1421. ある公爵夫人の生涯
嫌いなレイフ・ファインズの持ち味が120%発揮されており、あまりのゲス・クズ・カスっぷりに怒りを通り越して淡々と眺めておりました。お目当てシャーロット・ランプリングは魅力のカケラもないキャラで期待外れ。キーラ・ナイトレイはキリリとした美しさながら、薄幸さが漂っておらず惹きこまれない。多くの召使にかしずかれている貴族というのは、綺麗なお洋服で飾り立てても痴話喧嘩などを彼等彼女等の前で平気でしているのに呆れる。犬猫並みの存在なのだろう。実在の人物という事で、末裔の方々はこれを観て何を思うのだろう。数日後には忘れてそうな愚作。 [インターネット(字幕)] 4点(2018-12-29 00:32:32) |
1422. ロッキー4/炎の友情
初見。娯楽作品としては華やかで上々だけど、脚本、監督、主演のスタローンの独り善がりぶりに失笑。 昭和51年2月に行われた輪島功一リベンジマッチでの最終ラウンドKO勝利という私の中の不滅のシーンが甦りました。 嗚呼、懐かしい。 スタローンはこの試合を見た事あるのかなぁ。 こういう男の中の男の熱いドラマを彼流に映画化して欲しいもんですわ。 [インターネット(字幕)] 4点(2018-12-28 21:06:14) |
1423. 踊る海賊
セラフィンは鬱陶しいキャラだけど、演ずるジーン・ケリーのアクロバティックなダンスには魅了されました。凄い! 初体験のジュディ・ガーランド。美しい容姿に歌って踊れる華のある存在感に見惚れます。 本作のリプレイタイムとなった絶品の「道化師になろう」 もっと二人のダンスシーンが観たかったなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-28 17:21:18)(良:1票) |
1424. ブラック・サンデー
《ネタバレ》 観客8万人皆殺し計画に向けて一歩一歩前進する過程に、作戦は不成功なんだろうと解っていても、復讐の負の連鎖の遣る瀬無さに引き込まれ肩に力が入る。嗚呼それなのに! 飛行場に引き返してからラストまで、それまでの緻密さがウソのようなヤケッパチ感満載の突撃模様に唖然とし、味わいも木端微塵に吹き飛ばされてしまった。「大列車作戦」の監督だっただけに残念さがひとしおつのる。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-12-28 13:19:15) |
1425. ファニー
お目当てである映画界一の伊達男シャルル・ボワイエ62歳のお姿は、素晴らしい齢の重ね方にうっとり。モーリス・シュヴァリエとの丁々発止のやりとりは、二人とも芯から楽しんでいるようでこちらも心地良さに浸り切ってしまう。そんな楽しい物語において「愛されずとも愛する」「愛されても愛せない」パニース、ファニー、マリウスの心模様がほろ苦い。余韻の深い快作。 [DVD(字幕)] 9点(2018-12-26 06:29:18) |
1426. once ダブリンの街角で
肌を合わせるどころか唇を重ねる事も自重した男女のロマンス、男の父親の寡黙さ、ひたすら歌っている音楽映画。地味なことこの上ないのに、気遣いや慈愛深さや思いの丈をぶつける歌詞に魅入ります。「静かに行くものは健やかに行く 健やかに行くものは遠くまで行く」が思い浮かんだ良作。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-12-25 00:48:48) |
1427. チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~
白い巨塔の一節、父から「里見脩二に嫁ぐ限りお前の生涯の仕事は家事と雑事だ・・・・・・それが学者の妻の務めだ」と教えられて参りましたわ。が浮かびました。この二人は強い絆で結ばれていましたが、本作の二人が傷つけあう姿は目を背けたく、耳をふさぎたくなるものでした。悲恋を引きずり続けた男の遣る瀬無い生涯を表現したマチュー・アマルリックに拍手喝采。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-24 13:02:07) |
1428. さすらいの航海
《ネタバレ》 お目当てジェームズ・メイソンは出番が2回のみ(泣)今回も背中で語ってくれてたので良しとしましょう(慰) MIPはマルコム・マクダウェルであり純朴な青年にホロリとさせられるとは思いませんでした。 諸々のエピソードの中でハウザー親子3人の再会シーンの娼婦の娘を思いやる父親に泣かされ、エピローグで再び泣かされる羽目に。 ユダヤ人に義理の無いドイツ人船長の決死の作戦に胸熱になり、後日600名が命を落としたという事実にキューバはともかくとしてアメリカが見捨てた事にやるせなさが募ります。 長過ぎてくたびれたものの観た甲斐がある力作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-24 00:27:41) |
1429. あなたの旅立ち、綴ります
御年83歳シャーリー・マクレーンの画面に映える美しさは驚異的。この所お馴染みのクセが凄いキャラクターも貫録で演じています。仕事一筋、友達はお金だけ人間がふと味わう寂しさが滲み出ていた良作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-23 23:54:00)(良:1票) |
1430. 裸足のイサドラ
20世紀を代表するモダンダンスの祖と呼ばれるイサドラ・ダンカンの物語。演ずるお目当てヴァネッサ・レッドグレーヴの容姿の美しさに惚れ惚れとするものの、踊り自体はどれも単調で退屈。奔放と言う名のだらしない下半身の気質に白けてしまう。バレエが如何にストイックな芸術であるかを思い起こさせられた作品。 [DVD(字幕)] 4点(2018-12-23 23:36:17) |
1431. わたしは目撃者
《ネタバレ》 忘れてしまったレンタルした理由をオープニングで思い出す。エンニオ・モリコーネ、ダリオ・アルジェント、カール・マルデンの組み合わせ。期待が膨らみ正座して鑑賞。展開は目が離せないものの突っ込みどころが多く、遂に正体を現した犯人に拍子抜け「ええっと、どなた、でしたっけ?」カール・マルデンなら震え上がってただろうに。しかしながら、抗いながら死んでゆく者の描写が、ポランスキー作品の遺体の描写を思い出させる生々しさで、物凄いインパクト。監督2作目の本作はサスペンスものであったけれど、イタリアン・ホラーの帝王の片鱗を覗かせる出来栄え。ホラーは嫌いなジャンルだけどアルジェント作品はトライしてもいいかなと思った秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-17 13:03:26)(良:1票) |
1432. バッド・バディ!私とカレの暗殺デート
《ネタバレ》 チャラい邦題が示す通りの肩の凝らない楽しめたアクションラブコメ。お目当てティム・ロスは加齢に淋しさを感じたものの振り撒く極悪臭は流石の存在感。満足しているところに華のある身のこなしのサム・ロックウェルとの雨中の決戦。互角に渉り合う健在ぶりがとっても嬉しい鑑賞した甲斐のある作品。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-16 00:12:07) |
1433. 東への道
98年前に製作された無音の134分間は、ありきたりな物語でありながら、しっかりとした起承転結、リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス、ロウエル・シャーマン(映画におけるゲス男のバイブルと言える目つきが絶品)を始めとして端役に至るまで登場人物全員の際立った個性、肩の力が抜けるお笑いシーン、ラスト・ミニッツ・レスキュー(監督の十八番だというのを鑑賞後知る事に)一瞬も目が離せない。圧巻だったのがリリアン・ギッシュが吹雪の中を彷徨い流氷上で力尽きるシーンで、「このまま滝壺へ落ちてゆけばこれ以上辛い思いしなくて済むのかも、でも何とか助からないのか」涙が溢れ、救出に向かうバーセルメスに「早く!」握り拳。老婆のような顔つきになり凍死寸前だったというリリアン・ギッシュの役者魂(監督に対する信頼感なのか?)に喝采。無音でもこれ程までに表現出来る事に感嘆しきりの傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2018-12-10 11:17:42)(良:1票) |
1434. エクソシスト ディレクターズカット版
《ネタバレ》 初見。憑き物に苦しめられる少女の描写は単に気持ち悪いだけ。心底怖かったのは娘を目の当たりにする若かりしエレン・バースティンが熱演する母親の絶望感。信仰心をかなぐり捨てたカラス神父の最後の姿が物悲しい。オカルトものの金字塔と呼ばれるのが納得の単なるグロではない神にすがる事について考えさせられる作品。 当時国交の無かったイラクで撮影する、少女の部屋の室温を氷点下にする、俳優の傍で発砲し驚く表情を捉える、俳優に内緒でピアノ線で引きずり倒して負傷させる、ビンタを食らわせ動揺する姿を捉える、諸々のエピソードに映画を作る狂人フリードキンに悪魔が乗り移っていたのだと思わされる。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-12-09 00:07:57) |
1435. はなしかわって
《ネタバレ》 ラストの「生きるさ」に胸がしめつけられる。 アキ・カウリスマキ作品から肩の力が抜けたような作風でありながら、主人公の静かな強靭さは共通していました。 貧すれど鈍しない ジョセフの飄々として利他精神に富んだ人柄が一陣の涼風の様な良作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-08 23:47:15) |
1436. われらが背きし者
原作未読。緊張感が途切れる事のない物語は解り易かったものの、要所要所で次の展開が思い浮かんだその通りに進んでいったのが物足りない。ペリー、ディマの行動原理も然り。只一人なかなか胸中が掴めなかったヘクターに本作の主役は彼なのだと思わされる。原作はどうなのだろうか。国家のご都合主義の正義ここに極まれりの考えが示されたシーンでの「興奮しないで」に唯一感情を表したヘクター。罵詈雑言で興奮しまくった私はその単細胞ぶりを思い知る。三者を過不足なく表現した男優三人の好演が印象深いジョン・ル・カレ作品ファンの方にはお薦めの秀作。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-12-05 14:29:23) |
1437. ビーン
ビーンには「ホイッスラーの母」の顔を崩壊させてゆく爆笑シーン以外に笑えなかった。代わって彼に振り回されるピーター・マクニコルに大笑いさせられ、ホロリとさせられ、ほのぼのとさせられた。勝ちに不思議の勝ちありのあちこち丸く収まる展開に一家との友情を絡めたハートウォーミングなテイストは求めたものとは違うものの案外と心地良かった。ジョン・ミルズ、ハリス・ユーリン、先頃(9月6日)に亡くなられた(合掌)バート・レイノルズが作品に華を添えているのも嬉しい。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-12-02 01:50:57) |
1438. ガス燈(1944)
気の強さに鼻白む事が多々あるイングリッド・バーグマンを骨抜きにする伊達男シャルル・ボワイエ。とびきりのメロドラマに今日もキュンキュンと思ったのが、まさか、あんな形で骨抜きにするとは。威圧感満点のボワイエの酷薄な表情に見惚れたものの、生来の品の良さで極悪になり切れないところが何とも歯痒い。また、いたぶられるバーグマンの一本調子な演技に興に乗れず。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-01 00:57:18) |
1439. ストレンジャー(2010)
キャッチコピー「一人の訪問者がこの街の静寂を引き裂いてゆく」に、コリン・ファースの虫も殺さぬ顔して悪の限りを尽くす姿を思い浮かべ興奮したのですが。ちゃらんぽらんじゃないけれど「ちゅーーーーとはんぱやなぁ」としか言いようのない役どころで、ストーリーもまた然り。嗚呼残念。唯一印象に残った要チェックのパトリシア・クラークソンに点数の全てを。 [DVD(字幕)] 5点(2018-11-30 16:03:16) |
1440. 五瓣の椿
《ネタバレ》 原作未読。牢屋で針仕事をしている時の憑き物が落ちたような顔つきと丸梅の妻の自害に、復讐の虚しさを味わう事に。青木の人物像は山本周五郎作品ならではのものであり、「上意討ち拝領妻始末」に続いての加藤剛の若かりし姿に見惚れました。長さを感じさせない力作。 [DVD(邦画)] 8点(2018-11-28 02:31:40) |