141. リアル鬼ごっこ(2008)
《ネタバレ》 かなり面白くなかった。 パラレルワールド、と言う言葉を簡単に使ってしまうことにびっくりしたが、それ以上にせっかく説明不足でも良い感じなのに変に説明してしまうあたりがさらに嘘みたいだった。なんなんだこれは。 なんだろう。予算を使い切らないといけない系の大人の事情でもあったんだろうか。なんで続編が作れるのか不思議でならない。 [映画館(邦画)] 3点(2010-07-30 01:29:50) |
142. 機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛
《ネタバレ》 かなり面白くない。 人型兵器が宇宙で戦う。この必然性を考えつかなかったのは演出の緻密さでいくらでも何とかなると思う。現実の戦闘機でも、最新型のドッグファイトを欧米の最高練度のパイロットがやっている動画なんて、映画には期待できない。だったらリアルに感じられて迫力があれば良い。 それだけなのだが。この映画にはそれがあんまりない。ロボットアニメの悪いところが目立つ。決めポーズはいらない、そういうところが観たかった。シャアが弱いのは分かったけど、作られた弱さがスゴく不自然だった。もっと迫力のある弱さというのは作れなかったものだろうか。 ともあれ全然面白くなかった。話自体ももっと何とかならなかったのだろうか。興亡モノではないし、架空戦記物としてはイマイチ作られていないし、ロボットモノとしてはあまりに迫力がない。もうわざわざガンダムを観てみようとは思わないかもしれない。 [DVD(邦画)] 3点(2010-07-29 00:33:47) |
143. マラドーナ
クストリッツァがマラドーナのファンであると言うことは分かった。 [DVD(字幕)] 6点(2010-07-29 00:07:32) |
144. ザ・スナイパー(2006)
《ネタバレ》 そこそこ面白かった。損はないかもね。実にそれくらいがビシッとくる。 暗殺一味、家族愛、恋人同士、依頼主らしき政府高官、富豪一家殺害計画。これらを90分に詰め込むあたりにおののくが、メチャクチャになっちゃった雰囲気が生まれないあたりはスゴいんじゃないだろうか。 暗殺一味のボスが事故に巻き込まれ逮捕される。これにより依頼主らしき政府高官の女とのバトルになるが、これが最後まで明かされないあたりはキチッと面白い要素を入れてある。途中、死ぬためだけに出てくる恋人同士は、緊張度の操作感はややヌルいとはいえこれも手堅い。メインストリームになる親子の絆だが、これも説明不足感はなくおかしなことも主張していないため押さえどころが完璧だ。 が、追跡にリアリティがない。演出が古いからか、これが80年代に作られていれば結構スゴい作品にみえたんだろうけど、2006年である。下手すると四半世紀賞味期限が切れている。昔どこかで観たような穴のない手法で作られている本作は、やはりそこそこなのである。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2010-07-28 23:33:38) |
145. REC:レック/ザ・クアランティン
《ネタバレ》 ヤッベ、そこそこ面白かった。 狂犬病的な何か病原菌的なものが仕掛けになっているけど、それより密室だから良かった。これ、病原菌がもっと弱いもので何が原因で出られないのかよくわからないと思っていた序盤が非常に良かった。中盤いきなり暴威をほしいままにしちゃったりするのが魅力をそいじゃったりしている。もったいない。大人の事情か。 しかし、結構みれる。リメイクだと思わなかった。というか、リメイクされてるもんだと知らなかった。オリジナルはもっと面白いんだろうけど荒削りなんだろうなきっと。2とか作られちゃってるみたいだけど、天井裏の子供とかいきなりオカルト研究所みたいなのとか、落とし方がやっちゃいけない感じだからきっとそこからふくらませたらこけるだろう。思わせぶりにして余韻を楽しむくらいの落ちだろうし。そういうところもちょっともったいなかった。終盤のプロットが至って映像作品的で残念。 とはいえ面白かった。普段怖いヤツはほとんど観ないから印象良かった。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2010-07-18 00:51:08) |
146. ぼくたちと駐在さんの700日戦争
面白いんじゃないでしょうか。良いと思う。続きがあっても良いかもしれません。 などと、簡単に他人の感想の尻馬に乗ってしまえるベタベタな良さと、知りもしない時代のノスタルジックな雰囲気が結構好きかもしれない。このさじ加減は結構巧妙で、リアルさをひけらかすようなところもなく潔さがあって良いと思う。 ハリウッド映画が、外国を舞台にした時代物のリアルさにそれほどこだわらないのだって同じようなものだ。欧米人が考えた日本の幕末を、タイ人やギリシャ人が見たらリアルかどうかなんてどうでもいいことだ。 この映画をこの時代ではない人が見たってどうせたいした区別がつく訳じゃない。文芸作品じゃないし、誰も注目しない部分に人的資源をつぎ込んでもおもしろさには影響しないところだ。それをやっても面白くもつまらなくもならないところ。文芸作品ならこだわるとこだけど。 何となくかつて存在した(様にみえるから不思議な)風景に、誰もが持ってるノスタルジー。なんかじわじわとどうでもいい妄想をできる。こういうベタベタで毒にも薬にもならないの大好き。 [地上波(邦画)] 6点(2010-06-13 17:55:36) |
147. イントゥ・ザ・サン
公開当時、セガール様がテレビに結構出ていたきがする。で、この映画が凄いんですよってなことを盛んに宣伝していた。CDまで出してたような気が。で、曰く「セガールが日本で暴れまくる」ってなもんだったと記憶しているが、ここまでアピールしておきながらあんまり暴れない。無念。 セガール様は暴れてなんぼでしょう。合気道でバキバキ暴れてなんぼです。剣道の達人なのもわかりますが、セガール拳が見たかったのに、あんまり見れない。あーあ。 オッチョコチョイな完成度は意外と好きだったりする。 [DVD(吹替)] 5点(2010-05-23 17:00:20) |
148. 2012(2009)
《ネタバレ》 面白い。すんごいCGにご満悦。ここまでくるともう笑っちゃう。確かに「100回死んどるわ」「なんで当んないんだよゲラゲラ」「主役からはぐれるな!死ぬぞ!」とかムッチャクチャなんだけど面白いなこれ。 30分もたたないうちに破滅が始まって、いったいどうやってあと2時間驚き続けるんだオレは?って思ったら意外とあっさり2時間驚いていた。いや、凄いです。 次回作でこれを超えなくちゃならんエメリッヒ監督はエラいもんを作ったなと。敬礼であります。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-05-17 01:30:46) |
149. 落下の王国
《ネタバレ》 面白かった。物語を物語の中の人物に語らせるのはかなりの力量が必要だと思うが、軽やかにやってみせるあたりにそれを感じる。 悪意を原動力に作られた心地よいロイのお話に、少女だけでなく不覚にも観ている私まで思わずワクワクしてしまう。その心地よい都合の良さともったいぶらされ感に確かに続きが観たくなる。その計算された陳腐さは妙に後を引く。 ところが中盤以降、ロイの心が病むことでその心地よさは徐々になくなり融通の効かなさを感じさせる。とうとうロイが現実に対して折れてしまうと、すべてが破綻する。それは、そこにあるロイの願望がロイ自身の、心からの望みであることに気がついてしまうと言うことだった。 しかし、生きようというかすかな思いが彼とその物語の結末を文字通りの終わりから、少しだけ押しとどめた。その後、不可避な現実にどのように折り合いを付けていったのはは分からないが、本人も知らずのうちに寓意を込めたその物語はときには幼稚に、ときには陳腐に、ときには他愛のない空想にも映ることだろう。しかしそれは美しい映像をまとった紛れもない冒険であり心躍る物語だ。ちょっぴり厳しいエールがのっかった物語は彼の心をギリギリ踏みとどまらせた。 映画の中のキャラクタが映画の中で物語の中のキャラクタを演じ、見ている私はその映画の中に入りこんでその話をせがんだ一人になったように感じることが出来た。見終わって、アレキサンドリアと一緒にさんざん励ました自分の背筋がちょっとだけ伸びたような気がした。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-13 23:31:47) |
150. ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
《ネタバレ》 世紀末に不条理な物を一つ撮っておきたかった的な、至極個人的な野望が集まった的な。ケイゾク作った人たちの記念撮影に近い的な。 そう、当時金払って見に行きそうだった。危ねぇ。 [ビデオ(邦画)] 2点(2010-05-09 01:26:23) |
151. スター・トレック(2009)
《ネタバレ》 大変面白かった。 視覚効果の出来はさすがに09年の映画と言うべきか。目で感じる緊迫感を非常に巧く表現している。ちょっと10年前くらいだと各映画会社が渾身で放つ超大作がこういうリアルさだったと思うが、21世紀の映画は凄い。21世紀という言葉がしっくりくる。(パラマウントだが) 旧シリーズはいくつか見ているが、実はスタートレックはあまり好みではなかった。潜水艦や軍艦の中央司令室的な設定は非常に好きだが、メカのデザインがどうにも好きになれず何となくのめり込めないで居た。もちろんスポックの耳にも違和感を禁じ得なかった。 しかし、子供の頃にみたスタートレックと本作。ぱっと見メカの基本的なフォルムはあまり変わらないし、スポックに至ってはよりいっそうバルカン人らしさが際立つメイクである。にもかかわらず魅力的に映った。どうやら好みがここ十年くらいで変わっているらしいことに気づいた。子供の頃大好きだった米陸軍的なスクウェアな兵器デザインよりも、そこに非現実的なオーガニックなイメージを含んだ架空兵器の方に嗜好が移っている。エンタープライズ号はど真ん中だ。微妙に人間ぽくないバルカン人も全然オーケー。 この映画で一番のハードルであった、メカニック的に取っつきにくい部分が全く解消されたため勇んで観てみると、面白い。スタートレック的な指揮や危機管理の妙といった部分はやや控えめだが、それが逆にわかりやすいスピード感を生んでいる。スタートレック初心者には心地よい味だった。 主要人物は初期シリーズと同一だが、その初期シリーズを覚えていないため全く印象を持たない状態で観ることになる。しかしそういった層をメインターゲットにしているらしくあまりスタートレック然としない、キャラ立ちしすぎない造形でまとめられ各キャラの意志の強さをメインに表現されている点が実に巧かった。旧来のファンにはもしかしたら異様に映るのかもしれないが、良くできた話だったと思う。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-08 22:29:25) |
152. オールド・ルーキー
《ネタバレ》 良い。アメリカの野球映画はタマラン。ホントに球速そうだし。 もしかしたらまだまだやれるんじゃないか。もうやれないと思う、がやらないとそれを確かめることが出来ない。やりたいんだからしょうがない。これ以上引き延ばすのは自分の過去と未来に申し訳が立たない。 そんな強い意志が実在感を持って迫ってくる。実際の周りの反応はもっと冷たいものであったと思うが、こうやって物語になってみるとものすごく良いではないか。決して一番になったとか、最大の成功を手にしたとかそういう人生ではないが、その場所とのつながりを捨てず、その場所に行き、その場所で生きた。 大人のディズニー映画という暖かい雰囲気が、良い余韻を感じさせる。私はインターネットで彼のその後を上手に見つけることはできなかったが、講演者として活躍しているのは本当らしい。詳しいことは知らない。しかし、彼の発する言葉は必ず聞く人を鼓舞することだろう。 [DVD(吹替)] 7点(2010-05-05 18:29:30) |
153. マトリックス リローデッド
《ネタバレ》 いやはや面白い。 この映画のただならぬ面白さは、特殊効果だけではなくその難解なストーリーにもあるが、難解であるということを至って特別視していないというところには妙なすがすがしい割り切りを感じることができる。 どう考えてもよく分からない設定とか、他で予習してこいと言わんばかりであるがその一見さんお断りなビームが厳しい反面、アクションではとにかく見ただけでビビることができる剛速球なわかりやすさは一見さんにもとにかく優しい。それが渾然一体になってスンバラシイ味わいになっている。 これより優れたアクション映画は確かにいっぱいあるけれど、このシリーズが持っているストーリーとアクションの緻密度とのマッチングを楽しませる力量を持ち合わせている作品はそんなに多くない。 そういうわけで私はマトリックスシリーズが大好きだ。 [DVD(吹替)] 7点(2010-05-05 02:28:53) |
154. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 面白かった。 設定や登場人物の芯の部分はすでにある「時をかける少女」から持ってきたことで、旧作をあまり面白いと思わなかった私には単純なリメイクをしてももの凄くつまらないアニメになると思っていたが、そうではなくかなり楽しむことができた。 設定や人物の基本的なところが共通だが、本作オリジナルのキャラクタや舞台設定や世界の広さが旧作よりも遙かに上手に作られている。旧作と違いマーケティングと印象操作で一人歩きした評価ではなく、どこの国の人が見てもおそらく面白いであろう映画にきちんとまとめ上げられている。 この作品の最大の魅力は、原作の持っていたジュブナイル小説的なキュンとくる味わいをさらにキュンと昇華させてキュンキュンくるお話にある。主人公とその友人の3人の関係のゆっくりと静かに回る時間が、何とも懐かしく切ない感じを思い出させる。本当の高校生活であればあんなに放課後がノンビリしている訳はないのだが、そういう部分も意識させない世界観作りが巧妙だった。 願望と記憶と現実を上手に割り切ってみせるストーリーはアニメ映画ならではの巧さを持っている。萌え要素に頼らない日本のアニメ映画は、何となくレベルが凄く高くなった感がある。特にここ何年かは同年のジブリのアニメよりも面白いんじゃないかと思える作品もある。凄く良いことだと思う。 [地上波(邦画)] 8点(2010-05-04 20:44:47) |
155. ワイルド・スピード
《ネタバレ》 そこそこいける。 車を魅力的に見せる映画と考えた場合、車の何に惹かれるのかその属性を絞ってある分わかりやすい。ティーン憧れの抗争の世界だよ的な舞台が直球だから理解しやすいかもしれない。仮にこの映画が表現する車の魅力にあんまり興味がないとしても、自分のクルマ属性に置き換えてその辺はなんとか見ることができる。 とはいえ、チューンドカーにニトロをぶち込んでひたすら速度を競うようなイベントにはクルマの魅力を感じないことや、恥じらいをギュンギュン刺激するストーリーや感情表現にはついて行くためついつい頑張ってしまった。これ、見てるのを家族とかに見られたらちょっとドキドキしてしまうなきっと。すんごく青臭い。 AVを見ていて家族が急に帰ってきたらこう感じるんだろうな、っていう種類の恥ずかしさもきっとこんななんだろう。 [DVD(吹替)] 6点(2010-05-04 01:15:34) |
156. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 面白かった。絵に描いた様なダメ人間風の男だ。その印象が最後まで続く。なぜあのときあんなことしてたのかという様なことや、なぜあのとき疑問にきちんと答えないのかということ、なぜあのときなんな態度をとったのか、なぜあのとき常識的な機転が利かないのか。諸々。 その主人公の造形が秀逸で、巧く話が進んでいく。一方でお話的でない裁判の部分では実にありそうな進み方をしていく。現実的な部分と、居そうなダメ人間という部分がお互いを補って、巧妙にいやな結末を生む。 痴漢冤罪は本当に怖いものであるが、一方で被害者側の安易な行動や自動思考を助長している。根本には刑事裁判において、他先進国と比較したとき供述の整合性を偏重する裁判理論と、科学捜査の軽視という事実認識の欠落が存在する。記憶や類推を事実とは無関係なリアリティを伴った造形物として、それを競う場となって裁判所は機能しているのだろうか。この国はここが怖く、本質的に共産圏のような閉塞感が知られていないことも恐怖だ。 この映画では冤罪の実態と、裁判理論のおかしさに焦点を当てていて、その広さではなく深度において造形のうまさを実現している。また主人公の性格造形においても丁寧なので、人間ドラマが実に面白い。しかしそのために具体的に何がどう変なのか、直すべきところがどこなのか。という部分については受け手が持っている情報量で問題認識と再提起するしかない。つまり、感想が千差万別になってしまう。 そういう意味でより普遍的な社会問題を扱う話としては他者の他作品に譲ることになるのだろうが、フォーカスされている部分の完成度は非常に高く、非常に巧くいっている。 [DVD(邦画)] 8点(2010-04-30 16:09:56) |
157. カールじいさんの空飛ぶ家
《ネタバレ》 素直に面白かった。 序盤の見せ方は逸品で、これ以上ないくらい巧かった。実写の映画では不可能な味わいを作り出すことに成功しており、日本の絵によるアニメでも難しいのではないかと思う。モデリングで作り出されたキャラが発する説得力は、他の見せ方にはないものを持っている。 物語の作りはこれ以上ないほど丁寧で、入り口に感動的なパートを持ってくることで、子供を連れてきた親が引き込まれる。そのままそこから始まる冒険譚に子供と一緒に入っていくことが出来る。観る人のことをよく考えた優しさが良い。 目のつり上がった東アジア系の太ったあまり利発でない、鈍重な少年というキャラクタを冒険の助手にしたあたりが非常に考えられている。おそらく子供像としても一般的にあまり好かれないキャラクタをわざわざ狙い撃ちで作り上げている。このことでカールじいさんが優しさにあふれる人格を取り戻す様子をきちんと見せることが出来ており、ラストシーンでの泥だらけの少年をスルーする会場の“日常的冷たさ”や、その後のそっと座る親族の女性やじいさんとの優しいやりとりで、やっぱりこの少年に対して親近感を抱けなかった受け手の、本質的な冷たさを反省させる。いい話だ。 日本では寓意を「説教臭い」と言って受け入れない風潮が醸成されているようにも感じるが、そういった受け方が一般化しては他国作品の持つ感性に置いていかれる層が拡大しないかと思ってしまう。 子供連れの客が、自分の子供にこの映画の粗探しをさせる。それでも自分の子供にはわざわざ得意顔で反論など彼らはしない。自分の子供にはいい人を演じるためのダブルバインドだ。 そういう事をする大人がいる世の中が有るとすれば、それは相当に荒れた世界だとは思えないだろうか。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-04-25 16:56:47) |
158. ローズ・イン・タイドランド
《ネタバレ》 テリー・ギリアムがらしさを丸出しにして撮って制作会社もスタッフもそれを受け入れたんだとすると、テリー・ギリアムって本質的に私には気持ち悪いだけだ。そう感じるのは私だけなのかもしれないが、それならそれでいいやって思えてしまう。 ドラッグですでに死んでる父親が生きてるものとして、死体をおもちゃにするローズたちをつじつまはどうあれ、なんとかストーリーに乗せ、何となくいい話に不時着させる手段も死ぬ気で考えれば見つかると思う。でもこのカルト映画にする気満々なお話不在さは正直、楽な方に逃げやがったな。と、感じさせるに十分。 それでも最後には、どうやったら不愉快をそれほど感じずに皮肉を表現してくれようか、などという分析的な作りが見え隠れしたりしたもんだから、否応なく嫌悪感がズビズバとあふれてくる。狙い通りかもしれないけど、だったらそれはそれで良いや。 見なくても良い映画だった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2010-04-20 23:20:40) |
159. ブラザーズ・グリム
《ネタバレ》 微妙。つまらないってほどでもないんだけど、面白くもない。 なんて言うか、権利の切れた有名小説を少年誌が翻案してみたよ、っていうのと方向性の違いはそんなにない。それ自体は全然悪くないはずで、これは素直に面白いはずなんだが、なんでちゃんとやらないのだろう。娯楽映画に価値を感じず、カルトチックで気持ちの悪い映画を撮ってマニアに神とか言われて担がれたいのだろうか?とかそんな無意味で当てずっぽうな邪推をしてしまうほど、がっかりした。 制作者の楽しんでもらおうって言う意図と、監督の性格がかみ合っていない感じがする。つまらなくならなかったのは、監督以外がよく踏ん張ったと思う。 [DVD(吹替)] 5点(2010-04-20 23:07:27)(笑:1票) |
160. 鉄板ニュース伝説
《ネタバレ》 実は、思ったより面白かったりした。 嘘だろ?って思った。ザ・オニオンって実在してる。googleでthe onionを検索すると、トップに同社ホームページがきちんと出現する。しかもそこに登場するニュースのクオリティの高さを見ると、伊達にセガール様やマイケルボルトン(いくら何でもそっくりさんだろ?って思うとimdbにてhimselfとある・・・)が本人出演していないことにも合点がいく。 パロディニュースは遙かに本物の方が出来が良く、映画の方は日本人が見てちゃんと笑えるから偉い、良くできている。本体に載ってるニュースは、感覚が麻痺していないので(事実が当たり前であるほどに情報量がないので、一瞬ではパロディとわからないとも言う)悪趣味にしか映らないほどだ。ドン引きした。 そういうわけで、コイツは結構楽しく観ることができた。セガール様主演(とは言わないだろ普通は)と言うことで吹き替えで見始めたが、よく分からないニュースが挟まるのでそれはやめようかと思った。がしかし英語で見てもたぶん駄目だなと思う。そうかといってこの雰囲気じゃ日本語でも英語でも文字で補足してもらうことは、関西人に新喜劇の笑いをパワーポイントで説明されるような笑えなさだろうきっと。 オニオン本体を見てクスリとも笑えないので英語で見ることはあきらめて、容赦なく演じるセガール様に容赦なくタマはついてるか、とあてる大塚明夫を楽しむことにした。中盤から何となくツボが分かってきた。 正解だった。 そしてアメリカ人は懐が深く冷静なんだなと思った。 [DVD(吹替)] 7点(2010-04-20 01:39:13) |