おくりびと の 花守湖 さんのクチコミ・感想

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おくりびと の 花守湖 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 おくりびと
製作国
上映時間130分
劇場公開日 2008-09-13
ジャンルドラマ,コメディ
レビュー情報
《ネタバレ》 「泣き女」という職業も、おくりびとです。葬儀の時に、遺族と一緒になって、おおげさに号泣する人たちのことです。中国や日本の一部でそういう仕事がありました。しかし今の世の中は、お金を出してまで、納棺士や、泣き女を呼ぶ人はいません。外国に誤解されないためにも私は言いたい。もう日本には、納棺士も、泣き女も、ちょんまげをした侍も、忍者もいません。わが国では、死後の遺体の処置は、病院の衛生を保つために、看護婦が行ないます。新米看護婦の最初の仕事は、遺体洗いだとさえ言われます。もちろん彼女たちは、死化粧も行なう。私の住む地域では、看護婦に特別手当(おくりびと手当)が支給されていましたが、いつしか廃止されました。なぜなら看護婦が行なうおくりびとの行為は、通常業務の1つだという認識がしだいに定着してきたからです。それなのに本作品では、イケメン納棺士を登場させ、チェロを弾かせている。一番びっくりしたのは日本人ではないでしょうか。納棺士?なんだそれは?カリスマ美容師みたいにカッコいいじゃん、と思った人が多いはずです。日本にはまだ忍者がいるぞと宣伝しているようなものです。この誠実とはいえないパフォーマンスがアメリカでは受けて成功しました。主役は元ジャニーズ。このイケメン納棺士が仕事を始めると、突然、幻想的な音楽が洪水のように流れてくる。あまりにも賑やかなので、笑ってしまいました。死の静謐さも死の匂いも、すべて音楽にかき消されていました。死の本質をこんなにも無視してまで、娯楽に仕上げる必要があったのでしょうか?それに遺族がイケメン納棺士をほめすぎる。亡くなった妻の顔をみた夫が、「今日のあいつの顔が、今まで一番きれいだ」なんて失礼すぎる。生前の妻はいったいどんなメイクをしていたんだ。厳粛な「死」を扱いながら、美しい宮崎アニメ系の音楽、美しいジャニーズ系の納棺士、美しいタレント系の妻、まさにイメージ先行の娯楽映画でした。
花守湖さん [DVD(字幕)] 3点(2009-05-15 21:35:55)(良:5票) (笑:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2016-08-16オデッセイ(2015)9レビュー6.82点
2015-10-12メイズ・ランナー8レビュー5.82点
2015-08-16マレフィセント10レビュー6.27点
2015-06-25ブルージャスミン0レビュー6.43点
2015-06-25ゴーン・ガール10レビュー6.87点
2015-01-04トランスフォーマー/ロストエイジ1レビュー5.42点
2014-11-09シュガー・ラッシュ9レビュー7.50点
2014-10-25チチを撮りに8レビュー6.76点
2014-10-18永遠の01レビュー6.27点
2014-10-05それでも夜は明ける9レビュー6.50点
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