コレクター(1965) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > コ行
 > コレクター(1965)
 > 鱗歌さんのレビュー
コレクター(1965) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 コレクター(1965)
製作国,
上映時間119分
劇場公開日 1965-08-14
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
いい雰囲気なんですけどね~、「監禁される家」の周りののどかさはかえって不気味であるし、背景に流れる音楽(3拍子系)のユーモラスさも印象的。今の映画であれば「犯人は変質者なんだから家の中も荒んでいて…」と家の中の光景はオドロオドロしく描くところかもしれないけど(そして実際、「ゴミ屋敷に平気で住んでいる神経」ほどオソロしいものは無いんだけど)、そこまで描かなかったのは“まだそんなエゲツナイ映画が作られうる時代ではなかった”という限界であるのかも知れないし、また一方では「そういうアプローチもあるよなあ」と思わせる部分でもあります。犯人は「幼稚」で「変」ではあるけれど「異常者」では無い。うん、そこまでは良いんだけど……あとはそこにどういうメリハリを持ち込むか。その路線だけで引っ張り続けるのは、やっぱり、弱いのでは。誘拐した者とされた者との関係が、確かにその場その場において緊張感は孕んでいても、物語の推進力にはなりきれず、停滞してしまう。犯人がドアを開けっ放しで出ていくシーン、ドアから入ったままの光によって、開けっ放しであることが我々にも示されるのだけど、あえてワンカットで表現するのが効果的とも限らないでしょう(開いたドアを「発見する」という驚きが、そこにあるか?)。実際、この「ドア開けっ放しワンカット描写」は映画の中で2度出てきて、どうも誘導的、手続き的に感じられちゃう。はたまた、囚われの女性が犯人に追いつめられると背景に蝶の標本が並んでいる、というシーン。犯人に捕まり殺された蝶たちの運命と、女性の運命とが重なり、「ついに殺されるのか!」という場面なんだけど…これも物語に必ずしも貢献せず、「ちょっと面白いメタファーでしょ」的に単発で終わっちゃう。と言う訳で本作、節度をもって描かれたスリラー映画で、それなりにコワくもあるんだけど、いささか上品に落ち着き過ぎではないか、もっと強引でもいいやんか、という気がしちゃうんですね。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-22 07:32:18)(良:1票)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-14片腕必殺剣7レビュー6.33点
2024-04-07ゴーストバスターズ/フローズン・サマー7レビュー5.25点
2024-04-07わが青春のアルカディア7レビュー3.90点
2024-03-31ソニック・ザ・ムービー6レビュー6.44点
2024-03-31ジョン・ウィック:パラベラム8レビュー6.57点
2024-03-30ウホッホ探険隊5レビュー6.07点
2024-03-30CURE キュア8レビュー6.67点
2024-03-24透明人間現わる8レビュー4.33点
2024-03-17宇宙人東京に現わる6レビュー4.70点
2024-03-16復讐の荒野(1950)7レビュー7.00点
コレクター(1965)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS