161. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 「男の子と女の子が出会って、相思相愛になって良かったね」という内容。 幼児だからキス止まりだが、もし大人ならベッドシーンがある内容。 男の子は元気な少年で、両親が健在。やる気満々の両親だ。 女の子は男の子を上回る元気さで、両親が健在だ。 やる気満々の男女の恋愛ストーリー。 女の子がすごい積極的! とりあえず私にとって必要な内容じゃない。 古屋勝悟氏の仕事を貶した宮崎駿監督の発言が不愉快。すごく不愉快。 監督が原作と脚本を兼ねている。 誰のために作ったのだろうか。 幼児は楽しめたのだろうか。 私は楽しめなかった。 私は幼児じゃない。 金魚は水道水で死ぬ。海水でも死ぬ。 宮崎駿は死んだのか? 制作当時、すでに死んでいたようだ(作家として)。 黒澤監督の晩年は悲しかった。宮崎監督の晩年も同じになった(そんな気がする)。 【追記 2022.01.29】 この映画はフィクションだし、そもそもアニメだが(主人公の)児童を乗せてとても危険な運転をする母親が出てくる。それを不愉快に思った観客はとても多いようだ。 なぜ児童は自分の母を呼び捨てにするのか。母親は一度も注意しないが、監督が意図的にやったことで、理由があり、明確な意図があるはずである。監督は一度も言及していないと思うが。 さて、宮崎駿監督は81歳だが、今も自動車を運転しているのだろうか。20代から(フランスの)シトロエンを運転していたようだが。 新作の公開予定は来年2023年以降で、もし公開中に飯塚幸三受刑者(90)のように交通死傷事故を起こしたら、公開中止になるのだろうか。「なぜ免許返納しなかった」などの非難を浴びるのだろうか。既に返納したのかもしれないが、そんな気がしないのである。彼は理屈より感情を優先する人のイメージだし、世界的に引退宣言をしたのに…反故にした人だから。 [地上波(邦画)] 5点(2016-05-31 14:20:52) |
162. 怪獣大戦争
《ネタバレ》 本多監督は一流で、初期ゴジラ映画は傑作が多いイメージ。 だから試しに借りて観た。冒頭は音楽が良いし展開も面白そうだ。 だが、次第に失速していった。 ゴジラに思い入れがない「大人の映画好き」が観たら、損したと思う気がする。 ゴジラに思い入れがない「十歳の子供」が観たら、それも退屈と思うんじゃないか。 これは1965年公開の映画。もう五十年以上前だ。 観てよかった。なぜなら、当時の怪獣映画に決別できたから。 ゴジラより、同時代の『ウルトラセブン』をレンタルしたい。 それより、大人向けの傑作映画をレンタルしたい。 子供向け作品を大人が観ると、物足りないのは仕方がないことだ。 [DVD(邦画)] 5点(2016-01-23 17:35:05) |
163. ヘレディタリー 継承
《ネタバレ》 DVDで観て、しばらく経った。ここでみなさんの感想を読みながら気付いたのは、この映画はホラー映画のジャンルということで、たぶん作り手は「怖がって欲しい」と思って作ったのかもしれないが、私は怖くなかった。ただ、気持ち悪いだけだった。 とても丁寧に作られた映画かもしれないが、私には理解できなかった。再見すれば理解できるのかもしれないが、できれば二度と観たくない。たぶん、ユーモアがない映画だからだろう。 四人家族だが、好きになる人物がいない。 主人公と思っていた母親は、身勝手で感情的な人だった。 高校男子は、友人がいるようだが親友が一人もいないようで誰にも相談をしない。 ストレスが溜まるタイプの映画がある。 この映画がまさにそれで、私には合わない映画だった。 もし再見すると、なにか良い発見があるのだろうか? [DVD(字幕)] 3点(2021-11-12 19:46:12)(良:1票) |
164. マーダー・ライド・ショー
《ネタバレ》 前半は良かった。演出も悪くない。 中盤もホラー映画らしくて、悪くない。 だが、後半が駄目。 最悪。 色々あるが、色々あるのに(良いところが)何もない。 全体が20分なら、全てが見世物でもいい。 だが90分なら、ラストに解放して欲しかった。 この映画にだって脚本があるだろう。 だが、ないのと一緒。思いついたシーンを並べただけの映画の印象。 「一部の客が喜べばOK」という映画は嫌いなので、高評価はできない。 前半のシリアルキラーのところは、個人的に良かったが。 さて、主人公はラストで延々と逃げる女性かもしれない。 最初から最後まで馬鹿女だったが、馬鹿が主人公の映画は観たくない。 78分まで、じっくり観た。 だがもう期待できないと判断して、ラスト10分は早送り。 案の定、何もなかった。 「助かった?」と思わせて、最悪の結末。 こんな映画は観たくない。 『悪魔のいけにえ』を再見する方がいい。 この映画は『悪魔のいけにえ』を真似ただけの映画じゃあないが、映画としては粗悪品。カタルシスがゼロだから。 [DVD(字幕)] 3点(2018-08-02 23:24:38) |
165. サスペリア(1977)
《ネタバレ》 懐かしい映画。有名なホラー映画。一度はきちんと観たい映画。 では、あらすじ。 主人公の若い女性がバレー学校に入学し、死ぬほど怖い目にあって、魔女を倒した。 低い点数をつけた理由は、人間が全く描けていないから。ユーモアがないから。 素人レベルの脚本だから、(個人的に)映画を観終わった充実感がない。 このサイトで高い評価の人が多いようだが、私には良さが不明だから分析を続けたい。 ところで冒頭のタクシー内の件だが、噂の映り込みは監督の顔だと思う。 ホラー映画専門誌ばかり読んでいたので、有名監督の顔は知ってるつもり。 『アメリカン・ナイトメア』のDVDを持ってるくらいだし。 [DVD(字幕)] 3点(2016-11-19 22:10:38) |
166. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 一人の男の人生を描いたアニメ映画。 主人公は、幼い頃に飛行機にあこがれ設計技師になり、戦闘機を設計した男。 「飛行機が作りたかった」 「戦闘機が作りたかったわけじゃない」 「人殺しの道具なんか大嫌いだ!」 そうだろうか? 人殺しのための戦闘機を作った人が何を言ってるか? 宮崎駿監督も同様だ。人が機械を使って人を殺すシーンを多数作った。 さて現実の世界は、人気者がいるし、嫌われ者がいるし、ほとんどは平凡な者。 宮崎駿が一貫して描いた主役たちは、権力者の血筋か裕福な者だけ(親が学者が多い)。 『ラピュタ』の父親は冒険家で、住居から裕福な血筋なのは明らか。 勘のいい子供は、宮崎アニメを観ても満たされない。 ひねた子供なら「ケッ」とツバを吐くんじゃないか。 この映画の主人公は設計技師。 工員じゃなく工場長でもなく、スーツで通勤するメインスタッフ。 宮崎アニメはヒーローや人気者、成功者の世界で、トッド・ソロンズ監督が描く世界とは真逆。 ところで効果音を声で表現したのは、異常な感じで面白かった。 【追記 2018年2月23日&2022年1月11日】 ジブリができる前、40代の宮崎駿は無名で不遇な頃があった。 テレビアニメの原画(だけ)を描いたりしていた(太陽の使者・鉄人28号)。 宮崎によるルパン第二期の二つの話は、傑作と言われてる(アルバトロスと最終回)。 第二期のルパンは、彼がやりたくてやった仕事ではない筈、やりたくなかった筈である。 そしてこの『風立ちぬ』にはジブリ以前の、魅力的だった「何か」が全くない。 私はそう思った。彼は試写で初めて泣いたらしいが。 長編アニメ引退宣言を反故にして今制作中の長編アニメ『君たちはどう生きるか』は2023年頃に完成予定らしい。 『君たちはどう生きるか』の原作小説はどんな作品なのか。 ウィキペディアに日本の文学者・高田里惠子氏による評価が載っている。 それを読んで寒気がした。 宮崎駿監督というのは、つまり、私の想像通りの人らしい。 [地上波(邦画)] 3点(2015-02-21 07:28:52) |
167. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 舞台は現代日本の一軒家。そこに隠れ住む、少女と両親の「小人族」。小人たちは、みつかってしまい、そして出て行く。他に小人族がいるようだが、規模はわからない。●夢がない話だと思う。全然ワクワクしない。海外の小説が原作らしいが、日本が舞台じゃないと思う。●何がなんやら、わからない。アニメを作るなら、もっといい題材は「いっぱいある」と思うのだが。●しかし現実にアニメ化され、ヒットし、地上波で2回放送された。●こんなアニメなのに、需要があるんだね。私はこんな作品は必要だと思わないし、今はもう「ジブリの存在意味」がわからない。★3点。 [地上波(邦画)] 3点(2014-07-27 13:39:33) |
168. Genius Party Beyond
《ネタバレ》 オムニバス。五人のアニメーターが、短編アニメの監督をしている。15分が4つと、20分が1つ(計80分)。●例えるなら、プロ野球の選手が、プロサッカーの試合に出場した感じ。アニメーターは演出家じゃないし、イラストレーターは漫画家じゃない。つまりこの作品は、「絵だけ」が良い同人誌。田舎者の、のど自慢大会。●EDで脚本の文字が一度もなかった気がする。五人全員が馬鹿なのか。●では順に、五作品の監督名と作品名を。前田真宏『GALA』、中澤一登『MOONDRIVE』、大平晋也『わんわ』、田中達之『陶人キット』、森本晃司『次元爆弾』。どの作品にも期待と不安があったが、不安だけが的中した感じ。全てが残念賞だった。●では順に感想を。前田は平凡で、オチも平凡。中澤のが一番腹が立った(女性の性を馬鹿にしている)。特に残念なのは大平で、まるで「我が子の運動会の映像を見せたがる親みたい」だし、最後の演出がすごく気持ち悪い。「田中達之の絵が動く」のを一度観たかったが、「この程度か」と残念だった。つまり、上手いアニメーターが一人もいない印象。そして最後の森本だけ早送り。脈絡ない映像の羅列で一番退屈だったから。●「客に楽しんで欲しい」という気持ちがあるのか。プロットを他者がチェックしたのか。●私は、アニメのスタッフロールで原画マンをチェックするのが好きだが、そんな私が観ても楽しめなかった。一般の人なら、早送りする内容だと思うし、それでも時間の無駄と思う気がする。実は映像としては、大平作品が一番好きだ(演出的には0点どころかマイナスだが)。●EDの歌がとても好き。改案だが、素敵な五つの歌を元に、プロの演出家がコンテを切って、今回の五人それぞれが一人で原画を描いた。そんな30分なら良かったのに、と思う。★今回は残念だ。ぜひ『3』も観たい。2点! [DVD(邦画)] 2点(2015-06-18 04:39:39) |
169. サマーウォーズ
この映画はヒットしたようだが、こんな映画いらない。 作画が好きなので、興味の対象なのは間違いないのだけど。 主人公は男子高校生で、ヒロインに選ばれて、ヒロインの田舎に同行する。 そのヒロインに魅力がないどころか、外見だけの人間であり、だから大嫌いだ。 主人公を見下している。「あたしが好きなんでしょ、ウフフ」みたいな感じで奴隷扱いだ。 ヒロインの家は金持ちで、体制側の奴らばかりである。なんだよそれは。 細田監督というのは、本当に体制側に寄り添いたいだけの人間なのだろう。 でもそれは細田の人間性なので、他者がとやかく言うことじゃない。 とりあえず言えるのは、こんな映画なんていらない。 [地上波(邦画)] 0点(2017-02-01 01:51:54) |
170. バケモノの子
《ネタバレ》 父と息子、息子と父親の映画。 では、あらすじを。 両親のいない小学男子が家出して、異界の強いおっさんの弟子になり、父子関係ができた。 脚本を書くのは難しい。 長編映画の脚本なんて、才能がない人が書いちゃダメだ。 でも細田監督は、オリジナル脚本を書きたいらしい。 その時点で、自分を客観視できない人だと分かる。 的確な判断ができないのは監督としてダメだよ。 何よりダメなのは、一人も魅力的なキャラがいないこと。だからドラマが全くない。こんな退屈な映画がヒットするなんて、明らかにおかしいよ。魅力的なキャラなら、フィギュアが欲しくなる。だけど、このアニメ映画でフィギュアが作られてヒットしたか。『ラピュタ』のフィギュア、『999』のフィギュア、『銀河鉄道の夜』のフィギュアなら需要があるだろうが、このアニメ映画のフィギュアに需要はあるか? 冒頭から、わざとらしくセリフで説明してばかりだが、長々と説明するシーンが何度もあった。もし脚本の学校の指導官が読んだら、「不合格!」の赤い印を押される、間違いなく。 細田監督の作るビジュアルは好みだが、それはもしかしたら、いつもの相棒のレイアウトマンだけのチカラなのかも(コンテの絵は重要だけど)。 それにしても、これが日本のトップのアニメ映画なのか。 後半、突然に闇に支配された人物が登場。設定としての伏線は確かにあったが、伏線として機能していない。もうムチャクチャだよ。子供と父親だけに焦点をしぼるなら分かるけど、人間の闇や恋愛や、人間社会の進学とか、余計な部品が多過ぎる。 熊鉄(?)のキャラにも、キュータにも全く魅力がない。どんな人物かまったく分からなかった。 なんて退屈な映画なんだろう。 ジョーズ、エイリアン、チャンプ、ロッキーなどの映画に比べたら、この『バケモノ』は世の中になくてもいい映画。 だからゼロ点を差し上げる。 [DVD(邦画)] 0点(2016-12-15 05:57:13) |
171. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 あらすじは簡単。 馬鹿な母親が悪人に騙され、子供のために死刑になりました。 主人公の母親は、犯人を確かめた後にすぐ警察に向かえば良かった。 犯人の金の入手経由。主人公の貯金。お札の指紋。調べればすぐに分かるはず。 給料は手渡しだったから。 主人公の母親は、工場で真面目に仕事をしていなかった。 台本を作業場に持ち込んだり、機械を壊したりして解雇。 危険な工場で、一番困るタイプ。同情の余地がない。 ミュージカル部分が楽しめる人には、たぶん良い映画なのだろう。 だが私には、自己チュー馬鹿女の自己陶酔、現実逃避にしか見えなかった。 金を盗んだビル(警官)のために、小学男子を残して死刑にされる母親。 なぜ戦おうとしないんだろう。ふだんは、こだわってばかりの性格なのに。 小学生の息子には、母親の存在は大きい。それが死刑。 貯金が警官のビルに盗まれたことは、いずれ息子にも分かるだろう。 たぶん息子ジーンは、ビルの妻との縁が続くだろう。 「戦えよ、セルマ」と思うが、私はこの戦わない女性が嫌いなようだ。 [DVD(字幕)] 0点(2016-01-28 17:07:37)(良:1票) |
172. ザ・ラスト・ウェーブ
《ネタバレ》 オカルト映画だと思う。うろ覚えで書く。●舞台はオーストラリア。主人公は長身のおっさん。アボリジニーのペンダントを手に入れた日から、不気味なアボリジニーに付きまとわれ始め、意味がわからず不安は増していく。そして映画ラスト、真っ暗な場所で、主人公とアボリジニーが意味不明の会話をしていると、すごい高波がくる。●30年前、レンタルで観た。パッケージが写真じゃなくイラスト(大友克洋の絵に似ていた気がする)。なぜ借りたか記憶にないが、借りて失敗したと思った。●高波は、人類滅亡を意味していると思った。1977年の映画だが、私が観たのは1986年頃。その当時の日本では「ノストラダムスの大予言」を信じる人がとても多かった。●私はこの映画でアボリジニーを知った。コメディ要素がないし、娯楽性がない印象。日本のレンタルショップで、「少なくとも千人」は借りたはず。一度でもテレビ放送されたことはあるのか。ピーター・ウィアーは有名監督だが。★いま観たら面白いかもしれないが、全然楽しめなかった当時の印象で「0点!」 [ビデオ(字幕)] 0点(2015-06-07 01:04:44) |
173. 真夏の方程式
《ネタバレ》 ある弁護士が言ったそうだ。「法律なら、いかようにも解釈してみせましょう」。●この映画、発端は、若い頃モテモテだった妻の浮気と妊娠である。隠した結果、家族三人の全員が罪人だ。二人も殺されている。緑岩荘は「地獄の旅館」だと思うし、幼い少年まで巻き込んでいる。●前作『容疑者Xの献身』は、ホームレスの命を屁とも思わない連中が、互いに思いやり叫び合う映画だった。今回は、「平穏な家庭を維持するためなら、殺人も冤罪も仕方ないよね」って家族が出てくる。善人を装う、臆病で卑劣な、秘密主義の家族である。●雪のふる中、15歳くらいの少女が、さっき出会ったばかりの悪女を、包丁持って追いかけて刺し殺した。「でも真面目で利口で優しい子なんです」「えっ?」■脚本の福田は、壮大な実験をしているのかもしれない。「涙なんて簡単に流せますよ」って。★もしそうなら愉快なので、10点差し上げる。実際、成功しているようだし。■追記■2週間、お遊びで、51人中「唯一人」の10点にしてた。でも、やっぱり0点。★当然だよ♪ [地上波(邦画)] 0点(2014-06-22 02:21:31)(良:2票) |
174. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 「好きな人を助けたいなら殺人OK」と推奨する映画。 なぜなら、主人公による殺人を「美談」にしてるから。 私はホームレスは嫌いで、近くにいたら息(呼吸)を止める。 でも殺してもいいとは思わない。だって同じ人間じゃないか(棒読み)。 ところで、ゴダイゴのヒット曲『ビューティフルネーム』が好きだ。「♪なまえ、それは、もえる、猪木」。 たぶん石神は、殺したホームレスの「人の名前」を知らない設定。 「愛する女性を救うため仕方がないんだ。あんたが誰か知らないが、悪いが死んでくれ!」 「はァ?」 今敏監督の映画『東京ゴッドファーザーズ』が好きだ。 ホームレスといってもね、色んな境遇の人がいると思いますよ。挑戦して大失敗、保証人で夜逃げ、家出など。 殺人は起こる。だって人間だもの。 でも、人を道具扱いして殺した男の物語を「美談」にしてるこの映画はね、やっぱりね、ダメですよ。 ★文句無しに0点! 【追記】 サム・ライミ監督作『スペル』の主人公の女性は、死の宣告を他人に肩代わりしてもらえる人を探す。たとえばホームレスを見るとき、迷い、罪悪感を感じる。 だが、この映画の主人公の男は、愛する女性が逮捕されないためにホームレスを殺し、罪悪感がない。テレビ放送ではそう思ったし、主人公はホームレスの人生を完全に無視していた。それが人間の現実かもしれない。だが映画でそれは困る。 [地上波(邦画)] 0点(2014-06-16 06:20:37)(良:2票) |
175. もののけ姫
クルマに乗ると「歩行者が邪魔だ」と思い、クルマをおりて3秒後には「クルマが邪魔だ」と思う。 実は、善と悪は「全く同じ」で、立場で印象が変わるだけだと思う。 人は誰もが色んなことを考える。何を考えようが自由だ。 でも、個人が「人類と自然の共生を考える」のは傲慢だと思うし、それを公的に発表するのは「馬鹿のすること」だと思う。 宮崎駿監督は、クルマとタバコの愛好者。趣味は軍用機。仕事でアニメを作り、グッズも売って、長編映画引退後の今も「大量生産」の指導的立場。たとえるなら『もののけ姫』のエボシ御前。大自然(サンと狼たち)の敵だろう。 この映画は、宮崎駿監督の「一番の大作」。 だけど私には0点だ。 [レーザーディスク(邦画)] 0点(2014-01-23 01:23:14) |
176. ゲド戦記
《ネタバレ》 テレビで久しぶりに観たが、少人数による舞台劇みたいだった。実力のある背景スタッフの参加がもったいない。アニメーターによる演技、役者による声も「大根」だと思った。特にウサギ(香川照之)が酷かった。 「主人公・アレン」は狂ってる。主人公なのに目的が不明なまま進み、最後までワカンナイ。またどんな王子で、なぜ父親の王を刺したか。行動の全てがワカンナイ。ハイタカオヤジが何者かなど、重要なこと全部がワカンナイ。 ヒロインも頭がおかしい。どんな形であれ、「命をかけ救ってくれた主人公」に礼を言うのが礼儀。だがその逆の態度で去り、再会しても嫌ってばかり。それが屋外でずっと直立不動で歌い、あっさり仲直り。本当に狂ってる。そして「実は竜でした」って、伏線なしだから唖然。馬鹿らしくなった。 王から奪った「呪いで抜けない古い剣」を映画の最後に抜き、ボスの腕を切る。どんな剣か不明のため、何も感動がない。なぜ抜けたかも不明だし。それに(クモの魔法による)心臓の傷みはどこに? 余談だが、あの剣は「父親・駿のチカラの象徴」と思った。 監督は「命は何より大切だ」と言いたいようだが、それはまるで西崎Pが『ヤマト』で繰り返した「テーマは愛です」みたいで、空虚な言葉。 そして腹が立つのが、監督が映画内でもパンフでも、「いまの世の中、人間がおかしくなっている」と主張していたこと。おかしいのは吾朗自身だし、主人公は真性のキチガイ(父親を刺したのに、立派な父と評し、刺した理由が不明だから)。 演出経験なしに劇場用アニメを監督。そして「観客のほとんどを失望させた」が反省がない。全然ないと思う。「ごめんなさい」と王子様は言わないってわけか。「王子・吾朗」は、この監督一作めでは脚本を書いたが、二作めの『コクリコ』では「王・駿」が脚本を担当。脚本を書かない監督は「作家」じゃない。三作めも演出家に徹するのか(実は楽しみ)。★自信をもって0点! 【追記 2017年12月】 今年から、宮崎駿(王様)が新作長編アニメを制作中らしい。 吾朗(王子様、もうすぐ51歳)は何をしているのだろう。 『コクリコ坂から』は2011年夏に公開されたが、長編次回作の噂を聞かない。 【追記 2021年12月】 長編アニメ『アーヤと魔女』は昨年末にTVで放送され、今夏に劇場公開され、今年また放送される(12月31日午後3時5分からNHK総合で再放送)。『アーヤ』の原作は海外の小説で、今回は吾朗監督は脚本欄に名前がない。つまり彼は映画監督ではあるが、作家ではないのだろう。宮崎駿監督は作家であり、ジブリで脚本を他人に任せたことは一度も無い筈である。 [地上波(邦画)] 0点(2014-01-18 03:26:02)(良:3票) |
177. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 なぜこの映画が嫌いなのか。●名無しの旦那(狼男)は、どういう人生だったのだろう。天涯孤独で友人が「一人も」いなかった。そして東京の国立大学で無断で聴講中、(同じく)天涯孤独な女子大生・花(主人公)から声をかけられて付き合い始めた。●もし私が狼男なら、子供を作ることに躊躇する。だがこの狼男はすぐに作る。「できた」んじゃなく、凄く作りたかったんだと思う。●在学中の女子大生に二人も産ませて、育児放棄。家を無断でしばらく出て、あっけなく事故死する。●もし私が親なら、「特殊なDNA」を伝えた子供たちに申し訳なく思う。「産ませてすまん」と罪悪感に苦しむだろう。でもこの狼男は逆だと思うんだ。●無口の設定のようだが、どう育ってきたのか。それを子育てする「花」に色々と詳しく話すだろうし、義務だと思って色々とノートをつけるだろう。子育てを放棄しているんだからね(そう見えた)。●この映画、無責任な男女が何も考えず子作りした話だと思う。美談にしてるけど「逆だ」と思うから嫌いなんだと思う。●主人公・花は、二人の子供たちを実は祝福していないし、できないと思う。産んだことには罪悪感は全く感じていないようだ。むしろ、(旦那と同様に)狼男の遺伝子をつないだことを誇らしく思っているように思う。そこがね、何か嫌なんだな。「いいお母さん」のフリしているけど、あんたには「化け物!」と言われて阻害される恐怖がワカンナイと思うんだな。ふつうの人間だからね。●それで大ヒットでしょ。21世紀の宮崎アニメみたいに、「ブランドを有り難がる層」による大ヒットとしか思えない。だから腹が立つんだと思う。●この映画の脚本を書き、監督した細田守が大嫌いだ。さらに小説版を3種類も出していることに呆れる。でも売れてるらしい。「他に読む本あるでしょ」って思う(余計なお世話か)。 <追記> <注意>『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のネタバレ有り。 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の主人公は、息子のことを心配する。遺伝のことで、産んだことを自責する。それが親だと思う。だが、この『おおかみ』の両親は狼人間の遺伝子をつないだことを誇らしく思っている(ように見えた)。 現実に「おおかみ人間の遺伝」はない、存在しない。だから他の何か(国籍や部落)を意味しているのだろう。 『桃太郎』の鬼が、白人を意味しているように。 [地上波(邦画)] 0点(2013-12-21 02:08:06)(良:2票) |