Menu
 > レビュワー
 > ミスター・グレイ さんの口コミ一覧。8ページ目
ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  壮烈第七騎兵隊 《ネタバレ》 
カスター将軍についてほとんど何も知らないのですが〝悪名高き〟という印象を持っていたので、このヒーロー然とした姿はおそらくかなり美化されており、自伝的な部分は嘘っぱちもいいところだと思います。…がしかし、虚構の映画としての部分は見事な出来栄えです。  カスターを演じるエロール・フリンは根っからの陽性なので勝手放題しても憎めず、そのヤンチャっぷりに好意を抱きたくなってしまいますし、妻となるオリヴィア・デ・ハヴィランドもとても美しく撮られています。 また特に後半部分が素晴らしく、自分を酒で陥れた相手に酒でお返しをくれてやるカスターの鬼気迫る姿や、リトル・ビッグ・ホーンでの戦闘シーンの凄さは圧倒的です。  でも、やはり記憶に残るのはカスター夫妻の別れのシーンです。最後の戦が致命的なものになるとお互いに悟っており、カスターは形見として時計を残し夫人は日記を綴っている、その時を告げるラッパの合図で感動的な別れの口付けをすると、カスターは覚悟が決まり振り返りもせず出陣し、見送る夫人をとらえたカメラが引いていき彼女がパタリとくずれ倒れる姿をとらえている…歴史的事実など知らなくともこの美しいシーンを見れば、もう二度と二人の幸せな時間は訪れないのだと察せられ、目頭が熱くなってきてしまうのです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-10-13 18:21:22)(良:2票)
142.  カサブランカ 《ネタバレ》 
最初の方のボギーの酒場の見せ方など、あまり上手い具合にいっていない部分があると思っていたのですが、バーグマンの登場で一変します。彼女は個人的に趣味ではないですし、このキャラクターの心情は男の私には良く分からんのですが、そんな問題を差し引いても多額のお釣りがくるぐらい本作では魅力的に見えます。 例えばボギーと予期せぬ再会を果たし目がウルウルしてくるところとか、夜中に酒場に訪ねて来てドアを開けると光が彼女を照らし出すところとか、こういった綺麗に撮ろうという配慮がなされているからこそ二股状態の曖昧なキャラクターにもかかわらずバーグマンが完全無欠のヒロインになっているのだと思います。 そんな彼女を見送るボギーも格好良くて、キザったらしくて聞いているこっちまで赤面してしまうような台詞をサラリと言ってのけてしまうところがボギーならではでしょう。  それからピアノ弾きが歌う「As Time Goes By」は言わずもがなですが、国家を歌い合うシーンもパワフルです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-11 18:52:01)(良:1票)
143.  サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 
デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの対決はアクションを伴うものではなく会話劇で、しかも面と向かわずになされるのですが、その攻防の緊張感が何とも凄く、むしろ二人が顔を会わせて直接対決が開始されるあたりからの方がつまらなくなります。しかもこの会話の内容というのは知的攻防戦と言う程でもないのに、ピリピリの状況にしてしまっているあたりがトニー・スコット監督の手腕でしょう。デンゼルとトラボルタ以外の人物は基本的に呑気で軽口をたたいているのですが、そのイイカゲンなシーンを挿むことによって二人の対決と地下鉄内の緊迫感をより高めていますし、いささか乱暴な見せ方ではあるものの時間を絶えず提示することによって圧迫感を生み出しています。  それから最後に市長の車の申し出を断り地下鉄で帰宅するシーンのデンゼルの晴れやかな表情が素晴らしく、感動的ですらあります。地下鉄の人間模様を巧みにちょこちょこ見せながらも深入りせず、これを106分でまとめあげてしまったスピード感も良い。
[映画館(字幕)] 8点(2009-09-07 18:27:50)
144.  暗黒街の弾痕(1937) 《ネタバレ》 
最初の再会シーンで鉄格子ごしにキスをするのですが、これは如何なる障壁も二人の間を裂けないことを思わせるもので、その後も度々、確認するようにキスするのが逆説的に今後の悲劇的な顛末を予見させ、どこか悲しい心持ちになります。 またサスペンスとしても素晴らしく、運送屋の雇い主を殴った直後に土砂降りの銀行へとカットが変わり、車から不気味な目が覗き、ガスマスクを被る犯人の顔は分からない…。観客をミスリードしていく巧みさがそこにはあります。運命の分かれ道となる刑務所のシーンもモヤモヤとかかる霧が視界不良の退っ引きならぬ状況を見事に表しており不安感を募らせています。 ・・・ただ一つ、二人の逃避行の時間経過の感じさせ方が希薄で、どうしても赤ちゃんの誕生が唐突な感じを受けます(「ベイビーって呼んでるの」というシーンは凄く良いのですが)。例えば、浅はかな考えで物を言えば、輪転機を回すだけで全然違ったと思うのです。まぁそんな安っぽいことしたらあの雰囲気には合わず世界観ブチ壊しかもしれませんが。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-21 18:34:40)(良:1票)
145.  彼奴(きやつ)は顔役だ! 《ネタバレ》 
ジェームズ・ギャグニーという役者は悪党を演じていても、最初に煙草を分けてくれたように、どこか気の良い優しい男にも見えるので、無償の愛を与え続けながら落ちぶれてゆく様は同情してしまうくらい不憫です(女も、助けを求めに来るのはともかく幸福な家庭に招き入れるのは可哀相じゃないか!)。もちろんナレーションをかぶせ時代が進んで行く度に、ギャグニーが少しずつ暴力性を増しヤクザな男へと変貌を遂げていくところは、軽快に物語を進めており説得力もあるのですが、ボガートが登場してしまうと、その悪党っぷりから比べれば、やはりどうして好漢に見えるのです(銃に関してもギャグニーの場合は基本、脅しの道具ですがボガートが持つと殺しの道具となる)。だからこそ余計に、あのラストに背中を撃たれ雪の舗道を疾走しながら絶命していくギャグニーの姿は、あまりに哀しく感動的であり涙腺にグッとくるものがあります。  惚れてしまった方が弱いのは仕方ないんですが、涙もんのギャグニーの男っぷりとラストランを見たら、彼女の心もほんの、ほんの少しばかりは動かせただろうか(当然、ギャグニーにはそんな打算もなかったのだけど)。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-01 18:13:54)
146.  太陽は、ぼくの瞳 《ネタバレ》 
テロップに声だけで始まるオープニングは、これは視覚の無い者の物語だと思わせるものであり、作中でも音をよくとらえ、風や水などでモハマド少年が体感しているであろう感覚をしっかりと見せてくれます。…しかしながら、目の見えない者の心の目で見た世界を映し出すのは土台無理な話で、少年の頭に描いている世界を描出しているとは言い難いです。ということで、やっぱりこれは少年を見守る視点からの作品であり、例えば少年が気付くはずのない〝物陰から覗く父親〟の登場のさせ方などが非常に巧みで、観客に不吉さを予感させるものであり、物語にズンズンと引き込まれてしまいます。  個人的には、モハマドたちが授業で点字をうつ姿がとってもパワフルで感動的だと思いますが、「運動靴と赤い金魚」とは違った、あのラストのスローモーションの使い方はあまり上手くいってないように思います。ああいう場面は一気に見せてほしいです(それは父親に一瞬たりとも躊躇してほしくなかったと思ったからかもしれませんが)。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-15 18:34:01)
147.  レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ 《ネタバレ》 
まるでサイレント作品のように僅かな字幕で状況を説明し、台詞など無くとも通用してしまいそうな所は凄いですし、ひもじい思いをしてもこの巡業に参加したくなってしまうほど魅力的なロードムービーなのですが、鉄格子から突き出た髪とか、棺桶から突き出たトンガリとか、追っかけて来る妙な奴とかの一連のギャグは、映画としては少々動きに乏しい感じがします。ただそれでも、レニングラード・カウボーイズが演奏する曲と歌は、どこの観客にも白けられるのが意外や意外なくらい強烈な印象を残すものであり、個人的には最初に売り込みに失敗したロシアの歌?がお気に入りで、見終わった後もしばらく勝手に頭の中でガンガン演奏されるのでした。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-22 18:40:08)
148.  ガルシアの首 《ネタバレ》 
グリンゴ(アメリカ人)の殺し屋コンビが、廃車と見紛うオンボロの車に乗って追って来るガルシアの家族たちを一掃してしまうシーンの過激さはどうでしょう。ガルシア一家とは対照的にピシッと上品そうに決めていながら、コートの下から突然マシンガンをぶっ放すあの野蛮さが強烈に頭に焼き付きます。 もちろん、でっかいサングラスをかけたウォーレン・オーツがとことん格好よいですし、女が泣く姿もまるで聖女のように美しいですし、時折まざるスローモーションもことごとくバッチリ決まっています。…個人的にはスローモーションというのは、ほとんどの場合において滑稽に見えてしまい間の抜けた印象しか受けないのですが、ペキンパーが使うと凄く良いものに見えてしまうのですから不思議です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-15 18:32:58)
149.  ダージリン急行
しょうもない兄弟のしょうもない親睦会を見せられている感じなのですが、それがなかなかどうして可笑しい。予定表がありながらも行き当たりばったりで、移動している感じがするのもいかにもロードムービーであり、三人兄弟と一緒に旅をしたくなってしまいます。そして全編を通して脱力気味であるにもかかわらず、随所で意外なまでに躍動感に満ちていますし、何度か使われるスローモーションも面白く、久しぶりに良いスローモーションを見たという感じです。・・・ただ残念?なのは、これの一番面白い所は冒頭に登場する本編とは何の関係もないビル・マーレーのシーンだったりするところです。…何の関係もないついでにもう一つ、三人兄弟のなかで最も男前なオーウェン・ウィルソンは包帯グルグル巻きで顔を隠していますが、彼は現在、プロ野球の巨人に在籍しているグライシンガーにソックリですね。いやぁただ誰かに伝えたかっただけなんです。ごめんなさい。
[映画館(字幕)] 8点(2009-05-08 18:34:41)(笑:1票)
150.  デッドエンド(1937) 《ネタバレ》 
これはほぼ街の一角だけで物語ってしまっているのが面白いところです。大都市ニューヨークの高層ビル群が高みから映り、そのままカメラが下に降りていくと貧民街となり、いかにも貧しい悪ガキたちがたむろしている。そしてそこから見上げれば金持ちたちがパーティをしている…。ドア一枚を挟んで別世界が展開される社会を見事に表現しています。 本作はギャングだヒーローだというよりも住む世界そのものを描いていて、格好良い人物というのは不在です。例えば、正義漢のようなジョエル・マクリーも育ちの良い女に目移りし浮気していますし、ボギーにしても悪としてのクールさなどとは無縁で、帰郷を母親にすら歓迎されず、昔馴染みの女のエピソードも酷なもので、ラストには高い所へ登って行き当然の如く落下し貧民街の地べたで息絶えてしまう物悲しさです(この時の銃撃戦も素晴らしい)。ただ、強いて言えばヒロインは存在していて、常に弟の見方をするシルヴィア・シドニーの優しさはこの世界の唯一の救いであり、あどけなさの残る表情が美しくとても魅力的です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-01 18:46:13)(良:1票)
151.  花様年華
あらゆる画面がほぼ完璧に近く、男と女の機微も非常によく捕えられていて、バカみたいに肌を露出させたりしなくとも男と女に驚くほど色気があり艶っぽいです。何気ない日常が断片的に切り取られているようでありながらも、現実と小説の世界が見事に交錯し幻想的にもなっています。もはや言わずもがなですが、トニー・レオンもマギー・チャンもとことんセクシーで惚れ惚れしてしまいます。・・・ただ気になってしまうのは、これは少々計算が立ち過ぎていて〝これ見よがし〟な印象も受けることです。  《追記》再見したのですが、やはり芸術を意識したような感じが鼻に付くところがあります。例えば、ラストのカンボジアの風景のカットをいくつか挿入し過剰なBGMをかけているところなどは、やり過ぎているように思えます。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-06 18:21:58)(良:1票)
152.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
この題材を英語劇でやってしまったこと、サスペンスなのにオチが周知の事実であることは、本作の着想段階からすでに問題だったとは思いますが、そんな欠点を物ともせずに撥ね除けてしまっているのが大スター、トム・クルーズの凄いところです。隻眼になっても、いや隻眼だからこそなのか、いつにもまして眼光するどく圧倒的なオーラを放ち、成功するはずのない作戦の成功を祈らざるをえない状況へと観客を誘導し、物語に説得力を持たせてしまうのは、ひとえにトムのスター性によるものです。不自由な手だからこそ行われる机の端で拳銃の弾を装填する仕草など何気ないシーンがかっこいい。それともう一人、僅かな登場ながら毒薬を口に仕込むゲッペルスの鬼気迫った感じが異彩を放っていて印象的です。…それから映画にはいまいち活きていませんが皆が精神安定剤のようにスパスパ吸うタバコがうまそうです。・・・と、もう一つ、トムの奥さん役がなんとあの「ブラックブック」のカリス・ファン・ハウテンだったなんて!…気付きませんでした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-03-30 18:12:31)
153.  密告(1943) 《ネタバレ》 
現在でも十分に通用するような入り組んだ物語はサスペンスとして一級ですが、そういうのに限って活字媒体での方が断然面白いという事が往々にしてあります。しかし本作は、全編にわたって流れている怪しい雰囲気であるとか、主人公の疲れ切った様であるとか、クセのある登場人物たちであるとか、犯人をミスリードするような演出であるとかが実に巧みです。  (完全ネタバレなので注意)犯人が分かった後、振り返って見てみれば、あの剃刀が初登場した時の印象深いショットがちゃんと伏線になっていたのですね。私などはお金をせびってきた小さな眼鏡の女の子まで疑ってしまう始末でした。何せああいう状況でのあのボール遊びなどは神経を逆なでし、とても不穏な心持ちにさせるものです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-27 18:14:37)
154.  都会の叫び 《ネタバレ》 
旧知の間柄の犯人と刑事という設定はいかにも男のドラマですが、登場する女たちが、ことごとく良いのです。リチャード・コンテ演じるロームを愛する女は、夢の世界から抜け出てきたようにポツンと現われる登場シーンからして神秘的で、ロームに近づけば十字架の形が影となって表われていますし、最後に彼女と落ち合うのは教会であり、その存在はまるで聖女のように見えます。これに対して女の悪役は悪魔的で凄い。遠くからいくつも電気をつけて登場するシーンからして象徴的なのですが、なぜにマッサージ師なのかという疑問も不気味な形ですぐに解消されます。朝飯を食わないロームに対してモリモリ食べているところなんかも豪胆な感じが出ていて圧倒的です。さらにロームの母親の造型も素晴らしいですし(刑事とのやり取りが特に良い)、登場シーンは僅かながらロームを手助けする情婦と看護婦(彼女の母親もまた強烈)の存在も光ります。  もちろん男のドラマだってありまして、旧知の二人が教会から出た後からラストシーンまでも良いです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-13 18:16:35)
155.  世界の全ての記憶
おそらくナレーションだけを聞いていても理解できるでしょうが、映像だけでも十分に理解できるような作りになっています。 整理し保管する過程で見せる螺旋階段や棚の反復が、人類の積み重ねてきた叡智の膨大さを物語っています。図書館は脳内のようであり小宇宙のようであり、それぞれの資料が存在を示すために閲覧者が現れる日を今か今かと待っている…図書館とはまさにこんな場所です。広大にして閉ざされた狭い空間で人類は知識を支配しつつも支配されているというような皮肉もきいています。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-11 18:29:58)
156.  必死の逃亡者
例えば立て籠った〝家〟の見せ方であるとか、時間が経つごとに強まっていく緊張感であるとか、それぞれの人物や3丁の拳銃の使い方であるとかが素晴らしいのですが、やっぱりボガードの悪役っぷりが最高です。というのもボギーの顔というのはヒーロを演じている時でさえ悪人ではないかと疑ってしまうほど凄みがあるのです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-03 18:06:31)
157.  裸の拍車 《ネタバレ》 
冒頭、拍車のカットから始まるのですが、これがカッコイイだけでなくちゃんとラストへの伏線となっていて印象深いです。登場人物たった5人で雄大な景色の中を進んで行くのですが、それぞれの思惑を絡め緊張感を持続させています。また、程よく挿入される銃撃戦もどれも素晴らしいです(特に高みから低みの構図や個々の行動が良い)。・・・ただ、個人的には5人しか出てこないのに5人ともに若干オーバーアクト気味であったり、ラストの純真無垢なヒロインの聖女ばりのアップ(彼女のショットではこれが最も美しくて良いのですが)であったりは、過ぎているように思えてしまうのです。もちろんそれが良くもあるのですが…。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-18 18:14:22)(良:1票)
158.  飾窓の女
エドワード・G・ロビンソンという俳優さんのイメージはどうしたってギャングな印象が強く、それはあのオーソン・ウェルズが善玉として撮った時でさえ(46年「The Stranger」)、彼にはどこか相手をささくれ立たせるような雰囲気がありました。しかし本作では、そんな雰囲気が皆無に近く360度見まわしたって紳士であり人の良いオヤジであり見事に観客を迷宮へといざなっているのです。なぜにそういう風に見えたのか分かりませんが、一つにはあの何気なく掛ける眼鏡などで素朴さを演出した事が大きいと思います。本作ではそういった道具の使い方が非常に巧みであり、他にも対象の姿が映る鏡や暗闇でのガラス、女の家にある外に出るまで三重にもなっているドアなどの装置がサスペンスを盛り上げ、質を一層高めています。最たるシーンは飾窓の女が実際に現われる場面であり、それこそまさに非日常か幻想のように窓に映るキラキラした服の美女は迷宮の入り口に相応しいのです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 18:17:05)(良:1票)
159.  キー・ラーゴ 《ネタバレ》 
それぞれのキャラクターの初登場シーンからして的確。ラウンジにたむろする個々のギャングたちの配置に、バーカウンターで競馬の話しをする女、バコールはせっせと働いており、彼女の義理の父親である車椅子のホテル主人はその様子を見守り、ギャングの親玉は当然の如くエラそうに風呂につかっています。これだけでも人物の性格付けが済んでしまったようなものです。さらに密室に充満した緊張感もあります。バコールを挑発するようにエドワード・G・ロビンソンが耳元でささやくのですが、その時のバコールのアップと影のように黒ずんだロビンソンの横顔が不穏な空気感をかもし出しています。そんな中で特に私のお気に入りのキャラクターは新聞を見てヘラヘラ笑っているギャングでして、彼の銃だけがピカピカ光っているのも印象的。  ラストの銃撃戦はやや物足りない感じがしますが、ここでも活躍?するのは例によってお気に入りのギャングで、彼がポケットに手を突っ込んでズドンとやるのが良い味を出しています。ジョン・ヒューストン監督とボガードのコンビなら「マルタの鷹」よりも本作をオススメしたいです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-09 18:15:05)(良:1票)
160.  或る夜の出来事 《ネタバレ》 
お嬢様は何にも知らんだろうと、クラーク・ゲーブルがさも得意げにヒッチハイクの講釈をたれるシーンが何ともおかしいです。実践してみればカーレースのようにビュンビュン通り過ぎて行く可笑しさ。柵の上で優雅に横たわり〝しょうがない私の出番ね〟となり、女がそのおみ足をチラッと見せれば車が急停車する。もう分かりきったコメディなんですけど、これこそがエロティックなのだと思います。しかも上品かつロマンティック。ジェリコの壁の使い方なんぞ、その極みですね。当時は倫理規定の問題で性描写ができなかったのかもしれませんが、そんなのは物語る上で何の障害でもないことを証明しています。壁の上に掛かる下着、揺れる壁、ラストにはその壁が崩壊に到りハッピーエンドとなるわけですが、たった毛布一枚でこういった表現ができてしまうのが凄いことです。現在では退屈と言われても仕方ないこういう演出こそが、本当の豊かさなんだと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-02-03 18:22:20)(良:3票)
000.00%
100.00%
210.18%
340.71%
491.59%
5519.03%
67613.45%
715527.43%
817330.62%
96812.04%
10284.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS