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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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121.  さらば、ベルリン 《ネタバレ》 
例えば〝ドア越しに敵が…〟というシーンはいずれも緊張感がえらく欠けていますし、ケイト・ブランシェットの夫が現われるシーンは彼女のナレーションをかぶせてしまっているので、せっかくそれらしい場所に行っても緩々になっています。また、わざわざ白黒にしてフィルム・ノワール風の画作りをしていますが、ケイト・ブランシェットはもっと美しく撮らなければならないと思いますし(〝こんな女なら騙されたって本望〟ってぐらいに)、ラストの土砂降りの別れのシーンでは、濡れていないようにすら見えるジョージ・クルーニーはもっとビシャビシャになってコートがピカピカに光ってなきゃダメなんじゃないかと思います。つまるところ、〝それらしい〟だけであって全然なっていません。
[DVD(字幕)] 4点(2010-03-16 18:15:10)
122.  Dr.パルナサスの鏡 《ネタバレ》 
テリー・ギリアム監督の作品は「バロン」くらいしかまともに見たことがないので、モグリの私が言うのは実に不適当ですが、ギリアムの豊かなんだかそうでもないのか良く分からない想像力は、少なくともCGには向いていないんだと思います。例えば最初に泥酔した男が鏡の世界に入ると、奇妙な生物?に肩をつかまれ空にビョーンと舞い上がるのですが、このデモンストレーションからして既に不調な感じがします。その一方で現実世界の馬車のシーンはなかなか良いのですが、そのせいで一層に鏡の世界の魅力の無さが浮き彫りとなっています。  それからヒース・レジャーが亡くなってしまったので、豪華な代役で何とか完成させたのでしょうが、無理は生じていて、最後の首をくくるシーンはやっぱりヒースじゃなきゃダメでしょう(コリン・ファレル自体は良いと思いますが)。
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-12 18:31:18)
123.  救命艇 《ネタバレ》 
本作がどういった経緯で作られたか存じませんが、物語の内容や製作年からして普通ではないと思うのですが、全編を通してカメラをほぼボートから出さずに撮りあげ、ナチを優秀な人物として描いたヒッチコック監督もやはり普通ではないでしょう。  ただ、導入部は素晴らしいのですが、救命艇に人物が出揃いカメラも一緒に乗船し臨場感を出すという試みがなされてからは、この船というシチュエーションが十分には活かされておらず、結局のところ密室劇であり、これなら一人一人の行動が常に把握できる舞台の方が良いではないかと思ってしまいます。・・・しかし、嵐がきてからはあのナチの如く俄然、調子が出てきます。突然、英語をしゃべりだしドイツ語で歌いながら船を悠々と漕ぐ変わり様は鮮やかですし、恋模様にしてもアップで撮られているリボンをほどいてしまう、あるいは足の裏を足で擦るといった仕草が、何ともエロティックです。ですが、一番凄いと思ってしまったのは状況とは対照的なヒッチコックのユーモア溢れるカメオ出演の仕方です。
[DVD(字幕)] 7点(2010-03-05 18:29:32)
124.  河内カルメン 《ネタバレ》 
原作を読んだことはありませんが、この内容、文章ではこんなに楽しくできないでしょう。つまり本作には映画ならではの楽しさが詰まっているのです。野川由美子さんの魅力が十分に引出されているのはもちろんですが、例えば、露子が同性愛のモデルの先生に部屋に閉じ込められ迫られるシーンで、男が助けるためドアに体当たりしようとすると、悲鳴が聞こえドアがパッと開き、露子が何食わぬ顔して颯爽と階段を降りてくる…。この軽快さ、快活さが、本作の全てを象徴していると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-01 18:14:00)
125.  逃走迷路 《ネタバレ》 
始まりから手錠を外すまでが非常に良くできていて、例えば、光に反射した水面がユラユラと家屋に映っているトビンの屋敷は怪しさ全開ですし、手錠がらみのシーンは上手く、車のファンで鎖を切る時のカットバックによる緊張感や、痴話喧嘩のようなオチで収めるのもシャレています。・・・ですが、その一方でヒロインの描写がかなりいいかげんじゃないかとも思います。例えばビルに閉じ込められていた彼女の再登場の仕方があまりにも出し抜けで、物語に支障をきたさない程度で省略しているのでしょうがテンポを重視し過ぎているように思え、設定に活かされていない広告のモデルというのは、見境なしに出てくる広告の唐突さを皮肉っているのかとすら思ってしまいます。また、ラストの自由の女神での攻防はなかなか見せてくれますし、自由の女神をこんなに上手く使った作品を他に知りませんが、もう一つ何かが欲しいと思ってしまうのは欲張りでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2010-02-19 18:25:46)
126.  不死身の保安官 《ネタバレ》 
この映画は不自然な組み合わせが見所で、英国紳士で世間知らずのお坊ちゃんジョナサンは西部の無法地帯で保安官に任命され、酒場を仕切るブロンドのグラマーな女主人ケイトは凄腕のガンマンでドレスの腰にホルスターを巻きつけ、大団円の結婚式ではイギリス男とアメリカ女と先住民が横一列に並んでしまうという可笑しさなのです。しかもここで面白いのは、この英国紳士が郷に入れば郷に~とはならず、地のままでボケ倒し?どんな危機的状況に陥っても一発も実弾を発射することなしに見事、事件を解決してしまうところです。ということでコメディ色が強いわけですが、最も印象深いのは凄腕のケイトがジョナサンに銃の手ほどきをするシーンで(ケイトに銃を使う見せ場が無いのが残念ですが、凄腕という設定はこのシーンのために作られたものでしょう)、射撃するケイトは魅惑的に口を半開きで狙いを定め、エロティックに銃の説明をし、手取り足取り指導しながら二人の距離が少しづつ近づき、口付けをするとケイトの興奮が高潮に達し銃をズドンとやる…。 ウォルシュ監督のロマンスシーンはいつもながらの流石の出来栄えで、そして本作においても結ばれる男女は些細な誤解からやっぱり一度はケンカをするのです。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 18:19:16)(良:4票)
127.  見知らぬ乗客 《ネタバレ》 
特に印象に残ったことを三つばかり…。まず、殺される主人公の女房が掛けている野暮ったいメガネです。彼女は次々と男を引っ掛ける役所であるのに、あのメガネは絶対に掛けない方が良いじゃないかと思っていたら、あれは殺人を映し出す装置として存在し、さらに上流階級の妹がやっぱりどうして野暮ったいメガネを掛けて登場した瞬間、これが鍵になるのは間違いないというサスペンスの道具として機能しているのです。  二つ目は証拠をかけて殺害現場へ向かわねばならぬ一刻を争う事態の場面です。単純に両者の行動を見てみると、ガイは負けりゃ済むはずの試合を必死に勝利を目指しプレーし、他方のブルーノはブルーノでライターを排水溝に落として必死に手を伸ばす…という何ともつまらない出来事で足留めをくらい互いに独り相撲もいいところなのですが、まるで横綱同士の大一番並に緊張感に満ちているのです。これはもうヒッチコックの手腕に他ならないでしょう。  そして三つ目はガイが夜中にブルーノの家に侵入する場面。個人的にはここが最もドキドキしたシーンで、あそこに犬を登場させるあたりはズルいとすら思ってしまいます。  …三つと言いながら思い出したのでついでに四つ目、排水溝に落ちているライターのカットがとても印象的で、こういうカットがあるからこそ物語的には怪しいライターの重要性にも説得力が出てくるのでしょう。ということで本作は映画を作る人は必見というような作品です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-02-09 18:28:53)(良:1票)
128.  その男、凶暴につき 《ネタバレ》 
ホームレスをリンチした少年の帰宅シーンにおいて、少年の帰宅からタケシがやって来るまでのショットが固定されていて何やら不穏な空気が満ち満ちており、頭っからもうこの映画はただ事ではすまされないぞという予感をさせます。事実、ただ事ではすまされず、例えば我妻と岩城が最後に会っているシーンでは会話を完全に省略してしまっていますし、妹についても全く説明がありません。しかしそんなこと説明せずとも物語はちゃんと成立していますし、映画としては素晴らしい出来栄えなのです。 例えば歩くシーンが頻繁にありますが、タケシさんの歩き方というのは別して格好良いものではないですし、カッポカッポいう靴の音にしたって響きが素晴らしいわけではありませんが、ここでは凄まじく魅力的です。・・・ただ、ラストに悪人を殺しても何も変わらないというオチをもってくるは良いのですが、菊地刑事がまるで我妻のように歩くショットを挿んでしまっているので、彼が我妻ではなく岩城の代わりになるのは妙な気もします。
[ビデオ(邦画)] 9点(2010-02-03 18:22:05)(良:1票)
129.  たくましき男たち 《ネタバレ》 
群衆の大移動と言えば同監督の「ビッグ・トレイル」を思い出しますが(個人的には「ビッグ・トレイル」の方が好みだが)、これまた壮大な移動です。何より物凄い数による牛の大移動が壮観で、終盤でスー族が渓谷を下って襲ってくるのを、突撃で切り抜けるシーンは特にド迫力です。また、小道具の使い方が上手く、毛布とブーツが恋の鍵となっているわけですが、ラストで毛布によりジェーン・ラッセルがその存在を知らせ、クラーク・ゲイブルがブーツを脱がせるカットで終わらせるなんてのは、さすがウォルシュ監督です。ここでの靴を脱がせるという行為はとっても官能的なのですが、規制がなくなって激しい濡れ場も可能になった今日では刺激が足りんと言われてしまうのでしょう。しかしこういったシーンを見ると映画としては露骨な露出は進歩とならず、むしろ退歩したのではないかとすら思えます。  ・・・ただ細かい話をすれば、前半の吹雪中の移動シーンで馬が駆けた後に巻き起こる砂埃のような雪は良いのですが問題もあり、極寒であるにもかかわらず役者たちの吐く息が全く白くなく、その当りは手抜かりな感じもします。また、ゲイブルと弟の最後の別れ際、なぜ死んでしまう弟ではなくゲイブルの去る姿を見せたのかもよく分かりません。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-26 18:08:09)
130.  白熱(1949) 《ネタバレ》 
最初の列車強盗シーンからもう全開でノリノリです。特に一味の凶暴性は凄まじく、彼らにとって銃は脅しの道具ではなく殺しの道具であり、容赦の〝よ〟の字もありません。そしてやはりギャグニーが素晴らしい。「犯罪王リコ」や「彼奴は顔役だ!」ではどことなく好感も抱けたのですが今回は恐ろしさが全面に押し出され、頭痛持ちという設定が映画をより豊かにしています。また死が訪れる際、多くの者が力なく無惨に階段から崩れ落ちたりするのに対し、花火を打ち上げるギャグニーの鬼気迫った最期は圧倒的です。  しかしそんなギャグニーと同等の、あるいはそれ以上に強烈な印象を残すのは彼の母親と女房です。裏切りなんて朝飯前の豪胆な女房役のヴァージニア・メイヨの初登場シーンは、驚くことに無防備にイビキをかいている寝顔ときてます(ガムまで吐き捨てる!)。さらに一見、普通の地味な母親も息子を指南する姿は悪魔的ですらあります。ギャグニーの行動は終始一貫して母親の指示に基づくもので、女房にも平手どころか蹴りを入れるのに母親には幼い子供の如く抱かれるのです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-22 18:27:26)
131.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
最後の演説をぶつシーンは確かに胸を打つものですが、同時にここが最も〝映画〟からかけ離れているとも思います。まして漫談ではなくドタバタ喜劇で笑いをとるチャップリンにとっては言葉など無用だったはずで、ヒンケルのデタラメなドイツ語もただの音でしかありません。しかし、演説シーンが異質だということを天下のチャップリンが承知していない訳がなく、あの時のチャップリンは理髪師ではなく当然ヒンケルでもなく役柄を捨て去ったチャップリンその人に見え、つまるところ映画は演説の前で終了してしまっているようにも見えます。 あの言葉不用で人々に感動を与えてきたチャップリンが、わざわざ明確な言葉にしてまで発した叫びは、心底伝えたかったメッセージなのでしょう。寡黙な者の言葉は強く心に残るものです。 ・・・ということで演説は抜きにして、私の一番好きなシーンは首の動きだけで軍隊の行進を表現し笑いとってしまうところです。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-19 18:46:18)
132.  海賊黒ひげ 《ネタバレ》 
黒ひげの最期は印象的ですが…率直に言いまして、これが全く面白くありません。ウォルシュが監督なのにどうしてこんなことになってしまったのか?もしや別人が撮ったのではないかと勘繰ってしまうほど冴えておりません。 まず、大海原を駆ける海賊の物語であるのにもかかわらず世界がえらく窮屈です。開けた世界はお手の物のウォルシュ監督のはずが、もういかにもセットといった感じの息苦しさで、海なんぞほとんど船が模型の時しか出てきませんし、逃げ隠れする船内の見せ方も上手くいっているとは言い難いです。それに恋愛部分においても中途半端であり、特にレイナード役の俳優さんに魅力が感じられないのは頂けません。ただ、ここにおいてもウォルシュは女優には配慮しており、とても美しく撮られています。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-01-18 18:16:50)
133.  パブリック・エネミーズ 《ネタバレ》 
マイケル・マン監督の作品にはついていけないと思うような箇所もあるのですが(例えば、ネルソンの死に際の白い息が止まるところなどはもっとしっかり見せてほしい)、突如として訪れる素晴らしい瞬間と、格好良過ぎる男のドラマに魅了されファンであり続けているのですが、今回はその瞬間は最後の最後に訪れました。 それはジョニーが映画館に行ってから終幕までで、クラーク・ゲイブルのギャング映画を見るジョニーの表情と外で待ち構えるクリスチャン・ベールの表情、そして助っ人ベテラン捜査官の行動…ここまでくるまでの部分は壮大な除幕式だったとすら思えます。  ジョニーとベールは「ヒート」のデニーロとパチーノと同じように一度しか顔合わせをせず、しかも同じように両者の肩越しから撮られているのですが、彼らはデニーロとパチーノのように共鳴し合わず、ラストでジョニーを見送り一緒にフレームに納まるのはベールではなくベテラン捜査官なのです。このベテラン捜査官は〝伝えてほしい〟などと聞き取れなかったはずのジョニーの言葉を確信を持って〝頼まれた〟と、女のもとへ伝えに行きます。それは彼こそがパチーノであり〝男〟なのだからだと思います。・・・ただ、そこで少し残念なのはこのベテラン捜査官の配役で、登場シーンが僅かなので、エド・ハリスとかガブリエル・バーンとか(あまり思いつきませが;)そのぐらいの役者を持ってきて欲しかったです。そうしないと、どうしたって髭のドン・フライの方が印象強くなってしまいます。
[映画館(字幕)] 8点(2010-01-14 18:35:33)(良:1票)
134.  丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 
この完璧な映画の中でも一番ウナってしまったのは〝間〟の使い方です。  一つにはそのリズムの〝間〟で、例えば笑いをとるシーンにしても、そのテンポは数十年たった今でも決して時代遅れではなく、カット変わりには発言していた事と逆になってしまうというシーンを重ね重ねで見せるのですが、そこにはついつい「そらきたっ!」と言いたくなってしまう絶妙な可笑しさがあります。  もう一つには空間の〝間〟で、例えば壷を売りたい人が押し寄せているシーンで、カメラが横移動すると長蛇の列が映し出され、さらに豆粒のような左膳がちょび安を止めようと観客側に向かって必死に走ってやって来て、またもや「そらきたっ!」と思わず拍手したくなってしまうような楽しさは実にサスペンスフルです(ここは特にスクリーンで見たい)。さらに家の横通路や裏路地の長さ等々、奥行きのある距離感も素晴らしいです。  ちなみに私の最も好きな〝間〟は源三郎が自分の屋敷で金魚釣りをする、まるで眠った亀を観察しているような退屈極まりな~いあの天国の如き空間です。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2010-01-08 18:46:26)
135.  新米雑役夫
喜劇としては笑いどころに乏しい感じがしますが、チャップリンがここで巧みに使ったのは〝高低〟です。まずは階上の窓をフキフキしながら当然の如く物を落下させ階下の人をトラブルに巻き込む喜劇として〝高さ〟を機能させ、お次は金庫破りが現われた女子社員の窮地に「早く来てくれチャップリン!」とドキドキさせるサスペンスとして〝高さ〟を機能させています。この短時間の間に高低だけで二つの要素を盛り込むあたり、さすがはチャップリンです。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-28 18:30:39)
136.  夜までドライブ 《ネタバレ》 
男っぽい題材を得意としたラオール・ウォルシュ監督ですが、作品にはしばしば魅力的な女性たちが登場します。長距離ドライバーという男臭い世界が舞台である本作においても、主役はジョージ・ラフトではなくアイダ・ルピノに見えます。ここでのアイダ・ルピノは悪女…というより精神の脆弱な悲劇的な役どころなのですが、特筆すべきはその美しさです。当然、どのシーンでも美しく撮ろうという配慮がなされていて、服装においてもナイトガウンに到るまでピカピカでキメていますし、殺人を犯す場面での彼女の表情の変化は素晴らしいです。またアイダ・ルピノだけではなくもう一人のヒロイン、アン・シェリダンも初登場のカウンター越しに現われた瞬間から目を奪う美しさで、ラストの都合の良過ぎるオチも彼女が一計を案じることによるものであり、彼女のウィンクで幕が降りるあたり、男はいずれにせよ女の掌で踊らされているようです。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-12-22 18:18:51)
137.  紳士同盟(1960) 《ネタバレ》 
マンホールから顔を覗かせると散水車が通って行く洒落た始まりから、送られてきた本を見せることによって仲間たちを紹介していく軽快な様子、あるいは最後の旧知の友人を登場させながらの解散から再集合の巧みな見せ方は題材に相応しく粋です。が、その間の部分がどうもパッとしません。8人グループなのですが、それぞれのキャラクターが立っているとは言い難いですし(役者さんの顔ぶれは良いと思う)、銀行強盗のシーンも綿密な計画な割に誰がどこで何をしているのか良く分からず面白味に欠けています。全体的に、犯罪映画としての緊張感にしても、素直に楽しめる安心感にしても中途半端な印象を受けます。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-14 18:26:00)
138.  アパルーサの決闘 《ネタバレ》 
無骨なエド・ハリスと寡黙で熱いヴィゴ・モーテンセンの男臭いコンビはかっこいいですし、いくつか良いシーンもあり、望遠鏡で覗くとレネー・ゼルウィガーがスッポンポンだったりするのも笑えますが、次々と男をモノにするレネーはもっと美しくなきゃいけないんじゃないかと…。それはレネーをキャスティングした時点でもう問題だったかもしれませんが、例えば彼女がアパルーサの駅に下り立った初登場シーンなどは、砂埃なんて必要なく(もしかして嵐の前触れってことかもしれないが)美しく撮るべきだったと思います。また何回かある銃撃戦も悪くはないのですが、〝間〟と言いますか開始前の緊張感というものが、どうもあんまりよろしくありません。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-10 18:33:37)
139.  探偵物語(1951)
それぞれのシーンで、殊に感情面のものにおいては的確な演出がなされていますし、室内での人物の出し入れも上手いですし、署内の喧騒や緊迫感も良く出ています。カーク・ダグラスを始め万引きのおばさんまでオーバーアクト気味なものの、そのキャラクターからすればそれも決して悪くはありません。 …しかしこれらの良い点は概して舞台向きとも思えます。移動シーンすらほぼ車内一室で見せてしまっているのですが、これは移動ではなく殴らせる為だけに二人の空間を用意したに過ぎないもので、いくつか良い場面はあるものの、映画としては突き抜けたものが感じられないのです。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-04 18:29:23)(良:1票)
140.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 
人物設定といい、あのカッコイイ音楽といい、色々と思わせぶりな映画ですが、結局のところドンパチで全て解決してしまっているので拍子抜けの感があります。しかしながら誘拐するシーンにおいては、ライアン・フィリップが入り口からの長い通路を徐々に怪しげになりながら歩いてきたり、あるいは徐行による車の追跡も画面の奥へ奥へと逃げて行ったりと、奥行きの使い方が意識されていて面白いです(他にも何度か見られる)。 そしてモーテルでの銃撃戦も狙撃を取り入れることによって俯瞰で見せる工夫がされていますし、ラストのじい様たちとの西部劇のような大銃撃戦も人物の位置付けがしっかりしていて視界良好です。これだけ距離感を出しているのは近年の作品では珍しいと思います。ただ、惜しむらくは銃撃戦であるのにやや迫力に欠けていることで、鬼気迫っていない「ワイルドバンチ」のようです。  それにしても白ポロシャツにムキムキアピールのジェームズ・カーンに敵うわけない。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-01 18:40:41)
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