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王の七つの森さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 188
性別 男性
自己紹介 ・・・・最初に投稿してから4年近くたとうとしています。
これからも、細々とでも投稿してゆきたいと思っています。

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121.  GO(2001・行定勲監督作品)
「めちゃ、ウンコしたい」・・・ってとこ、正直、笑いました。そこだけよかったです。この点数は、そこの点です。それ以外は、だめです。・・・お金かけてもだめです。さすが行定、、、、、という感じです。・・・・・・・・橋の上の警官とのシーンもいいですが、もっと長まわしのワンカットにするくらいじゃなきゃ、役者もほんとうに心から演技できませんよね。・・・・・・・・とにかく、テーマが、このグローバル化の時代では古すぎ。「バッチギ」みたいに過去の話、しかも関西の話にするような工夫がないと、全然、説得力がありません。きょうび、クラスに2,3人は、李君とか、朴さんとか、劉君とか、黄さんとかいて、国籍とか気にせずおつきあいしているのではないでしょうか。・・・・・・・・最後の校庭のシーンで窪塚が、在日ほにゃらら、と絶叫していますが、今時の若者の辞書には、在日という言葉はおそらくないでしょうし、在日韓国人と在日朝鮮人の区別も殆どないと思います。在日といっているのは、一部の右翼と在日の人達くらいじゃないのでしょうか。・・・・・・・・また、吠えている窪塚の目が好きだと、柴崎が言いますが、その目は、差別に対する抗議の目なわけで、もし差別がなくなれば穏やかな目になって、魅力的ではなくなるわけです。ということは、全体として、すでに都会では消えつつある差別を懐かしんだり、肯定したりする映画だったわけです。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-24 00:09:48)
122.  真夜中の弥次さん喜多さん
支点を失った想像力の連続というか、一発ギャグの寄せ集めというか、、、、、、まあ、ホモと薬中を同列に、侮蔑的に、扱っているわけですから、その想像力の程度も知れようというもの。、、、、、、要するに、リアリティなどというものは、共同主観的に私たちが構成しているものだという当たり前のことを、テーマとして一生懸命に示そうとしているというか、、、。最初の40,50分はそこそこ楽しめるのですが、あとは、マンネリで、飽きてしまいます。、、、、一見したところ、勘九郎おやじが、中村座でしたっけ、ニューヨークでやったことと、似ているようで、実は、全く異質なもの。勘九郎も親バカですね、息子のためにこんなの演じちゃって。、、、、、とはいえ、確かに、七之助と長瀬智也は熱演です。それと最後の方で小池栄子の米を研ぐ音を聴いて、鈴木清順監督のチゴイネルワイゼンを思い出しましたが、この作品が、チゴイネルワイゼンの想像力の域に達しているとはもちろん思えませんでした。
[DVD(字幕)] 6点(2005-10-29 23:47:38)
123.  わが青春に悔なし
とにかく、亡夫の農家に戻り、畑仕事をする原節子の姿が凄い。、、、泥に汚れ、日に焼け、汗を流し、エネルギッシュに動く原節子のこんな姿は他では見たことがありません。また亡夫の農家に対して、誹謗中傷を加え、白い目で見る、農民たちの表情を、短いカットでつなげてゆくところとか、リズム感とリアリティがあります。、、、、、、しかし、話全体としては、あまりに単純な構図になっているように思う。戦時中に節を曲げなかった野毛一人が英雄だ、みたいで。、、、、、特に、八木原が京大に戻った時の、学生を前にしたスピーチで、「一番残念なのは、ここに野毛君がいないこと云々」というくだりは最低。、、、戦場で死んでいった多くの学生よりも、野毛一人の方が評価できるのだろうか。そういう英雄主義、エリート主義が、映画全体を貫いているように思えた。
[DVD(字幕)] 6点(2005-06-30 11:15:10)
124.  こうのとり、たちずさんで
人と人とを分け隔てるものは様々です。、、、性別(ジェンダー)、氏族、会社、宗教、言語、肌の色、そして国。、、、、もちろん、どれも、全部、人間が決める違いです。その中で、この映画は、国の違い、そしてその境界線を扱っています。しかし、他の様々な違いと、国の違いはどこが違っているのか、そしてどうして国の違いだけを特権化して扱うのか、この映画からは、それが伝わってこないように感じました。、、、、たぶん、国の違いというのが、他の違いとは異なるのは自明のことなのだと、監督が考えているからかもしれません。もしそうだとしたら、だからこの映画は面白くない。、、、、自明だと思うことをこつこつ確かめていかないと、時代を超えた説得力を持つことはできないと私は思います。、、、実際、この映画が作製された時、すでにグローバル化は進行し始め、いまや、多くの場所で国境などボコボコに穴が開いています。そしてギリシア周辺についていえば、いずれはバルカンだけでなく、トルコまでEUに飲み込まれることになるでしょう。ではアンゲロプロスは、国境を形骸化し、人々が自由に行き来することを可能にするグローバル化を手放しで賞賛するのだろうか。
6点(2005-03-02 14:20:11)
125.  CURE キュア
いやぁ、アイロニーたっぷりのcure(癒し)ですね。、、、、現代社会に生きる誰しも、デブの精神科医のいうように「あんたの方が病気に見える」存在であり、心の中に、鬱屈したものを抱えていて、殺人という行為が、それを放出して癒すことだとすればですが、、、、、。それと「あんたはだれ」という問い。、、、、「鈴木三郎で~す」「○○商事の社員で~す」「○○歳、花婿募集中のOLどぅえーす」とか、名前、性別、職、などの社会的役割を答えることで十分な回答だと考えている人に対してなら、確かにインパクトのある問いかけかもしれません。、、、、、しかし、個人といったって、様々な社会的システムの結節点のようなもので、実体化できるものではないと覚醒していれば、「あんたはだれ」といわれたら、「お前、そんな質問に回答があるとおもってんの」と答えるしかない。、、、、、そういう観点からいえば、それぞれの人に、その人を規定するような本質、コアなどないということになる。、、、、、、、ということで、この映画ですが、、、、、人間の深層心理をあまりに単純化しすぎている、と私は思います。役所広司だって、奥さんのこと、愛していると同時に、憎んでいるんじゃないかなぁ。単に社会的義務から、扶養しなくちゃいけないけど、うまくいかなくて憎んでいるんじゃなくて、愛しているから一緒に暮らして楽しくやりたいけど、それができないから憎んでいるんでしょ。、、、、、だったら、殺したって、癒されないじゃないですか。(前者なら、憎むべき対象は社会システムであって、奥さんじゃないし)、、、、、つらつら自分のことを考えてみるに、嫌いな奴はいっぱいいるけれど、殺してやりたいという奴はすぐには見あたりません。監督は、自分の心理を一般化しすぎではないでしょうか。、、、つまりcure(癒し)が一番必要なのは、監督自身のようにも思います。
6点(2005-01-25 10:10:52)
126.  リリイ・シュシュのすべて
中学生の日常に散りばめられる、いじめ、喧嘩、部活、万引き、援交、かつ上げ、自殺、夏休み、合唱祭、レイプ、、、、、 などが、物語性を排除したように、雑然と、脈絡なく、配置されていました。、、、、、一貫していると感じられたのは、下地として満たされている、エーテル感、透明感。そのエーテル感に同調するとき、ふと14歳くらいの自分を包んでいた空気が微かに感じ取れたような、、、、、、。ただ、最初から、最後まで、「で、何が言いたいの」という疑問が頭を離れませんでした。、、、、、でも今思うと、具体的に何かの物語を与えようというのではなく、見る人一人一人が、作中に散りばめられた出来事を、好きなようにつないだり、捨てたりしながら、自分にとってかけがえのない物語を作り出して欲しいというのが制作意図ではないかと思えます。作者自身が語るのではなく、見る人が想像を紡ぐための場を提供し、その場をエーテルで満たすのだ、といったように、、、、、。だとすれば、久野さんを主人公にしてもよいし、星野君、津田さんを中心にしても良いわけです。、、、、、自分と重なり合う物語が上手に作れた人には、素晴らしい映画になるに違いありません。、、、、、しかし残念ながら、私は上手に作ることができませんでした。散在する出来事をどう結びあわせても、閉塞した物語しかできないように思え、そんな物語を描いてどこに救いがあるのだと思うからです。、、、、、リリィの歌だけが救いだった?、、、甘ったるいエピソードが欲しいというのではありません。例えば、ただ無心に壁にボールを投げたり、あてどなくチャリをこいだり、誰かに密かに思いを寄せたり、、、、ささやかな救いの要素は、商業化された音楽以外にも、色々にあるはずなのに、そういう部分がひどく欠落しているように思うのです。、、、、、14歳くらいの世界を描いたものなら、例えば石田衣良さんの方が小説ですが圧倒的に好きです。
6点(2004-11-18 15:14:09)
127.  クリムゾン・タイド
途中から、ジーンハックマンの顔が、ラムズフェルドの顔と重なってきた。、、、、、おそらく、アメリカの軍隊、共和党支持者の殆どは、ジーンハックマン的なメンタリティを持っているのだろう、ということがわかったのが収穫でした。、、、、頭の固いサディスティックなレイシストということです。、、、、、映画としては、エンディングが最低。両者とも正しく、かつ誤っていただとぉ!! ・・・・(追記)末端の兵士もパソコンを持って走っている時代です。衛星、情報収集機(艦)からの情報が瞬時に末端にまで伝わるというのに、軍隊が、卑弥呼の時代のような上意下達の指揮命令に依存していたのでは目標を達成することは難しいでしょう。それは民間企業でも同じです。(というか、軍隊の方が、民間企業よりも、より合理的な組織原理が常に追求されていると思います。)・・・・・・ということは、その場の指揮官の判断力が圧倒的に重要ということです。ジーンハックマン演じる艦長は、自分の頭で判断していただろうか。・・・ミサイルの発射が極めて重大な事項であること、命令に変更可能性のあること、を考慮すれば、艦長は、犬の指揮命令をする立場には適していても、大量の人々の生死を左右する地位に相応しいとはとても思えません。よって、現代的視点に立てば、軍隊の論理によっても、艦長の行動は正当化できない、というのがわたしの考えです。
6点(2004-09-25 22:55:56)
128.  ビューティフル・マインド
退屈することなく時間を過ごすことが出来ました。前半の映像が、実は統合失調症の主人公の目を通して描かれていたという仕掛けなど、確かにおおっっっ、と思わせるものでした。とはいえ、見終わってから、ふと思いました、、、、、、で、結局、何を表現し、何を伝えたかった作品だったのだろう、、、、、、、そうした仕掛けで人を驚かせ、成功譚で感動させようという狙いはわかるのですが、結果として、統合失調症という重いテーマについて何も語っていないことになるような気がするのです。、、、、、統合失調症といってもその症状は多様であり、多くの場合、一見したところは、ごく普通の人です。それを思うと、ラッセル・クロウの演技は、やや普通でない部分を強調しすぎ、かえって、統合失調症に対する理解を阻害する危険もあるようにも思います。
6点(2004-06-03 12:26:11)
129.  おくりびと 《ネタバレ》 
それほど時間のたつのを気にせずに最後まで見ることができたので、それなりに面白い映画でした。だけど、このテーマなら、演出の創意次第で、もっと味わい深いものになり得たのではないだろうか。・・・・例えば、本木は親父のために30万円の一番高価な棺を選んでいるのだけど、父親を拒絶していた本木がどうしてそれを直ぐに選ぶことになったのかわからない。・・・・一番気にかかるのは、干し柿、クリスマスの鳥、白子など、食べているものが美味しそうに見えないこと。これらの食べ物は、生きるもの、現世の象徴の意味も込めているのだろうから、もっと豊かで、美味しそうでなければならないと思う。・・・どうしてあの干し柿は、あんなにまずそうに食べるのだろう。・・・・それに笹野はどうして突然、火葬場の職員なのだろうか。伏線もなく、唐突で、必然性が感じられない。・・・・そう考えると、解散を告げられた団員の反応も不自然だし、父の引き取りを巡って事務員の懇願に本木が突然、激高するのもあまりにありきたりだし、、・・・。とはいえ、山崎努がいいですね。吉行和子の手のしわがリアルでした。それと峰岸徹の役者根性みたいなものにも、おおっ、とうならされます。彼は、この作品をみんなが見る頃には、自分はもうこの世にはいないと達観していたのかもしれません。
[DVD(邦画)] 5点(2009-03-24 00:31:56)(良:2票)
130.  ツォツィ 《ネタバレ》 
ストーリーの展開としては、平気で殺人を犯してしまう主人公が、赤ん坊を車の中に置き去りにしなかった理由がわからない。・・・・全体として強いて解釈すれば、どんな犯罪者にも悪と善とが心中に混在していて、何かのきっかけで、善なるものに目覚めるということなのだろうか。・・・・だけど、これだけの貧富の差、不平等を放置しておいて、赤ん坊の無垢さだけを頼りに、乱れた秩序に平安をもたらしましょう、というのはあまりに安易なような、、、、。極めて治安の悪いヨハネスブルクと言うけど、この映画の牧歌的な雰囲気を見ていると、救いが必要なのは、むしろ先進国の都市の方なのかもしれないと思えてくる。・・・・暴力、犯罪を描いているはずなのに、出てくるのは善人っぽい人ばかりだし、、、、主人公は、無垢な赤ん坊によって善なる心を育むけど、日本では、幼児虐待が増加しつつあるわけです。・・・・・・・・音楽といい、ストーリー展開といい、なんだか高校生や大学生がつくったフィルムを見ているような気がしました。
[DVD(字幕)] 5点(2008-01-23 22:58:36)
131.  新・平家物語
婚姻と恋愛が別のものであったこの時代に、清盛と時子との恋愛結婚、、、、、通い婚が一般的な時代に、母泰子は、嫁いで20年もこの家にほにゃららといってから家を出て行く、、、、、血のつながりと言うことがどれほど重視されていたか不明なこの時代に清盛は、生物学上の父は誰なのかと思い悩んでいる。、、、、、、これは、平安末の時代を借りつつ、現代的な家族関係を描こうとした作品だったのでしょうか。だとすると、わざわざそんなことしなくても、、、と思ってしまうのです。、、、、、、屋敷の様子、牛車の大きさ、武家の門構え、おびただしい僧兵、御輿を担いで山をおりるという経緯まなどなど、視覚的に本当に素晴らしいところは、ふんだんにあるのですが、肝心の話の筋がどーもしっくりのこない。なんか昨今のハリウッド映画を思い出してしまいます。、、、、ああ、日本でも、ハリウッドのように、時代装束をきっちりつけた大量のエキストラを動員して、豪勢で想像力の欠けた映画を作っていた時代があったのだということを教えてくれるという点では意義深いような。、、、、思うに、溝口は、黒澤が得意とするような、権力の興亡みたいな話は不得意なのではないでしょうか。どこか虐げられ、鬱屈した庶民が彼の世界ではないかと私は思います。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-06-06 10:35:23)(良:2票)
132.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
アレクサンダー・ペインって、幾つなんだろー、、、ふむふむ、40歳ちょっとで、この映画撮ったのね、、、若いぞぉ、青いぞぉ。、、、仕事辞めて、奥さん死んで、娘に期待を裏切られて、どーしよーもなく寂しいぞぉー、だなんて、あまりに観念的、一面的ではないか。、、、普通のおじさんや、おじいさんは、仕事なくて、奥さん死んで、家族いなくても、朝起きて天気が良ければ、少しは気分がいいし、ゆで卵の殻がぺろっと綺麗にむけたら、ほんのちょっと爽快だし、夜はビールを飲んでいるときMATSUIがホームランを打ってくれたらちょーやったね、という気分だし、なんだかんだで、一日が終わって、夜、床について、今日、一日生きられたことに、ほんの少し神に感謝するのではないだろうか。、、、、それでいて、時々、ふと寂しくて、遠くを見てしまうみたいに。、、、、朝から晩まで、どこかしら寂しくて、憂鬱な気分が抜けないなら、即、精神科のカウンセリングを受けた方が良い。きっと鬱病です。、、、、だからシュミットさんも病院に行けばよいのです。ただそれだけの話です。社会の構造がそうした鬱病をうんでいるという視点もありませんから、シュミットさんの個人的な問題です。、、、、することなくて寂しくて鬱病になりそうなら、夜はビデオで映画でも見て感想をJTNEWSにでもかきこすればよいのです。、、、私もそうならないように、今から頑張っています。えへへ。
[DVD(字幕)] 5点(2005-05-24 10:28:59)(良:2票)
133.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
この映画、アメリカの言葉が相当にできないと、その真価は理解できないのかもしれない。、、、、前半の訓練施設での新兵洗脳教育は、教官による言葉の暴力を主たる手段としているわけですが、その下品さかげんは字幕からは実感としてつかみにくいわけです。、、、また、最後のミッキーマウスも、「サザエさん」の歌とか、「ひょっこりひょうたん島」の歌とかに、置き換えて想像してみないと、その狂気性は実感としてはわからないわけです。、、、、、、という点を留保しつつも、それでも、私は、この映画を名画として評価する諸論評には違和感を感じざるをえないのです。、、、、、、というのも、この映画は、戦争を狂気と捉え、その狂気が、訓練所で培われ、戦場で実践される過程を描こうとしているように思えますが、本当にそーかぁ、と思うからです。一般の社会ではフツーだけど、軍隊に入ると狂っちゃって、ばんばん人を殺し始めるのだろうか。、、、、、というより、戦争の狂気というのは、一般の社会の中から生まれるのではないか。「スターリングラード」とか見て、新聞に狙撃殺害した人数が増えるのを肯定的に感じたり、今日は2人狙撃したとかいう会話に、「やったね」とか感じたり、額に銃弾の後と血飛沫が舞って倒れる光景を見て痛快な感じがして、死んでゆく一人一人の人間に生活、夢、家族があったということが想像できなくなること、そーゆーのを狂気の事始め、ってゆーのではないだろうか。、、、、結局、キューブリックは、自分は正常な一般社会の人で、戦争の狂気を一歩離れて、客観的に見ていると考えているのではないだろうか。要するに、彼にとって、戦争は他人事になっているのではないだろうか。、、、、、、それと、ベトナム戦争を描くなら、1)不正義の戦争であったこと、2)アメリカは負けたのだ、ということを前提にして欲しいものです。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-21 07:59:32)
134.  AKIRA(1988) 《ネタバレ》 
もう20年近く前の作品になるのですね。それを考えると、例えば紙くずが風に流されるところとか、アニメの技術としては非常に斬新なものだったのでしょう。そして、そういう表層的な表現に対しては高く評価しなければならないと思います。、、、、、でも、で、結局、どういうお話だったのだろう、とやっぱり首をかしげてしまいます。科学信仰に対する批判という視点はあっても、メインではないだろうし、若者たちのうちに秘めるエネルギーという話でもなさそうだし、、、、、、。とにかく、最後にアキラも鉄雄も、どっかあっちの宇宙に突き抜けちゃったんじゃあ、パンピーの私たちとしては、で、だから、どうしたのってならざるをえないわけです。つまり、そういう問題のある人やものと、どうやって一つの世界の中で生きてゆくのか、ということであれば、私たちにとって切実な問題なのですが、消えてしまったなら、どうでもいいわけです。、、、、、、、まあ、痛快ドンパチ・ハリウッド的作品としては楽しめるのですが、大友氏は、そうした作品を作りたいという人だったのだろうか。というか、元々、私、個人としては、大友氏の作品では『童夢』を非常に高く評価したいと考えており、『AKIRA』はいまいちなのです。
[DVD(字幕)] 5点(2005-05-13 17:44:13)
135.  スワロウテイル
ふと思うのだが、映画というのは、漫画と演劇のどちらに近い存在なのだろう。僕は、演劇だと思うのだが、この映画を見ていて思うのは、charaの歌を除いたら、これって漫画じゃん、、、、、、ということなのだ。根っこの部分は、上村一夫の世界に類似しているかんじでもある。、、、、それと、新春かくし芸大会の外国語劇みたいだし、、、、、。要するに、十分に練り上げないまま、いろんなテーマ詰め込んで、でっち上げちゃったんじゃあないでしょうか。、、例えば、貨幣って、それを交換手段として認めるっていう人々のbeliefによって最終的に支えられている虚構だから、ニセ札って、そういうbeliefを揺るがしかねない重大な問題で、お金を焼いてしまうことより、ニセ札を作る方が、システムに対する重大な挑戦になるはずなんですが、最後の方のシーンを見る限り、あんまし、そういうこと考えていないみたいだし、、、、、。でも、三上博史さんだけは、熱演ですね。それともちろん、charaの歌はいいなぁ。、、、前半1時間だけにして、charaのミュージックビデオにした方が、もっと想像力も刺激される豊かな映像になったのではないだろうか。
5点(2005-03-20 11:20:57)
136.  ノスタルジア
タルコフスキー定番の、馬、犬、水、雨、火といったものは、タルコフスキーにとっては、聖なる世界、超越的全体への水先案内人なのだろう。それらをイメージし、接することで、タルコフスキーは、聖なる世界を感じ取ることができるのだ。心理学的に言えば、それらは「移行対象」ともいえる。、、、、、だが、僕にとっての「移行対象」は擦り切れた毛布だったり、降りしきる雪だったり、生暖かい春の風だったりする。、、つまり、犬や馬を見せられても、聖なる世界とのつながりなど微塵も感じられない。だから、タルコフスキーの映像を見ていると、例えて言えば、子煩悩な親父が丹誠込めて作った子供の成長ビデオを、無理に見せられている気持ちがしてしまう。もちろん、子どもの成長ビデオといっても、ロングショットが使われていたり、嗜好を凝らした誕生パーティが描かれていたり、映像として面白いものもあるに違いない。だが、その子どもに対する愛が共有できなければ、成長ビデオは、相変わらず、他人の私的な持ち物にとどまってしまう。、、、、、、つまり、僕は、タルコフスキーの聖なるものの世界に同感できない。だから、この映画は、タルコフスキーという他者の自慰的感情吐露の私物にしか思えないのだ。
5点(2005-03-18 09:36:39)
137.  ショコラ(2000)
J・アーヴィングは、ハルストレム監督について、自分と同じ世界観を持つ、と言ったという。だから、この映画を「サイダーハウスルール」の延長上に見る人は少なくない。でも僕は、この映画を見て、アーヴィングとハルストレムはやっぱし違うんじゃないか、と感じた。、、、、、例えば、ガープは父は必要ではないという母親の考えに、自分の経験を通じて自分の考えで最後にたどり着く。同じようにホーマーは、堕胎は悪だとずっと考えていたけど、それもやむを得ないというラーチ先生の考えに、自分の経験を経てたどり着く。アーヴィング的世界は、多様なものを優しく包み込んで成立し、決して誰かの考えを無理に折伏しようとなどしないし、何が良くて何が悪いのかということを断言したりしない。、、、、、この映画ではどうだろう。、、、、村人達は古い因習に囚われ、自由を失った悪い状態と描かれてはいないだろうか。そして、その因習から逃れることが彼らにとって幸せなのだというふうに。さらに、それから解放され、ほらやっぱり幸せでしょ、という風に。、、、つまりハルストレムは、この映画で「自由の宣教師」となってしまっているように僕には思えた。だから、僕はこの映画は評価しない。
5点(2005-03-01 12:31:33)(良:1票)
138.  ミスティック・リバー
私は、作り手はデイブに中心軸をおいて構成すべきだと思います。しかし、結局、イーストウッドは、幼年期に虐待を受け、多重人格的になりながら、必死に生きているデイブという存在を承認することができていないのではないでしょうか。、、、、、特に最後の二つの家族の対比はとっても酷い。法を犯しても家族を愛し、家族に安心を与える強い父親=ジミー、vs、強さを持たず、家族から信頼されない弱い父親=デイブという対比です。これは典型的なカウボーイの価値意識といってよいでしょう。私には、ジミーの顔が、イーストウッドの顔、そしてGWブッシュの顔にタブって見えました。、、、、、ハリウッド的定番のハッピィエンドではないところに渋さを感じさせますが、実は、ハッピィエンドではない欲求不満を、伝統的家族観、父親像の提示で解消させており、それはアメリカでは少なくない愚民観客を、巧みに保守的思潮に誘導することを意味しているように思われます。さすが、政治家クリント・イーストウッド。
5点(2005-02-18 11:33:49)(良:1票)
139.  真珠の耳飾りの少女
色彩、部屋の調度品、衣装、そして暗く寒いオランダ、、、、美しく再現されていました。、、、、、でもなんか人間関係が、あまりに現代劇で、映像の清冽さを台無しにしているように思えました。一枚の絵からストーリーを想像するのは楽しいことだけど、これではちょっと想像力が貧しいのではないだろうか。、、、、、パトロンがエロじじいで、画家が芸術至上主義、その奥さんが嫉妬の鬼、そいで吝嗇のばばあ、そいで少女が一人の女になって行く心の内を描写しようっていう、どこにみずみずしい想像力を感じたらよいのだろう。、、、、、あと、この時代、金がないなら、生まれた子供は捨て子、孤児院送りなどが普通でしょうし、オランダで家に主婦が二人いるという家族形態が一般的なものかどうかも疑問。
5点(2005-02-17 08:58:53)
140.  アカルイミライ
クラゲは綺麗でしたね。、、、特別で大切で、毒を持ち美しいクラゲ(=特別な自分)を水槽の中(=心の内)に閉じこめるのではなく、それを真水(=世間)に馴らして解放すると、それが増殖してゆく、といったようなイメージは素敵です。、、、、、だけど、表の具体的な話の進行が、バラバラのイメージと思いつきの羅列のようで、クラゲの進化と全然かみ合っていない印象でした。、、、、、結局、流動するこの世の中についての監督のイメージが、実は陳腐になっているということではないのかなぁ。
5点(2005-02-13 00:21:53)
010.53%
121.06%
284.26%
3157.98%
4168.51%
5189.57%
6105.32%
72010.64%
83317.55%
92915.43%
103619.15%

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