ヒッチコック の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

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ヒッチコック の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ヒッチコック
製作国
上映時間98分
劇場公開日 2013-04-05
ジャンルドラマ,伝記もの
レビュー情報
ホラーやサスペンスというジャンルにおいて、当該ジャンルの流れを一変させるような傑作は、主にインディーズから現れると言われます。作品の内容に口出ししてくる人間の数が少ない、また、倫理コードという制約条件の影響を受けづらいという自由な製作環境が革新的な映画を生み出す素地となるためですが、例外的に『サイコ』は、大手スタジオにおいて生み出されたホラーの傑作でした。監督の自費で制作されたとは言え、大手スタジオの看板を背負う以上、スタジオの重役達は口を出してくるし、検閲官だってあれこれ文句をつけてくる。そんなハイプレッシャーな環境の上に、愛妻の不倫疑惑や、過去に因縁を抱える主演女優との微妙な関係、さらには自身の体調不良まで、本当に多くの問題を抱えながら、それでも意地を通して傑作を作り上げた天才監督の姿には非常に興味深いものがありました。ヒッチコックのフィルモグラフィーは傑作揃いであり、息を吸うように名作を撮っていたというイメージがあっただけに、これだけの苦労をしながら、それでも映画に拘っていたという点は、個人的に意外でもありました。。。
また、本作は老人映画でもあります。40年超のキャリアを持つスピルバーグや、70代のリドリー・スコットがハリウッドのトップに君臨する現在とは違い、50年代・60年代の一般的な映画監督の賞味期限は10年程度でした。生き神様の域に達していたデミルやワイラーならともかく、無冠の帝王にして、50年代には何本もの映画をコケさせていたヒッチコックは、「そろそろ引退しては?」という周りからのプレッシャーを受け続けていました。しかし、彼は「まだまだやれる」ということを証明しようとします。『世界最速のインディアン』の主人公のように。ヒッチコックが『サイコ』に拘ったのは、原作や題材の良さだけではなく、これが誰もやったことのない、まったく新しいものだったからであり、自分の感性の若々しさを証明するためには、これしかないと考えたためでしょう。時代遅れと言われていた者が、自己の存在をかけて大仕事に挑む、なかなか燃える話ではありませんか。。。
以上、素材は硬派なのですが、終始ユーモラスで肩肘張らない本作の演出は独特でした。テンポが良くて非常に見やすいのですが、それ以上のものになっていない点が惜しくもあり、決して悪い映画ではないものの、点数的には7点がせいぜいかなという印象です。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 7点(2013-12-05 01:16:22)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.60点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.43点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
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