ダーク・シャドウ(2012) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > タ行
 > ダーク・シャドウ(2012)
 > 鉄腕麗人さんのレビュー
ダーク・シャドウ(2012) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ダーク・シャドウ(2012)
製作国
上映時間113分
劇場公開日 2012-05-19
ジャンルコメディ,ファンタジー,リメイク,TVの映画化
レビュー情報
ティム・バートンについては、この10年余りの作品はもれなく劇場で鑑賞している。
ただし、実のところ今作は劇場鑑賞をスルーしようかと思い始めていたところだった。
その理由は、この数年の彼の監督作品には、魅力的なイントロダクションに反して今ひとつパンチに欠け、フラストレーション過多だったこと。そして、そのことが“黄金コンビ”である筈のジョニー・デップとの実に8度目のタッグに対しても、猜疑心を生み始めていたからだ。
イントロダクションで伝えられるビジュアルを見た時点で、彼らが組んだ過去作の幾つかと似たような雰囲気の映画であることは明らかで、殊更に食指をすぼませた。

しかし、それらは完全に杞憂、取り越し苦労だった。
「なんだ面白かったじゃないか!」と静まらない高揚感を感じつつ、レイトショーの映画館を後にした。

この監督の過去作と世界観が似通っていることは間違いない。そこに“いつものように”ジョニー・デップが主演俳優として座しているわけだから、二番煎じ、三番煎じと揶揄したくなる気持ちも分からないではない。
でも、これがティム・バートンの映画である以上、それはまったくのお門違いだ。

これこそがティム・バートンという映画監督の“世界”であり、久しぶりに彼の「美学」が存分に爆発している映画だと思う。
ビジュアルのクオリティーのみが際立って、映画の根本的な世界観に欲求不満を禁じずに得なかったここ最近の作品に比べ、今作は圧倒的に振り切っている。
えげつなさも、可愛らしさも、映し出されるすべてが「ティム・バートンらしい」という表現である意味強引に納得するしかない力強さが溢れていた。

そして、こういう“この監督”の世界観に違和感なく息づけるのは、やっぱり“この俳優”しかいないと、改めて納得してしまった。

60年代の人気テレビシリーズの映画化だけに、ストーリーそのものは良い意味でも悪い意味でも“チープ”そのものだ。突っ込みどころも枚挙にいとまが無い。
けれど、そういったチープさも突っ込みどころも、この映画に映し出されるすべてのものが愛おしく思えてくる。

もはやこれは、完全に個々人の嗜好によって判別するしか無い映画世界だろうと思う。
ただ僕は、海の底で“監督の愛妻”がカッと目を見開いたその先も延々と繰り広げられるだろう、この奇妙な家族の奇々怪々な生活模様が気になって仕方が無い。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-31 23:32:39)(良:1票)
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-28ドミノ(2023)7レビュー6.87点
2024-04-14名探偵コナン 紺青の拳3レビュー4.54点
2024-04-09デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]8レビュー7.00点
2024-03-31オッペンハイマー9レビュー6.43点
2024-03-24DUNE デューン/砂の惑星 PART27レビュー6.50点
2024-03-10アルキメデスの大戦8レビュー6.60点
2024-03-02アラジン(2019)7レビュー7.24点
2024-02-24マーベルズ6レビュー4.87点
2024-02-23別れる決心9レビュー8.66点
2024-02-12かがみの孤城6レビュー7.53点
ダーク・シャドウ(2012)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS