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101.  笛吹川
戦争映画、反戦ものと言うとやたらと戦争反対、戦争の恐怖を前面に押し出して騒ぎ立てる映画が今の映画には目立つ。そんなものとはこの映画は一味も二味も違う。確かに戦争の恐ろしさを描いているものの、戦争そのものを美化するようなことはしていない。木下恵介監督らしいヒューマニズム溢れる作品になっていて感心させられる。同じ監督で同じ原作者の「楢山節考」が歌舞伎の世界ならばこの映画は「今昔物語」を思わせる世界観、映像美、モノクロの画面の空にカラー、下にもカラーとその色分けが戦争の不気味さ、恐さを更に深いものにしているようなそんなとにかく映像そのものが不気味な上に音の響きの恐さやら色んな恐さがこの映画にはある。日本が貧しかった時代の農民の暮らし、武士における侍魂、時代劇風でありながらも反戦映画として観ることが出来る上に力強いメッセージを含んだ力作である。これを見てやっぱり木下恵介監督は派手な戦争シーンを描かなくても戦争の空しさ、恐さをきちんと伝えることが出来る素晴らしい監督であることが改めて解ったし、木下映画には成瀬映画と同じく高峰秀子という凄い女優の存在の大きさを感じずにはいられないほどとにかく高峰秀子が素晴らしい。最後に既に書かれている方がいますが岩下志麻のこれまた美しいこと!
[DVD(邦画)] 8点(2010-11-23 10:46:18)
102.  スイート・チャリティ 《ネタバレ》 
フェリーニの原作とは思えないほど何だか同じものが題材とは、いやはや、あのどうしようもない悲劇的な「カビリアの夜」をミュージカル仕立てにするとこうも印象が変わるものなのか?あの映画は勿論、フェリーニらしいという意味では見所もあるけど、やっぱり私はこっちの作品の方が好きです。何といってもシャーリー・マクレーンの魅力でどんなに悲劇的でも歌がある。歌さえあればそれで幸せであるとばかりにとにかく歌って踊って、また歌って、そして、踊るのオンパレード!シャーリー・マクレーンの笑ってる時と泣いている時の表情の違い。その表情の素晴らしさ、好きになってしまう相手の男には好きになってもらえず、それでも一生懸命なシャーリー・マクレーンの何たるいじらしさ、微笑ましいこと!あの都会の町並みのど真ん中でくねくね踊る後ろ姿が何だか妙に可笑しくて、またあの変な衣裳も面白い。そうそう、この映画のあのラストに関してはハッピーエンドじゃないけど、だからこそ引き立つ女の健気さと哀しさ、だけど、それでも必ず彼女はいつか幸せになれる。そう願いたくなるような終わりにこの映画の持つ要素が凝縮されているように思えます。それにしてもシャーリー・マクレーンて不思議な女優さんだ。けして、美人だとは思えないのに見ているうちにどんどんと美人に思えてくる。そして、可愛く思えてくる。こういう女に男は弱いものである。この映画を見てシャーリー・マクレーンの魅力を改めて感じることが出来た。
[DVD(字幕)] 8点(2010-11-16 22:41:45)(良:1票)
103.  太平洋奇跡の作戦 キスカ
もうね、ぐるぐるさんとイニシャルKさんのお二人のコメントがあまりにも素晴らしいのでこれ以上、私が述べることなんてないんじゃなかと思うぐらいであるがそうもいかないのでコメントするとして、まずは戦争映画と言うとハリウッドがよくやる如何にも俺達の国が一番であるというような叫びや戦争そのものを美化し、戦争で亡くなるということは美しいことであるというようなものがこの映画には一切無い。まずはそこがこの映画の良い所である。そして、敗戦国である我々日本人がよく撮る戦争ものにありがちなじめじめとしてものもない。なんて言えば良いのか?つまり悲壮感がないのである。この話は実話であるということを知らなかったけど、それを差し引いても娯楽映画として楽しめる上に人の命の大切さ、何かに向って目的を達する為のチームワーク、そういうものをこの映画は教えてくれている。登場人物一人一人に注目したくなる中で特に三船敏郎の指揮官の言葉一つ一つの重み、誰一人として命を落とすことなく、勿論、無傷のまま兵士たちを救い出すその行動が何とも感動的である。けして、お涙を誘うようなそういう最近の邦画にありがちなお涙頂戴的な戦争映画というものとは大きく異なる戦争映画であり、人間ドラマである。それにしてもこの映画全体、まるで黒澤映画を思わせるようなキャストといい、最後の音楽なんてまるでどこか「ウルトラマン」シリーズみたいだし、円谷英二特技監督とあるのを見るとなるほどねって感じがします。
[DVD(邦画)] 8点(2010-10-12 21:41:42)(良:1票)
104.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 
どこまでも暑苦しい男達、その暑苦しさがこの映画を物語っているように感じられる。作品全体に常に付きまとう男と男による一つの目的に向う者達、何か目的を持つことは素晴らしいとこの映画は語っている。タイトルにあるフェニックス号が飛び立つ瞬間の男達のあの楽しそうな表情、あれがあるからこそどんな苦悩も頑張ってこれたのだ!と身体全体で喜びを表すシーンがこの映画の良さを表している。
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-03 12:01:46)
105.  黒い画集 あるサラリーマンの証言 《ネタバレ》 
小林桂樹さんの死というニュースを聞いて、どうしてもこれだけは外せない。見逃せない。以前、CSで放送したのを録画しそこねていたけど、親戚が録画してあると聞いて早速借りてきて観ることに!松本清張の原作、シナリオは日本が誇る最高の脚本家、橋本忍である。もう既にこの時点でどう考えても駄作なはずない。絶対に面白いその予感通り面白かった。一般庶民の見方、どこにでもいるサラリーマンが似合う俳優小林桂樹が深刻な顔をしながら人間の恐ろしさ、自らの嘘による証言によって身を滅ぼすその姿を徹底して見せ付けられることになり、人間の弱さを思い知らされた気がして、とにかく恐い。平凡な生活こそが人間の生きがいとすれば、ここでの主人公の姿はその反対を行っている。家庭があるのに別の女、愛人という存在の恐さに気付いた時には既に手遅れであるということをこの映画を見て感じると共にそれはサラリーマンであれ、そうでなくても同じ過ちを起こしてはならない。人は皆、何かしら過ちを犯す者であるとばかりに原作者の松本清張という人は例えば「砂の器」の犯人も同じであったようにここでもそう述べている。色んな意味で考えさせられる映画でもある。
[DVD(邦画)] 8点(2010-09-21 22:26:59)(良:2票)
106.  ウエスタン 《ネタバレ》 
オープニングから最後まで西部劇、正しくタイトル通り「ウエスタン」的な雰囲気、うなるような熱さ、ムンムンとする空気、どこまでも暑苦しい男だらけの世界に美しく、豊満な肉体を武器として、男を虜にする女、クラウディア・カルディナーレの存在がとにかく大きい。ヘンリー・フォンダの悪役も他ではなかなか見ることが出来ないという意味においても新鮮である。ヘンリー・フォンダに散々、罵声を浴びさせられながらも一人の女としてのまた娼婦としてのプライドを捨てないクラウディア・カルディナーレが最後、チャールズ・ブロンソンの帰りを待っていた後の二人の再会の場面、ここは余計な言葉なんて要らない。「行かなくちゃ」というチャールズ・プロンソンの問いに対し「いつか必ず帰ってきて」とただ一言だけ言う辺りの演出も下手にダラダラと長い台詞なんて言わせなくても二人の気持ちが解るというその上手さ、個人的にはマカロニ・ウエスタン系の西部劇よりももっと昔のジョン・フォード的な西部劇の方が好きだが、それでもこの映画が楽しめたのは役者の顔ぶれと見せる演出、いや、見せるというよりも魅せる演出の勝利、更に西部劇にぴたりとはまっている美しいモリコーネの音楽とがあればこそである。ところでどさくさに紛れてチャールズ・ブロンソンの真似して「俺もそろそろ行かなくちゃ」とか言いながらクラウディア・カルディーナレのお尻を触る。いや、掴むジェイソン・ロバーズには何ってことをしやがるんだ?クソー!羨ましいぞ!俺もクラウディア・カルディナーレになら例え、思い切りぶたれても彼女のお尻に触りたい。なんて思った野郎は私と同じです。
[DVD(字幕)] 8点(2010-06-26 11:38:59)
107.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
一言で言ってしまえば、クール!ひたすらクールなポール・ニューマンのかっこ良さに男の色気に酔いしれる。ポール・ニューマンの魅力でひたすら画面に吸い込まれる。あの例の生卵を飲むシーン、真似しようとしても出来ない。この映画におけるポール・ニューマンのルークの男なんて馬鹿なものさ!それがどうした?全くもって嘘の無い男の馬鹿馬鹿しさの全てを見せてくれていて、同じ男としてとにかくかっこ良過ぎるぜ!映画的にはかなり雑と言えば雑なんだけど、この映画はそんな雑なものまでも全てを吹き飛ばすだけのものが感じられる。それにしてもこの邦題はいまひとつ良くない。原題のままで良いんじゃなかろうか?最後にもう少しだけ言わせて欲しい。これだけはどうしても言っておかないと納得出来ないので言わせてもらう。この映画でアカデミー賞主演男優賞ノミネートだけに終わって賞を与えずに大した映画でもない「ハスラー2」なんかで主演男優賞を与えたアカデミー協会を私は断じて許せない。少なくともあんなもので賞なんか与えるよりも絶対にこの映画のポール・ニューマンの方が何十倍もかっこ良いし、素晴らしい演技をしているのに、それなのに、それなのに、ポール・ニューマンの代表作であるこの映画でこそ主演男優賞に相応しい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-23 22:05:01)
108.  暴れん坊兄弟
これまた一つ面白い時代劇を発見!沢島忠監督らしいテンポの良さ、所々で笑える要素がちりばめられている所などは如何にも沢島忠監督らしい。東千代之介と中村賀津雄の二人が面白い。そこに絡んでくる他の人達とのやりとりも面白い。またこの作品、東映時代劇全盛期の頃の華やかさ、女優陣の顔ぶれもこれまた見所の一つで、中でも丘さとみ、やはりここでも可愛い。そして、中村錦之助、ここでは脇役だけど相変わらず良いとこ取りって感じの、殿様役もかっこいい。
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-04-24 21:09:37)
109.  山猫 《ネタバレ》 
この映画は人間の美しいものに対する嫉妬と、自分が年老いてしまった事への哀しさ、空しさ、それこそがこのヴィスコンティ監督が描こうとしてた世界、それはこの監督の他の映画でも見られるように人間はいつかは必ず年老いて死んで行く。その前に一度だけで良い。歳の離れた美しい女性と踊りたい。美しい者への嫉妬と憧れ、その両方をきちんと描くことによって生まれる感情、全てを包み隠さずに見せる監督の演出、人生の儚さ、厳しさ、若くて二枚目の甥が若くて美しき娘との結婚、二人が優雅に踊っている場面を見て、いったい何を思うか?自分が甥と同じようにもしも、若かったらという思いがバート・ランカスターの演技からひしひしと伝わってくる。アラン・ドロンとクラウディア・カルディナーレの二人の姿には誰もが自分が彼ら、彼女らのように若くてかっこ良くて、美しかったらと思うに違いないほどそれを見るバート・ランカスターの公爵の気持ちは男なら理解出来るであろう!年老いた者にしか解らない哀しさ、同じ監督の「ベニスの死す」のあの老人と重なって見えてくる公爵の姿、アラン・ドロンが見つめる眼の前でクラウディア・カルディナーレにワルツを一緒に踊りませんかと言われた後の嬉しそうな表情が忘れられなくなりそうなほど本当に嬉しそうである。人生という名の元に老いていく者の辛さを痛烈に描くこのヴィスコンティ監督の視線の中には厳しさが物凄く伝わってきて、そういうものを何一つとして包み隠さずに描き切るという所がこの映画の凄さであるような気がしてならない。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-02-26 19:17:48)(良:1票)
110.  人間の條件 第六部 曠野の彷徨 《ネタバレ》 
さあ、いよいよ、これでラストとなるこの第6部は梶の美千子への想いが今まで以上に悲しく描かれている。何としてでも俺は生きる。前に向って歩く。そして、必ず美千子の元へ無事なまま戻るという才気溢れる仲代達矢の演技の前には戦争は何て惨酷、人と人との間を切り裂く。仲間の死を眼の前にして、気が狂って仲間を死に追いやった奴は生かしてはおけないというものがモノクロの映像からどんどんと見えてきて恐ろしい。またこの最終作品の中で高峰秀子の避難民中の女の今、ここで戦争はやめてと叫ぶシーンにおいても、強烈なほどのメッセージが含まれている。そんな彼女の叫びを聞いて、降伏する日本兵、戦争からは何も生まれないという監督が一番、描きたかったことであるように感じ、ラストの雪の中、美千子に饅頭を渡したいが為に歩きつづける梶の姿、最後、美千子に会うことが出来ないまま倒れた梶、そうとは知らないであろう美千子の笑い声、全てが何とも惨酷で、悲しい結末に戦争なんてものさえ無ければ人は誰をも憎むことなく、幸せでいられるのにという気持ちが湧いてくる。見ていて楽しい映画なんかではないし、むしろ、腹が立ってばかりだが、それでもこの映画の6作品全てを今、何かあれば直ぐに戦争だ!やられたらやり返してやる。とそういう考え方しか出来ない人達にこそ特に見て欲しい作品である。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-14 11:29:41)(良:2票)
111.  人間の條件 第五部 死の脱出
いよいよ、ここまで来たかってぐらい、とにかく見ていて疲れるし、ひたすら重苦しくてやりきれなくなるけれど、戦争が人間を人間でなくしようとするというものがここでも見られて、とにかくこの重苦しさ、梶にとっての軍隊とは、戦争とは?作品全体に今まで以上に死というものが付きまとう。もう、既に皆さんがコメントしている通りであるからして、これ以上述べることはないが、ここまで見てきたからにはどんな結末になろうとも、覚悟の上で観なくてはならないと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-13 15:17:20)
112.  大殺陣 雄呂血 《ネタバレ》 
これは恐るべし!何なんだ?あのラストの決闘シーンの凄さ、いったい、何人斬ったんだ?何人斬ればやっと落ち着けるんだ?って市川雷蔵の叫びが聞えてきそうなほどの数、凄い。タイトル通り正に「大殺陣」な映画だ!こんなに大勢の人達を相手に一人で戦うなんて、普通じゃないよ。凄すぎる。畳が飛んでこようが、車が突っ込んでこようが、車と車の間で挟み撃ちにされようが、刀が折れようが、絶対に全員を叩き斬って、自分を見守ってくれている女、八千草薫の為に死なないんだ。ボロボロになりながらも勝つというその執念、見習いたいものです。それにしてもここでも市川雷蔵の何とニヒルな顔付き、言葉少なく、女の為に戦う。市川雷蔵の魅力が十分発揮されていて、それだけでも観る価値十分です。阪妻のオリジナルの方も見たい。阪妻の方がより悲壮感溢れる仕上がりになっているように感じるが、そう思うのは気のせいかな?
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-13 21:15:54)
113.  さらば友よ 《ネタバレ》 
ストーリー的にはかなり強引な感じがしなくもないが、それを補うだけのものがこの映画にはある。なんてたって、二人の男、二枚目でクールで冷酷で、それでいて女に対してやたらと弱いというちょっと情けない男を演じてこれほどハマル俳優はいないアラン・ドロン、そして、アラン・ドロンとは全くもって正反対な男、三枚目でありながらもクールを気取り、しかし、やたら渋くてかっこ良く、これぞ男だと思わせるチャールズ・ブロンソンというこの配役こそがこの映画を単なる友情ものでない作品にしていると言って言いぐらい二人がとにかくかっこ良すぎてたまらん。ラストのあの警官達に捕まって去っていくチャールズ・ブロンソンに何も言わずに煙草に火を付けてあげるアラン・ドロンの男気、かっこ良さ、言葉になんて出さなくても伝わる男と男の友情!アラン・ドロンの友情に答え「イエーイ」と一言だけ残して去っていくチャールズ・ブロンソンのかっこ良さ、かっこ良い男とはこの映画の二人のことを言うのであるぞと世の女達に教えてやりたくなる作品である。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-12-13 11:35:17)
114.  穴(1960)
一切音楽を使わない。音楽を省くことによって生まれる緊張感が凄い。ひたすら脱走の為に穴を掘る。その為に大きな音を立てる。この大きな音があれば余計な音楽なんか不要だとばかり言ってるようである。映画を盛り上げるのは何も音楽だけじゃないことがこの映画を見ると思わずにはいられなくなる。バレるかバレないかの緊張感を味わう為の映画でもあると言えよう。  
[DVD(字幕)] 8点(2009-11-14 21:56:33)
115.  侠骨一代
こんなメソメソしている健さんも良いねえ!やたら気取っている奴よりはこういう健さんのような男の方が私は好きだ。既にぐるぐるさんが書かれているようにここでの健さんはとにかく最初から何か様子が違う。この作品、任侠映画なんだけど、どちらかというとメロドラマ的要素が強くて、そんなメロドラマを撮らせてもマキノ雅弘監督は上手い。そして、ここでもまた健さん同様、藤純子が良い。あの何とも色っぽい牛乳の飲み方といったらない。健さんと藤純子、マキノ映画におけるこの二人はやはりどれを見ても安心して見ていられる。まあ、ある意味安定しきっているので、物足りないと思う人もいるかもしれないけど、私にはこの安定感、安心感が好きである。勿論、任侠映画としてのお決まりのシーン、殴り込みシーンも迫力十分!マキノ雅弘監督に高倉健主演にヒロインに藤純子、外れるはずがありません。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-10-20 21:57:28)
116.  不知火檢校
これは「座頭市」の元のような勝新演じる盲目の按摩の凄まじいほどの悪人ぶり、金の為ならどんな悪事でも平気でやるその凄さ、同じ盲目でもこの悪人ぶりの凄さ、勝新という俳優にしか出せないような不思議なオーラが作品全体に漂っていて、他の人が演じていたらここまで見ることは出来ない。そのぐらい勝新の悪人ぶりが素晴らしい。ところで中村玉緒はやはりこの頃はどれを観ても本当に可愛い。それともう一人、今回、気になる女優がいる。近藤美恵子という女優の色気にはめまいがしそうなぐらいクラクラしてしまうものがある。勝新と中村玉緒がこの映画での共演がきっかけで結婚した作品として有名らしいけど、なるほどね。これを観れば解るような気がする。演技しながらも演技を超えた愛のようなものをも感じられる。とにかく勝新「座頭市」ファンは観ておいて損のない。いや、一度は観るべき映画だと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2009-08-28 21:53:40)
117.  裸の島(1960) 《ネタバレ》 
この映画には台詞らしい台詞がほとんど無い。笑い声や掛け声、子供達の歌声などはあるけれど、会話という会話が無いのである。そして、そんな会話を一切省くことで省略することによって、新藤兼人監督は互いが相手のことを全て受け入れてこそ伝わる人間としての正しい姿、人間が人間であること、人としての有り方、それを認めているからこそ、そんな関係のある者の間には言葉など要らない。言葉など無くても伝わるのである。言葉というものはお互いを確かめ合う上において時には不要であると言っているようである。そうなのだ!信頼しあっている者同士の間には言葉は要らない。相手を受け入れ、相手の気持ちを知る。また自分の気持ちも相手に伝える。人と人との関係、繋がり、この映画が意味するものは何なのか?全く知らない別の世界で生きている者同士なら言葉が無ければ解らないだろうが、この映画の人達の間には相手をよく理解している者同士、同じ島に住む者同士であるから言葉は無くても良いのである。人と人との繋がり、そして、人間って凄い。生きること、生きていることの凄さを映像だけで見せてしまうこの新藤兼人監督という人の凄さ、今の日本映画には無い。欠けている要素、何でも台詞でやってしまう今の日本映画とは正反対な作品である。
[DVD(邦画)] 8点(2009-08-19 22:52:53)(良:1票)
118.  婚期 《ネタバレ》 
これは面白い。女同士の言いたい放題ぶり、それぞれの言い分、言い訳、そのやりとりを面白く見られるのはこれは何と言っても女優陣の顔ぶれの豪華さと上手さ、京マチ子が常にめそめそしている脇で活き活きとしている姉妹、若尾文子と野添ひとみ、野添ひとみは相変わらずまんまだし、若尾文子に至ってはここでもまたなかなか見れない眼鏡姿でこれまた可愛い。そんな若尾文子のお見合いシーンの後の会話がとにかく笑える。毛がないからってそれに対する船越英二の発する台詞がこれまた笑える。船越英二、この俳優のカメレオン俳優ぶり、喜劇役者としての面白さ、笑わそうとしてないのに、笑えるところがこの俳優の凄さである。京マチ子との喧嘩も面白い。そして、みんながみんな自分勝手な中で、ただ一人普通にしている高峰三枝子、そんな高峰三枝子と京マチ子の二人、映画とテレビシリーズでそれぞれ「犬神家の一族」の松子夫人を演じているこの二人が同じ空間にいるというその凄さ、「犬神家の一族」の大ファンとしてはとても嬉しい顔合わせ、そういう楽しみもこの映画にはある。そうそう、忘れちゃならない女性達と言えば北林谷栄の存在も忘れてはならない。女優陣の演技、会話、女と女の男には理解出来ないような戦いなど見所十分!宮川一夫という日本映画史上最高の名カメラマンによる美しい映像も一役買っている。あれだけ喧嘩していて仲の悪い二人、京マチ子と船越英二がラスト、仲良く手を取り合ってのシーンもこの二人、喧嘩してばかりいても本当は仲が良く、喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもんで、なるほどね。この映画は正にそれを証明して見せてくれている。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-07-28 21:30:55)
119.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 
レジスタンスにおいて華々しく描くことなく、ひたすら暗く、どの人物にしてもクールというかとにかく常に何かに怯えているような感じがこの映画の緊張感を生み出しているように思う。所詮、人間は誰よりも自分が一番信用出来る。他人を疑ってかかるというものを徹底した乾いた感じ、派手な場面なんてほとんどこの映画にはない。唯一、あるとしたらそれはシモーネ・シニョレが己の男への愛を抑えて任務を実行した挙句に殺される所ぐらいで、この何とも淡々とした演出はどこをどう見てもハリウッド映画とは明らかに違う。ところで、この映画の中で皆で映画を見ている場面が出てくるが見ている映画がアメリカ映画の「風と共に去りぬ」であるというのもある意味、興味深く、戦争映画としても素晴らしいあの名作「風と共に去りぬ」を見て「早く平和を迎えてフランスでもこんな名画が見たい。」という台詞にこそこの映画を通して訴えたかったもの、平和を唱える。願うという行為、それはアメリカもフランスも関係ない。どこの国でも平和が一番であるという強いメッセージを感じることが出来る。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-21 21:45:15)
120.  眠狂四郎 勝負 《ネタバレ》 
三隅研次監督の美しい映像美、それに市川雷蔵の美しさ、かっこよさ、吐く台詞がいちいちかっこよく、時々見せる笑顔、加藤嘉の老人にお主の住まいは?と聞かれて、吉原と答える。なんて贅沢三昧な暮らしをしてやがるんだ!羨ましいぞ!女に毒を飲まされ、風呂では敵に命を狙われ、しかし、絶対に死なない。当たりまえだな!主役なんだから死ぬわけない。眠狂四郎というとニヒルで無口な狂四郎しか知らない私にはとても新鮮!見る順番が滅茶苦茶だからそう見えるだけかもしれない。いずれにせよ、作品全体の美しさとテンポの良さに女に対する狂四郎の態度の冷たさがある意味痛快で良かった。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-07-08 20:23:29)
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