Menu
 > レビュワー
 > レイン さんの口コミ一覧。7ページ目
レインさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 885
性別 女性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
>> カレンダー表示
>> 通常表示
121.  レ・ミゼラブル(1998) 《ネタバレ》 
時間に制約のある映画はダイジェストの印象を受けるのはいたしかたないが、罪もない「悲惨な人々」の必死な生き様、特に愛娘コゼット(クレア・デーンズ)を共通項にもつジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)とファンティーヌ(ユマ・サーマン)にはここでも惹きつけられる。 大柄なニーソンは風貌もバルジャンを演じるにふさわしく、エポニーヌが登場しない分コゼットの役割が大きくなっている。 執拗にバルジャンを追うジャベールは、フランステレビ版の物腰柔らかく、だが偏執狂的なジョン・マルコヴィッチもよかったが、冷徹な眼差しで相手を縮み上がらせる本作のジェフリー・ラッシュの方が、より正統派の「法の番人」というところか。 彼らの関わりをメインとした映画は、その終焉とバルジャンの解放の表情と共に終わりを告げる特殊性を持つが、バルジャンの無償の行為が僅かながらでも報われるフィナーレがないのは、若干の物足りなさを感じてしまう。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-14 12:20:43)
122.  インモータルズ/神々の戦い
ターセム・シン作品が続けて見られるのはありがたいこと。 これやザック・スナイダーの「300/スリーハンドレッド」はアートや映像叙事詩として作られていると思うので、安易なドラマを期待しなくてもよいのでは。 「300」よりもさらに濃く塗りこめられた映像はそれだけで異様な迫力があり、スピードまで自在に操る神々とタイタン族の戦いは、今まで目にしたことがないようなちょっとした見もの。 俳優は主人公テセウス以下イギリスやカナダ中心で、神話ゆえあまり手垢のついていない人を使ったのかもしれず、若い頃から映画に出ているヘンリー・カヴィルは大人っぽくなり、来年はスナイダーの「マン・オブ・スティール」(スーパーマン)があります。 2人のゼウスは、ジョン・ハートが地上での姿の老師、「三銃士」のアラミス、ルーク・エヴァンスは今少し重厚さがあれば、という印象。 石岡瑛子のユニークな衣装をまとったアテナたち若き神々はこの世ならぬ姿を見せ、アメリカ代表のミッキー・ロークは不気味なハイペリオン、神秘的な巫女パイドラは監督と同じインドのフリーダ・ピント。 異界をかいくぐってきた気分が味わえ、映像詩人ターセム・シンの面目躍如、彼の作品としても「落下の王国」に並ぶものではと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-12 09:45:01)(良:1票)
123.  コーラスライン
同じニューヨークが舞台の「フェーム」とかぶる部分もあるミュージカル、他より年長で昔ザックの恋人だったキャシーがいるのが違いますが。 こちらはキャラクターが自分の悩みを語るのがセラピーのようで、その悩みというのも月並みではなくとも人並みに感じ、それが続くとミュージカルとしては少し内容的に地味で重たかったように思います。 音楽を担当したマーヴィン・ハムリッシュ(007も一作だけ担当)は昨年亡くなりましたが、“AT THE BALLET”“NOTHING”“WHAT I DID FOR LOVE”など曲は良かったですし、何といっても最後の“ONE”! ゴールドの衣装に身を包み、自らの苦悩を昇華し輝く彼らを引き立てており、舞台版ではバックに鏡を置いて人数を多く見せる工夫がなされていました。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-09 14:10:42)
124.  ロビンソン・クルーソー(1996) 《ネタバレ》 
大胆にアレンジされたロビンソン漂流記。(こんなに変えちゃっていーのー?) ロビンソン・クルーソー(ピアース・ブロスナン)が航海に出る原因からして、恋人メアリ(ポリー・ウォーカー)をめぐる決闘って! でも面白い。 サバイバルも「青い珊瑚礁」程度の描写しかされておらず(リアル・サバイバルなら「キャスト・アウェイ」の方がらしい)、フライデーとの関係に重点を置いており、スキッパーという名がつけられた犬さえも途中でいなくなるのは、彼ら2人だけにするため。 デフォーの原作では年齢差もあり、完全に主従関係だったのを現代風にアダプトし、キリスト教一点張りだったのも変わってフライデーの宗教を尊重。 何よりもロビンソンが主人(MASTER)であることを放棄し、フライデーも奴隷(SLAVE)であることを否定、友となる彼ら。 生贄の儀式をやめさせようと島へ来たミマ族を皆殺しにしようとするのは、文明人の干渉・介入を感じさせる微妙な部分ですが、残酷な描写は極力避けているのが良識的です。 終盤はフライデーの島へも行き、心ならずも彼と決闘(冒頭の決闘と対)することになりますが、その結果もアイロニカル。 28年が6年に短縮され、最後は幸せに間に合うロビンソンはフライデーのことを忘れない。 ブロスナンも007よりよかったけれど、フライデー役のウィリアム・タカクの強い意志を感じさせる眼光が力強く、黒人層にも配慮して新しいロビンソンを作りあげた異色作。
[地上波(吹替)] 7点(2013-01-08 20:01:18)
125.  望郷(1937) 《ネタバレ》 
「カサブランカ」のようにエキゾチックな映画。 ぺぺ・ル・モコって名がかわいいし、若きジャン・ギャバンもかわいいけれど、役柄はコワイしズルイしでかわいいとはいえないネ。 彼の心をとらえるギャビーも宝石ジャラジャラ、眉は全然ちがうとこに描いてるし、ファム・ファタールらしく妖艶ではあるものの、彼らが惹かれあうのもそれ相応というか。 ぺぺが故郷パリの香りをふりまくギャビーにからめとられて身を滅ぼすのは哀れではあり、彼が身を寄せるおばさんが古いレコードをかけて自身の華やかなりし頃に思いをはせ、郷愁をかきたてる。 有名なラストシーンは、号泣でなくはらはらと落涙するのが情緒的。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-07 19:45:11)
126.  6デイズ/7ナイツ
ハリソン・フォードの無人島ムービーは、アドベンチャーというよりもロマンティック・コメディなのでちょっとがっかり、せっかく美しい島が舞台でも十分に生かされてない感じ。 オンボロ飛行機を操る自由な男クインのキャラは、ハン・ソロに少し似てる? ハリソンのぼさぼさの外見は、「エアフォース・ワン」の大統領イメージを一掃するためかな。(飛行機に乗ってるのは同じだけど、ずいぶんちっちゃくなりました~) 住む世界がちがう男女の孤島シチュエーションは「流されて…」(「スウェプト・アウェイ」のオリジナル)という映画も先にあり、その手のフィジカルなのは彼らのお相手カップルにまかせて、華奢でかわいらしいアン・ヘッシュを主人公といがみあう勝気なヒロインにし、品をおとさずメンタル重視のソフトな映画にしてある。 ちょこっとサバイバルしたり海賊に襲われたりとそれなりに楽しくはあるけど、あくまでライトでもうちょっと何かあったらよかったなと。 (海岸に大きな穴がある岩壁があり、「キングコング」(76)や「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」でも見た気がするんだけど、見なれた無人島ってのもね…)
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-07 17:21:35)
127.  嘆きの天使(1930) 《ネタバレ》 
ドイツ時代のマレーネ・ディートリッヒ。 堅物中年教師を虜にしてしまう踊り子ローラは若さとオーラに輝き、女性もうっとりさせてしまうアンドロギュノス的な魅力を放ち、前半は彼女の独壇場。 後半は彼女のキャラがやや類型的になってしまうのだが、かわってラート(エミール・ヤニングス)が怪演を見せ、雄鶏の鳴き声に鬼気迫る。 「青い天使」(原題)とは、華やかなローラに吸い寄せられ生気を失い青ざめるラートその人。 美に魅入られて身を持ち崩し、狂気を経て死に至るのは「ベニスに死す」のダーク・ボガートにも似るが、あの場所で命尽きたのは、まだしもラートにとって幸せといえるやもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-07 06:04:56)
128.  レジェンド・オブ・ゾロ
アンソニー・ホプキンスがいない2作目は、家族の絆がテーマ。 それとカリフォルニアがスペイン領から合衆国の一州となる歴史的な瞬間もからめて。 アントニオ・バンデラス(アレハンドロはディエゴの父と同じ)のコミカルな演技は、初代(オリジナル)ディエゴのように「ゾロとのギャップ」なのかな。 キャサリン(エレナ)は派手だけどキレイで強い女。(衣装で胸3割増し?) 続編で息子がいるのは「ハムナプトラ2」と同じ、このホアキンがすっごく上手くて影の功労者かも。 悪役の伯爵はルーファス・シーウェルですが(最初っから悪役だったわけじゃないんだよ…これの次はマーク王だし!)いつもの髪型じゃないのが新鮮な感じで、ゾロより伯爵を応援してしまいそう。 悪党でもエレナに惚れた弱みがあるのがいいでしょ。(ニトロの発明者になってます) フェリペ神父もちゃんとおり、「ロビン・フッド」のタック僧みたいなモンかな。 最後の列車のシーンは2人の殺陣もがんばってるし、BTTF3のよりよくできてると思うんですが。 ゾロの映画はどれも好きだけど、タイロン・パワーもバンデラスもスペイン風のちょびヒゲをつけていて、それがないアラン・ドロンのゾロが、魅力的なテーマ曲とあいまってやっぱり一番好き♪
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-07 06:02:30)
129.  快傑ゾロ(1940)
「かいけつゾロリ」はここから。(ゾロリがキツネなのは、ゾロってキツネのことだから) ダグラス・フェアバンクスのは未見なので、自分の見た一番古株のゾロ。 主演のタイロン・パワーもまだ若くスリムな美男俳優、そのせいかゾロになってる時間が短く、軟弱男を装う里帰りの剣士ディエゴ・ヴェガ(レースのハンカチが小道具)が出ずっぱり。 それだけ美男ぶりを見せる映画ってコトなのでしょうけど、ゾロ映画としては少し物足りなく、最後のエステバン大尉(ベイジル・ラスボーン)との一騎打ちまで素ときては。 殺陣そのものは躍動感と迫力あるもので、黒装束のゾロが少ない分おなじみZマークをあちこちに刻んで存在感をアピールしてますが。 それとゾロが馬ごと橋から川に飛び込むスタントがなかなかスゴイものの馬がかわいそう? ヒロインのロリータ(リンダ・バーネル)との美男美女ダンスはウットリさせ、でぶっちょフェリペ神父は熱血正義漢。 ゾロの舞台はスペインでなく旧スペイン領カリフォルニアなので、ロサンゼルス(LOS ANGELESはスペイン語の天使)の名もとびだすけれど、なんだかんだいってもキビキビとして楽しい娯楽活劇。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-04 07:01:54)
130.  ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
ジョニー・イングリッシュ、8年ぶり?(前作はマルコヴィッチが変なフランス人だったくらいしか覚えてない…) 満を持しての登場かどうかはわからないけど、前作より作りこんでるよう。 パロディの方が本家より007っぽいのは皮肉なれど、意識的に「クレイグ以前」の雰囲気にしてあって、007本来の軽妙さや荒唐無稽を尊重してるというか。 M、Q、マネーペニー的な人物もおり、ジリアン・アンダーソン(ペガサス)は茶髪にしてるので、「X-ファイル」のスカリーと気づかない人もいるかも。 パッチが車椅子の人なのは、当然プロフェルドも意識してのことでしょうね。 ロイヤル・ブルーの衣装が素敵なロザムンド・パイク(ケイト)はボンドガール出身。 デビューがそれだったのは後悔してるといっていたけど、コレに出てるというのは余裕もできてきたのかな。 本家のアストン・マーチンに対抗してのロールス・ロイス・ファントムは、女性の声を持つ人工知能を備えロイスと呼ばれ、あの有名なマスコットが武器になっているのがウリ。 伏線つきの女王様ネタを見ると、ロンドン五輪開会式でのダニエル・クレイグとエリザベス女王の寸劇は、ホントに貴重だったなと感じます。 女王はすすんで出るとおっしゃったそうですが、威厳があっていかめしそうに見えても、ユーモアのセンスと「私もボンドと共演してみたい」とのひそかな願望がおありだったんじゃないかと思われて、本物の「女王陛下の007」に。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-03 12:50:23)(良:1票)
131.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
007をシアターに見に行かなかったのは「ゴールデン アイ」以来。 前作の続編なのに加えタイトル、ポスターに魅力がなかった。 アクション以外の映像やセットデザインもボンド映画とは思えないほど洗練されているけれど、一方で人間味の薄さ、ユーモアの欠如も感じ、映画全体がクールでソフィスティケートされすぎると味がなくなるもの。 スタイリッシュに撮ることばかりに腐心して、情報を切り詰めているのもよくない。 アート系のシネマのつもりだろうか? 金髪のクレイグにあわせたブルネットのヒロインが続き、浅黒い肌で小鹿のようなカミーユ(オルガ・キュリレンコ)に手を出さないのは感心、前作のヴェスパーにしたように優しく抱きしめるだけ。 Mは子供を追いかける母親のようだが、手のかかる子ほど可愛いのだろう。 フィールズのファーストネームはストロベリー♪
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-02 07:28:27)
132.  007/カジノ・ロワイヤル(2006)
007の役を得た俳優たちはJAMES BONDの縫いとりのある透明なガウンを身につけているようなものだけれど、ダニエル・クレイグは受けとったそれをすぐには羽織らず肩にひっかけている感じ。 ムーアやブロスナンのような気取りもない。 インサイド・ストーリーらしく、今まで描かれることのなかった荒削りで読みの甘い、駆け出しスパイとしてのボンド。 でも生気と人間らしさは十分持ち合わせていて、野放図で一途。 M(ジュディ・デンチ)がシリーズ途中の「異動」なのは以前明言されていたはずだけど、彼女はここではボンドの誕生を見守る。そのかわりQやマネーペニーの姿はなく、彼らも時代的なものとして封印されてしまったのだとすれば残念なこと、ただでさえ英国風味は薄れたというのに。 グラフィカルなタイトルバックは視覚的に楽しく、気だるい女性シンガーが続いた後でのクリス・コーネルのヴォーカルも小気味よい。 アクションは立体的、シャワー室でボンドに寄り添う星の瞳のエヴァ・グリーンも印象的、クライマックスのベニスのセットもなかなかのもの。 007としては幾分物足りなさは感じるものの、1本の映画としてはかなり見応えあり。(ソニー配給だからとはいえ、VAIOやCYBER SHOT宣伝が目立つ新作) 
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-01 07:20:48)
133.  パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
4年ぶりのジャック・スパロウは、まったりとした番外編で136分もいらない感じ、旧シリーズにまがりなりにもあったオーラがなくなってる。 キーラとオーリーが出演を見合わせた時点で、一から作らなきゃならなかったのですね。 黒髭のキャラが古風で一歩後退したよう。 スペイン→アメリカ→スペイン→再びアメリカと返り咲いた感じのぺネロぺは、むくつけき海賊どもの中におわすと可憐な花。 セクシーな彼女を迎えてもディズニーだから、セリフだけでもエロく!の涙ぐましさ。 彼女がブルネットなのでスパロウの髪の色を少し明るくしてるみたい。 特出のジュディ・デンチ(馬車の貴婦人)は一瞬だけど役得でしょーが☆ 海賊+人魚なのは「ピーター・パン」っぽくしたかったのかな。 宣教師と人魚シレーナの恋は「スプラッシュ」を思わせて、CGだとおさかなの下半身のヌメリ具合がリアル。 聖杯とか呪人形とか終盤とか、「インディ」を見て育った世代が作ったようなデジャヴ感ありで、ガイコツの船首像はこのシリーズらしくてよいけれど、地味めな映画ではあります。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-30 16:00:06)
134.  ベルリン、僕らの革命
「グッバイ、レーニン!」ダニエル・ブリュールと「ゾフィー・ショル」ユリア・イェンチ共演の青春映画。 ヤン、ユール、ピーターの3人組の言動はみずみずしさも含みながらホントに青いのですが、世代の違うオジサマが加わったことで物語に厚みが。 ハーデンベルクを演じたクラウスナーは「レーニン」でもよかったけれどここではメインの一人、複雑に変化していくキャラを堪能しました。 もう一人の青年ピーターもある意味ヤンよりもいい。 ベルリンから山小屋へと移動し、大自然の懐に抱かれて生活するうちに彼らの切迫した心情にも変化が。 語り合う4人。 ハーデンベルクの意外な過去や明るみになった「関係」。 ロケーションも素晴らしく、環境は人を開放するのだな、と。 最後は苦いともいえるけれど、それをまともに受けずヒラリとかわす軽さがあります。 これでは何の解決にもなっていないと感じる方もいるでしょうが、監督の関心はそこにはないのかも。 センチメンタルな「ハレルヤ」も柔らかすぎないドイツ映画には優しく響いて、予想外にいい作品。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-30 09:00:05)
135.  モンテ・クリスト伯(1998)<TVM> 《ネタバレ》 
エドモン・ダンテス、ジャン・バルジャン、そしてシラノ・ド・ベルジュラックを演じたジェラール・ドパルデュー。 フランスの俳優としてこれ以上の幸せはないのではないか。 ダンテスのイメージではないかもしれないが(特徴ある風貌で巨体の持ち主である彼がプゾーニ神父やウィルモア卿に変装しても、一目でそれとわかってしまう)、存在感は揺るぎないもので、燃える復讐心と恩義を忘れぬ忠誠心をあわせもつダンテスを描く後半はエンターテイメントの醍醐味といえようか。 ダンテスを陥れるフェルナン、ダングラール、ビルフォール、カドルッスらは徹底して卑しく描かれ、悪側の毒盛りや不義の子を箱詰めにして埋めるエピソードもフランス的な猟奇色で作品を盛り上げるが、ダンテスの復讐は彼らを手にかけるような野蛮さがないのが好対照をなす。 新生ファラオン号がマルセイユに華々しく入港する際、モレル氏が安堵と歓喜のあまり息絶えるのは衝撃的な脚色だが、ダンテスの厚意の対象を息子マクシミリアンにすみやかに移行させるためか。 ダンテスに仕えるベルトゥッチオは執事というより孤独なダンテスの友人に近い人間となり、メルセデス(オルネラ・ムーティ)はより生身の人間らしい女性となっている。 結末は読者や観客が望むように変えられ、本来こうなるべきであったのを見たい人が多いということなのだろう。 その煽りを食って王女エデのレゾン・デートルの半分は失われたが、原作のままではメルセデスが不憫ではあるので、これはこれでよいと思う。 「レ・ミゼラブル」と両作品で青年時代を演じたドパルデューの子息、ギョームは08年に惜しくも亡くなっている。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2012-12-27 18:00:20)
136.  モンテ・クリスト伯(2002) 《ネタバレ》 
コンパクトな活劇になった巌窟王。 ファリア神父(リチャード・ハリス)のいるシャトー・ディフの場面は活気があり、ここを出てからの後半も期待させるが、3人の悪役をフェルナン(ガイ・ピアース)1人に焦点をしぼるなど大筋だけとしてもあまり盛り上がらない。 エドモン(ジム・カヴィーゼル)よりフェルナンが目立ってしまうのは、カヴィーゼルが線が細くて品がよすぎるからか。 エドモンは復讐心に燃えギラギラした感じがなければそれらしくない。 脚色の中でも、メルセデス(ダグマーラ・ドミンスク)の息子アルベール(ヘンリー・カヴィル)の父親をフェルナンではなくエドモンとした改変は大きいが、両刃の剣ともなる。 お腹の子のため恋人の仇と知らずにフェルナンに嫁いだ彼女は不実ではなく、エドモンは息子を得てメデタシメデタシとなるのだが、取り返しのつかない歳月の象徴であるアルベールの出生に手を加えたことで、物語自体も軽くなってしまった気がするのだ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-25 06:30:00)
137.  アウトランダー
日本劇場未公開のマイナーSF。 ソフィア・マイルズ目当てだったのですが作品自体も意外とよくて、ひっそりと隠れ咲いている映画の中にも掘り出し物が。 「ジョン・カーター」とは逆に異星人が8世紀の地球に飛来しバイキングの仲間となるお話で、いわくありげなエイリアン、ケイナン(ジム・カヴィーゼル)がノルウェーの地になじんでいく。 俳優の持ち味もあるでしょうが、主人公のキャラクターが押しが強くないのがいいところで、彼と心をかよわせる孤児の少年(エリック・ザ・バイキング?)もかわいらしい。 闇の中で光るモンスターはホームズの「バスカーヴィルの犬」的な怪奇さで、そのモアウェンにも背景があってただの怪物ではなく、人間の自然への罪を象徴するものでしょうか。 バイキングの部落の描写もよく、一番いい場面はケイナンとウルフリックが競う「盾渡り」かもしれません。 地味なB級SFではあるかもしれないけど、大地や森や水の匂いがする土着的な世界は魅力あり、脚本家が監督もかねる丁寧な作りは未公開シーンが多いのがもったいない感じ。 赤毛にしているソフィア・マイルズは「トリスタンとイゾルデ」の役柄からキャスティングされたのだと思いますが、族長(ジョン・ハート)の勝気な娘フレイヤ。 イゾルデのような王女やぺネロープのようなお嬢様を演じても、庶民性があり体温を感じさせる人ですが、この作品ではたくましい面を見せています。 敵対する族長ガナー(ロン・パールマン)の見せ場が少ないのが残念だけれど、いい役者がそろっているのも魅力です。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-24 12:45:12)
138.  デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー<TVM>
「ブレードランナー/ファイナルカット」にあわせて製作されたドキュメンタリーは、BRのメイキングらしく精緻で優美さをたたえる。 存命の主要なスタッフ・キャストが顔をそろえ、BRとの関わりを避けていた感のあるハリソン・フォードも、穏やかな表情を見せている。 誰が見ても彼よりルトガー・ハウアーが印象的な作品が年月とともに特別な評価を得る一方で、フォードにとっては常に自分の中での温度の低い作品であり、監督リドリー・スコットが芸術的感性の波長が合う同じヨーロッパ人のハウアー(ロイ・バティの辞世の句は、彼が考えた詩的なフレーズに差しかえられた)に入れこんで、フォードをかまわなかったのがしこりとなり、作品の陰鬱なムードになじめなかったことも手伝って、彼をキャリアの中でも高い位置にある作品から遠ざけていたようだ。 このドキュメンタリーにも出演しているサモンの著作などで、そのことを当然知っていると思われるスコットはしきりにフォードを称賛する。 贔屓のハウアーのことももちろんほめるのだが、それ以上にフォードを持ちあげ、25年前にできなかったことの埋め合わせをしたいかにも感じられる。 英国人スコットの米国式ルールとの衝突(「エイリアン」の時にも監督がカメラを操作できない規約に不満を持っていた)や、スタッフ(2人の脚本家、ファンチャーとピープルズの腹の探りあいは面白い)やキャスト(フォードとショーン・ヤングの不仲説は有名だが、ヤングはそれを払拭しようとつとめる)、ふんだんに挿入される蔵出しアウトテイクもファンには格別なギフトとなるが、フォードがようやく心を解いているようなのが何よりも安堵を覚える。 銀の鷲バティが輝いたのも、不安気なデッカードがいたからであろうから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-22 06:45:06)
139.  ビヨンド the シー/夢見るように歌えば 《ネタバレ》 
ケヴィン・スペイシー主演に加え、製作・監督・脚本(共同)。 演技派・性格俳優のイメージだけど、一番作りたかった映画がコレというのは人柄がわかる気がします。 50年代の人気歌手ボビー・ダーリン(「マック・ザ・ナイフ」のタイトルは知らなくても、聴いたことのある人は多いはず)になりきって歌い踊る彼は、それまでの俳優人生で一番幸せだったのではないかしら。 憧れの舞台としてコパカバーナも登場し、熟練した歌声を聴かせるスペイシーの情熱に圧倒されるばかり。 年若い妻となるサンドラ・ディーのケイト・ボスワースも役にあっていて愛らしく、彼らが再び共演する「スーパーマン リターンズ」よりこちらの方がずっとイイ感じ。 子供の頃は病に冒され、長じてからも出生の秘密を知らされたりスランプに陥るなど、紆余曲折あっても破滅には至らず、再び返り咲くボビーことウォルデン・ロバート・カソットを見つめるのが、かつての自分である少年なのも面白い。 この役を演じるには年令高く、歌手のイメージではないとも言われるけれど不思議とそういったことは気にならず、分身と手をたずさえてステップを踏む終幕のハイライトにも自分の夢を実現した喜びが満ち溢れているようで、それが何よりもすばらしいと思います♪
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-18 19:40:05)(良:1票)
140.  宝島(1950)
スティーブンソンの「宝島」は、簡潔で流麗な文体と海賊シルヴァーの特異なキャラクターで評価されており、このディズニー映画は95分とコンパクトながら、原作ファンをまずまず満足させる出来。 冒頭のビリー・ボーンズのくだりが省かれているので、黒犬がベンボー提督亭に現れた時は彼がボーンズかと見誤ってしまいましたが。 ジム・ホーキンス少年は想像より年少なもののがんばっており、リブシー先生やトリローニさん、スモレット船長もそれらしい風情。 実質的な主役であるジョン・シルヴァー(ロバート・ニュートン)をラストでは大胆に書き変え、彼に残された人間らしさとジムとの絆を強調しており(アニメの「トレジャー・プラネット」も同様にアレンジ)、原作のままではシルヴァーの魅力が十分でないと考えたようで、本ではシルヴァーよりもリブシー先生の方が好きだった自分も納得。 シルヴァーは個性的でも好人物とはいいがたかったからです。 砦のセットなどは「宝島に来た!」と思えていいのですが、ドラマ中心でジムがベン・ガンの皮ボートで漂流したり、ヒスパニオラ号を操舵するシーンがないのはやや物足りない気がしました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-16 13:07:01)
000.00%
100.00%
200.00%
3171.92%
400.00%
5819.15%
623326.33%
733337.63%
818921.36%
9273.05%
1050.56%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS