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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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121.  コーラス
おそらくはこのくらいの時代だと体罰主義、管理主義をモットーとする教師はふつうにいただろうし、ましてや寄宿学校となればいっそうその趣向が強く現れもするだろうと思うんだけど校長一人をこうまで悪者にしちゃうってのはどうなのだろう。ま、悪者はいいとしてもだったらせっかくの悪者の管理体制下における子供たちの萎縮がいまひとつ伝わらないってのはもったいない。悪ガキの孤独で寡黙な反抗はたしかにこの異質な管理社会が生み出したもののように見えるが、新任教師のありきたりな通過儀礼でもあるクラス全員が教室でバカ騒ぎといういかにも健康的な悪ガキ集団といった描写は恐怖政治下にある学校の風景に合わない。ここでの歌を歌うという行為は自由の象徴なのだから歌に行くまではとことん閉鎖的でなきゃその自由さが伝わりにくい。あと、回想シーンのどこか中途半端な終幕はけして悪くないのだが、そこから現代のシーンでうまく締めてくれないもんだから中途半端さだけが印象に残ってしまった。 
[DVD(字幕)] 4点(2010-06-14 15:26:08)(良:1票)
122.  レスラー 《ネタバレ》 
オープニングに鳴り響くLAメタルの先鋒クワイエット・ライオットの「Metal Health」は主人公ランディの入場曲である。恋心を抱くストリップバーのダンサーと仕事を離れて街でビールを飲むその店で流れるのがLAメタルの真打ちラットの「Round and Round」! この名曲(でしょ?)を二人で歌い踊るのだ。そしてランディは言う。80年代は良かったと。ガンズ&ローゼズ、モトリークルー、デフ・レパードは良かった。90年代はクソだ!ニルヴァーナが出てきてぶち壊した!って・・(笑)。たしかにとりあえず頭振っときゃいいみたいな陽気なLAメタルと比べるとオルタナティブロックは辛気臭いってのも解からないではない。少なくとも実に単純明快な生き方をするランディには絶対合いそうにない。しかし時代は変わるのだ。時には時代に寄り添うことも、先を見据えることも大事。でもランディは変わらない。それがかっこいいからじゃない。そこに夢があるからでもない。ただ不器用で、それ以外の生き方ができないのだ。あまりに哀れな男が哀れなまま終わる。泣くしかないではないか。最後の試合での入場曲はガンズの「Sweet Child O’Mine」。LAメタルの時代の終焉をきらびやかに飾ったガンズとランディの最後の試合をだぶらせる。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-11 16:54:01)
123.  リダクテッド 真実の価値
昨今のフェイク・ドキュメンタリーにおける手ブレ映像の流行の中にあって、この作品が素人の家庭用ビデオカメラの映像という設定にもかかわらずそのブレが極力抑えられていることに好感を持つ。でもあまりにもプロフェッショナルな構図と編集のせいだと思うんだけど、例えばああこの人爆弾でやられちゃうんだろうなとかこの人拉致されちゃうんだろうなってのが予測ついちゃう。画面がそういうふうに撮られてるから次の画が予測できちゃう。予測できちゃうことの面白さというのもあるんだけど、この場合は撮れてしまった感ってのが欲しい。で、そもそもビデオカメラ映像を模した作りにしたのはおそらくはイラク戦争の暗部をリアルに伝えたかったというのがあると思うんだけど、ドキュメンタリー映像を差し込むならまだしも全編フェイクってのはフェイクであることを強調してしまってかえってリアルじゃなくなるような気がするんだけどどうなんでしょ。あと、これだとイラク戦争の問題というよりも個人のモラルの問題のほうが大きいように思うんだけど。
[DVD(字幕)] 5点(2010-06-04 13:14:33)(良:1票)
124.  アメリカン・ソルジャーズ
B級戦争アクションなんだけど、記憶も新しいイラク戦争を舞台としているため、どうもスカッとアクションというわけにもいかず、かといってイラク戦争を問うたような社会派の意識なんて欠片も無いというなんとも中途半端な作品。敵が襲ってきてドンパチあって誰か死んで死に際に何か言って移動してまた敵が現れてドンパチあって誰か死んで死に際に何か言ってまた移動してたらまたまた敵がやってきてドンパチあって・・・と、しつこいっちゅうねん。ワンパターンの繰り返し。ロケットランチャーみたいなのがジープに当たってわーわー言っててもジープ全然平気だし。ま、それはありかなとも思うんだけど、もうちょっと緊迫感出すとか怖がらすとかかっこいいアクション見せるとか、なんかないとなあ。
[DVD(字幕)] 1点(2010-06-03 13:58:20)
125.  告発のとき 《ネタバレ》 
長男は戦死し、二男までもが無残な死をとげる。それでも冷静に真実を見極めようとする愛国心の塊のような父は元軍人。死の真相に近づきつつあるなかでギャングがらみなら復讐心に火もつこうものだが、真実は彼の想像の範疇を超えるものだった。それは単に戦友が殺すはずがないということではなく、愛国心を揺るがすもの。『クラッシュ』はどこかブラックジョーク的なシニカルさがあまりにうますぎて嫌味な感じもしたが、この作品においては題材がよりシリアスゆえか前作のようなシニカルはない。脚本は相変わらずうまく、見た目には異常さを見せない帰還兵たちの異常さは、俳優たちの演技でも監督の演出でもなく、やっぱり脚本の力が大きいのだと思う。子供が素直な疑問を投げかける。ダビデはどうして王様に自分が戦うって言ったの?と。母親はわからないと言う。戦う理由がわからない。アメリカは迷走している。けっこうズシンとくるものがあった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-02 16:02:22)
126.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 
冒頭数分がめちゃ怖かった。爆弾をリモコンで爆破させようとする者がいないかを探す映像と、もしかしたら爆弾を爆破させようとしている人間の視点かもしれない防護服を着た処理兵をとらえた映像。こんな恐るべき緊迫がこのあとずっと続くのかと思うとうんざりするぐらいにドキドキした。で、爆破から逃れるために走る兵士。これだけ離れればアクション映画の主人公はTシャツ一丁でも間違いなく生きているのだが、この映画では宇宙服のような防護服を身に着けていても生き延びることができない。過酷だ。主人公はこの死んだ男と交代でここに現れる。ところが冒頭ほどの緊迫感はこの後訪れることはない。たしかに一人で爆弾までの長い道のりを歩いてゆくシーン、一つ解体したと思ったら芋のようにゴロゴロと出てくる爆弾、車体爆弾解体シーンの射撃班の視点映像などそれなりに緊迫するシーンはあるのだが、主人公の落ち着き振りが最低限の安心感をもたらしている。この落ち着きぶりがいわゆる「戦争は麻薬」というオープニングの言葉のとおり、生と死の狭間にいることを積極的に望む主人公ゆえということなのだろうか。わからないでもないのだが、ちょっともったいないようにも思う。砂漠地帯での銃撃戦はこの映画一番の見所でもあると思うんだけど、ここは顔に積もる砂とか動かない腕とかが映されて初めてその凄まじさが伝わってきたのだがそれでいいんだろうか。なんかここももったいないなと。任務明けまでのカウントダウンはうまい。危険と隣り合わせのNY市警を定年退職したあと生きがいをなくし自殺した男が登場した映画(フライシャー『センチュリアン』)や熊や狼に襲われるかもしれない世界でこそ生きていることを実感できることを綴ってもいた話(星野道夫「旅をする木」) と同様に主人公は生きていることを確認するためにまた戦場へと向かう。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-31 15:24:21)(良:1票)
127.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
いやはや、マトリックスだったわけですね。アイデアの勝利だ。そのアイデア以上にサスペンスに満ちたシナリオがうまい。そのサスペンスを大いに堪能させてくれる演出がうまい。どこから見ても怪しいレイ・リオッタの存在もサスペンスを盛り上げる。人格統合の舞台がなぜモーテルなのか(しかも大雨!)は、精神科医が多重人格について検察官や刑事たちにレクチャーしながら同時に観客に説明するという同じシーンをもつヒッチコック『サイコ』のパロディなのかな。モーテルってのはアメリカ映画のホラー・サスペンスの定番的舞台でもあるのでなんとも言えんけど。てか、あのレクチャーのほうがパロディか。展開がスピーディなので今どきな消費型作品の様相もあるんだけど、サスペンスがしっかりしているので2度目3度目も楽しめると思います。まだ試してませんが。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-28 15:40:10)
128.  隣人13号 《ネタバレ》 
俳優陣全員がはまり役。中でも現実離れした強烈なキャラを演じた中村獅童と、ヤンキーあがりのちんたらぶりとその実尋常ならざる肝っ玉ぶりを見せた新井浩文は流石。吉村由美をことさらいやらしい目線で撮りながらもそこからそのいやらしさを発展させないのがどうにも消化不良ぎみなのだが、もしかしたらそれは、いつでもオレンジのダウンジャケットを着続ける小栗旬というけったいな描写ともども、これが少年の妄想だからということなのだろうか。全体的にはキャスティングとキャラ作り以外はそれほど特筆するものが見出せず、もうちょっと緊迫感があってもいいのではとかもうちょっとカタルシスがあってもいいのではとか思いながらも、それほど悪いとも思わず、というのがあるシーンを除いた概ねの感想なんだけど、あるシーンというのがビデオテープに録画されていた子供が泣き叫ぶシーンで、あれはどうみても本気で泣かせているようにしか見えず、もしあれが演技だったらごめんなさいなんだけど、私にはとうていそうは思えず、ああいうのは許せんのですわ。その不快感のぶん、減点させてもらいます。 
[DVD(邦画)] 3点(2010-05-27 15:14:55)
129.  ぐるりのこと。
高評を得ているとは聞いていたがここまで高いとは思わなかった。多くのお気に入りレビュワー様方まで褒めているのでちょっと困惑。正直つまらなかった。というか面白くなりようがないと思うのだが。ゲイカップルに女という異物が混入する(『ハッシュ!』)から映画になるのであって、ずっと妻と夫の10年を映し続けたって面白いわけがない。せめて自動車で移動(ロッセリーニ『イタリア旅行』)でもしてくれりゃスリリングにもなろうにそれもない。あえて面白くなりようのない設定に挑戦してるのだろうか。夫婦の10年というのはもしかして面白くなりようのない代物であって、それを描くためにあえて映画の醍醐味を封印してるのだろうか。だとしても、つまらないものはつまらない。冒頭、「セックスをする日」という取り決めに関する夫婦の会話はなるほど可笑しかったし、両者の性格を見事に描写もし、その後の展開を大いに暗示もする見事なシーンになってはいるが、見事すぎるというか、あまりに意味を持たせすぎてわざとらしく感じられた。そう、会話のひとつひとつがわざとらしかった。物語そのものに文句はないが、その物語のためだけに交わされる会話が自然体で交わされれば交わされるほど不自然でわざとらしく感じた。裁判シーンは相当にわざとらしかったのだがこれはあえてしてるんだろう。ほとんどコメディのノリ。そのノリは何も起こらない夫婦の物語の単調さを救うためのノリだったのか。でも元ネタ事件がわかりやすすぎてちょっと受け入れ難くもあった。
[DVD(邦画)] 2点(2010-05-17 18:36:37)
130.  我が至上の愛 ~アストレとセラドン~ 《ネタバレ》 
我が至上の愛。なんとも大層なタイトルがついているが、男女の恋愛を描くときのロメールのいつもの軽やかさは時代を5世紀にしたって変わらない。軽やかさはそのままに、時代を遡ることでより原初的な恋愛劇となっている。人を好きになることの至福と人に好かれることの至福がある、ただそれだけ。呆気にとられるほどのシンプル且つストレートさ。終盤、なぜ男は女装するのか。ロメールの真骨頂ともいえる女同士の会話をさせるためだ。そしてここで無防備に見せる乳房のなんて美しいこと。今までもロメールは若い女の体をとくに部位を強調して見せてきたがここまでモロに見せたことはなかった。愛の原初的な形を見せるにあたってこのストレートな見せ方になったのだろう。またそのストレートさに負けないほどの美がそこにある。若い男女の恋愛を、そしてそれに伴う「若さ」ゆえの肉体的反応を、美しく且つ健全に描ききった傑作である。軽いタッチでありながら、なるほどこれは至上の愛であった。ロメールの遺作にして最高傑作。  
[映画館(字幕)] 9点(2010-05-14 15:16:17)(良:1票)
131.  シャレード(2002)
ジョナサン・デミ作品には同業の監督を俳優として出演させていることがよくあって、おそらくはヌーヴェルヴァーグ諸作品の影響だろうと思っていたのですが、フランス・パリを舞台とするこの作品はそのことを証明するかのようにヌーヴェルヴァーグの足跡をそこかしこに記してゆきます。劇中、『ピアニストを撃て』に言及するシーンがあってシャルル・アズナールの歌が流れます。するとアズナール本人が歌っている姿が映し出される。『サムシング・ワイルド』のシスター・キャロルと同じパターンです。ここは思わず嬉しくなっちゃうシーンでしょう。ミュージカル映画のような非現実的なダンスパートナー交代シーンや演者が観客に向かって笑顔を振りまいたりするのも、手持ちカメラ(?)風で見せるパリの街並みもいかにもヌーヴェルヴァーグだし、アニエス・ヴァルダやアンナ・カリーナの登場も嬉しい。ヌーヴェルヴァーグなんて知らないよと言われればそれまでなんですが、個人的にはけっこう好きです、これ。ああ、あんたも好きね。って感じでしょうか。オリジナルの『シャレード』は見てなくてもいいですが、ヌーヴェルヴァーグ諸作品はいくつか見ておいたほうが確実に楽しめます。 多国籍感溢れる面子はデミならでは。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-19 17:41:56)
132.  クライシス・オブ・アメリカ
冷戦時代のスパイサスペンスにありがちなネタを今やられてもなあという時代錯誤な感があったんだけど、なるほどリメイクだったのか。いろいろと現代に置き換えているのがオリジナル作品を見なくてもよくわかるのだが、いまひとつ空恐ろしさといったものが伝わってこない。設定に無理があるからかもしれない。湾岸戦争といった現実をもってくるよりも舞台を近未来にして架空の設定にした方がより緊迫感を得れたような気がしないでもない。メリル・ストリープが副大統領候補者選びの演説を党内でぶちまけるシーンなんかも含めシドニー・ルメット『キングの報酬』を彷彿とさせるところがあるんだけど、そのルメットご本人を登場させてるぐらいだからルメットへのオマージュは至る所に散りばめられていると見ていいだろう。母のイビツな愛情と野望のドラマを絡めてくるところは実にうまいと思うのだが、先に書いたように軸となる社会派サスペンスとしてのリアリティに難あり。というか社会派たろうとするから無理が生じる。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-15 16:09:56)
133.  レイチェルの結婚
手持ちカメラの揺れやぶつ切り編集はホームビデオを模している風でもあるが、何通りもの別アングルで適格なアップをとらえたホームビデオなど実際にあるはずもなく、生々しい緊張感と娯楽映画としての見やすさの両立がうまく成されていると思った。今回はデミお抱え撮影監督のタク・フジモトではなかったがデクラン・クインとのコンビもなかなかだ。様々な人種と様々な音楽を取り入れているのはデミ監督にとって今に始まったことではなく、例えば『フィラデルフィア』は明確に過ぎるにしても一見関係の無さそうな『サムシング・ワイルド』を見たって音楽ジャンルのごちゃ混ぜ感もさることながら主要人物に黒人が一人もいないにもかかわらず通りを歩く人や出会う店員はまるでスパイク・リーの映画と見紛うごとくに、ことごとく黒人だったりする。そしてデミは(いろんな意味で)種の異なる人たちが出会いぶつかり化学反応を起こす様を描き続けてきた監督と言っても過言ではない(『羊たちの沈黙』だってそうだ。)。その化学反応を家族内で描いたのがこの作品。異人種でも異文化でもないのに、しかも愛し合っているのにそこには頑なな壁があり溝があり殻がある。人種を超えた結婚と宴という現代の幸福と、家族の再生がしにくい現状という現代の悲劇を同時に描いてみせたデミの意欲作。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-12 16:39:58)
134.  ヤッターマン(2008)
「タイムボカン」は見てたけど「ヤッターマン」になると見たり見なかったり。なんかバカバカしくって。前者のカブトムシは明らかなメカだったけど後者のイヌは自らの判断で動き、しゃべり、おしっこまでする。メカのくせに。むちゃくちゃだ。だったら性欲だってあるだろう。興奮だってするに決まってる。映画『ヤッターマン』はTVアニメ「ヤッターマン」のバカバカしい設定を逆手にとってバカバカしさをあえて露呈させてゆく。ヤッターマンのキメのポーズを目の当たりにする少女は羨望の眼差しでその勇姿を見つめることはない。なに?この人たち、バカ?といった表情で立ちすくむのだ。元ネタへの冒涜か?いや、「ヤッターマン」自体がおふざけの悪乗りが過ぎる作品だったのでこれこそがオマージュと言ってもいいだろう。元ネタのキャラと最も離れているドロンジョだが、見て納得。映画のドロンジョは恋する乙女。処女性とセクシーボディを併せ持つドロンジョを深田恭子以外に誰が出来ようか。アホな1号。そのアホに惚れてしまったドロンジョ。そのアホに秘かな想いをたぎらせる2号。真っ直ぐなアホはもてるのだ。そこにドロンジョへの無償の愛を貫くボヤッキー。なんて素敵な恋愛映画。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-09 15:07:27)(良:1票)
135.  鉄人28号
子供に対してこんなこと言っちゃなんだが、正太郎、うざい。弱っちいのは仕方ないにしたってその弱さが半端ないうえに大袈裟。さらにくどい、しつこい。蒼井優が正太郎に「へたくそ」と言ってくれるがあそこは「へたくそ!アホボケカス」ぐらいは言っていただかないとスッキリしない。だいたいなぜその役に蒼井優なのか。というか少女なのか。客寄せパンダ以外の意味が見出せない。そもそもこの映画は何がしたいのかさっぱりわからない。もっと言うとやる気すら見えてこない。鉄人の存在、悪玉の存在、何もかもにいいかげんでありがちな理由付けがされ、純粋なアクションすら見せようとしない。サイテー。
[DVD(邦画)] 1点(2010-04-08 17:21:10)
136.  CASSHERN
私が子供の頃、アニメというのは子供のものだった。子供だけのものだった。それゆえにメッセージは明確で、バカバカしいほどに短絡的でもあった。『CASSHERN』のベースはそこにある。というか後の『GOEMON』もそうなので(レビュー済み)紀里谷和明監督のベースということになるんだけど、要するにこの人の創作物の原点はどんなに物語を複雑化しようがビジュアルを大人びたものにしようが子供向けアニメであることに変わりないのだ。大人に向けてこんなことをする作品もそうは無いので一見新鮮味はあるのだが、どうも確信犯ではなく監督本人はいたって本気で大人映画のつもりっぽいので受け止めるこちらは困ってしまうのだが。セリフ過多は映像で語ることを拒否しているのではなく、これも原点にアニメや漫画があるから自然とこうなったのだと思う。戦いながら、ときには空中で留まりながらお互いが語り合うなんてシーンはまさに漫画。ピッチャーが投げバッターが迎え撃つときバッターが○○破れたり!とか言ったりそれにピッチャーがなに!?とか反応したりとかいうのと同じ。コンマ1秒の世界が数十秒に引き伸ばされるアレ。『GOEMON』のレビューでも書いたが、映画を知らないというのは強みでもある。紀里谷作品のオリジナリティはその強みの証し。しかし見るほうも映画を期待してはいけない。
[DVD(邦画)] 4点(2010-04-08 17:19:34)
137.  CUTIE HONEY キューティーハニー
大量のおにぎりを食べながら下着姿で街中を走る天然系のちょっとイタイ女の子、ってキューティハニーちゃうやん。と、幼少に親しんだアニメ版とのギャップに一瞬意気消沈するも、ここまでキャラが違うとかえって庵野版オリジナルハニーとして割り切れてしまうので立ち直りも早かった。サトエリの徹底した肌の露出とそれをとらえる徹底したカメラアングルは流石なのだが見せすぎのせいかエロチックさは意外とない。全体的にコミカルに仕上げているのが好感が持てる。一番うけたのは及川ミッチーの登場シーン。と、けっこう面白い要素を多分に含んでいるんだけど、お決まりの感動的シーンが冗長。オマージュということなんだろうけど原作イメージを保とうとしている部分はかえって浮いていた。ハニーがあれだけオリジナリティを発揮してるんだからもっとはじけきっちゃってもよかったのではと感じた。ハニメーションに関してはその必然性がいまいちわからなかった。
[DVD(邦画)] 4点(2010-04-08 17:19:09)
138.  カムイ外伝
松ケンカムイはそうとう走ってます。砂の上だしけっこうきつそう。でもCGとワイヤーでとんでもない動きを見せてくれるので、せっかく一生懸命に走ってもそこを活かせない。あの体力の限界に挑んだような走りこそに超人的身体能力を見なければいけないのに、他で目にも留まらぬ速さで木から木へ飛び移ったり突如走りながらあり得ない動きで手裏剣を除けたりしてるので、かえって本物の走りそのものが遅く感じるのだ。サイテーではないか。なんのために原作のイメージからかけ離れた南国ビーチを舞台にしているのだ。アクションをしっかりと撮るためじゃなかったのか(他になんか理由あるの?)。本来なら集落から放たれるだろう陰湿な何かや色っぽい何やらこそが描かれてしかるべきところをカラッと明るい漁村にする理由が他に何があるというのだ。だいたいあそこまでバレバレのCGを大量投入するならいっそのこと走るシーンも、クライマックスの決闘も全部CGにしちゃえ。
[DVD(邦画)] 2点(2010-04-06 17:51:47)(良:1票)
139.  渇き(2009) 《ネタバレ》 
パク・チャヌクの映画は女優は可愛いんだけど、どうもストーリーで楽しませようとする部分が大きくてあまりいい印象を持っていなかったんだけど、これはストーリーが比較的シンプルなだけにたんまりと映像を楽しむことができた。そして何よりも好感を持ったのが、随所に散りばめられたユーモア。エロチックとスプラッター描写の合間のユーモアが絶妙。意識不明の患者から点滴チューブを逆流させて血を飲む姿の滑稽さよ。そして悲鳴をあげるオクビンの可愛さ。ビルとビルの間をピョンピョン跳びはねる姿の滑稽さよ。そしてキャッキャとはしゃぐオクビンの可愛さ。殺した男がいつも付きまとう様子のおかしさよ。そして困った顔のオクビンの可愛さ。そしてラスト。生死の係った切羽詰ったシーンなのにここに一番のユーモアをもってくる。光から身を守るためのあれこれ。必死に死から免れようとする姿のなんて可愛らしいことか。不死身のバンパイアが一人のか弱い女になる。キム・オクビンという女優が気に入っただけじゃないのかという声が聞こえてそうだが、うむ、もしかしたらそうかもしれない。でも間違いなくこの映画に散りばめられた多くのユーモアは映画でしか生み出せないユーモアであった。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-02 16:16:06)
140.  リトル・チルドレン 《ネタバレ》 
現状に不満を感じるから思い切って新しいことにチャレンジする。と言うと聞こえはいいが、主人公二人はその聞こえのいいものの名の下に現状から逃避しようとしているだけなのだ。出来すぎの妻に生活を支えてもらっている司法試験に落ち続ける夫という現状からの逃避。教養のある自分が子育てに時間を割き、公園で無駄な時間を浪費せざるを得ない現状からの逃避。「ボヴァリー夫人」を都合よく自分に当てはめて理論武装してゆく中途半端な大人。その理論武装がナレーションで語られているけど神の視点のナレーションはない。つまり物語が何を語ったものだったのかは語られない。奥深さをうまく演出している。でもこれだけじゃ面白くはない。シーンごとに充満するよそよそしい空気とか居心地の悪い空気とか作り出すの、うまいなあとは思うんだけど、この手の今どきな浮気話に興味は無いしケイト・ウィンスレットも好みじゃない。ここに現状に不満があってもこの場所から離れようがない困った男二人のサイドストーリーがあるから面白いのだ。二人ともかなりインパクト大な過去を持っているが、それゆえに主ストーリーを食うほどには出てこない。このへんの塩梅もうまい。で、この4人がすれ違い交錯する結末はちょっと出来すぎではあるんだけどいい結末だと思った。男はチャレンジは簡単なことなのだと、でもリスクを伴うものなのだと理解したのか。それとも痛みの中で一番大切な人の顔が浮かんだのか。女は母であることを自覚し、また取り返しのつかない過ちの存在を認めたのか。そしてある男はこの街に受け入れてもらうためにあることを決行せざるを得なく、またある男はこの街にい続けるためにしてきたことに懺悔するのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-01 14:14:30)
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