夜のピクニック の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想

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夜のピクニック の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 夜のピクニック
製作国
上映時間117分
劇場公開日 2006-09-30
ジャンルドラマ,青春もの,学園もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 題名の印象からしてよほど特殊な出来事かと思っていたら、要は水戸一高の年中行事の話なのだった。むかし知り合いだったデブの××やすらりと華奢な○○さんがこういうことをやっていたとは初めて知った。旧制中学校の時代だったら色気も何もない男ばかりの体力勝負になったろうが、今は告白の機会と捉えられているらしいのは世の中の軟弱化ということである。

映画としては序盤から羽目を外し加減なのが少し意外で、劇中提供される笑いにも同調しづらい状態で推移する。唐突にファンタジーアニメになったり役割不明な登場人物がいたりして戸惑い気味に見ていたが、しかし次第に何が問題なのかがわかって来て、最終的には疑惑の2人が似た者同士に見えて来たので、自分としてもそれなりにこの映画を受け取れたという気にはなった。
映画単体だとその程度だったが、その後に原作を読むと2人の心情が切ない青春小説で9点くらいつけたくなった。この原作を読んでいれば、この映画もその映像化版/簡略版として素直に受け取れるところが多いと思われる。これでこの物語の真価がわかってから、さらにサイドストーリー集「ピクニックの準備」を見ると劇中世界が広がって登場人物にも思い入れが生じ、そのまた後に再度本編を見るとコメディ部分も笑えるところが若干増え、2人の思いも素直に心に染みて来るようになる。ここまで気合いを入れて見てやっと全面的に受容できたが、同様のことをする人はそう多くないだろうとは思う。

なお自分の高校にこういう行事はなかったが、ちょっとした事情で夜間歩行をさせられて30kmくらい歩いたことはあり、それまで存在も知らなかった峠道や、車も通らなくなった海沿いの道など歩いて面白かった。そういうときの夜の異界感や高揚感がこの映画に感じられるかというとそれほどでもないが、仮眠所の灯りが眩しい様子などはよかったかと思う。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 6点(2017-05-15 18:51:00)(良:1票)
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