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プロフィール
コメント数 404
性別 男性
ホームページ http://onomichi.exblog.jp/
年齢 55歳
自己紹介 作品を観ることは個人的な体験ですが、それをレビューし、文章にすることには普遍さを求めようと思っています。但し、作品を悪し様にすることはしません。作品に対しては、その恣意性の中から多様性を汲み取るようにし、常に中立であり、素直でありたいと思っています。

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1.  再会の時 《ネタバレ》 
原題を"The Big Chill"という。ロスマクならば"The Chill"。ハードボイルド的には「大いなるさむけ」とでも言うべきなのだろうけど、その意味は、「死や臨死、或いは死にたい程に悲惨な体験」ということらしい。(answerbag調べ)  日本では団塊の世代。アメリカではBaby Boomerという。戦後生まれで人数が多く、68年の大学闘争を経験した世代である。物語はそれから15年後の1983年、自殺した仲間の葬儀にかつての学友、男女7人が集まったことから始まる。  日本で言えば、柴田翔の『十年の後』の世界だろうか。それとも80年代中期の『男女7人夏物語』だろうか? 学生の頃に反体制を叫んでいたケヴィン・クラインも今では会社の経営者となっている。他のメンバーも雑誌記者、俳優、医者に弁護士と、それぞれが社会の中で確固たる地位を築いているわけだ。その中でウィリアム・ハートだけが定職も持たず、コカイン中毒で、いまだにベトナム体験を引きずっている。(身体的にも戦争によって生殖機能を損傷したからか) 彼らが久しぶりに一同に会して週末を過ごす。友人の死、彼は何故死んだのか? そして友情の行方、今の生活について、彼らの語らいはとてもライトである。最終日の夜にはいくつかのセックスまで行われる。15年越しの告白であり、共助の精神であり、再出発へのふれあいである。  能天気と言えば、そうかもしれない。確かにそれは80年代という時代の軽チャーを象徴しているように思える。しかし、それは"The Big Chill"でもある。1968年の熱狂とその後の挫折との対比として、それはある。彼らの世代が80年代のポップカルチャーを作った。そして僕はその80年代に青春時代を過ごした。だから分かる。この作品があってこそ、『男女7人夏物語』があり、『セント・エルモス・ファイアー』や『愛という名のもとに』が作られたことを。時代がその根底に"The Big Chill"を抱いていたことを。
[DVD(字幕)] 8点(2012-07-16 10:40:29)
2.  男はつらいよ ぼくの伯父さん 《ネタバレ》 
マドンナは壇ふみ(なのかな?)  『男はつらいよ』もいよいよ満男と泉を中心にしたいわゆるゴクミシリーズに突入。満男もいつの間にか高校卒業。成長したなぁと言っても、この作品もう20年以上前なのね。(当時『男はつらいよ』は中高年向けの正月映画だと思って全く観る気もしなかったなぁと感慨しきり。。) 満男は僕と同世代。この作品の頃、僕は大学生で、彼と同じように無様な青春を謳歌しておりました。愚かだったなぁ。全くもって愚か。思い起こせば恥ずかしきことの数々。そんな自身の歴史を反省しつつ、満男に感情移入しておりました。ただ、満男と博の場面で、どちらかというと博の方に気持ちが寄り添うのは、僕自身が今や高校生の子供を持つ父親だからだろうな。  寅さんも昔みたいな元気はないけど、まだまだ気持ちは若い。老成しつつ、少年のような清い心を持ちつづけているところが寅さんの魅力。その言葉はひたすら誠実なのです。会うは別れの始めか。。。時代はバブルだけど、とらやにそんな雰囲気はないなぁ。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-30 23:30:48)
3.  男はつらいよ 寅次郎心の旅路 《ネタバレ》 
マドンナは3回目の竹下景子。  今度の舞台はウィーンである。寅さんがもう少し若ければ違った展開があったのかもしれないけど、海外だからどうということもなくて、場所がウィーンでもゆふいんでも話は変わらなかったんじゃないかと思ってしまう。竹下景子も前回、前々回と比べると好感度が落ちるかな。唐突なヘルマンの登場と空港でのラストシーン、その後の寅さんの落ち込み具合もとってつけたような感じが否めない。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-30 23:30:45)
4.  男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日 《ネタバレ》 
マドンナは三田佳子。  サラダ記念日ありましたね。前作の寅次郎物語に比べると見どころが少ないかなと。寅さんも元気がない。元気印のあけみもいなくなってしまったし。満男もまだ大人しい。大学の講義を受ける寅さん。どっかで似たようなシーンがあったような。夢枕かな。かもめ歌では夜間学校で同じような場面があった。その頃の寅さんと比べると表情が乏しく、滑舌も悪いし、学生たちに聞かせる話のキレとノリがいまいち。三田佳子が寅さんに惚れるというのも無理があるよ。この後、ゴクミシリーズに突入していくのも仕方がないかな。  この回から「とらや」がいつの間にか「くるまや」に。やっぱり寅さんが帰るのは「とらや」だよ。どこの「とらや」が何と言おうと、「とらや」は「とらや」だ。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:38:23)
5.  男はつらいよ 寅次郎物語 《ネタバレ》 
マドンナは秋吉久美子。  前作に続き、後期の傑作。このころになると、寅さんというのは作品の主人公というよりも、ひとつの「舞台装置」と言ってもいい存在となる。その舞台で、秋吉久美子や五月みどりの息子たち登場人物が何か心暖かいものを得て、人として快復していくのである。  最後の満男と寅さんの会話。満男「おじさん、人間ってさ」 寅さん「人間?人間どうした?」 満男「人間は何のために生きているのかな?」 寅さん「うん、まぁ、難しいこと聞くなぁ。えー、何ていうかな、ほら、あぁ生まれてきてよかったなぁって思うことが何べんかあるじゃない。ね、その為に人間生きているんじゃないのか?」 満男「ふ~ん」(納得したようなしていないような微妙な表情) 寅さん「そのうちお前にもそういう時が来るよ。うん?まぁ、がんばれ、な!」(と満男の肩をポンと叩き、一人駅に向かう悠然とした後姿) その後のシーンで寅さんが「人間は何のために生きているのか」と仲間の一人に尤もらしく問うという、いつもの受け売りパターンがあり、ついに満男からもパクるのかと。でも、いいシーンだなぁ。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-29 23:38:20)
6.  男はつらいよ 知床慕情 《ネタバレ》 
マドンナは2回目の竹下景子。  そして彼女の父親役に三船敏郎。本作は三船の晩年の傑作と言っていいだろう。やもめの獣医役。いかにも「男は黙ってサッポロビール」って感じの役柄なのだが、最後に勇気の告白をやらせちゃう。そうきたか。山田さん。その相手が淡路恵子というのは黒澤へのオマージュなのだろう。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-29 23:38:18)
7.  男はつらいよ 幸福の青い鳥 《ネタバレ》 
マドンナは志穂美悦子。  思い出します『女必殺剣』w そして『家族ゲーム』。そこで共演していた長渕剛がその相手役。映画同様に、現実にも結婚することになる2人である。長渕のキャラクターはなかなか存在感があった。当時、元気がなくなってきた寅さんに代わり、コミカルでアクティブな動きがとても印象的で、予想外に山田作品にフィットしていたように思う。  寅さんにとって、今回のマドンナ志穂美悦子は娘みたいな存在で最初から恋愛対象外(最初に寅さんも宣言している通り)なのであるが、そもそも、彼女は旅一座の看板女優、大空小百合の成長した姿である。大空小百合と言えば、第8作で初登場し、その後何回か寅さんやマイケル・ジョーダンと旅先で交流して、『車せんせい~』という台詞が印象的な女の子。大空小百合=岡本茉利=田舎娘の印象が強くて、どうもしっくりこない。志穂美悦子では顔やスタイルが違い(良す)ぎるw 何故、彼女が大空小百合じゃなければならなかったのか??
[DVD(邦画)] 8点(2012-04-29 23:38:16)(良:1票)
8.  男はつらいよ 柴又より愛をこめて 《ネタバレ》 
マドンナは2回目の栗原小巻。  アパッチけんと光石研もよく出てくるなぁ。アパッチはOPドタバタがなくなったので本編に昇格って感じだろうか。今回は美保純演じるあけみが準主役。そのせいか少し話が拡散してしまったような気がする。あけみの家出と離島でのちょとしたアバンチュールはよかったけど。(相手役の田中隆三もいい!) 寅さんの方の恋愛色は薄いし、離島の暮らしぶりとか、その辺りもあまり紹介されず。最後の川谷拓三も彼らしい役ではあるけれど、あまりにもとってつけたような短い登場だった。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:33:07)
9.  男はつらいよ 寅次郎恋愛塾 《ネタバレ》 
マドンナは樋口可南子。  第20作『頑張れ!』から続けて観ると、何やら似たような話である。今回も寅さんが恋愛指南役。寅さんが平田満に指南するデートの作法は、『頑張れ!』の時とほぼ同じ。笑ってしまうくらいに筋が通っている。フラれたと思い込んで、男の方が自殺しかけるところも同じ。だけど、最後はうまくいく。そこも同じ。樋口可南子はとても綺麗で、いい女です。そこが大きな見どころかな。  寅さんやタコ社長、そしておじちゃん、おばちゃんが急激に年をとった感じがする。対して、満男がだんだんと大人っぽくなってきた。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:33:04)
10.  男はつらいよ 寅次郎真実一路 《ネタバレ》 
マドンナは2回目の大原麗子。  彼女には不幸な役がよく似合う。(『居酒屋兆治』しかり) 今回もエリート証券マンの夫が仕事と家族を捨てて失踪してしまう。(前回は離婚直後の女性でした) エリートサラリーマンの失踪と言えば、管理社会からの逃避を扱った名作『寅次郎相合い傘』の船越英二と同じパターンだが、今回は残された側からの視点というところが違う。  寅さん曰く、「毎晩必ず残業だ。早くて10時、遅くて家に帰るのが真夜中の12時から1時だ。ひと言も口をきかず、ずーっと風呂に入る。ごろんと寝る」 タコ社長「厳しいねぇ」 寅さん「あー、もったいない」 博「何でですか?」 寅さん「鈍いやつだな。あんな綺麗な奥さんがいながら、旦那はろくにその顔を見る時間がないということなんだぞ」 その後、寅さんが髪結いの亭主のごとく、綺麗な奥さんを眺めて暮らすという男の理想をのたまうのであるが、それは全員に否定されてしまう。綺麗なものを愛でて暮らす。それは確かに理想であり、夢ではあるけれども、結局は経済を度外視した夢想家の発想である。それが寅さんの口から出るところがミソなのだな。  今回のラストシーンは久々に泣けた。名作である。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-29 23:33:02)(良:1票)
11.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナは中原理恵。  シリーズ屈指の不人気作といった感じだけど、そこはシリーズの安定感。それなりに面白く観れた。話にまとまりが乏しく、佐藤B作や渡瀬恒彦の役回りが少々投げっぱなしのような気がするし、そもそも中原理恵にあまりマドンナとしての魅力を感じなかったのだけれど、それでも面白い。それはもう寅さんの魅力。そしてさくらや博、満男、おいちゃん、おばちゃん、タコ社長などとらやの面々の魅力なのだ。  30作以降(正確に言えば26作以降かな)、寅さんは自ら恋愛に足を踏み入れることがなくなる。恋愛を超越したところでマドンナを見守る存在(とらやの面々含め)となる。そういった寅さんの眼差しは初期の頃とは明らかに違う。今回も中原理恵は最初から寅さんの恋愛対象外。彼女の幸せを望むおじさん的な眼差しであり、これ以降の寅さんのスタンスを決定づける作品となっている。あと、とらやで寅さんが引き起こすドタバタ騒動もなくなるのだが、それは、その後あけみや満男に引き継がれることになる。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:32:59)
12.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナは竹下景子。  彼女は清楚で可憐で、、、と言えば吉永小百合に近いイメージだけど、博のセリフを借りれば、「美しさの中に知性を秘めたとでも言いますか」、、、で、やっぱりお嫁さんにしたいタイプ。内容もシリーズ中で人気のある作品だけあって、見応え十分。  やはり最後の柴又駅のシーンが素晴らしい。竹下景子が寅さんの袖を掴み、その顔を潤んだ瞳でじっと見る。その視線に答えられない寅さん。これはシリーズ最高のラブシーンではないかと僕は思う。別れの後に「・・・という御粗末さ」とつぶやく寅さんのドテラの後姿が寂しい。あと10年若かったらなぁと。そんなラブシーンの始まりを予感してすっと脇に引くさくらの所作も彼女の複雑な感情が見え隠れしてなんとも言えない味がある。  初期の頃とは違う落ち着いたとらやの雰囲気も良し。下條正巳のおいちゃんはあまり人気がないのだけど、でしゃばらない味わいはそれはそれで良し。
[DVD(邦画)] 10点(2012-04-29 23:26:15)(良:2票)
13.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナは都はるみ。  というわけで少し異色作と言えるかも。但し、都はるみの演技に特に違和感はなかったし、ハスキーで甘えた感じの声と少しはすっぱな口調はよかったかな。寅さんが都はるみに抱いていた感情は恋心という感じではないし、都はるみの逃避行する相手が寅さんというのも恋愛ドラマとしては盛り上がりに欠けるだろう。でも仕方ない。それこそ30作目以降のシリーズの特徴である恋愛や世情といったようなものを既に超越した寅さんととらや一家の魅力はしみじみと伝わるのだ。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:26:11)
14.  男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナは田中裕子。  但し、お相手は沢田研二で、寅さんは彼のご指南役。田中裕子への仄かな恋心を持ちつつ、2人の仲を見守る役回りである。寅さんが沢田研二演じる口下手な二枚目の三郎青年に恋愛指南をするのだけど、例えば「言葉ではなく、目で伝えるのだ」と教えたりするものだから、田中裕子演じる蛍子ちゃんから「三郎さんは何を考えているのか分からない」と言われてしまう。蛍子ちゃんに結婚を申し込む三郎青年。自分の気持ちをうまく表現できず、最後には蛍子ちゃんから「口で言って」と迫られる。実は、恋愛下手なのは知ったかぶりの恋愛指南役である寅さん自身なのだ。そりゃそうだ。本当に好きな人の前で何も言えなくなる。前作『あじさいの恋』の寅さんが思い浮かぶ。  「あいつがしゃべれないってのは、あんたに惚れているからなんだよ。今度あの子に会ったらこんな話をしよう、あんな話もしよう。そう思ってね、家を出るんだ。いざ、その子の前に座ると全部忘れちゃうんだね。で、馬鹿みたいに黙りこくってんだよ。そんな手前の姿が情けなくって、こう涙がこぼれそうになるんだよ。な、女に惚れてる男の気持ちってそういうもんなんだぞ」 寅さんが蛍子ちゃんに言うセリフは正しく自分のこと。痛いほど分かるなぁ。それにしても、田中裕子の声って甘く儚げで男心をくすぐるよ。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-29 23:26:08)(良:1票)
15.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 《ネタバレ》 
マドンナはいしだあゆみ。  寅さんの悲恋物語。ドタバタもなく、いつもの寅さんとは全く違う雰囲気だったけど、本作は、ある意味で寅さんとは何者か、実はどういう人物なのかということをしみじみと感じさせる素晴らしい一篇であった。寅さんは女性から本気で求められると、受け身になって、すっと自らを引いてしまう。そして自分を「駄目な男だ」と言って一人涙を流す。恋に恋して、恋できない臆病者。それが寅さんなのか。寅さんの流した涙を思い、12歳の満男と同じように悲しくて僕も泣いた。寅さん、あなたはただひたすら優しすぎるのだ。そういう愛があってもいいじゃないか。寅さんが満男に言う。「お前もいつかは恋をするのだろうな。可哀相に」 すると満男が答える。「僕、恋なんかしないよ」と。(10年後の自分に聞かせてあげたいセリフだ)  この回に津嘉山正種がいしだあゆみの元カレで登場する。津嘉山と言えば、オープニングでのドタバタ劇専門でずっと登場していたが、ついに本編昇格かと。彼はその後、『真実一路』でも部長役で登場している。その後のOPドタバタはアパッチけんが引き継いでいる。
[DVD(邦画)] 10点(2012-04-29 23:26:04)(良:1票)
16.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 
マドンナは音無美紀子。  夢のシーンに続き、寅さんの小学校の同窓会の場面から始まる。同級生でいじられ役の東八郎が寅さんに逆切れするシーンが切なくて良い。そして、旅先では家出少女の岸本加世子にテキヤ仲間の小沢昭一。テキヤの女房役、音無美紀子は少し翳りのある美しさが光る。この回好きかも。  寅さん、音無さんとの旅先での別れの後、彼女と所帯を持つという決意を抱き、会社の就職試験まで受けるのだけど、結局最後は自分から身を引いてしまう。このパターンは『ハイビスカスの花』『あじさいの恋』や『口笛を吹く寅次郎』などこの時期の寅さんによく観られる。今回も音無さんがとらやの帰り道に寅さんにそれとなく気持ちを確かめるのだけど、寅さんはその気持ちを分かっていながら、答えられない。あれほどとらやの面々に所帯を持つという決意を語っておきながら、いざとなったら何故?って思うのだけど、それが寅さんなのね。音無さんとの2つの別れのシーンはとてもぐっときた。
[DVD(邦画)] 10点(2012-04-29 23:18:40)
17.  男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナは松坂慶子。  本作は、とにかく彼女の美しさに尽きる。全編を通して登場する為、その容貌や所作だけでも見応えが十分あった。松坂慶子演じる大阪の芸者ふみが幼くして別れた弟の死を知り、彼の彼女と対面する場面は泣いた。(このシリーズ泣いてばかりいるなぁ) 弟の死と寅さんとの出会いがきっかけとなり、彼女は芸者をやめて対馬での新たな人生に踏み出すことになるのだけど、その結婚相手が美術の田中先生(『仙八先生』)とは。。。ちょっと拍子抜け。  この回から満男役が吉岡秀隆に交代する。いよいよ満男もとらや一家の一員として存在感を発揮していくのである。(まだまだ大人しいけど) あと、今回は寅さんと芦屋雁之助とのからみがなかなか楽しかった。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-29 23:18:36)
18.  男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 《ネタバレ》 
マドンナは伊藤蘭。  キャンディーズ解散から2年後の作品である。彼女は、田舎の無教養で少しはすっぱだけど、純朴で熱意ある少女をうまく演じている。とにかく可愛らしい。今回の寅さんは、マドンナの父親役といったところ。いつもの恋騒動はないのだけど、伊藤蘭のことが可愛くて心配で仕方がないという父親のような寅さんの思いが泣かせる。そんな若いマドンナとの交流は『奮闘編』を思い出させる。  そして、伊藤蘭の通う定時制高校の教室でも人気者となる寅さん。最後に寅さんが勉強を志し学校に受験願書を出していたことをさくらが知らされるシーンには泣けた。その願書の寅さんの写真がすごくいいのだ。願書によれば、寅さんが生まれたのは昭和15年11月29日、御年40歳とのこと。(演じる渥美清が昭和3年生まれ) と騙されてしまうところだが、確か寅さんは15歳で家を飛び出し、20数年ぶりに葛飾柴又に帰郷したのが第1作。とすれば、その時37-8歳。(2作目でも38年前に産み落とされたと言っていた) 本作はそれから10年後なので、47-8歳のはず。寅さんは永遠の40歳という話もあるけど、その設定はあまりにも無理があるよ。(サザエさんじゃあるまいし。。。ん? 似たようなものか?)
[DVD(邦画)] 10点(2012-04-29 23:18:33)
19.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 《ネタバレ》 
マドンナは3回目の浅丘ルリ子。  リリー3作目である。毎度パターンの沖縄編という感じかな。ラストシーンも前回の変奏故に寅さんとリリー、とらやの面々も僕らも、予想通りのお約束なラストにがっかりというよりもひと安心か。。。寅さんの「所帯を持つ」というセリフも現実感が乏しく、正に夏の夜の夢の如き一篇でした。
[DVD(邦画)] 8点(2012-04-29 23:18:28)
20.  旅立ちの時 《ネタバレ》 
『旅立ちの時』の最大の魅力は、リバー・フェニックスその人に尽きると思います。リバーの演技、特に彼の切ない表情がたまりません。 彼と彼女(マーサ・プリンプトン)の出会いのシーン、何気ない散歩のシーン、初めてのキスシーン、自分の思いを告白するシーンなど、それは全て青春のオンパレードとなります。また、マーサ・プリンプトンがとても魅力的で、自分の愛情に正直な振る舞い、彼を一途に思う気持ちが胸を打ちます。それに対し、両親世代には自分たちの生き方に対するほろ苦さがあり、彼ら自身の親との断絶も描かれて、リバーの境遇を通して繰り返される家族の悲劇が僕らの胸を締め付けます。  リバーはとても従順な男の子で、決して両親に逆らわないのですが、そこには彼なりの葛藤があります。熱い気持ちと諦念が同時にあり、それはもどかしくも彼の中で静かに流れていきます。その描かれ方は、反抗の60-70年代とは違うし、現代的な無根拠で等価交換的な若者の振る舞いとも違います。ある意味で、リバーの姿こそ、僕らの世代(80年代をティーンエイジャーとして過ごした世代)の象徴のような気がして、なんとなく心置けない気持ちになるのです。  この家族は、反体制派であり、反社会的な存在の最たるものなのですが、その中にも「愛」があり、そして今や失われた「青春」があります。そして、大人になるということ。その道筋がしっかりと示され、達成されている。実は、とても真っ当な家族の姿だと僕には思えます。
[DVD(字幕)] 10点(2011-05-31 22:21:33)(良:1票)
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