日本沈没(1973) の アンドレ・タカシ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ニ行
 > 日本沈没(1973)
 > アンドレ・タカシさんのレビュー
日本沈没(1973) の アンドレ・タカシ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 日本沈没(1973)
製作国
上映時間140分
劇場公開日 1973-12-29
ジャンルドラマ,サスペンス,SF,パニックもの,特撮もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 小学生の頃に劇場で観賞。先日、久しぶりに観たけど、これは凄い映画だと思う。後年の小松左京原作のSF映画はイタイ作品ばかりだけど、今作はしっかりサイエンスしているし、人間ドラマとしても秀逸です。田所博士、小野寺操縦士、山本総理…。その重厚な芝居が、進行している現象の重篤さをひしひしと感じさせます。特に総理役の丹波哲郎は、日本を代表する役者さんだったことを再認識。震災で燃え盛る首都の映像を見て、国を守ることの意味を自問するシーン。老人との対話において、何もしないという選択肢の真意に思い至り目を潤ませるシーン。丹波哲郎に感動するとは思わなかった。この映画は大きく二つに分かれた構成になっている。極めて正統な科学的手続き(竹内均さんのマントルの解説!)を経て、国土が海に没する事実に一歩ずつ近づいて行く緊迫感に満ちた前半。国民を海外へ脱出させる国際交渉に奔走しながら、当たり前に感じていた島国の単民族国家の特殊性を気付かせる後半。これがスムーズにひとつの流れとなって、骨太の物語を形作る。日本のこの種の映画で、今作ほど真っ当にサイエンス・フィクションの形式に則ってひとつのテーマを描ききった作品は他に思い当たらない。特に後半、難民となった民族が被る悲劇を想定し(と、私は解釈しています)、何もしない選択肢に言及する老人と、「日本民族はまだまだ子供、世界に出て鍛えてもらえ」という田所博士の意見が奥深い。膨大な情報量がギリギリ破綻せずに2時間の中に収まっていて、エンディングでは大河的な余韻と感慨が胸を打ちました。
アンドレ・タカシさん [映画館(邦画)] 9点(2009-08-16 20:27:29)(良:2票)
アンドレ・タカシ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-17ゴジラ-1.08レビュー7.49点
2022-02-28007/ノー・タイム・トゥ・ダイ5レビュー6.75点
2022-02-22ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男6レビュー6.50点
2022-02-22(秘)色情めす市場7レビュー7.33点
2022-02-19クロスファイア(2000)4レビュー5.79点
2022-02-19ジョニー・イングリッシュ5レビュー5.62点
2022-02-19地獄(1999)5レビュー3.81点
2022-02-19バイオハザード ディジェネレーション3レビュー5.28点
2022-02-19DUNE デューン/砂の惑星(2021)7レビュー6.30点
2022-01-31愛と哀しみのボレロ8レビュー7.39点
日本沈没(1973)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS