1. MUSA-武士-
この映画は、2時間半を超える大作ですが、そのほとんどの時間を「戦い」に費やしています。元に追われる中で、張り詰めた稜線のような微妙な人間関係が、少しずつ見えてきます。戦闘においては、多くの血が流れ、首が飛ぶ、矢が貫通する、などの目を覆いたくなるバイオレンスが満載です。しかしながら、これらのバイオレンスは決して過剰なものとは思いません。人を切りつけたときには血が流れる、そんな当たり前のことを描いており、昨今のように、バイオレンスを「アクションシーン」と銘打つことで、その痛みを覆い隠して互いに戦いあう映画のほうがどうかしているのではという気にさえさせてくれます。そして、多くの人間が死にます。しかし、先ほど上げた人たちはもとい、ほとんどの明・高麗の人たちの死には確固たる「重量感」があり、どの一人の死も、バッググラウンドがあり、疎かには描かれていません。多くの「死」の中で対照に描かれる「新たなる生」の部分も実に感動的です。--◇--本作品からは、人間関係には損得感情や論理を超越した何かがあるように思えます。終盤において、明らかにチャン・ツィイーを差し出したほうが多くの人が助かるし、しかも、船や軍隊がなかったのだから敵国の姫になどもう用はないはずなのに、それでも守ってしまう高麗の戦士たち、そしてそれになぜか共感できる自分。理由がまったく付けられないのにそれでも分かる不思議さ。非常に面白いなと感じます。 10点(2003-12-26 14:08:53)(良:1票) |
2. 永遠の片想い
《ネタバレ》 これは本当に素晴らしい作品でした。というか素晴らしく「うまい作品」でした。チャ・テヒョンが出会う二人の女の子が、一人は清楚で少し内向的そうな子、もう一人は快活な女の子として登場し、これを観ている男性は少なくとも一方には心奪われてしまうのではないでしょうか。つぼを押さえています。それに女の子二人が一緒に泊まるシーンも、完全にツボ狙いですが、もう私はそのシーンにやられてしまいました。 またこの映画、実に「かわいらしい映画」です。悪く言うと、すごくベタでコテコテで、小恥ずかしいぐらいです。一目ぼれをして自転車でタクシーを追いかけちゃったり、寝ている女の子二人の足の裏をこちょこちょやっちゃったり。 後半から少しずつそれぞれの気持ち、事情が出てきて、そこからはぐっと引き締まった話となり、また最後の逆転劇、数々の伏線の意味が分かった時には「絶妙」と思いました。 「この小恥ずかしさをかわいさと受け止めることができるなら」、極上の一本だと思いました。 9点(2005-01-28 00:03:26)(良:2票) |
3. 座頭市(2003)
遅ればせながら観ました。すごい!噂には聞いていたけどこんなにすごいんだ!北野監督、そして主演のビートたけしの類まれなる才能を感じました。 仕込みを逆手に持っての殺陣は、大変かっこいいですし、音楽もリズミカル。ストーリーの意外性も素晴らしいし、たけし流のユーモアも随所にあり、一流だなぁと思いました。 9点(2004-08-29 00:31:05) |
4. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
今回もっとも輝いていたのはやはりサムでしょう。それに比べてフロドさん・・・もっと頑張ってほしかったです 9点(2004-03-08 23:37:12) |
5. ラブストーリー
あるところで僕らのストーリーの予想を裏切る意外性を見せてくれ、また別のところでは僕らが望んだものを見せてくれる素晴らしい作品でした。頭の回転が速いと話の先が見えるんでしょうが、僕は「え、何?」と始めに違和感を持ち、その後ちょうどいいタイミングでそれが意味するところが分かり、感動に包まれるという場面が多くて、僕と波長が合う映画でした。 後半に行くに連れ、話がぐっと深まり、切なさが増していくのは、前作と同様で、さすがです。 9点(2004-01-20 20:23:14) |
6. ラスト サムライ
《ネタバレ》 It's perfect!! 後半三十分ずっと泣いていました。今までの泣き所って、人が死んだり、優しさ見せたときだったんですが、今回は、自らの名誉のために出陣していく男たちの生き様に泣けました。この時、「あ、俺も日本人なんだなぁ」と思いましたね、感動。最高の感動を与えてくれた映画で、文句なしに10点あげたいところなのですが、敢えて9点にした訳は、いつか、これを越える「日本」映画が現れることを期待していることと、勝元の最期の、政府軍の土下座がわざとらしくてちょっと興ざめしてしまった点もありました。しかし、自信を持って私がお勧めできる映画です!!ファインディング・ニモと迷っているんだけど…って人は、どうかこちらを見に行ってください! 9点(2003-12-06 23:39:33) |
7. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
娯楽映画として純粋に面白かったので9点献上です。織り込まれる下ネタやパロディ、前作からのネタの引継ぎなど、エンターテイメント性が十分な映画でした。 9点(2003-10-24 12:49:53) |
8. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
前作に引き続いて素晴らしいCGだった、例えばオークの乗る翼竜がすさまじくかっこいい。死の沼の死体がすごく気持ち悪かった。今回は前作でばらばらになったとこからの話だったので同時に展開される三組の冒険がそれぞれ面白く、いつあうのかすごくハラハラして見れた。 9点(2003-10-21 11:39:06) |
9. 猟奇的な彼女
様々な伏線やこちらをドキッとさせてくれる仕掛けがいっぱいで面白い。何よりさえない男と強気な彼女のミスマッチがほほえましい。最後には本当に泣けた。最高の一本です。 9点(2003-07-13 20:16:40) |
10. 華氏911
前作『ボウリング・フォー・コロンバイン』で編集の巧みさに魅せられましたが、今回もその緩急が見事でした。ブッシュ氏をコケにして笑いを誘っている一方、拉致のことやファルージャでの惨劇、犠牲になった人々についてのことは、胸にくるものがありました。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-27 15:40:57) |
11. ボウリング・フォー・コロンバイン
《ネタバレ》 「どうしてアメリカでこんな事件が起こったのか、血を流した歴史があるから?銃が存在しているから?多様な人種がいるってどういう意味?」という数々の言葉に考えさせられました。また、他者を拒絶しようとすればするほど、他者を恐れていく人間の様子が描かれていて「そうだなぁ」と感じました。 これを作った彼が『華氏911』へと向かったのも納得できます。 8点(2005-01-28 00:08:35) |
12. ターミナル
期待通りでした。泣いてしまいました、ストーリーにとか言うよりは“にくい演出”に。 トム・ハンクスの温かみのある演技は相変わらずステキでした。そして脚本も非常にユーモアに富んでいて、何度も笑わせていただきました。英語で何言われても「Yes!」。日本人もあんな感じかもしれないですね。 アメリアとナボルスキーがまばゆい光の中でキスしたり、ナボルスキーに空港の皆が心を寄せるなどの過剰ともいえる演出を、寛容さを持って受け止めたくなるような愛しさを持った映画でした。 8点(2005-01-28 00:00:21) |
13. 誰も知らない(2004)
まだ12歳なのにしっかりしているなと思いきや、途中から不協和音が聞こえだし、母親の身勝手さを散々見てきたのに、それと同じようなことをしてしまうというそのギャップが印象的です。 柳楽君の演技はカンヌで賞を取るほどのものでしたが、僕はこの四兄弟の中の長女役の子がもすごいと思いました。兄を見るときの眼差しがすごかったです。 これが実際の事件を基にしていると言うから驚きです。母親の無責任さを憎むものでもなく、子ども達に同情するでもない、どういう感想を持ったらいいのか分からないけれど訴えかけてくるものがある不思議な映画でした。 8点(2004-09-28 10:21:36) |
14. 死ぬまでにしたい10のこと
おっ!いい映画でした。スペイン映画おしゃれですね。「美しいね、娘さんも」って台詞とか素敵です。自分が彼女の立場だったらいったいどういうことをするのだろうと考えさせられました。 8点(2004-08-29 00:39:30) |
15. 壬生義士伝
《ネタバレ》 中井貴一演じる吉村の、普段ときりっとしたときのギャップがあり素敵でした。家族の前では優しき父であり、戦場では勇敢な武士として生きる姿に感動しました。佐藤浩市と中井貴一が別れるとことなったシーンは、この映画でもっとも男を感じる部分だと思います。自分は食わずに、人に食べ物を分けてやる優しさ、官軍の鉄砲隊に一人突っ込んでいく勇敢さ、吉村貫一郎という人の魅力が凝縮されているシーンです。 8点(2004-03-08 23:35:13) |
16. ラスト・プレゼント
《ネタバレ》 この映画の成功のポイントは、主人公をお笑い芸人にしたところだと思います。心臓マッサージのところ辺りまでは、心臓マッサージという壮絶なシーンとお笑いというギャップが受け入れがたく、ピアニストとかもっときれいな職業のほうがいいんじゃなかったのかなと思ったのですが、終盤のシーンで舞台を見ている奥さんの前で涙を流しながら、笑いの舞台をこなすヨンギさんを見て、そのギャップの大きさに(・_・、)グスンと来ました。 8点(2004-03-08 23:34:12) |
17. リクルート
展開が非常にテンポが良くて、リクルートされるまで、ファームにて、ファームを出た後、の三つがバランスよくて、飽きがきませんでした。飽きが来なかったのは、ほかにも、重低音の聞いた音楽が良かったのと、ある・パチーノの顔が良かったのもあると思います。彼の独特の深い堀の顔がアップになってそこに光が当たると目の周りが陰になって、なんかやってくれそうな雰囲気を出してくれていました。常に視点がコリン・ファレルからもので、拷問のシーンも、アル・パチーノからNOCの指令を受けるのもコリン・ファレルと一緒に信じ込んでしまいます。 8点(2004-01-28 12:25:29) |
18. イルマーレ(2000)
《ネタバレ》 エンディングに向かっていく流れは、中盤ぐらいで予想できていたのですけど、それでもジ-ンときちゃいました。---◇---やっぱり、韓国映画ってすごいですね。今回も、「コーラ」の目線でカメラを動かしたりして。僕は最初、この動き何なの?と思ったのですが、「コーラ」のものだと解って、あとで巻き戻してみてしまいました。あと、街路樹のある散歩道を歩くとことか、そのままカメラを回しているのに僕らにはちゃんと二年のときを挟んでいるように見える。すごいです。 8点(2004-01-28 12:21:39) |
19. 戦場のピアニスト
戦争というものを、ほんの一部ですが、(かつこれが真の姿であるとの保証はないながらも)伝えてくれる素晴らしい作品だと思います。 8点(2004-01-19 19:35:07) |
20. 黄泉がえり
僕は好きですね。本当は10点あげてもいいのですが、柴咲コウのシーンの必要性がまったくわからなかったので、その時間で興ざめしてしまったので、2点引いています。まず俳優陣の豪華さにビックリ。邦衛さんとかあんなちょっとでいいの?ってほどでした。田辺誠一とか石田ゆり子さんとか、主役張ってもいい人が脇役で出ています。むしろ主役は草なぎ君と竹内よりは、そっくりそのまま田辺と石田ゆり子にしてくれたほうが良かったかな…なんて。いくつかの話が、並行して出てきます。どれも本当にいい話なので、かなり泣けるとは思うのですが、もちょっと数絞って深く描いてくれたほうがいいかなと思います。個人的には、「邦衛さんの話」と「ゆりっぺ&翔さんの話」、あと、ストーリー上はずせない「カツオ君」でよかったかなと思います。特に邦衛さんとこは、最高。 8点(2004-01-19 19:32:46) |