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プロフィール
コメント数 2392
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ファイティング・ダディ 怒りの除雪車 《ネタバレ》 
リメイク版ではリーアム・ニーソンが起用されているそうだが、まさに北欧に生まれたリーアム・ニーソンともいうべき男ステラン・スカルスガルド。ぞのいかつい容貌には惚れ惚れさせられてしまいます、そういや本作では一切笑顔というか緩んだ表情を見せませんでしたね。まさにバイキング子孫の北欧男という感じなんですが、最近売り出し中の息子のビル・スカルスガルドが親父とは似ても似つかないラテン系の顔なのが不思議。 私が感じたのは、監督のこの映画での撮り方は北野武の風味が強いなということ。たしかにギャング同士の会話などにはタランティーノ風味もあるかもしれませんけど、場面転換や遠景に拘りを感じさせる景色の見せ方などは、北野武が撮ったと言っても違和感がないんじゃないですか。劇中で死人が出るたびに入る十字架と死者の名前のカットも、実にシュールで雰囲気があったなと思います。言われてみると「そうかな?」と納得はしますが、個人的にはこの映画が観終わるまでコメディだとは感じませんでした。でも観たときにはちょっと理解できなかったラストは、コメディとして観ればとてつもなくシュールなセンスですよね。 ノルウェーというととても民主的で平和な国というイメージがありましたが、当たり前ですがノルウェーにもギャングや反社がいるんですね、おまけにセルビア人マフィアも。あとノルウェー人がデンマーク人を嫌っていることも判りました(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-15 21:59:09)
2.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 《ネタバレ》 
テルモピュライの戦いの後日談だと思いきや、ほぼ同時進行していたアケメネス朝ペルシャのギリシャ侵攻がモチーフになっているんですね。今回はアテナイのテミストクレスがヒーローとなるわけですが、前作のレオニダス以上に筋肉バカぶりが凄まじい。史実に寄ればテミストクレスは戦略家というよりも権謀術数に長けた政治家と言うタイプで、後日にはアテナイから追放されてなんとアケメネス朝に亡命して晩節を汚した人物。ただひたすらにギリシャと自由を守らんと奮闘する姿は、あまりに歴史上の人物を聖人化していてドン引きします。製作者がなんと言い繕うとしても、この二作は文明の衝突をスプラッター系エンタメとしているに過ぎません。「ギリシャ文明ってそこまで神聖視して崇めるものなのか?」ていうのが、自分の率直な感想です。まるでエイリアンの様な描かれ方ですけど、アケメネス朝ペルシャだって高度なオリエント文明の一つだし、ギリシャの都市国家群だって、ギリシャ以外の土地をバルバロイと蔑み過酷な奴隷制度にあぐらをかいた挙句にポリス同士で殺し合いを繰り返して滅びちゃったじゃないですか。こういう欧米人の歴史感には、どうにもついてゆけないところがあります。 筋肉バカ・テミストクレスのお株を奪ってしまったのは、エヴァ・グリーン=アルテシミアの強烈なキャラであることは間違いないでしょう。あの視線の凄みには圧倒されます。キャラは盛っているんでしょうが、実際にサラミスで指揮をとったカリアのアルテシミア一世がモデルなんでしょうね。首を狩りまくるしテミストクレスとは乳出しでHしちゃう、もう唖然・呆然でございました。最後にはレオニダスの王妃=レナ・へディまで参戦して来て斬りまくるし、なんかいい所をこの二大猛女が持って行ってしまった感はあります。しかしこの海戦のシークエンスのスプラッター度はかなりのものでした。まあスパルタ船の参戦が雌雄を決したというのは、他のサラミス海戦の描写を含めてこれまたモリモリですけどね。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2024-03-20 23:06:07)
3.  ガンズ・アキンボ 《ネタバレ》 
死体役や変な悪役など最近おかしなキャラを演じることが多いダニエル・ラドクリフ、今回は両手にハンドガンを縫い付けられたシザーハンズならぬピストル・ハンズとなってしまいました。“なんでこうなるの?”という無茶苦茶なプロットだが、スキズムなる殺し合いタイマン試合をリアルタイムでネット中継サイトに悪口投稿したら、タトゥーまみれの主催者を激怒させて拉致され人体改造されて試合に無理やり出場させられたというわけです。まあなんか無理くり納得させてくれそうな設定だけど、このスキズム自体が最近日本でも物議をかもしているブレイキングダウンを連想させてくれて、なんかリアル感があります。ラドクリフ君が両手の銃を指代わりにせざるを得ず四苦八苦するところは笑えるが、掌に銃が文字通り釘づけにしただけの雑な改造は観るからに痛そう。対戦相手のこれまたタトゥーだらけの女・ニックスと協力するようになるだろうなって想像つきますが、彼女があんな最期を迎えるとはちょっと予想外でした。平和主義者であるラドクリフ君は基本として逃げ回るだけですけど、ニックスの方は多人数の敵の中に飛び込んでいって全部血祭りにしてしまう、爽快感はあるけどリアリティ無さすぎじゃね?前半のコメディ調がだんだん薄れてゆきシリアスになっちゃうのは、スピード感も失速してしまい残念でした。ラストで「これはラドクリフ君の妄想でした」という夢オチじゃなかっただけマシかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-17 12:33:36)
4.  ランナーランナー 《ネタバレ》 
優秀な一流大学生が頭脳を活かしてギャンブルの世界で活躍するというプロットのお話しは以前に観たことがあるけど、この映画ではポーカーもネット・カジノも主人公の単なる背景にしか過ぎず、この手の映画に付き物のコン・ゲーム的なおもしろさは期待しない方が良いです。テンポが良いのはイイとしても、ベン・アフレックの運営するネット・カジノの詐欺手口がどういうものなのかがさっぱり判らないのはこの映画の大弱点です。ジャスティン・テインバーレイクが演じる主人公も切れ者という感じが全くないし、ベン・アフレックに仕える過程もまるで『ラスト・キング・オブ・スコットランド』のアミンに魅了されるジェームズ・マカヴォイみたいな感じ、だけど肝心のベン・アフレックにカリスマ性が皆無なので全体的に薄っぺらな印象になっちゃうんだよね。ぶっちゃければ、ベン・アフレックはミスキャストだったという結論になりますかな。まあ暇つぶしにはちょうど良い尺だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-14 22:18:47)
5.  テリファー 《ネタバレ》 
久方ぶりに吹っ切れたスプラッター映画を観た気がします。これは免疫のある人でもピエロ恐怖症を患うことは間違いなし、劇中で一言も発しないピエロがただただ人を惨殺しまくるだけの映画ですからねえ。このピエロの造形がまた凄くて、とくに印象に残ったのが今まで観たことない鋭利な鷲鼻、これは演じたデヴィッド・ハワード・ソーントンの素顔を見ると特殊メイクだったことが判りましたけどね。彼は演じた感想としてこのピエロを“邪悪なMrビーン”だと評していますが、そんなこと聞くとMrビーンがサイコキラーになって殺しまくる映画を思わず想像してしまいました(笑)。その殺しの手口がまたエグくて最初に出てくる生首ジャック・オー・ランタンなんて可愛いもの、まさか古代中華で流行ったというのこぎり裂きまで映像で再現するなんて、こちとらの耐性を越えています。こういう拷問系スラッシャーはおフランスのお家芸と思ってましたが、完全に上を行っています。タラとドーンそしてタラの姉ヴィクトリアがメインの犠牲者ですけど、死亡フラグが立ちまくりのドーンはともかくとしてタラかヴィクトリアが反撃してピエロを倒すというのが普通のパターンなのに、見事に肩透かしを喰らわせてくれるバッド・エンドでした。まあピエロ自体がスピリチュアルな存在みたいですから、何をやってもムダだったというわけです。 不潔極まりない場所で延々と血まみれの映像を見せつけてくれるので普通の感覚では迷わず0点が妥当評価でしょうが、アート・ザ・クラウンという突き抜けたキャラには2点ぐらい献上しても良いかなと思う次第です。続編も製作され最近はPart3まで公開されているそうですが、果たして自分は観れるだけの耐性があるのかは自信がないです。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2024-02-07 12:59:57)
6.  バッド・ジーニアス 危険な天才たち 《ネタバレ》 
貴方は学生時代にカンニングをしたことがありますか?私はあります。でも、カンニングをビジネス化して大金を稼ぐなんて発想は思いつくわけもなく、現代はITテクノロジーがそれを可能にしてしまったわけだけど、どんなことでも金儲けの手段になるなら躊躇しないという世界になってしまったという事なんでしょう。まあこの映画のタイの高校生が使う手段はスマホなんだけど、あくまで情報伝達ツールであるわけで解答をデータに落とし込む手口はまさに悪知恵の極致と言えるもので、こうやって考えるといくらAIが発達しても人間の悪知恵の方が一枚上を行くんじゃないでしょうか。 タイの映画を観たのはたぶんこれが初なんだけど、いやはやいきなり凄い傑作にぶち当たりました。“バンコクの蒼井優”みたいな感じの舌を噛みそうでとても音読みできそうもない名前の主演女優、劇中で喜怒哀楽をほとんど見せない強烈な演技を見せてくれますが、実はファッションモデルで演技経験はゼロというのは驚き。彼女とペアでSTICに挑むバンク君が母子家庭、父子家庭の主人公とは左右対称みたいな環境で、二人を利用して試験突破を図るカップルはブルジョア家庭というところはちょっとありきたりな設定と言えなくもないけど、このバカップルをけっこうコミカルな存在としているのは良かったです。とにかく後半のSTIC試験のシークエンスでのサスペンスとハラハラドキドキは半端ない、まさに手に汗握るとはこういうことですな。たかがカンニングがここまでスリリングなストーリーになるとは、予想外でした。生真面目なキャラと思っていたバンク君が、ラストではふてぶてしいカネの亡者みたいになってしまうのは、自分にはまったく思いもよらない展開でした。邦画なら絶対に二人を恋仲にするラブコメみたいになるのが必定、こういうシビアな幕の閉め方を少しは見習ったらいいのにねえ。でもいちばんいい味出してたのは、リンのお父さんであったことは間違いなしでしょう。名前が出てこないけど、この人とそっくりな俳優が日本にいますよね、誰だったかな?
[CS・衛星(字幕)] 9点(2024-01-23 01:36:43)(良:1票)
7.  LIFE!(2013) 《ネタバレ》 
『虹を掴む男』のリメイクかと思ったら全然違うストーリーでした。もうこれは完全に紙媒体のLIFE紙の廃刊という実際の出来事をネタにした脚本で、ウェブ版に移行する際の社内リストラがけっこう赤裸々に描かれていて、買収先の企業が良く許容したなというレベルです。『朝日ジャーナル』や『週刊朝日』の休刊の内部事情をえげつなく映画化することを朝日新聞が大目に見るなんて、日本じゃ到底考えられないことです。前半のベン・スティラーの妄想は確かに派手にCGを使っているので判りやすいのですが、ショーンを追いかけてグリーンランドなどで冒険するところは妄想に入るところが曖昧で、自分は観終わるまであの冒険はスティラーのファンタジーとしての実際の活動だと思ってましたよ、まあ映画なんだからそれもアリでしょう。冒頭から“ショーンを捜して”というストーリー展開なので「ショーンって誰なんだろう?」という興味を否が応でも観客に持たせてくれますが、それがショーン・ペンだと明かされるところでは「なんだ、そのまんまじゃん」と苦笑してしまいました。とは言っても冒険パートでの雄大なロケ映像の数々、これだけでもこの映画を観る価値はアリでしょう。まだまだ元気そうなシャーリー・マクレーンを観れたのも、嬉しかったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-19 22:26:13)
8.  ロボコップ(2014) 《ネタバレ》 
全然違う製作陣だったけど『トータル・リコール』のリメイクが予想通りの出来だったので、しょうじき全然期待はしてませんでした。製作会社のロゴを観ればチャイナマネーが注入されていることは明白でしたが、オムニ社の生産拠点がもろ中国本土に置かれているという設定には、ちょっと頭がクラクラしてしまいました。という開始冒頭での懸念はその後も尾を引きましたが、けっこう真面目に撮られていることは確認できます。 オリジナルの傑作『ロボコップ』はなんせヴァーホーヴェンが監督でしたからグロ要素とデフォルメされたブラックセンスが満載でしたが、このリメイクはロボコップ化されたマーフィーの物語に重点が置かれた脚本で、荒唐無稽さは極力おさえられたストーリーテリングだったと思います。今作も悪の根源は当然オムニ社ですが、デトロイト市を乗っ取っているようなぶっ飛んだ存在ではなく、連邦議会の法律に規制をかけられている巨大兵器産業という感じです。本作での究極の悪役はCEOであるマイケル・キートンで、もう彼の芸風通りの悪辣さで、オリジナルのダン・オハーリヒーの様なとぼけた味わいは皆無です。オムニ社側のもう一人のキャラがロボコップ開発責任者のゲイリー・オールドマンですが、オールドマンらしくなく善玉でマーフィーを助けようと奮闘します。そう言えば彼は昔ほど悪役キャラを演じることが無くなってきている気がします、オスカー受賞したしイメージを気にするようになってきたのかな(笑)。ロボコップ=マーフィーの造形と思考なんかはより人間的になっているが、オリジナルにあった様なマシーンと化してしまって妻子にも正体を明かせないマーフィーの苦悩が観られないところはどうかと思うところです。マイケル・キートンが強烈過ぎて全般的に他の悪役が影が薄いのが難点と言えなくもないけど、軍事教官役のジャッキー・アール・ヘイリーだけは存在感を出してましたね。マーフィーの相棒も黒人刑事に変わったりしているけど、名前はナンシー・アレンの役名と同じルイスだったり、随所にオリジナルからの引用というか小ネタも使われていました。その相棒ルイスがブラック・カラーのマーフィーのコスチュームを見て、「お前、黒い方がいいな」と笑うところは、この映画で唯一笑えるところだったかもしれません。 結論としては、オリジナル版の毒味が好物な自分としては物足りないところが多々ありますが、オリジナルの無視した要素を膨らませた脚本として観れば面白いし、『トータル・リコール』のリメイクよりははるかにマシ、普通に退屈させないアクション映画だったと思います。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2024-01-16 23:33:38)
9.  マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 《ネタバレ》 
まあ確かにマーガレット・サッチャーは政治家としては毀誉褒貶が激しい人ではあるけど、どう見ても英国は“サッチャー以前/サッチャー以後”と区別できるほど国家として変貌を遂げたことは確かでしょう。そんな人物をメリル・ストリープに演じさせたということは、冗談ですけどそりゃ反則ですよ。正直なところ扮装自体はさほどサッチャーに似ているとは思わないけど、その話しぶりや仕草などはサッチャーそっくりなんだそうです。認知症を患っている引退後のサッチャーと亡霊のように彼女の幻視に現れる亡夫デニスとの対話を通じての回想というある意味オーソドックスなストーリーテリングなんですが、双子の子供のうち娘のキャロルだけを登場させて問題児のマークを出さなかったところはさすがに忖度でしょうか。『鉄の女の涙』という邦題の割には劇中メリルが涙を流す場面は皆無だったような気がしますが、「サッチャーが泣くところなんか誰も観たくないだろ」と考えたかもしれない脚本は正解だったと思います。実際のところサッチャーが公の場で涙を見せたのは、息子マークがバリ・ダカール・ラリーに出場して一時行方不明になった時だけだったそうです。デニス役のジム・ブロードベントとメリルの掛け合いはさすが名優同士だけに見応えがありましたが、その印象が強くてなんか舞台劇を見せられたような感もあります。そういうところが、ある意味でこの映画の弱いところなのかもしれません。 驚くべきはこの映画が製作されたときはまだマーガレット・サッチャーは存命だったということでしょう。公人だったとはいえ、その認知症を患っている姿まで赤裸々に描くとは、腰抜け揃いの日本映画界では考えられないことです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-13 22:42:08)
10.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト 《ネタバレ》 
やっぱお正月休みにはこれを観なくっちゃ、ミッション:インポッシブル=トム・クルーズ大サーカスをね(笑)。前作を観たのはずいぶん前だったのですっかり忘れていましたが、本作は実質的に前作の続編みたいなものです。思えばこのシリーズ、回を重ねるごとに尺が長くなっていて、最新作に至ってはPART1・2に別れていて、PART1だけで2時間40分の上映時間ですからねえ。本作はメイン舞台がパリでアドレナリン中毒のトム・クルーズが骨折までして身を張ったアクションを見せてくれますが、観てるこっちも麻痺しちゃってるのかもしれないけど心なしか地味な感じがしましたが、やっぱ終盤カシミールを舞台にしたチョッパー・アクションは見応えがありました。あれってやっぱトム・クルーズ本人がぶら下がってるんですかね?だとしたらやっぱこの人頭おかしいですよ(笑)。というか実際にカシミールでロケしたわけじゃないけど(ニュージーランドとノルウェーらしいです)、あんな凄い断崖絶壁で撮影したこと自体が狂ってます。ストーリーはよくあるカウントダウン・サスペンスで閉めるあたりはさすがにマンネリと脚本家は思ったのか前半にいろいろと複雑な要素を詰め込みましたが、とくに前作を観てないかストーリーを忘れてしまった自分の様な観客には状況を把握するのには骨がおれます。まあそれでもジョン・ラ―クの正体はすぐ判りましたけどね。ホワイト・ウィドウが一作目に登場した武器商人マックスの娘だというのにはシリーズ愛好者の琴線をくすぐりますが、ジュリアがイーサン・ハントの知らないうちに再婚していたのは、ちょっと衝撃でしたね。IMF長官のアレックス・ボールドウィンが殉職したのもなんか興味深い、なんせ彼は三年後の撮影事故騒動でハリウッドから追放状態になってしまったから妙にタイミングが良かったというか… というわけでシリーズお約束通りの出来栄えでしたが、みんなが期待している要素はとりあえず全部見せてくれたし、まあ自分としても満足できたと思います。やっぱこういうアクション満載の映画は、尺の長さは感じさせないところが好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-07 22:59:40)
11.  屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ 《ネタバレ》 
偏見だとお怒りを買うかもしれないけど、私の中では“変態・連続シリアルキラーと言えば本場はドイツ”というイメージがあるんだよね。まあ“20世紀最悪のシリアルキラー”ともいえるヒトラーの存在が大きいのかもしれないけど。そんなドイツのシリアルキラー列伝の中でも、ペーター・キュルテンの様な大物じゃなくてフリッツ・ホンカなぞというドイツ人にも半ば忘れられたような小者をわざわざピックアップしてくる監督の趣味には驚かされます。犠牲になったのも老売春婦がたったの(?)4人、しかも自宅アパートで他人が火事を起こすまでまったく警察もノーマークだったというのも驚きです。このファティ・アキンという監督の映画は初見ですが、フィルモグラフィを確認するとそれなりにしっかりした作品ばかり、ドイツ映画で時おり現れる頭のネジが緩んだインデペンデント系のスプラッター監督とはほど遠い人みたいですね。ホンカの住居やたむろしていた酒場なども、その吐き気を催す様な不潔さを含めて高い再現度。そしてホンカ役の俳優もかなり本人に寄せた役造り、とにかくあの奇形かと思うぐらいの猫背は観るに耐えず、「もっと背筋を伸ばしてシャキッとせんかい!」と怒鳴りつけたくなります。犠牲になるのも見るに堪えない容姿のおばさんばかりで、よくこんな女優を見つけてきたなとある意味感心してしまいました。酒場の常連や職場の掃除婦夫婦もヘンな連中ばかり見せられた感じで、ほんとこの映画にはまともな人間はいないと断言しても過言じゃない。冒頭でホンカに眼をつけられたけどその後に全く登場しなかった少女が、ほとんどラスト近くに再登場してホンカに狙われる展開は、ちょっとスリリングで良かったかな。 正直言って観てしまったことをマジで後悔してしまうような映画ではあります。しかし監督の演出力はたしかに感じることが出来ましたが、そんな人がなんでこんな映画を製作したのかはナゾです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-12-08 22:39:28)
12.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
この作品がオスカー作品賞を獲ったのは、韓国では大統領がまだザイトラとかいう人だったころ。当時の韓国は国策でKポップとやらが世界でムーブメントになっていると有頂天になっていて、ボーイズアイドルのグループをなんと国連総会に連れてってスピーチさせるなんて暴挙に出たりしていた。私からすれば韓国映画がアジア映画としては初めてオスカー作品賞を受賞したってことの方がよっぽど一大快挙、「ついに韓流映画もここまで来たか」と感無量でした。ところが韓国では何とか少年団の時とはほど遠い冷めた反応だったんじゃないかと思います。まあそれは華やかで先進的なイメージをアピールできるポップスと違いこの映画のテーマが格差社会である韓国の恥部に触れていたからなんだろう、こういうところは実に判りやすい国だと思います。 日本でも山の手と下町という区別が昔からあるように、富裕層は“上”庶民層は“下”というところはどんな国の都市にもある地理区分みたいですね。それにしても“半地下”という住環境はちょっと凄いですね、これは黒澤明の『天国と地獄』の設定が彷彿されます。前半の一家四人がそれぞれ他人を装って使用人としてセレブ家に入り込んでゆく過程は、ブラックでとぼけた演出もあって面白いですね。これはジョセフ・ロージーの『召使』みたいな感じで主人一家を操ってゆくのかと思いきや、嵐の晩を境に想像のはるか上を行く展開になってゆくわけです。この映画の中ではセレブ家のセットの造りこみが豪華で、こういうカネのかけ方からして日本映画が韓国映画に勝てないのが納得できます。ただラストはいかにも韓国映画らしい惨劇展開でしたが、後日談をつけた引っ張り具合はちょっと冗長だなと感じました。決して凡作ではなくその切れ味にも鋭いところがあるのですが、オスカー作品賞を獲るほどの出来なのかはちょっと?というのが感想です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-11-16 12:13:02)
13.  舞妓はレディ 《ネタバレ》 
舞台となる下八軒は京都五花街の一つである上七軒のもじりですね。つまり架空の花街なんですが、ファンタジーを基調としたミュージカルですからセットで撮影されるミュージカルとしては完全に人工的な夢世界の設定でもあるわけです。周防正行の今までの作品には、劇中でのバック・ミュージックの使い方のセンスにはミュージカル風味が感じられていたので、ついにミュージカル映画を手掛けたということには驚きはあまりなかったが、タイトルが『マイ・フェア・レデイ』のダジャレとはびっくり。内容もまさにイライザとヒギンズ教授のストーリーを京都の花街の舞妓に兌換するというアイデアはなかなか奇抜ですな。「京都の雨はたいがい盆地に降る」なんて『マイ・フェア・レデイ』の“スペインの雨”をパロったような歌もありましたが、だんだんと独自の世界線が展開されていたと思います。やはりこの映画は800人の中からオーデイションを突破した上白石萌音の存在無くして成立しないでしょう。その後に紅白歌合戦にも出場したぐらい歌手としても活躍していますけど、その歌唱力は半端ありません。あのテーマソングは、初めて聞いた時から頭から離れない中毒性があります。長谷川博己を始め他の出演者の皆さんもほんとお上手、もっとも高嶋政宏だけはほとんど怪演でしたけどね(笑)。まだ芸能界デビューして間がない頃の上白石は仕込み時代の春子の野暮ったさが似合っていたけど、舞妓になってからの可憐さは思わず瞠目してしまいました、まさしくアイドル誕生です。こういう観る者を愉しませてくれるミュージカル映画がもっと日本映画には必要なんじゃないでしょうか。 YouTubeにアップされている京都花街の動画を観ると、「ここは本当に日本なのか?」と絶句するぐらい外国人観光客であふれかえっています。みんな舞妓や芸妓が現れると群がって写真を撮りまくり、でも彼女らは誰も視界に入っていないかの様に凛とした歩みでお茶屋に入ってゆきます。今や彼女らはファッションモデルで、京都の小路はランナウェイなんだなと感じた次第です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-11-15 23:42:14)
14.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
前半は「えらくオールドスタイルなミュージカルだな」と思っていたら、中盤以降は完全にほろ苦い大人のラブストーリーでした。売れないジャズピアニストと女優志願の娘が主人公という典型的な“ボーイミーツガール”なんですが、デイミアン・チャゼルはあえて奇をてらわないというか一周回って新しさを感じさせるようなノスタルジー、スタジオ・クレジットと“CinemaScope”のロゴの見せ方なんかはモロでしたね。この映画はミュージカルではなく、いわば“ミュージカルをフューチャーした恋愛映画”と捉えるべきでしょう。多彩なミュージカル・シークエンスを期待していたこちとらにはちょっと拍子抜けでした。それでもベタではありますが、ラストの“二人が歩んだかもしれなかったもう一つの人生”を見せるミュージカル・シークエンスは感無量です。この映画は音楽以上に色彩設計が素晴らしい。冒頭のダンス・シークエンスはもちろんですが、セブとミアの心情を表すのに青系や赤系そしてそ補色として黄色と緑が、セットや情景そして衣装に効果的に使われています。演技としては、やはりエマ・ストーンが良かった。これほど演技しているような表情(ちょっと変な表現ですが)で歌唱できる女優だったとは、観直してしまいました。あと前半にワン・シーンだけ出演してライアン・ゴズリングをクビにするJ・K・シモンズ、これは『セッション』のパロディなんですね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-11-06 21:41:08)(良:1票)
15.  スプライス 《ネタバレ》 
“むかし放射能、いま遺伝子操作”がSF・ホラー系映画でモンスターを産み出す理屈の定番ですけど、けっきょく健康被害は別としても短期的に生物を変異させるような影響が無いことが認識されている放射線と違い、DNA操作は意図せずにトンデモナイものが誕生してしまう危険性が多々あるのが怖いところです。この映画はあの『スピーシーズ/種の起源』と発想は同じくするものの、あんな無茶苦茶なお話しとは違ってじわじわ来る恐怖というか嫌悪感を追及してゆくストーリーなのは評価しておきたい。 門外漢のわたくしには新規のたんぱく質を生成するためになんであんな怪物を創造しないといけないのかは?なんですが、最初に登場する“ジンジャーとフレッド”からして気持ち悪いことこの上ない。でもほんと生理的にしんどかったのが幼年期までの“ドラン”の方で、あのドレスを着た姿なんて思わず眼をそむけたくなります。“ドラン”はサラ・ポーリーの卵細胞が使われたいわば子供のような存在だってことはバレますけど、成長するにしたがって文字を駆使したり絵を描いたりするようになるのはちょっとやり過ぎだったんじゃないかな。サラ・ポーリーの母親の精神的な問題が暗示するように、“ドラン”にもポーリーを通じて異常性が遺伝してしまったという解釈が妥当のようです。このストーリーのトンデモナイところは、エイドリアン・ブロディが“ドラン”と、サラ・ポーリーが性別転換後の“ドラン”と性交しちゃうところで、これはホントにおぞましい。まあブロディはともかくとしてもポーリーの方はもう近親相姦としか言いようがないわけですからねえ。 ラストの展開ですけど、明らかにありふれたモンスター映画に寄せてしまったのは失敗でしょう。“ドラン”に羽根のようなものが生えてくるのも意味が不明、沼地のシークエンスもほんと暗くて何が起こているのかさっぱり判らずストレスが溜まりました。けっきょくほぼ皆死んでサラ・ポーリーだけが生き残る後味の悪いバッドエンドで、とにかく禍々しさだけが印象に残りました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-10-18 21:47:34)
16.  ブラック・スキャンダル 《ネタバレ》 
なんかとても既視感がある物語だというのが感想だが、そう、スコセッシの『ディパーテッド』が浮かんできたんだよね。実際のところどっちも舞台はボストン、『ディパーテッド』でジャック・ニコルソンが演じたフランク・コステロは、ジョニデが演じたバルチャーがモデルなんだとか。もちろん『ディパーテッド』はフィクションなんだけど、ノン・フィクションが原作の本作と較べても、良く出来た脚本だったなと思います。中盤でステーキのレシピをダシにしてFBI捜査官に因縁をつけるシーンは、これまた『グッドフェローズ』でジョー・ペシが見せる恐怖の因縁付けのもろパクりというかオマージュなんでちょっと呆れました。でも熱演だったことは評価せんといかんと判っているけど、ジョニデの禿げ頭ギャングはどうしても違和感があるんだよな。自分には、『パブリック・エネミーズ』も含めて彼のギャング役はどうしても馴染めないんだよな。本作での彼の役柄は、家族との絆は深いがただただ冷酷非情で陰険なギャングの親分、それも最後までチンピラ感が抜けないキャラでした。これじゃあ手下たちから裏切られて証言されてしまったのは、もう自業自得としか言いようがない最期でした。邦題を『ブラック・スキャンダル』とした意図には、ギャングの犯罪よりもFBIとギャングの癒着がこの映画のテーマだと解釈した結果だと思いますし、それは正解だったと自分は考えます。 事実を追っただけなのでしょうがなかったのかもしれませんが、決して後味が良くない陰惨な物語でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-09-11 21:39:09)
17.  ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 《ネタバレ》 
最近のハリウッドで#MeToo運動やらカトリック聖職者問題やらでの内部告発ものを題材としたお話しが流行っているけど、巨匠スピルバーグとドリームワークスが選んだのは50年も前のペンタゴン・ペーパー事件。7000ページもの紙文書を一人で手焼きコピーしたなんて、デジタル化が進みSNS全盛の現代では想像を超えるものがあります。この米国史を変えた大事件をメリル・ストリープとトム・ハンクスを使ってスピルバーグが映像化してるんだから、そりゃ見応えがあるってもんです。その特ダネを巡ってワシントン・ポストとNYタイムズのライバル紙同士がが凌ぎを削る展開をテンポよく見せてくれるのは、スピルバーグの力量にすれば余裕です。メリル・ストリープはスピルバーグ作品には初出演ですけど、夫の死後ワシントン・ポスト社主を継いだキャサリン・グラハムを余裕の好演で、今やお約束のオスカーおよびゴールデン・グローブの主演女優賞ノミネート。ふてぶてしささえ感じさせるポスト紙の編集長はトム・ハンクスですけど、さすがのハンクスも今回はメリルに喰われてしまった感がありました。この映画でのスピルバーグの視点は『リンカーン』に通じるところがあり、米国の民主主義の原点を真正面から見据えていこうとしています。ジャーナリズムが政治を正した世界史でも稀有な事例ですから、こういう風に感動作になるのは必然でしょう。まあこれがオリヴァー・ストーンなら『スノーデン』を撮っているぐらいだから、もっと捻った後味の悪い映画となったでしょうね。 それにしてもこういうテーマの作品を観るたびに実感させられるのは、“報道しない自由”を乱用する我が国のマスコミのだらしなさですね。そりゃ米国だってジャーナリズムはビジネスですけど、なんかその根幹があまりに違うんじゃないでしょうか。まあ記者クラブなんて組織がある時点で、もう問題外ですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-08-15 22:59:34)
18.  エンテベ空港の7日間 《ネタバレ》 
エンテベ空港奇襲作戦については、直後に『エンテベの勝利』と『特攻サンダーボルト作戦』という便乗したTV映画が粗製乱造されたのとメナヘム・ゴ―ランがさらにそこへ便乗して一本撮ったぐらいで、なんでまた40年以上もたってからこのテーマなのかというのは?ですね。『勝利』とか『特攻』なんて勇ましい言葉がタイトルにつくので察せられるとおり、二本のTV映画は奇襲成功に浮かれたハリウッドのユダヤ系俳優たちが結集した一種のエクスプロイテーション映画みたいなものらしいので、ある意味本作はこの事件をテーマにした唯一のまともな映画なのかもしれません。 監督が『バス174』を撮った人なので、全編を通じて重苦しいドキュメンタリー・タッチで、カタルシスはまったくありません。テロリスト側とイスラエル政府内の動静を均等に描いている感じですけど、テロリスト・サイドをいわゆるサイコパスじゃなくて偏った思想を持っているけど普通の人間として描くので、そこには批判があるかもしれませんが映画の評価としては妥当ではないと思います。とくに二人のドイツ人テロリストが、ロザムンド・パイクは別にしても相方がダニエル・ブリュールですからね、狂信的なヴィランの訳が無いじゃないですか。イスラエル政府内でも、ラビン首相とペレス国防相のいかにも政治家らしい責任の押し付け合いというか駆け引きを赤裸々に描いているのも面白い。渋った首相もギリギリで作戦にGOを出すのですけど、成功の一報が入っても歓喜の表情を見せるのでもなく、「このまま交渉不能なら、この戦争は終わらないぞ」と呻くところが印象に残ります。ラビンは実はテロリストと交渉する寸前だったぐらいなので作戦決行は苦渋の決断で、決断から逃げて「一人の生命は地球よりも重い」という迷言とともにハイジャック犯に降参したどこかの国の総理大臣とはえらい違いでした。 これだけ劇的でスリリングな出来事をここまで(あえて)盛り上げずに映画化するというのは、ある意味で偉業なのかもしれません。でもそれが万人受けするわけじゃないというところが、難しいところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-08-11 12:21:19)
19.  マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 
実在のフローレンス・フォスター・ジェンキンスは歌手活動する前はピアノ教師をしていたぐらいで、決して自分のような根っからの音痴というわけではなく普通人以上の音楽的な才能(?)はあったんじゃないかな。でも歌わせると凄まじい破壊力を発揮したということは、絶対音感を持ち日芸のピアノ科を出ているのに…というあの山口めろんが思い出されます、彼女こそ現代に転生したマダム・フローレンスなのかも(笑)。まあこういうのって、障害の一種なのかもしれないですね。 歌唱力には定評のあるメリル・ストリープが熱演していますが、この映画の最大の欠点は私のような音感が鈍い人間からすると、マダム・フローレンスの歌がさほど酷くない、かえって上手く聞こえてしまうという事なんでしょうね。それこそ山口めろんみたいな“本物”を起用すれば良かったかもしれないけど、さすがに人材豊富な英米映画界でも見当たらないでしょう。まるで重婚してるような謎の男ヒュー・グラントも、彼が今まで演じてきたキャラからすると絶対裏でなんか悪さしてると疑って観ていましたが、実は最後までイイ人だったというのは意外でした。全体的に観てこの映画に登場するキャラはイイ人ばっかりだった印象、そりゃあNYポストの記者が酷評記事を書いたのはジャーナリストとしては当然の務め、賄賂を受け取らない・忖度しないというのは褒められるべきことで、某芸能事務所に忖度しまくる我が国のマスコミ人士は恥を知った方がいいです。 要約すれば「素人で音痴の金持ちの有閑マダムが、カネとコネにモノを言わせてカーネギー・ホールで公演する」という身も蓋もないお話しになっちゃうんですけど、あまりコメディに寄らないベタな展開にも関わらずホロリとさせてくれるラストでした。やはりこれは、メリル・ストリープとヒュー・グラントという二大名優の成せる業なんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-21 21:46:36)
20.  アス 《ネタバレ》 
『ゲット・アウト』は自分としては愉しめたし「おっ、これは新しい俊才が登場したか」とジョーダン・ピールの活躍を期待していたのに、「こいつは実はM・ナイト・シャマランの再来なのかも…」というのが観終わった感想です(笑)。しょうじき、これほど訳が判らないホラーには久しぶりに出会った気がします。だいたいからして全編の三分の二は夜間か照明のない場所の上に主人公の四人家族が黒…(ポリティカルコレクトネスに抵触しそうなので、以下自粛)なので余計に何が起こっているのか判りにくい。たしかに家族のドッペルゲンガーが庭に現れるところは稀に見る不気味なシチュエーションなんですが、その後はキ〇ガイ殺人鬼とのタイマン勝負を延々と見せられただけだった気がします。私は説明のつかない不条理とかはホラーには需要なファクターだと思っているんですけど、せっかく映像的には理解しがたい絵面を所々に挟んでいるのに、ネタばらし(というほどには筋が通っていない)みたいなことを最後に持ってくるから余計に印象が悪くなったんですよ。母親と息子が見つめ合うラストカットには、「オチはそれかい!」と思わず突っ込んでしまいました。 こういう方向に進むのなら、最新作の『NOPE/ノープ』もあまり期待出来ないなぁ…
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-05-25 21:55:29)
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