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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1481.  ザ・ビースト(2019) 《ネタバレ》 
彼の名は、フランク。世界を股にかけて希少動物や人気動物を捕えては動物園などに売り飛ばす猛獣ハンターだ。今回ブラジルの熱帯雨林へと赴いた彼は、思いがけない大物を捕えることに成功する。それは全身キレイな白い毛で覆われたホワイトジャガー。アメリカ本国へと持ち帰ってその筋のルートへと売り飛ばせば莫大な金が手に入るのは明らかだった。頑強な檻に閉じ込めたジャガーとともに意気揚々と巨大タンカーへと乗り込んだフランクだったが、そこで予想だにしない事態に見舞われるのだった――。精神に異常をきたした元米軍特殊部隊員で冷酷な殺人鬼であるラフラーをアメリカへと護送するために、連邦捜査官たちが乗り込んできたのだ。嫌な予感を感じながらもタンカーで大海原へと乗り出すフランク。彼のそんな懸念は見事的中し、ラフラーは見張りの隙を突いて易々と船内へと逃げ出すのだった。恐ろしいことにラフラーは、船内の檻に閉じ込められていた獰猛な猛獣たちまで開放してしまう。当然そこには狂暴なホワイトジャガーも含まれていた……。果たして彼らの運命は?巨大タンカーの密閉された船内で、逃げ出した凶悪犯のみならず猛獣たちにまで追い詰められる船員や捜査官、そして荒くれ者の猛獣ハンターたちのサバイバルを描いたパニック・アクション。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送る、いかにもB級なそんな本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみました。まあいつものニコラス・ケイジ印の低予算・低クオリティの内容でしたね、これ。とにかく演出のキレが悪い!逃げ出したレクター博士もどきのサイコな殺人犯とホワイトジャガーをはじめとする猛獣たちにダブルで襲われるというのが本作の売りなんでしょうけど、どちらもまあショボい。出っ歯の殺人犯なんてとても元凄腕の特殊部隊員に見えず小者感が半端ないし、ホワイトジャガーのCGも今どきびっくりするくらいの低クオリティ。こいつらが同時に襲って来たってスリルが倍増するどころか逆に相乗効果でよりショボくなっちゃってます。なので、最後まで全く盛り上がらないままダラダラと終わっちゃいました。ま、いつものニコケイブランドの映画って感じです。
[DVD(字幕)] 4点(2021-08-09 05:39:15)
1482.  散歩する侵略者 《ネタバレ》 
それはある日突然、日常生活へと紛れ込んできた――。これから地球へと侵略を開始しようという宇宙人が現地を調査するために行動を開始したのだ。地球を支配する人類がいったい何を考えどのような生活を送っているのか、その概念を知るために日本へと遣わされた三人の宇宙人は、それぞれ選んだ人間の意識を乗っ取ることに成功する。どこにでも居るような平凡なサラリーマン、高校生の男女、彼らの身体を使い、宇宙人は人類が使う言葉とその概念を奪うために街へと繰り出す。恐ろしいことにその概念を奪われた人々は、それらの言葉や概念を理解できなくなってしまうのだった。「家族」「所有」「仕事」……。様々な言葉とその概念を奪われ、次々とおかしくなる人たち。社会が少しずつ混乱へと陥ってゆく中、宇宙人にガイドとして指名されたイラストレーターの妻や社会派ジャーナリストはそれぞれに行動を開始するが……。静かに行動を起こした宇宙人によって徐々に侵略されゆく人類をユーモラスに描いたSFドラマ。数々の賞に輝く監督の代表作と言うことで今回鑑賞してみたのですが、正直自分には何がいいのかさっぱり分かりませんでした。なんかそもそもの設定に無理があるような気がするんですけど、これ。だって言葉とその概念を知るために調査を開始したのなら、普通に考えて最初は会話も出来ないんじゃないでしょうか。例えば映画の最初の方で、宇宙人の一人である松田龍平が妻に「敬語は止めて」と言われるシーン。普通に「分かった。敬語は止める」って答えてましたけど、え、敬語の概念は知ってたってこと?それなのに家族や自分という言葉の概念は知らない。この違いの基準は何なのでしょう。それにSFなのに画が大変地味なのもいただけない。概念を奪うときの画も、指を頭にかざすだけってショボすぎじゃないですか。せめてここはCGでも使って、指が伸びて脳の中に入り込むような刺激的な映像が欲しかったところ。映画としてようやく盛り上がってきたクライマックスもなんかいまいちセンスを感じませんでした。あのジャーナリストが戦闘機に空爆されるシーンなんて、ほぼコントで正直寒かったですし。挙句最後の、「人類の愛の偉大さに気づいた宇宙人」というオチにいたっては思わず失笑しちゃいましたわ。この監督の映画は初めて観ましたが、という訳で自分には全く合いませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2021-07-27 02:03:16)
1483.  マー/サイコパスの狂気の地下室 《ネタバレ》 
女手一つで自分を育ててくれた母親とともにとある地方都市へと越してきた女子高生、マギー。持ち前の明るい性格からすぐに友達もでき、転校から数日後にはクラスのイケてるグループからパーティへと誘われるまでになっていた。そんなある日、彼女は友達と飲む酒を手に入れるために町の酒屋の前で代わりに買ってくれる大人を探してたところ、とある年配の女性と知り合う。スー・アンと名乗るその黒人女性は、それどころか自宅の地下室を自由に使ってもいいと提案してくれるのだった。面倒臭い大人たちの目を避けるために、戸惑いながらもスー・アンの自宅へとやって来たマギーたち。広い地下室で自由に酒を飲み、今という時間を楽しむ彼女たちにスー・アンはこれからいつでもこの地下室を好きに使っていいとまで言ってくれるのだった。夢のようなそんな言葉を素直に受け入れ、友達も呼んで夜な夜なパーティーに浮かれるマギーたち。だが、マギーは知らなかった。彼女が、過去の辛い出来事を機に心を病んでしまったサイコパスであることを――。今どきのティーンエイジャーが、偶然知り合ったサイコパスな女によって恐怖のどん底へと叩き落とされる姿を描いたサイコ・サスペンス。実力派女優オクタヴィア・スペンサーが、そんな心を病んでしまった中年女性を演じているということで今回鑑賞してみました。率直に言って題材は良かったと思うんですよ、これ。何気に豪華な役者陣も、このありがちなストーリーに説得力を持たせることに貢献している。問題は、監督の演出力。雑と言うか稚拙と言うか、映画として面白くなりそうなポイントをことごとく外しているんです。頭空っぽな今どきティーンエイジャーの主人公たちが、最初は親切だと思っていた黒人のおばちゃんに地下室に閉じ込められて……なんて、エンタメホラーとして普通に面白くなりそうなのに、これがちっともそうならない。この監督って、これまでホラー映画というものを観たことがないんじゃないかって疑っちゃうくらいでした。物語の重要なポイントとなる、このサイコパス女性の過去を描く回想シーンの挿入の仕方も恐ろしく稚拙。彼女の足の悪い娘の存在なんて、居る意味あったのかってくらいでした。クライマックスでようやく、このサイコパスな女の暴走が始まるわけですが、これも見せ方があまりにテキトーでさっぱり怖くない。題材はシンプルで良かっただけに、もっとホラー映画を分かった監督に演出して欲しかったですね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-07-02 18:00:35)
1484.  MORTAL モータル 《ネタバレ》 
北欧神話に登場する雷神、トール。雷を自在に操り、人の身体に触れるだけでその者を焼き殺してしまうという、恐るべきその力を手に入れたある男の悲劇をダイナミックに描いたSFドラマ。監督は『ジェーン・ドゥの解剖』というフェティッシュ・ホラーの快作を撮った、ノルウェーの俊英アンドレ・ウーヴレダル。という訳で、かなり期待して今回鑑賞してみました。なのですが、残念ながらさっぱり面白くなかったです、これ。とにかくストーリー展開がまだるっこしい!!『ジェーン・ドゥの解剖』で魅せた、低予算密室ホラーでありながら手を変え品を変え、じっくりと最後まで見せきったその演出の冴えは何処へやら。髭もじゃの冴えないおじさんが追い詰められて人を殺し、そのせいで苦悩するという代り映えのしない映像が最後まで続いてもうほんと退屈!そんな主人公を何故か自分の身を顧みずに助けてくれる女性心理学者も、どうしてそこまでこの主人公を献身的にサポートするのかもよく分からない。恐らく恋に落ちたと言いたいんでしょうけど、出会ってまだ1日しか経ってないし、そこまで心変わりするエピソードも全くないのに、さすがにそれは説得力なさすぎです。挙句、何故か後半、そんな彼を熱狂的に支持する民衆が大勢駆けつけてくるというぶっ飛び展開。いつの間にそこまで話がおおきくなっとんねん。なんか全てにおいて演出の詰めが甘過ぎで、僕は最後までさっぱり楽しめませんでした。ウーヴレダル、ちょっとヒット作連発し過ぎて疲れてたのかな?でも、この人の才能は確かだと思うので次作に期待して待っております!!
[DVD(字幕)] 4点(2021-06-07 05:30:33)
1485.  透明人間(2020) 《ネタバレ》 
透明人間があんなことやらこんなことをやっちゃって、えらいこっちゃになっちゃうお話。だと思って観始めたら、これがもう暗いうえに展開がまどろっこしくて僕はさっぱり楽しめませんでした。だいたい透明人間が本格的に暴れはじめるのが映画も一時間を過ぎたあたりからって遅すぎるっしょ!それに透明人間って設定も充分活かされていたかというと特にそんなこともなく、お約束のエロ要素もヒロインが知らん間に妊娠させられていたと後から知らされるだけって…。いや、そこをちゃんと見せてくださいよ(笑)。対するヒロインの方も、「あの人は透明人間の研究をしてたから、きっと透明になって襲ってくるはず」って初めから知ってんのかーい。絶対、「私の回りで最近何かおかしな出来事が多発してるけどもしかしてこれって……、あー、あんなところに透明な何かがーー!」と途中で気づいた方がよっぽどサスペンスフルで面白くなったと思うんですけど!!まあ透明人間になる方法はこれまでだいたい薬でしたけど、今回は全身にカメラを取り付けたボディスーツだというのは新しかったですかね。このスーツのフォルムがけっこうスタイリッシュでそこは良かったかな。なのに、こいつが活躍するのが映画の半分過ぎたぐらいからってやぱ勿体なさすぎですわ。というわけで自分が求めていたものとはだいぶ違った内容で、僕はさっぱり楽しめませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2021-06-04 23:47:25)
1486.  ナンシー 《ネタバレ》 
彼女の名は、ナンシー。貧しい母子家庭に暮らす平凡な中年女性だ。その内向的な性格から結婚はおろか彼氏すらおらず、数年前からパーキンソン病を患い外出もままならない母親からは毎日のように不平不満を聞かされ、派遣で働きながら先の見えない閉塞した生活を続けていた。そんなある日、ナンシーはテレビでとある年老いた夫婦のドキュメンタリー番組を目にする。30年前、夫婦は5歳になったばかりの一人娘を誘拐され、以来ずっと娘の帰りを待ち続けているというのだ。番組の最後に表示された、CGで再現された現在の娘の顔を見たナンシーは、雷に打たれたような衝撃を受ける。「誘拐されたという一人娘は、実は私かも知れない」――。直接老夫婦へと連絡を取ったナンシーは、居ても立ってもいられず家を飛び出すのだった。血が繋がっていない母親は一週間前に亡くなってしまった。もはや自分は独りぼっち。自らの居場所を求めるかのように老夫婦の元へとやって来たナンシーは、彼らに乞われるままDNA鑑定を行い数日間泊めてもらうことに。鑑定の結果が出るのは3日後。果たしてナンシーは本当に彼らの誘拐された一人娘なのか?社会の片隅で貧しい生活を続けていた中年女性と幼い娘を失い悲嘆の中に生きてきた老夫婦、それまで何の接点もなかったそんな彼らの人生の交錯を終始淡々と描いたヒューマン・ドラマ。確かに描きたいことは分かるんですよ、これ。幼いころから虐待され決して幸せな人生とは言い難い生活を余儀なくされていた女性が、本当の両親かも知れないという老夫婦との交流を通していつしか生きる希望を見出してゆくという物語。ただ、残念ながら監督の芸術的センスが圧倒的に不足しております。終始画面が薄暗くて見辛いことこの上ないし、音楽や映像も凡庸で心に残るようなシーンなどほとんどありません。また、主人公はじめ登場人物誰もが人生に対して後ろ向きで決して魅力的とは言い難い。最後のDNA鑑定の結果も、まあ分からなくはないけれど、正直僕は「ここまで引っ張といてこれで終わりかよ!」と思わず突っ込んじゃいました。きっと本当の物語はここから始まるんじゃないですかね?なんだか「起承転結」の「起承」の部分だけを延々引き延ばしたものを見せられただけなように僕は感じてしまいました。題材は良かったのに、料理の仕方がなんとも勿体ない作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2021-04-20 02:19:44)
1487.  ボーダー 二つの世界 《ネタバレ》 
ずんぐりとした体形にごつごつとした無骨な顔、愛嬌があるとはとても言い難い不愛想な性格、そんな残念な見た目や性格のせいで子供のころからずっと不遇な生活を余儀なくされてきた女性、ティーナ。だが、彼女には人並外れた臭覚があり、さらには人の秘密を嗅ぎ分けるという特殊な能力さえあった。その特技を活かし、ティーナは北欧の港町で税関職員として地道に働いていた。そんなある日、彼女は勤務中自分とよく似た外見を持つ不審な男性を見つける。荷物を調べてみると、中には大量の虫を入れたタッパーが。問いただすと、男は自らを昆虫学者だという。もちろん法律的には何の問題もない。心に何か引っかかるものを感じながらも男を解放したティーナ。数日後、彼女は森の中で大量の虫を集めているその男と再会する。しかも彼は集めた虫を密かに食べていたのだった。だが、何故かティーナはそんな彼に親近感を覚え、家へと連れ帰ってくる。そうして始まった社会のはみ出し者同士の共同生活。やがて、ティーナは彼こそが自分の出生の秘密を知る人物だと知るのだった……。北欧の寂れた田舎町を舞台に、そんな社会のボーダーから取り残されてしまった男女をミステリアスに描いた幻想譚。テンポのいいストーリー展開や分かりやすいエンタメ要素などはほぼ皆無、終始静かに淡々と進んでゆくいわゆるアート系なそんな本作、なので評価のポイントとなるのはこの監督のセンスに自らの感性が合うかどうか。正直な感想を述べさせてもらうと、残念ながら自分は全く合いませんでした。とにかくこの主人公の外見が生理的に受け付けず、しかも似たような外見のおっさんまで出てきて嫌悪感が二乗されるという、ね。さらにはこの二人が裸になって森の中を駆け回るわ、素っ裸のまま湖に飛び込むわ、挙句剥き出しの土の上で泥だらけでまぐわい始めるわでそのころには嫌悪感が三乗、四乗。ダメ押しで、土からほじくり出したミミズや虫を口に放り込んでもぐもぐされた日にゃ僕の嫌悪感のリミットは見事に振り切れちゃいましたわ。いや、汚すぎでしょ、この映画。そこに児童ポルノ問題を絡ませることで、社会の美醜のボーダーを敢えてひっくり返そうという本作の狙いは分からんでもないですが、僕はそれ以前に生理的にムリムリなんですけどーー。こればっかりは好みの問題なんで如何ともしがたい。4点!
[DVD(字幕)] 4点(2021-04-17 02:34:34)
1488.  グリンゴ 最強の悪運男 《ネタバレ》 
無責任で女好きな社長にはめられ、仕事も愛する妻も失う寸前の冴えないサラリーマン、ハロルド。そんな八方塞がりの自分の人生に一発逆転を図るため、彼はあるとっておきの方法を思いつく。それはメキシコ出張中にマフィアに拉致されたと見せかけ、多額の保険金をせしめようという偽装誘拐。意を決して計画を実行に移した彼だったが、そこにホンモノのマフィアも現れ、さらには社長が雇った殺し屋や麻薬をアメリカへと密輸しようという運び屋まで絡んできたからさあ大変。最強の悪運男、ハロルドの運命は?そんな冴えない中年サラリーマンのドタバタを描いたコメディタッチのクライム・ドラマ。シャーリーズ・セロンを筆頭に、ジョエル・エドガートンやアマンダ・セイフライドといった何気に豪華なキャスト陣に惹かれ今回鑑賞してみました。まあやりたいことは分かるんですよ、これ。デビュー当時のガイ・リッチー監督作のような、軽妙なタッチのスラップスティック劇。でも、残念ながら演出のキレやスピード感が圧倒的に足りていません。無駄に分かりにくいうえに最後までテンポの悪いストーリー展開に終始睡魔が……。それに魅力的な登場人物がほとんど居なかったのも致命的。華のある役者陣に引っ張られて最後まで観ていられましたが、さして面白くはなかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2021-03-26 02:20:21)
1489.  ジュディ 虹の彼方に 《ネタバレ》 
『オズの魔法使』で一世を風靡した人気子役、ジュディ・ガーランドのその後を実話を基に描いた伝記映画。昔懐かしのレニー・ゼルウィガーがそんな落ちぶれたかつての人気女優を演じ、見事アカデミー賞を受賞したということで今回鑑賞してみました。なんですが、肝心の脚本がいまいちな出来でしたね、これ。とにかくこのジュディ・ガーランドという一人の人間への掘り下げ方が圧倒的に浅い!優れた伝記映画には、この人の人生とはいったいなんであったのか、その生涯を通じて何を追い求めたのか、そういったテーマが強固としてあるものだけど、残念ながらこの作品にはそのようなテーマ性が一切感じられませんでした。これではただ事実を羅列したにすぎません。また、ところどころにある回想シーンの挿入の仕方がどれもセンスが悪く、現在のシーンとうまくリンクしきれていないので何ともちぐはぐな印象。もっと子供のころの華々しい時代の真実を掘り下げて描くべきだったのではないか。ただ、レニー・ゼルウィガーの演技はさすがにアカデミー賞を受賞しただけあって、なかなか真に迫っておりました。って、これって演技じゃなくて彼女の素なんじゃないのなんて思ったりもしましたが(笑)。女優ってどんなに汚れ役を演じていようと、これは「演技」なんだという何処かに気品のようなものを感じさせるものだけど、本作での彼女の演技はそのまんまな感じでちょっと観ていて痛々しかったです。という訳でなんだかいろいろと残念な出来の作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2021-03-07 03:33:48)(良:1票)
1490.  ポップスター 《ネタバレ》 
学校での銃乱射事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負った少女、セレステ。犯人に殺された先生やクラスメートのために作った追悼曲が図らずも全米で大ヒットし、彼女はそのままポップスターとして成功への階段を駆け上るのだった――。十数年後、すっかり大人となり一児の母となったセレステだったが、その私生活はスキャンダル続きで決して順風満帆とは言えなかった。再起を誓った彼女は地元での復活コンサートを開こうとするのだが、そんな折、彼女のMVを模した銃乱射事件が再び起こってしまう……。ナタリー・ポートマンがそんな波乱万丈なポップスター役を演じているということで、なんとなく『ブラックスワン』のポップソング版みたいな感じなのかなと思って今回鑑賞してみました。まあ間違ってはないんですけど、残念ながら監督の実力が圧倒的に伴ってません。年代記風の語り口や早送りや長回しを多用した演出など、頑張って芸術っぽい雰囲気を醸し出そうとしてはいるんですけど、どれもが完全に空回っちゃってます。それに画質が現代の映画とは思えないくらい、全体的に小汚いのも大きなマイナスポイント。見せ場となるクライマックスのコンサート映像もけっこうショボいです。なんなんですか、あのもじもじくん(古い!)みたいな超絶ダサい衣装は……(笑)。だいたいナタリー・ポートマン目当てで観たのに、彼女の出演シーンは後半の一時間だけってちょっと詐欺なんじゃないですかね。うーん、なんかいろいろと残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-27 03:00:08)(良:1票)
1491.  真実(2019) 《ネタバレ》 
これまでの半生を赤裸々に綴った自伝『真実』を出版することになったフランス往年の名女優ファビエンヌ。だが、その原稿を読んだ彼女の娘である脚本家リュミールは憤慨するのだった。何故ならそこにはファビエンヌの都合の良いことばかりが書かれていたからだ。特に、彼女と因縁浅からぬ関係にあった今は亡き女優への言及が一切なかったことに怒りを隠せなくなったリュミールは、夫と子供を引き連れ、今住んでいるアメリカからフランスへと里帰りすることに。だが、横柄で自己中心的な母親は開き直るばかりで原稿の書き換えには一切応じないという。次第に苛立ちを募らせてゆくリュミール。果たして、彼女たち親子に隠された本当の真実とは?カンヌでパルムドールに輝く日本の名匠是枝裕和がフランスを舞台にして、そんな確執を抱えた親子の交流を淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。昔から僕とはどうにも相性の良くない監督の作品だったのですが、カトリーヌ・ドヌーヴとイーサン・ホーク目当てでこの度鑑賞してみました。いやー、今回も見事に僕は嵌まらなかったですね、これ。ドラマティックな展開などほぼ皆無、これっぽっちも興味の持てないお話がただひたすら淡々と続き、僕は最後まで眠気が止まりませんでした。別に映画に娯楽性ばかりを求めてるわけではありませんが、もう少し観客を楽しませる工夫があっても良いのでは?最後のオチもモヤモヤするばかりでちっともスッキリしませんし。うーん、こればかりは相性の問題なので如何ともしがたい。ただ、往年の名女優を演じたカトリーヌ・ドヌーヴはお歳を召されてだいぶ貫禄がつきましたね~。「めちゃくちゃヒョウ柄のセーターが似合いそう」って思ったのは僕だけ?……すんません、完全に余談でした(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-09 03:06:07)
1492.  9人の翻訳家 囚われたベストセラー 《ネタバレ》 
フランスのとある地方都市に建つ一軒の古い洋館。何処にでもあるようなその大きな建物には、強固なセキュリティに守られた広い地下室が備えられていた。持ち主は、世界的なベストセラーを幾つも手掛けてきた大手出版社のCEO。そこにある日、世界各国から選ばれた九人の男女が集められる。目的はなんと、その出版社が扱う世界的ベストセラー作家の人気シリーズ『テダリュス』の最新刊をこの地下室で約二カ月かけて、集中的に翻訳作業を行うためだった――。事前の情報流出を防ぎつつも世界同時発売を実現するため、期間中彼らは外部との接触は一切禁止、外出することも許されない。作業は一日の初めにちょうど20ページ分の原稿を渡され、翻訳が終わると全て回収される。完璧なシステムのはずだった。だが、翻訳作業が開始された直後、何者かによってネット上にその極秘のはずの原稿の冒頭部が公開されるのだった。しかも犯人はCEOの携帯に直接連絡をよこし、原稿の全文を公開されたくなければ、多額の現金を払えと要求してくる。犯人は確実に、この九人の翻訳家の中の誰か。果たして原稿を盗み、ネット上に公開したのは誰なのか?ベストセラーを翻訳するために集められた、そんな九人の男女に交錯する動揺と疑心暗鬼をスタイリッシュに描いたサスペンス・ミステリー。という、今までありそうでなかった設定に惹かれ、今回鑑賞してみました。なのですが、僕はさっぱり嵌まらなかったですね、これ。とにかく物語の見せ方が恐ろしく稚拙。完全隔離されたこの地下室から誰がどのような方法でこの原稿を流出させたのかというのが物語の焦点となるのですが、ここら辺の詰めが非常に甘く、サスペンスとしていまいち盛り上がらない。もっと脚本を整理してすっきり分かりやすくみせてくださいよ。それに、この九人の翻訳家のキャラの描き分けもイマイチで、誰一人魅力的な人物がいないのも致命傷でした。しかも彼らのうち主人公が誰なのかもかなり曖昧なので、観客が誰に感情移入して観ればいいのか分からないのも難点。唯一盛り上がったのが、中盤の原稿強奪シーン。ここはベタですけど、サスペンスフルでなかなか面白かった。でも、それも最後のオチで全て意味がなかったとする謎の自己破壊(笑)。こうなってくると、この設定を思いついたアイデアのみが唯一の長所かなと思ったら、それもなんとダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ出版の際に実際に行われた翻訳手法とのこと。うん、見事に誉めるべきところがなくなっちゃいました(笑)。なんとなく知的でミステリアスな雰囲気に4点。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-08 04:11:20)(笑:1票) (良:2票)
1493.  さようなら、コダクローム 《ネタバレ》 
決定的なミスを犯し、長年勤めてきた会社から解雇を言い渡された音楽プロデューサー、マット。首を繋ぎとめるために会社から提示された条件、それはライバル会社から二週間以内に人気バンドを引き抜いてくることだった。生活のために、その人気バンドと何とかコンタクトを取ろうとするマットだったが、どうにもうまくいかない。そんな折、思いもよらぬ知らせが彼の元に届くのだった――。過去に色々あって長年疎遠にしていた彼の父親ベンが、末期の肝臓癌を患い余命幾ばくもないというのだ。高名な写真家でもあった父は、息子に最後の願いがあるらしく、それはもうすぐサービスが終わる古い写真フィルム「コダクローム」を現像するために、カンザスまで運転してほしいというものだった。母親とのかつての辛い日々を思い、頑として首を縦に振らないマット。そんな彼にベンのマネージャーは、驚きの条件を提示してくる。なんとその人気バンドに会わせてもいいというのだ。仕方なく願いを引き受けた彼は、父の専属看護師である女性とともにカンザスへと旅立つことに。だが、偏屈な父は何かというとトラブルを引き起こし……。長年の葛藤を抱えた父子が、最後の旅路をきっかけにお互いの人生を見つめなす姿をノスタルジックに描いたロード・ムービー。名優エド・ハリスが、そんな口数の減らない偏屈爺さんを演じているということで今回鑑賞してみました。なんですけど、僕はものの見事に嵌まらなかったですね、これ。とにかく登場人物誰もに魅力がなさ過ぎます!特に、エド・ハリス演じるこの爺さん。人の嫌がることばかりして自らトラブルを招いているのに一切反省の態度を見せないとこに、もう見れば見るほど嫌悪感が湧いてきちゃいました。これがロード・ムービーの名手とされるアレクサンダー・ペインの作品なんかだと、この爺さんに何処か憎めない魅力がでるものだけどそんなのは一切ありません。もうひたすらクソじじい(笑)。また、展開もベタ過ぎます。長年憎み合ってた父子が数日旅しただけで最後にはすっかり和解して、女性看護師ともいい仲になっちゃうって都合がよすぎますわ。主人公も目的の人気バンドとようやく会えたのに、それを父をちょっとからかわれただけでキレて帰るってあまりにもアホ過ぎます!いやいやプロなんだから、それぐらい我慢しろよ!んで肝心のそのフィルムに映っていた写真も、これだけ引っ張んだからさぞかし驚きのものが映ってるんだろうなと思ったら、まさかのそのまんまの家族写真…。捻りがなさ過ぎだっちゅーの。エド・ハリスの渋さに惹かれて最後まで観ましたが、僕にはどうにも退屈なだけの作品でありました。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-01-16 22:30:27)(良:1票)
1494.  ホンモノの気持ち 《ネタバレ》 
高度なAIを搭載した人型ロボット〝シンセ〟が社会の隅々にまで浸透した近未来。開発者であるコール・エインズリー博士は、更なる高みを目指して日々研究を続けていた。その目標とは、「人生の最愛の伴侶となる相手を人工的に創り出すこと」――。彼の元で働く研究員ゾーイは、ともに過ごすうちにそんな彼の信念や人柄に徐々に惹かれてゆくのだった。次第に心を許しあい、いつしか一線を越えてしまう二人。お互いをなくてはならない存在だと感じ始めていた矢先、ゾーイは衝撃の真実を知ってしまう。なんと彼女自身もまた彼に創り出された〝シンセ〟だったのだ。心を深く傷つけられたゾーイは、彼の元を離れ、一人で生きてゆく決心をするのだが……。高度に発達した近未来を舞台に、自我を持ったアンドロイドと孤独な中年男との恋愛をリリカルに描いたSF・ラブストーリー。ベテラン俳優ユアン・マクレガーがそんな人造人間に恋をするこじらせおじさん役を演じているということで今回鑑賞してみましたが、正直、これがさっぱり面白くなかったです。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく雰囲気に頼りすぎで、全体的にふわふわダラダラした印象しか残りませんでした。これで映像なり音楽なりにセンスがあれば観ていられたんでしょうけれど、それもソフィア・コッポラもどきの凡庸な代物で退屈極まりない。だいたい人工知能と人間との恋愛というテーマ自体、今となってはさして目新しくもないですし。それに後半に唐突に出てくる恋愛ドラッグの扱いもなんとも中途半端。最後の「やっぱり愛って偉大だね」みたいな結論に至っては、あまりに薄っぺらすぎて思わず失笑しちゃいましたわ。という訳で僕はさっぱり楽しめませんでした。映像的にはそこそこキレイだったので、+1点。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-18 21:45:08)
1495.  ジェミニマン 《ネタバレ》 
引退を決意したばかりの超一流殺し屋が逆に命を狙われた!世界トップクラスの腕を誇る彼を追い詰めた者とは果たして誰なのか?その正体は、実は最新鋭のクローン技術で作り上げられた若き日の彼そのものだったのだ!長年の経験を最大限に活かしたベテラン殺し屋と粗削りながらも才能豊かな若手殺し屋。お互い超一流の自分との命をかけた闘いの火ぶたがいま、切って落とされる……。という、いかにもB級なぶっ飛び設定のSFエンタメ・アクション。最新鋭のCG技術で再現された若き日の自分と戦う主人公には、これまたいかにもな人選のウィル・スミス。これで監督がポール・W・S・アンダーソンやリュック・ベッソンといった〝いかにも〟な人だったらたぶん観なかったんでしょうけど、本作の監督はなんと何度もアカデミー賞の栄誉に輝く名匠アン・リーということで今回鑑賞してみました。なんですが、正直イマイチな出来でしたね、これ。とにかく最後までテンポが悪すぎ!こういう頭空っぽにして観るべき荒唐無稽系SFアクションは、もっとサクサク進んでくれないと。だって肝心のクローン殺し屋クンの正体が分かるのは、映画の中盤を過ぎたあたりってさすがに遅過ぎですわ~。あとアクション・シーンが全体的にどれも地味だったのも物足りなかったです。やはりアン・リー監督の丁寧で品の良い演出は、こういうB級作品には不向きだったってことでしょうね。けっこう期待していただけに残念でした。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-13 00:02:25)
1496.  もう終わりにしよう。 《ネタバレ》 
物語は、とある女性が彼氏の運転で田舎町をドライブしているシーンから始まる。目的は、彼の両親に初めて会い、夕食をともにするため。予定が立て込んでいる彼女はその日のうちに家に帰りたいと何度も念押しするのだが、出発前から降り始めた雪は次第にその勢いを増していた。「大丈夫なの?」と何度も問う彼女に、彼氏は「ちゃんとチェーンを積んでるから」とどこか他人事。次第に険悪になってゆく車内――。と、ここまではよくある映画の冒頭部。でも、本作はそこから次第に変な方向へと舵を切ってゆく。全く噛み合わない二人の会話、何度も挿入される意味不明なシーン、詩の朗読や過去に読んだ小説の作品論を延々と繰り返す二人、そして彼女のスマホに何度も掛かってくる謎の電話……。目的地である彼氏の両親の家へと辿り着くと、この不穏な空気はますますその濃度を濃くし、やがて観客は気づくことになる。「あ、これはそっち系の映画なのか」と。いわゆるデビッド・リンチ系のシュルレアリスム劇。ここで監督の名前を確認し、僕はなるほどと納得する。そこには、こういう前衛的な作品を撮り続けてかつて天才の名をほしいままにしたチャーリー・カウフマンの名があったからだ。観客の生理に直接訴えかけるような不条理なエピソードを積み重ね、次第に悪夢のような世界に誘う独自の手法は相変わらず健在。この主人公を迎え入れる両親の神経症資質な感じや常にブルブルしている愛犬などなんとも不気味で、この世界観は嫌いではない。最後まで観ても明確な答えなど提示してくれない、監督の嫌らしさも非常に意図的だ。恐らく物語の合間合間に出てくる孤独な用務員のおじいさんがある雪の日、車の中で自殺したときのその脳内に走馬灯のように駆け巡った願望や妄想、過去の思い出を映像化したものだと僕は解釈したのだが、どうなのだろう。ただ、これが緻密に構築された、知的好奇心を刺激する内容だということは分かった。とはいえ、それが面白さに繋がっているかと問われると正直微妙と言うしかない。この分野の大家であるデビッド・リンチの数々の作品と比べると、やはり圧倒的に映像センスや芸術的な深みが足りないように思うのだ。ほんのちょっとシュールなだけの映像を延々見せられ、そこまでこの手のジャンルが好きではない自分としては非常に退屈に感じてしまった。そればかりか、この監督の自己顕示欲ばかりが鼻につく醜悪な自慰行為を見せつけられたようで嫌悪感すら湧いてきてしまった。結論。この監督の映画を観るのは、これで「もう終わりにしよう。」と思う。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-11-11 10:13:08)(良:1票)
1497.  モーガン夫人の秘密 《ネタバレ》 
1945年、まだ戦争の傷跡が色濃く残るドイツ、ハンブルク。戦後処理のためにこの地へとやって来たイギリス人将校モーガン大佐の妻レイチェルは、現地で接収した民間人の館で暮らすことに。館の持ち主は、戦前ナチスに協力した疑いが持たれている建築家のルパート。かつてナチスの空爆により、幼い息子を亡くしてしまった過去を持つレイチェルは、当然、ルパートを追い出すよう夫に頼むのだった。だが、彼もまた妻を連合軍の空爆で亡くし、しかも幼い娘も抱えているということで、モーガン大佐は彼らと一緒に住むことを決断する。広い屋敷の中でお互いの居住区を決め、極力互いに干渉しあわない生活を心掛けるレイチェルとルパート。子供を亡くした女と妻を亡くした男――。最初は反発しあっていた二人だったが、互いに大切な人を亡くしたことを知った時、彼らはいつしか惹かれ合い、そして越えてはならない一線を越えてしまう……。終戦直後の混乱したドイツを舞台に、許されざる恋に身を焦がす男女を描いた大人のラブ・ストーリー。そんな二人の男性の間で揺れ動く人妻を演じるのは、人気女優キーラ・ナイトレイ。まあ一言で言ってしまうと、いわゆる不倫映画なのですが、正直イマイチな出来でしたね、これ。こういう不倫映画にとってもっとも重要な要素って、「ここでもし私が一線を越えてしまうと後々大変なことになる。でも私、自分の気持ちに正直でいたい……」という、多くの男女が思わず感情移入してしまうであろう背徳感にあると僕は思うのです。対して本作、肝心のこの人妻と男やもめのドイツ人が一線を越えてしまう描写が圧倒的に弱い!だってこれじゃ、夫に寸止めされたこの妻が火照った身体の疼きをどうにも我慢できなくなって思わずしちゃいましたくらいしか理由になってませんもの。せっかくお互い大切な人を亡くした男女というお膳立てが揃っていて、しかも映画の半分近くを費やしていながらのこの体たらく。この監督って実は恋愛経験に乏しい人なんじゃないかしら?そして最後はご都合主義全開、結局誰も傷つかないような甘っちょろいラストに僕は思わず苦笑しちゃいましたわ。うーん、なんとも残念な不倫映画でございました。
[DVD(字幕)] 4点(2020-10-19 07:23:29)
1498.  アド・アストラ 《ネタバレ》 
『インターステラー』の超絶劣化版映画。とにかくつまんなかったです。映像はキレイだったので、ぎり4点!!
[DVD(字幕)] 4点(2020-10-10 17:30:58)
1499.  ライ麦畑で出会ったら 《ネタバレ》 
真面目過ぎる性格が災いして、クラスでも浮いた存在である男子高校生ジェイミー。自分を認めてもらうためにある日、彼はとっておきの方法を思いつく。それは、敬愛するベストセラー作家サリンジャーの代表作『ライ麦畑でつかまえて』を舞台化し、自らの主演で公演しようというものだった。だが、そのためには原作者であるサリンジャーの許可がいる。思い悩んだ末、ジェイミーは彼がどうやらニューハンプシャーに独りで住んでいるという情報のみを頼りに旅に出るのだった。彼の唯一の理解者であるクラスメイトの女の子、ディーディーの運転でジェイミーは何とか目的地まで辿り着くのだが……。もはや生ける伝説と化していた孤高のカリスマ作家に会うために旅に出た、そんな高校生カップルをノスタルジックに描いた青春ロード・ムービー。僕のこよなく愛する名作『ライ麦畑でつかまえて』をモチーフにしたそんな本作、これがまあなんとも残念な出来の作品でありました。もう全編に渡って、ダサい演出とダサい映像とダサい音楽のてんこ盛り。だいたい冒頭、主人公がいきなりカメラ目線となって観客に語り掛けるというよっぽどうまくやらないと目も当てられない結果になっちゃう演出があるのですが、これがまあ見事なまでに目も当てられない結果になっちゃってます。んで、最後までこの演出を貫くのかと思いきや、それ以降はあっさり放棄って、んじゃ最初からすんなよ!って感じです。また、主人公に恐ろしく魅力が乏しいのもいただけない。いきなり押しかけてきて、「あなたの小説がすこぶる良かったので、僕が勝手に脚本化しました。ひいては僕主演で舞台化するので許可ください」なんて言ったら、サリンジャーじゃなくとも誰だってキレるっちゅーの!唯一良かったのは、主人公を何かと助けてくれるヒロインの女の子が魅力的だったことくらい。それもかなり童貞男子の妄想が炸裂しまくりでしたけど。だってこの子、①頼んでもないのに車を出してくれて運転までしてくれて僕を目的地まで連れて行ってくれる②安宿で一緒の部屋に泊まったら、童貞の僕のために「したいならしてもいいよ」って言ってくれる③しかも正式に付き合ってないから後腐れもなさそうだし④んで、ピル飲んでるから避妊しなくていい!なんて、昔懐かしの童貞妄想漫画『ボーイズビー』か(笑)。サリンジャーをテーマにした映画にハズレが多いという僕のジンクスは今回も覆りませんでした。4点!
[DVD(字幕)] 4点(2020-09-05 00:11:50)
1500.  ハッピーボイス・キラー 《ネタバレ》 
地方の小さな工場で整備士として働く冴えない青年、ジェリー。独り身で古いアパートに独り暮らしをしている彼には、ある秘密があった。それは過去に起こった悲惨な出来事のせいで、精神科医が処方してくれた薬を呑まないとある〝声〟が聞こえてきてしまうこと。だが、長く続く孤独な生活に耐えられなくなった彼は、いつしか薬を呑むのを止めてしまうのだった――。その日を境に何故か突然しゃべり始めたペットの犬や猫とともに、それなりに楽しい生活を過ごしていたジェリー。やがて彼は、自らが想いを寄せる同僚の女性をひょんなことから殺してしまい、その死体をアパートへと持ち帰って来る。追い詰められた彼は死体をバラバラに解体して捨てると、残った生首だけを冷蔵庫へと仕舞いこむ。しばらくすると、冷蔵庫の中から死んだはずの彼女の生首がジェリーに話し掛けてくるのだった。そうして始まった、一人と二匹と一首の奇妙な共同生活。やがて、ひまを持て余した生首が友達が欲しいと言いはじめ……。キケンな妄想に囚われたある一人のシリアルキラーのおかしな生活をコメディタッチで綴ったサイコ・サスペンス。主演を務めるのは、今を時めく人気若手俳優、ライアン・レイノルズやアナ・ケンドリック。まあやりたいことは分かるんですけど、僕は最後までさっぱり嵌まれませんでした、これ。いや、アイデアは凄く良いと思うんですよ。自分にだけ話し掛けてくる犬や猫、そして自分が殺した女の生首と暮らす主人公なんてなんともブラックでシニカル。そんなぶっ飛びまくりの設定なのに、残酷さを微塵も感じさせないのはこの監督のポップでラディカルなセンスのなせる技なのでしょう。ただ敢えて苦言を呈してもらうと、そこで描かれるエピソードの数々がなんとも凡庸なのです。こういう荒唐無稽な設定なら、それを活かすためのさらにぶっ飛んだネタの数々を用意しないとダメでしょう。犬や猫もただ喋ってるだけでなんとも魅力に乏しい。こいつらと生首が言い争いやらどんちゃん騒ぎやらで主人公が追い詰められ、どんどん暴走しちゃうみたいな内容を期待していた自分としてはなんとも肩透かし。これでは、コメデイとしてもサイコ・スリラーとしても中途半端と言わざるを得ません。
[DVD(字幕)] 4点(2020-08-03 02:35:40)
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