101. テルマ&ルイーズ
主人公を女性に置き換えた現代版“ボニーとクライド”。オマージュとして作られたといえる。お手本のように起承転結が描かれ、とっても分かりやすい構成である。起→旅行に出る。承→ドライブインに立ち寄る。転→ブラピとベッドイン。結→追いつめられて…。だから映画の終わりが近づくにつれ、寂しさも増す。もうじき訪れる旅の終わり。予想される結末。もう少し逃がしてあげたいと思った。観終わった後、地図帳を引っ張り出して2人が辿ったルートを確認するといいかも。 7点(2004-05-06 22:17:11) |
102. ファーゴ
まず脚本の力に唸らされた。アカデミー脚本賞も納得。物語の展開力が素晴らしい。犯人キャラたちが、その展開の速さについて行けず、必死に何とかしようと(その何とかが犯罪だから始末に悪いが)右往左往するくだりは見ているだけで面白い。なんでそーするの!と言わずにいられない。この映画以来、私は脚本賞の受賞作やノミネート作も出来るだけ観るようになった。 8点(2004-05-06 21:11:56) |
103. レッド・オクトーバーを追え!
「ロシア人の会話は英語に吹き替えてあります」ってコトで。海中での潜水艦の位置関係が分かりづらかった。どっちがどっちの潜水艦なん?旧ソ連の国歌を久しぶりに聴いたが、私は大好きである。思想的なものは関係なく楽曲的にいい曲である。オリンピックでもよく聴いたが、アメリカと旧ソ連の国歌はいい。勇気を奮い立たせる曲調が素晴らしい。繰り返すが、私はアメリカ万歳でもないし共産党員でもない。でも、国を越えていいものはいいのだ。今では旧ソ連の国歌が聴ける貴重な映画である。クドイようだが、私は…。は!政治的な映画なので、つい過敏に弁解してしまった。 5点(2004-05-06 01:20:17) |
104. 椿三十郎(1962)
ウチの親が言っていた。「黒澤明は娯楽映画のイメージなんだけどねぇ」と。私には黒澤監督は『影武者』以降の大作時代劇か小難しい観念映画を作る大巨匠というイメージである。本作は娯楽作としてツボを心得た粋な映画だ。緊迫した若侍たちと明らかにテンポのずれた奥方と姫君の能天気ぶりが最高に可笑しい。奥方にかかってはさすがの三十郎も形無しである。人質役の小林桂樹もいい味出してる。この3人のおかげで『用心棒』より面白味が増している。ラストの三十郎の機転には大いにウケた。豪放磊落、頭もキレる。なるほど、日本映画屈指のヒーローだけあり、親の意見にも納得。 8点(2004-05-05 18:10:23) |
105. 用心棒
伊万里市の黒澤明記念館サテライトスタジオへ行く機会に恵まれた。そこで解説を読み、初めてこの映画が笑いを交えた娯楽作であることを知った。『椿三十郎』がこの映画の続編であることも。長い間、シリアスな時代劇だと勘違いしていた。そうした経緯もあって、取っ付きやすそうなので観たのであるが、正直これは面白い。名字も「椿」じゃなくて「桑畑」って!じゃ「三十郎」もウソかも?肩をすぼめて歩く姿、髭をさする仕草など、キャラとして確立された完璧な立ち振る舞いである。困った人を見捨てておけない、人情味あふれるスゴ腕の素浪人・桑畑三十郎。あなたを知らずして、これまで失礼しました~。 6点(2004-05-05 16:45:07) |
106. 竜馬の妻とその夫と愛人
三谷幸喜は歴史モノも結構好きなんですよね。他にも巌流島の決闘や大津事件を扱った傑作があります。本作もドタバタコメディの要素があるので、やっぱり舞台で観るのが一番良いと思います。アドリブも舞台で見ると楽しいのですが、映画だと不自然に見えてしまいます。前半は退屈ではありますが、三谷ワールド全開の後半への大切な布石。愛人が絡んでの話し合いからラストのオチは楽しめます。本作の鈴木京香は、むっちりとして大人の色香を醸し出すのに最適なキャストです。演技力もしっかりしていて、いい女優さんになりました。 6点(2004-05-05 15:45:28) |
107. ロード・オブ・ザ・リング
冒険、仲間、戦い、魔法、小道具、世界観。これらを構築した原作者トールキン氏の頭脳には恐れ入る。多種多様な登場人物、膨大な専門用語、その余りに壮大なスケールに躊躇していた。が、「王の帰還」の公開前に映画館が解説パンフレットを配ってくれていたので、思い切って1作目から観ることにした。この映画には手引きが必要である。理解を早めるのに大いに助かった。それにしても、主人公弱すぎで大丈夫なのか、心配になるなぁ。仲間との旅がどう展開していくのか今後に期待できる作りとなっている。 7点(2004-05-05 15:24:03) |
108. ダイ・ハード3
これまでの出来と比べると見劣りする内容である。はっきり言って期待はずれであった。マクレーンの移動範囲が街全体に広がってしまっては、このシリーズの売りも活きて来ないのである。黒人とのやり取りもお約束として無理やり入れているに過ぎず必要性を感じられない。 3点(2004-05-05 01:46:07) |
109. 転校生(1982)
自分の中では大好きな映画。観た時期が主人公とほぼ同年代だったからに他ならない。このテのファンタジー作品は観る時期によって評価も大きく左右されるので、小学校高学年~中学生の間に観るのがベストではないだろうか。小林聡美の下着姿にもドキドキしていたのが懐かしい。ちょっとHな興味、異性へのはにかみ、成長過程にある気持ちの複雑さなど誰もが思い当たる思春期特有のエッセンスが詰め込まれている。思いやりと情緒に満ちた良心的な映画といえる。 8点(2004-05-03 17:21:17) |
110. ユージュアル・サスペクツ
死人に口なし。生き残ったヤツが一番怪しいに決まってる。 8点(2004-05-02 14:51:47) |
111. 月の輝く夜に
いつか観たいなと十年来思っていた作品。もちろんアカデミー賞(主演・助演女優賞、脚本賞)という評価に釣られてだが。ドロドロの愛憎劇となる筈が全体的にほのぼのとしたタッチで描かれ、好感の持てる内容に転化されている。いくら陽気なラテン家族だからといって済まされる問題じゃないのに、「気にすんな」とばかりに小気味よく進む進む。それにしても、オペラ鑑賞で着飾ったシェールの妖艶な色気には目を奪われずにはいられない。年上の魅力ってスゴイ…。確かこの人、アカデミー賞の授賞式でもキワどい悩殺ドレスを披露していた。 6点(2004-05-02 11:39:11) |
112. ホーンテッドマンション(2003)
ディズニーが目指しているのは家族で楽しめる童話を作ること。おとぎ話として捉えると典型的であり良識的なストーリー展開なので悪くない筈である。物語のジャンルによってそれぞれが得意で最適な表現方法がある。絵本やアニメになったらしっくり来ると思う。そもそも自分がTDLのアトラクションを未体験なので、あるある感すら味わえないのが寂しかった。手短な映画なのに途中ウトウトしてしまった。 4点(2004-05-02 01:27:15) |
113. シャレード(1963)
ロマンティック・ラブ・サスペンスとでも言おうか。ハリウッドお約束のロマンスグレーの中年男性と美女の甘い甘~いラブロマンス。サスペンスとしても犯人探しの興味をそらすことなくラストまで上手く展開されている。ジバンシーの素敵な衣装に次々と身を包むオードリーのファッションショーも目を離せない。ヘンリー・マンシーニの音楽も名曲として誉れ高い定番曲であり、耳まで楽しませてくれる。 7点(2004-04-29 16:34:49) |
114. ストリート・オブ・ファイヤー
公開当時中学生で、これを観た動機を今でもハッキリ覚えている。「背伸びをしたかった」から。それまでほとんどアニメ映画しか観てなかったので、大人みたく、外人が出てる映画でも観てみるか、と思い立った次第である。ストーリーは、たいして面白くなかったが、音楽は楽しめた。椎名恵さんがカバーした『今夜はANGEL』の原曲には相当シビれた。マイケル・パレかっこえかった。ダイアン・レインはキレイだった。 5点(2004-04-29 00:23:29) |
115. 海の上のピアニスト
メルヘンとリアリティが絶妙に同居しているので、かえって戸惑いを覚えた。素敵なエピソード満載で、いかにも優等生的な構成であるのだが、佳作にとどまっている印象を受ける。自分にはラストの突拍子のなさは受け入れがたい。音楽はさすがにモリコーネだけあって美しい。 6点(2004-04-28 23:41:41) |
116. スティング
再見してホントによかった。十数年前に観たことがあり、かなりの痛快作という印象は強く残っていたのだが、細かい描写は忘れていた。緻密に計算され尽くした脚本や演出、俳優陣の見事な演技に初見当時の感動が甦ってきた。2度目ながら極上のひと時を過ごすことが出来た。それにしても「FBIのポーク(豚)」というキャラは最高にウィットに富んだ設定である。サギ師にとっては思わず納得? 9点(2004-04-27 22:53:24) |
117. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
B級がC級に進化した。1、2を通じて同じ敵とはかえって珍しく、逆に新鮮…な訳ないやろ!イムホテプとアナクスナムンの“時空を超えた愛”という設定も、もーええわ!セットやCGまで輪をかけてチャチくなってしまい、かなりガッカリさせられた。唯一の見所は美女2人のセクシーコスプレによる対決シーンくらい。ザ・ロックのサソリ姿や見捨てられるイムホテプはギャグとして笑わせようという狙いなのだろうか。 3点(2004-04-25 00:24:54) |
118. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
ゾンビを銃でぶっ放すシーンなんて正にテレビゲームのそれ。映画というよりロールプレイングゲームでありシューティングゲームのノリである。虫に体を侵食されてもメインキャラなら大丈夫なのね。 4点(2004-04-25 00:11:26) |
119. たそがれ清兵衛
全体的に薄暗いトーンで描き、主人公の清貧を演出している。当時の実生活での屋内の暗さを表現するためと思われる。監督自身が初めて時代劇を撮るということで、既存のテレビ時代劇とは一線を隔した徹底的なリアリティを追及した姿勢が強く感じ取れる。真田広之は演技の幅の広い人であるから静と動の演じ分けの必要なこの役にはピッタリの配役である。それにしても、宮沢りえはすっかり幸薄い女性役が板に付いてしまった。丹波哲郎がいい演技をしていたのには驚いた。さすがに今回は監督に気を遣って脚本を読んだのか。余談だが、清兵衛が謙遜して言う「~の末席を汚しただけ」は今度使ってみよう。 7点(2004-04-23 22:54:51)(笑:1票) |
120. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
映画シリーズ中、特異な作品として際立ち、娯楽性よりもメッセージ性に重きが置かれている。公開当時中学生の自分にはチト難解だったように思う。繰り返される時空の歪み。幾重にも現れるパラレル。自己存在を問う哲学的命題。訳の分からないうちに終わってしまったというのが正直な感想である。だが、後に作られながら印象の薄い3作目、4作目に比べると良し悪しは別にして作品に力があるのは間違いない。 6点(2004-04-23 00:48:48) |