミは封印して観れましたので、楽しいひと時を過ごさせてもらえました。何より全編を通してのギスギスしていない大らかさが心地よい良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 19:29:33) |
103. 女相続人
《ネタバレ》 父親はキャサリンを愛おしく思っていないのではないか? モリスはキャサリンを愛していないのではないか? 曖昧で確信が持てずモヤモヤが募ってゆく。顕になった二人の本心に居たたまれない思いが。なので再び訪れたモリスの言い草に「どのツラさげて会いにきた!」「ペラペラ喋るんじゃない! 嘘つき男が!」怒りでクラクラする。なのでキャサリンの「・・・・・三度目はこの家に入れない」には溜飲が下がった。傷ついた心を憎悪で癒やしてゆくかのような静かな面持ちが印象深い。オリヴィア・デ・ハヴィランドのオスカー受賞納得の名演。ミリアム・ホプキンスの立ち位置がよく分からなかったのが少し残念。 [DVD(字幕)] 7点(2020-09-13 04:40:04) |
104. ヴィナスの接吻
「見知らぬ乗客」で強烈な印象を残したロバート・ウォーカー出演、相手役がエヴァ・ガードナーと言う事で鑑賞。思ったのとは180度異なるライトなロマンティックコメディ。二人のナチュラルな姿は魅力的で他の2組のカップルを圧倒しておりました。最初から最後まで微笑んで鑑賞できた良作です。余談ながら、妻ジェニファー・ジョーンズがデヴィッド・O・セルズニックとの不倫に走った事により身も心もズタズタになったロバート・ウォーカーが32歳で非業の最期を遂げたというのが非常に残念であり、裏切り者どもに怒りがつのるところです。 [DVD(字幕)] 7点(2020-06-25 01:27:01) |
105. クリスマス・イン・コネチカット
《ネタバレ》 バーバラ・スタンウィックがコネチカット在住で良妻賢母の料理レシピが絶大な人気を誇るコラムニストであるはずない! 案の定、ニューヨークで生活する料理下手独身女性と言う役どころ。英雄帰還兵(イケメン)を農場に迎え入れる羽目になる物語で展開が想像した通りとなりました。毒婦役で無いスタンウィックもなかなかの魅力。彼女をとりまく男性陣が素晴らしく(シェフ役S・Z・サカールが一押し)品のあるコメディ劇を楽しめた良作。クリスマスの実感が無かったところが-1点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-09-27 13:48:48) |
106. サハラ戦車隊
最近鑑賞した「肉弾鬼中隊」「飛べフェニックス」に続いての砂漠における女性皆無のサバイバル物語。 3作を比べてみると、フェニックス>サハラ>肉弾に。3作に共通する水は命の源なのを改めて思わされるところ。 戦意高揚作であろう本作はボギーがリーダーシップを取ってのアメリカ万歳活劇で肩の凝らない良作。 アメリカの考え方を見たイタリア兵がドイツ兵を面罵するシーンが印象深い。 [DVD(字幕)] 7点(2019-08-10 19:31:05) |
107. 三人の妻への手紙
《ネタバレ》 三人の妻の誰が亭主を寝取られるのか、興味津々だったのが段々と冷めていきました。ハッピーエンドということなのでしょうが腑に落ちません。期待が大きかった分物足りなさが募ります。洗練されたカーク・ダグラスとピカイチの存在感を示したリンダ・ダーネルに+1点ずつ。 [DVD(字幕)] 7点(2019-07-18 16:54:04) |
108. らせん階段(1945)
《ネタバレ》 陰影深いモノクロ映像の上品な美しさに感じ入りました。犯人に気づいたドロシー・マクガイヤの表情演技が素晴らしい。彼氏不在で勝ち目が無くハラハラした中での意外な決着に感心しきり。監督がナチスの所業を意識したのか知りませんが、犯行動機のお粗末さが何とも惜しい所です。 [DVD(字幕)] 7点(2019-07-12 01:51:06) |
109. 無謀な瞬間
《ネタバレ》 ジェームズ・メイソン スクリーン初体験。登場した時に手を振っちゃいました(恥ずかし) 強請屋というのに、期待に血圧急上昇。 女性映画の巨匠作品ならではの主役に見えたジョーン・ベネットの堂々とした振舞に圧倒され恋心を抱き守り抜いて死んでゆく。 灰汁の少なさが物足りなくてクールダウン。 どのシーンが無謀な瞬間だったのか、いくつか浮かんだものの釈然としない。 ま、それでも、お姿を拝めてベルベットボイスを堪能できたのだから満足であります。 [映画館(字幕)] 7点(2019-06-22 14:25:00) |
110. ハイ・シエラ
《ネタバレ》 ハンフリー・ボガートがハイシエラに立て籠もるシーンに「死の谷」が浮かびました。鑑賞後、本作をラオール・ウォルシュ監督がセルフリメイクしたのが「死の谷」なのを知る事に。出世作となったボガートの魅力は感じたものの、起承転結は元旦早々から涙したリメイク作には遠く及ばない。崖から転げ落ちる最期のスタントマンの仕事ぶり(あれで生きてられるのが凄い!)に+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-06-12 01:30:21) |
111. 密告(1943)
カラスは誰なのか? 全員が胡散臭くて最後まで分かりませんでした。二重三重のどんでん返しを経て「誰が」は分かったものの動機が釈然とせずモヤモヤが残ります。お目当てピエール・フレネーの色気に欠ける一本調子な演技にも惹き込まれず。ただ、ナチス占領下のContinental Filmsにて製作された本作は、親ナチスと見せかけた密告奨励の反ナチス作品である点に感じた監督のしたたかさに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-06-06 16:47:42) |
112. 十字砲火
原作では同性愛を描いていたのが当時のヘイズコードに抵触するのでヘイトクライムものにしたという本作。フィンレイが人種差別について語るシーンありきで作られたかのようで、他のシーンに見どころ無し。オスカー5部門ノミネートも3ヶ月で上映禁止にされ、監督がハリウッドテン入りしてしまう(後に転向)という、フィンレイが語る事が図らずも現実のものとなったアメリカの黒歴史を浮き彫りにさせる記憶に残る作品。三人のロバートの印象度はライアン>ヤング>ミッチャム。お目当てロバート・ライアンは殺人者役が定着してしまった本作出演を後悔しているという歪んだ人格を好演。 [DVD(字幕)] 7点(2019-02-28 16:41:04) |
113. 犯罪河岸
「恐怖の報酬」の監督&ルイ・ジューヴェ出演という事で映画館のはしごをして鑑賞。ジェニィの華のあるパフォーマンスに見惚れ、モーリスのどことなしの屈折感に見入る。お待ちかねのルイ・ジューヴェ演ずる警部は、先に観たマクラウド刑事のような、コロンボ警部のような強烈なキャラクターで存在感ありまくり。追い詰められた3人の運命や如何に! 手に汗握った身にとって、「ヘッ?」椅子からずり落ちそうな結末に、これでいいのかよくないのか考えさせられました。 [映画館(字幕)] 7点(2019-01-13 23:15:50) |
114. 踊る海賊
セラフィンは鬱陶しいキャラだけど、演ずるジーン・ケリーのアクロバティックなダンスには魅了されました。凄い! 初体験のジュディ・ガーランド。美しい容姿に歌って踊れる華のある存在感に見惚れます。 本作のリプレイタイムとなった絶品の「道化師になろう」 もっと二人のダンスシーンが観たかったなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-28 17:21:18)(良:1票) |
115. ガス燈(1944)
気の強さに鼻白む事が多々あるイングリッド・バーグマンを骨抜きにする伊達男シャルル・ボワイエ。とびきりのメロドラマに今日もキュンキュンと思ったのが、まさか、あんな形で骨抜きにするとは。威圧感満点のボワイエの酷薄な表情に見惚れたものの、生来の品の良さで極悪になり切れないところが何とも歯痒い。また、いたぶられるバーグマンの一本調子な演技に興に乗れず。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-01 00:57:18) |
116. 愚かなり我が心
硬派、骨太のマーク・ロブソンの見応えあるメロドラマ。エロイーズは確かに愚かな女性。しかし、ウォルトとの在りし日のロマンスにウットリさせられました。屈折しておらず善良な好青年役のジェームズ・メイソン(そんな役があるのか?)を思い起こさせるダナ・アンドリュースの魅力に尽きます。そしてエロイーズの父親を演じたロバート・キースも彼に劣らず絶品で、この男性二人の一言一句は胸に染み入るものでした。原作者サリンジャーは本作に激怒し、以降自作の映画化を一切認めなかったのだとか。私は満足出来たので原作を読みたいとは思いません。映画よりも主題歌が大ヒットしたそうですが、それほどでもといったところです。 [DVD(字幕)] 7点(2018-06-29 01:23:48) |
117. 飾窓の女
《ネタバレ》 「10時半ですよ」と起こされたシーンに劇場の其処此処で笑いが。私は張り詰めた緊張の糸がプッツリと切れてしまいました。監督は何を思ってこんな結末にしたのか問い詰めたい。トボトボと帰路につきました。件のシーンまでは10点、以降は0点、エドワード・G・ロビンソンの惚れ惚れする重厚さに+2点 [映画館(字幕)] 7点(2018-04-15 00:39:48) |
118. 暗黒への転落
《ネタバレ》 警官殺しの裁判劇と弁護士アンドリュー・モートンと被告ニック・ロマノの過去の回想シーンのメリハリの効いた展開に引き込まれる。顔に大きな傷のある検事がボギーに劣らぬ存在感で尋問模様は手に汗握る。スターに花を持たせるのだろうと思ったのがまさかの結末。彼の男気ある粋な物言いに見惚れるも最後の大演説には不同意。何発も銃弾を撃ち込まれた警官にも家族はいるのです。 エマという最良の伴侶が居ながら、負けん気が無く辛抱が出来ない被告の性根が原因であり、エマの棺が運び出されるのを遠くから見送る彼に腸が煮えくり返る「お前もそこから飛び降りて命を絶て」 真っ当に平凡に生きる事の値打ちを思い知らされる秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-24 22:31:36) |
119. 毒薬と老嬢
監督らしからぬブラックコメディ。良く練られた脚本での起承転結に一時も目が離せず。ケーリー・グラントのマシンガントークに辟易し、猿ぐつわ姿にホッとする。まともな者がいない登場人物の中で、ねずみ男のようなピーター・ローレの存在感が際立っていた。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-19 13:22:48) |
120. 夜の人々(1948)
《ネタバレ》 ボウイとキーチ、「俺たちに明日はない」のバカップルとは違う瑞々しい二人の逃避行。結末は分かり切っているものの、それが仲間の裏切り(置手紙を勧める女の顔つきには吐き気がする)によるところがやるせない。監督処女作にして名作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-03 09:35:25) |