必死剣 鳥刺し の イニシャルK さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ヒ行
 > 必死剣 鳥刺し
 > イニシャルKさんのレビュー
必死剣 鳥刺し の イニシャルK さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 必死剣 鳥刺し
製作国
上映時間114分
劇場公開日 2010-07-10
ジャンルドラマ,時代劇,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 藤沢周平の「隠し剣」シリーズの一篇を映画化した平山秀幸監督の時代劇。山田洋次監督以外の藤沢周平原作映画を見るのは初めてだったが、かなり本格的な時代劇でなかなか面白かった。打ち首覚悟で藩主(村上淳)の側室(関めぐみ)を斬殺したトヨエツ演じる主人公・兼見の処分がなぜ軽かったのかという点は最後まで興味を引くし、この主人公の生き様とでも言おうか、それを描いたドラマとしてもよく出来ていると思う。この兼見と吉川晃司演じる別家との対決、およびその後の大人数を相手にした決闘シーンがすごい迫力で、最近はCG処理されることの多い流血シーンを血糊で撮影したりしていてかなり気合が入っていてこれぞ本物の時代劇という感じがした。そして最後に兼見が繰り出す必死剣 鳥刺し。先ほども書いたように最初、側室を殺めた時点から死を覚悟しているような兼見だが、この技はまさにそんな兼見の執念がにじみ出ていて本当にすごかったし、兼見を利用するだけしておいて側室同様に道理に反することをし、結局は鳥刺しによって命を落とした家老・津田(岸部一徳)や最初に兼見に殺された側室の最期は兼見とは対照的でなんとも皮肉めいている見事な結末だった。最後のシーンが来るはずのない兼見を待ち続ける里尾(池脇千鶴)というのも余韻を残すうまいラストシーンだった。ただ中盤あたりに兼見と里尾の濡れ場があったのは余計だったかな。それに岸部一徳を時代劇で見るとたいがい悪役なので意外性に乏しく、側室役の関めぐみもわかりやすすぎる悪女でちょっと残念。とはいえ、トヨエツを時代劇の主役で見るのは初めてかもしれないが、静かな抑えた演技で味のある演技をしていてとても良かった。それにかなり久しぶりに見た平山監督の映画だったが、また平山監督の映画に興味がわくにじゅうぶんな出来だったと思う。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2012-07-06 23:28:32)(良:3票)
イニシャルK さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-28劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト5レビュー5.30点
2024-03-18決算!忠臣蔵7レビュー6.17点
2024-03-10花よりもなほ5レビュー5.71点
2024-03-03小早川家の秋8レビュー7.10点
2024-02-18秋日和8レビュー7.34点
2024-01-28竜とそばかすの姫5レビュー5.30点
2023-12-07GHOSTBOOK おばけずかん6レビュー6.40点
2023-11-26BALLAD 名もなき恋のうた5レビュー5.23点
2023-10-28特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション5レビュー5.00点
2023-09-14リトル・マーメイド(1989)6レビュー6.78点
必死剣 鳥刺しのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS