学校 の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > 学校
 > かっぱ堰さんのレビュー
学校 の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 学校
製作国
上映時間129分
劇場公開日 1993-11-06
ジャンルドラマ,シリーズもの,学園もの
レビュー情報
《ネタバレ》 かなり昔の映画のように見えるが、劇中の事物(金のうんこなど)や登場人物の発言によると、劇中年代としても製作時期と同じ頃だったようである。
自分としての感想を正直に書くと、映画のかなりの部分は生徒の個人的事情を描写しているだけで、かつそれ自体に心を打つものは特にない。また後半では泣きを誘うためか、田舎~不運~貧乏~愚か~善人といった定型パターンを持ち出してきたようで鼻白むものがある。終盤に至ってまとめにかかるが、個別事情の一般化とか話題の飛躍で物語の流れを無理に導くのが気に障り、結果として出た教育論らしきものも素直に受け取れない。創作物でしか実現できない理想状態を描写しようとしたとすれば文句をいう筋合いではないが、そのまま乗れない人間も当然いるということである。
ラストでは、これだけ雪が降ると東京の人なら転倒して怪我をするのではないか、ということの方が心配だった(タイル張りなどの上を歩く場合は要注意)。

個別の場面としては、クライマックスで出た“しあわせって何?”の論議が聞きどころだった。ここではまず焼肉屋店主の発言に非常に説得力があり、これは民族性などと無関係に人生の真理を語っていた気がする。その後、萩原聖人がかなり高純度にまとめた台詞を言ったので、これで結論が出たも同然と思ったわけだが、なぜか言った本人がこれでわかったとは認めない。その上で中江有里が、この発言をどう処理すれば教員が満足するか知っている優等生のような発言で教育の意義ということに繋いだので、そこで話が逸らされたように感じたのは不満だった。ただこの場面での裕木奈江の語りは、この映画のような学校の根源的な効用の一つを語っていた気はしなくもない。
ちなみに個人的な思い出話として、この映画と同じ頃に勤め先で大規模なコンピュータシステムの導入があり、それまで手書き伝票しか扱ったことのない庶務担当の人々(主に年長の女性)への講習を担当したことがあるが、そのうちの何人かがその後に定年を迎えた際に、在職中に電子機器を使えるようになって感謝している、というようなことをわざわざ言われて恐縮したことがある。この映画でそれを思い出し、学ぶことの意味を少し意識したのは間違いない。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 5点(2016-11-15 20:52:45)
かっぱ堰 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-20オクス駅お化け5レビュー4.66点
オンマ/呪縛6レビュー5.50点
2024-04-13リゾートバイト6レビュー6.20点
2024-04-13“それ”がいる森4レビュー3.20点
2024-04-13事故物件 恐い間取り6レビュー3.56点
2024-04-06モロッコ、彼女たちの朝5レビュー5.00点
2024-04-06ラフィキ:ふたりの夢5レビュー5.00点
2024-03-23ザ・デッド インディア6レビュー6.50点
2024-03-16FUNAN フナン7レビュー7.00点
2024-03-16シアター・プノンペン7レビュー7.00点
学校のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS