161. ALWAYS 三丁目の夕日
全てに於いて安っぽい演出、演技、台詞、音楽のオンパレードが続くので、個人的には終始最悪の気分でした。勝手に自分の心情を話し出す登場人物、吉岡秀隆の大根演技、小雪の指輪に関する恐ろしい程ベタな台詞、感動しろと言わんばかりに鳴り響くメインテーマ。こんな安い作りの映画が評価されている理由が全く分かりません。「昭和ってこんな感じだったな~」と思い出に浸るのは別にいいと思うのですが、映画の出来とは分けて考えるべきだと思います。いくら昭和の町並みが上手く再現されていたと言っても、映画的な場面が1ミリも感じられない映画を私は好きになれません。 [地上波(邦画)] 0点(2010-04-11 19:54:10)(良:2票) |
162. プリンセスと魔法のキス
今までのディズニーとは一味違う現代的なプリンセスムービー。今度のプリンセスは受動的に王子に見初められ、最後には結ばれて終わったりしません。そもそもヒロインはプリンセスという身分に全く興味が無く、自分の夢を叶える為に一日中働いている女の子。そして王子は身分故に好き勝手に色々な女を抱きまくっている人間のクズ。この価値観が正反対の二人が、最後に"人生で最も必要な物は何か"という問いに同じ答えを導く展開には、恥ずかしながら涙してしまいました。 ジャズ好きな私としては、全編にわたりニューオリンズ発祥のジャズのスコアが使われていたのが嬉しかったです。 [映画館(字幕)] 8点(2010-04-01 19:10:47) |
163. ハート・ロッカー
明確な悪を描かず、エンターテイメント性の高い作品に仕上がっている所に、キャスリン・ビグロー監督の真摯な映画作りへの姿勢が表れていると感じました。元夫のジェームズ・キャメロン監督のアバターは、人間を単なる悪としてしか描いていなかった点から、アカデミー作品賞をハート・ロッカーに奪われてしまった事は必然であったと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2010-03-30 22:31:46)(良:1票) |
164. ニンジャ・アサシン
《ネタバレ》 ジェームズ・マクティーグ、ウォシャウスキー兄弟というハリウッド界のオタク代表が作った、完全に趣味先行のアホアホ残虐アクション映画です。「今の世の中に忍者がいたら面白くね?」というアホ丸出しのアイデアから作られたのでしょう。全編に渡るヒドい展開(忍者の主人公が色々あって忍者の里を滅ぼすだけ)に爆笑してしまいました。 その他にも、「忍者は念じるだけで体が治せるんだぜ!」とか「忍者は目隠ししてても音で敵の攻撃を避けられるんだよ!」とか「ジジイの師匠キャラはマジ強いよな!」等の、どこのNINJA漫画だと突っ込みを入れたくなる展開が満載なので、B級映画が大好きな人は大満足出来ると思います。 [映画館(字幕)] 8点(2010-03-30 08:45:07)(良:1票) |
165. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 コナン・ドイル好きの私ですが、ホームズとワトソン君を武道派にしてアクションシーンを盛り込んだのは、良いアレンジだったと思います。お話の方ですが、コナン・ドイルと言うよりはカーター・ディクスンの様な、オカルトと宗教が科学によって成り立っている展開は個人的に好きなので、映画としては結構満足しました。 その他にも、ホームズの初対面の人に対しての分析、ベイカー街221B、モリアーティ教授などシャーロキアンが観るとクスリと出来る要素が入っていたのも面白い。 [映画館(字幕)] 6点(2010-03-28 20:49:37) |
166. グエムル/漢江の怪物
ポン・ジュノ映画を観たのは初めてでしたが、この人が作る映画はすごいですね。粗筋だけに焦点を当てると、非常にオーソドックスで丁寧なモンスターパニック映画に仕上がっているのに、いきなりコメディ調やサスペンス調の画に変化する。でも映画自体は全く破綻していないし、寧ろ監督の個性として面白かったです。 最も印象的だったのはペ・ドゥナが橋に向かって河原を疾走するシーン。ただ走っているだけなのに、画が非常に美しいと思いました。こういうシーンをサッと撮れるポン・ジュノは凄いなと思ってしまいます。 [DVD(字幕)] 8点(2010-03-22 13:25:42) |
167. 映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史
《ネタバレ》 思ったより楽しめました。個人的にはリメイク元より好きです。私もモリーナは必要ないと思いますが、リメイク元のラストが余りにも危機感に乏しい展開だった為、今回は終盤で時空を飛び越える展開にもっていく為に彼女が配置されたと思い納得しました。それでもモリーナに関して余りにも放ったらかしな感は否めないのも確かですが……。 あとクレム役にアヤカ・ウィルソンのキャスティングは無いでしょ。片言過ぎて彼女が話すたびに申し訳ないのですが笑ってしまいました。「ノヴィタサン、キテクレルカスィラー」。お前は外国人の養子か何かなのか。 [地上波(邦画)] 6点(2010-03-19 21:58:16)(笑:1票) |
168. ビッグ・フィッシュ
《ネタバレ》 ティム・バートンの空想への愛が最も良い形で爆発した作品だと思います。最後のオチに繋がる「ビッグ・フィッシュ」の意味が非常に感動的でした。実際良い作品だと思うし、この高得点にも納得です。 でも個人的には余り好きになれない作品でした。一言で言うと、気持ち悪い。何が気持ち悪いって、スポーツは誰にも負けず、街の人からは慕われ、ひたすらアタックすれば恋は成就し、歩く社交性を持ち合わせ、人々に夢と希望を与え続ける主人公です。この作品はファンタジーの上、最後のオチのためにこの様な完璧人間の設定となっていることは分かります。しかし一時間半もこんな完璧超人の自慢話を延々と観させられる事は、私には苦痛でした。でも良い作品には違いないし……。これだけ評価に困った作品は久しぶりだ。 [地上波(吹替)] 5点(2010-03-16 18:49:32) |
169. フローズン・リバー
《ネタバレ》 とっても地味な映画だったのですが、良く出来た映画だったと思いました。辺り一面が真っ白な風景で描かれるサスペンスは緊張感がありました。トレーラーハウスを買うことすら夢という貧困層の現状がイヤにリアルに描かれていたので、サブプライムローン問題が騒がれていた時期に公開した方が面白かったのでないでしょうか。 白銀の荒野に突然響く銃声や、終盤に二人の母親の感情が入れ替わる展開が素晴らしかった。 [映画館(字幕)] 7点(2010-03-13 11:25:20) |
170. ウォッチメン
《ネタバレ》 「300」でザック・スナイダーに打ちのめされた私としては、かなり期待して観たのですが、率直な感想は普通でした。コメディアンの殺害シーン、ボブ・ディランの"時代は変わる"から始まるオープニングの画面の美しさはザック・スナイダーらしくて素晴らしい。スローモーションとバイオレンスが入り混じる画面作りは相変わらず面白かったです。 しかしこの「ウォッチメン」という作品はウォッチメンに所属しているヒーローが何人もいる上に、各ヒーローがそれぞれ重大な役割を持っている為、3時間弱の上映時間の長さであってもまだヒーローの描写が不十分になっていたと思います。ザック・スナイダーは前述したとおりスローモーションを多用する監督なので、どうしても一つ一つのシーンの長さが伸びちゃってるのが問題だったのではないでしょうか。 それでも"絶対的な力を持った者を誰が見張るのか(Who watches the watchmen?)"や"平和の為なら人を殺しても問題ないのか"などのテーマに真正面から挑んでくれた勇気には拍手を送りたいです。 [映画館(字幕)] 6点(2010-03-07 10:59:58) |
171. オーシャンズ13
前作よりは面白い、前々作よりは詰らない。そんな微妙な立ち位置の映画だったと思います。このシリーズに一貫して言える事ですが、仲間のキャラクター性が殆ど立っていないのが一番の問題ではないでしょうか。 [映画館(字幕)] 5点(2010-02-28 00:31:52) |
172. ボーイズ・オン・ザ・ラン
《ネタバレ》 素晴らしい映画でした。まず役者さんが総じて良いです。特にYOUとリリー・フランキーのやる気の無い雰囲気はとっても良かった。黒川芽以のバカ女っ振りや松田龍平のクソ野郎っ振りも観ていて面白かった。 ネットでは「男の恋愛は"名前を付けて保存"、女の恋愛は"上書き保存"」という格言(?)がありますが、これに共感できるダメ男子はこの映画を観るべきですよ!恋愛をしている時、人は周りが全然見えない。相手が理想の女として固定されちゃっていて修正が効かないって事は誰にでもある事だと思います。この映画の主人公もそういう状態なんです。でも傍から見たら、この映画の中のちはるは只の男にとって都合の良い、スグにヤラせてくれる女なんですよね。ここら辺の信じたいけど信じれない女性の清純さのバランスが絶妙!過去に縛られているボンクラ男子はこの映画を観て、次の恋に突っ走るべきだ! [映画館(邦画)] 9点(2010-02-27 17:14:17)(良:3票) |
173. オーシャンズ
前半の映像は本当に素晴らしいと思います。海という実際には目にする事が難しい世界を、大スクリーンで観ると凄く気持ち良く感じるものなんですね。それだけに後半からの製作者による長いお説教が私のテンションを物凄く下げてしまったのは残念でした。途中から「そんな事言われなくても分かっとるわ!」と思える、ありきたりな説教が続きます。非常に環境の事を大切に思われている方々がこの映画を作ったんでしょうけど、少し環境保護原理主義と呼べるようなヒステリーに陥っているのではないかと思ってしまいました。あとナレーションは邪魔でした。教育番組を観に来ているんじゃないんですから。 [映画館(吹替)] 4点(2010-02-21 14:21:01) |
174. よなよなペンギン
余りにもレベルの低い脚本、演出、声優、CGの技術の連続でハッキリ言って映画を観ている間は相当苦痛でした。監督には子ども向けと子供だましの違いをしっかり判って映画を撮って欲しい。またキャラクターの声が酷い、一部は酷すぎる。そろそろ俳優さんに声を当ててもらう風習は止めにした方がいいと思います。 [映画館(邦画)] 1点(2010-02-21 14:12:36) |
175. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
非常にスタンダードな恋愛モノ。身分違いの恋という余りにも使い古されたテーマでありながら、そのテーマだけが前に出てこないように分配されたギャグと合戦が絶妙です。前作の「オトナ帝国の逆襲」に比べるとどうしても劣って見えてしまいますが、1年という短いスパンでこれだけキッチリした映画を作れるのは本当に素晴らしいと思います。最後の青空を眺める演出がニクい。 [DVD(邦画)] 7点(2010-02-03 12:06:36) |
176. かいじゅうたちのいるところ
《ネタバレ》 あの原作を映画化するに当たり、長編映画にする事自体が無謀だと思いました。原作は10数ページの絵本であり、その短いお話の中にテーマがギュッと凝縮されていることが私にとって魅力だったのに、そういう要素は映画から完全に姿を消していました。 あと絵本では許されていた問題が、映画にしてしまうと気になってしまう点もどうかと思います。例えば、「マックスとかいじゅう達は島で一体何を食べて暮らしているのか」と云う問題です。絵本の中ではかいじゅうの住む島は、恐らくマックスの心的な幻想の風景であり、現実の島では無いように思われます。しかしこの映画の中では現実の島に行っています。よってファンタジーでは片付けられない訳なんですが……、彼等が何を食べて暮らしているかも描かれず、かいじゅうがジャンプするシーンなどでは重力が感じられず、かいじゅう達の文化も描かれない。これじゃあ駄目ですよ。 最後の展開もありきたりで詰まらないし、なんか説教くさい。僅かに褒められる点は、かいじゅう達のビジュアルが思ったよりシッカリと作りこまれていた事でしょうか。 [映画館(字幕)] 2点(2010-01-31 23:25:21) |
177. パッチギ!
このタイプ(所謂、ロミオとジュリエット系)の作品としては非常にオーソドックスです。それゆえに非常に理解し易い作品です。分かり合えない象徴としてアンソン達と東高校のチンピラ、分かり合える象徴として康介とキョンジャがいる。最も良かった点は、対立したグループを和解させるスイッチとして康介の唄うイムジン河を持ってこなかった事。彼が唄おうが何をしようが戦争は止まりません。人種問題は決して簡単に解決出来ないからです。でも分かり合える人がいる事も事実、戦争が無くなる事を望んでいる人がいる事も事実、互いを必要としている人がいる事も事実です。和解する事など不可能(それはどんなコミュニティーでも無理)だけれど、それでも互いに歩み寄る必要がある。それを井筒監督は分り易く描いてくれた。良作だと思います。 [地上波(邦画)] 8点(2010-01-27 11:13:23) |
178. ニュースの天才
この映画の様に、実在する人間の人生を淡々と描く事を批判するつもりは、少しもありません。しかし観客は映画の上映中はスクリーンと向かい合うので、ある程度の物語の起伏はあるべきでしょ。最初は主人公が自身の出身校で、スピーチをしている所から始まります。私はこの画面を観て、主人公は何か意図があって記事の捏造を繰り返していたと考えたのですが……。ハッキリ言って、ここまで話が全くひっくり返らない映画は観ていて詰まらない。 もっと大胆に脚色しても良かった気がします。 [地上波(吹替)] 3点(2010-01-15 19:20:57) |
179. 26世紀青年
「超くだらねー!」と思える作品なのですが、それを単に笑えない今の世の中があるのも事実。しかしバカの子どもはバカという話は余りにも横暴では?笑 [地上波(字幕)] 8点(2010-01-05 09:16:24) |
180. 映画 レイトン教授と永遠の歌姫
《ネタバレ》 ロンドンの街から漂うゴシックな雰囲気とオカルティズムな様子が、物語と良く合っており思ったより楽しめました。オープニングから中盤にかけては「インディ・ジョーンズ」的な謎解きアドベンチャーとなっており、同作品が好きな人は面白く観れると思います。奇妙な古城の中の様々な罠や構造も面白かった。また、犯人の悲しくも、狂った犯行動機には結構驚かされましたし、子ども向け映画としてはお話もそれなりに良く出来ていたかと。 それだけに終盤からの展開にはかなーり残念な気持ちにさせられました。流石にあれだけ前近代的な雰囲気を漂わしといて、巨大ロボットはないでしょう。またラストは宮崎駿の「ルパン三世 カリオストロの城」と全く一緒の展開、台詞なのはいただけません。本当に全てそのままなので、丸パクリに見えます。 一番残念だったのは、子供向け映画なので仕方が無いのかもしれませんが、ゲームに失敗した人達が普通に生きていた事。そこは殺さないと物語の緊張感が一気に削がれてしまう。まあ大人の事情というやつですね。 [映画館(邦画)] 6点(2010-01-04 11:37:54) |