1. <ネタバレ>中米ホンジュラスの少女が父親と叔父とともにアメリカに移住する .. >(続きを読む)
1. <ネタバレ>中米ホンジュラスの少女が父親と叔父とともにアメリカに移住するため、グアテマラを通ってメキシコから貨物列車で国境を目指すロード/レールムービーである。よくわからないが父親の後妻?とその娘がすでにニュージャージーにいたようで、途中の危険はあるにしても決行の準備は一応整っていたように思われる。
この一行に、さらにメキシコにいた犯罪組織が絡んで来る展開になっていたが、これは不法移民と犯罪組織が事実上切り離せない問題だということの表現ともいえる。中米地域には若い連中の希望がなく、不法移民するか犯罪組織に入るかの二択であるかのような印象も出していた(実際はその他もいるだろうが)。
移住計画はうまくいかず成功ともいえなかったが、主人公(少女)を中心にしてみれば、結果的にこれでよかったのだと思わせる話ができている。途中の障害になっていたのは警察よりむしろ犯罪組織だったが、このMS-13という実在の組織はロサンゼルスのエルサルバドル移民が作ってアメリカと中米に広く勢力を持つ組織なので、裏切り者の男がメキシコを出ても安全になるわけではなく、それなら本人もここが死に場所と思って納得できたかも知れない。
ところで監督は日系4世だそうだがいかにも日系人という顔でもなく、自分の祖先が移民であることが制作の動機というわけでもなかったようで、たまたま前作の短編で移民問題を扱ったことからの延長らしかった。
この映画では主に移民する側に寄り添うことで観客の素朴な良心による共感を誘う形になっているが、それはそれでいいにしても、この映画の後にアメリカの不法移民はさらに問題が大きくなってしまっている。2021年からの民主党政権下では移住希望者が大挙越境して来るため南部国境州が対応に苦慮する一方、ニューヨークやシカゴといった聖域都市での受入れにも住民の不満が出始めているとの報道もあった(2023.5.15ニューズウィークの記事)。
監督としては、移民問題は普遍的なテーマだといいながらも実は日本にはあまり関係ないだろうと思っていたらしかったが、制作当時の2009年と違い、現在は日本でも他人事といえなくなってきているのは報道等に出ている通りである。この映画を見て主人公を応援してやるばかりでもいられない。
2. <ネタバレ>前半はスラムのギャングを題材にしたメキシコ版「シティ・オブ・ .. >(続きを読む)
2. <ネタバレ>前半はスラムのギャングを題材にしたメキシコ版「シティ・オブ・ゴッド」。後半は列車ロード・ムービー。チンピラ主人公が少年をギャングに引き入れるところからシーンが始まります。13秒間、リンチに耐えて、生き延びれば合格。敵グループを1人殺すことで正式に仲間入り。その後、主人公はギャングの掟を破ったため、メンバーに焼きを入れられた上で、忠誠心を示すために、ギャングのリーダーと前述の少年と3人で強盗をすることに。その強盗先というのが、なけなしの全財産をかき集めて隣国へ抜け出すため、列車の屋根の上に無銭乗車する移民たちというのが結構エグいです(どうしてそこ狙う)。一方、ホンジュラスでは、娘(ヒロイン)、その父親、その叔父の3人が、アメリカへの移民を決意。そのためには列車の屋根に乗りメキシコを通過しなければならない。列車の屋根の上で、双方がエンカウント。ギャングのリーダーが娘(ヒロイン)を押し倒し跨がって暴行しようとしたのを見て、主人公は・・・その後、主人公はギャング団に追われる身となり・・・(続きは映画で)シンプルな話ではありますが、話が滞ることなく進み、そこそこリアリティがあるため、最後まで飽きることがありませんでした。主人公がモテモテなのは解せませんが。チンピラ主人公でさえ美人のねーちゃんやホンジュラス娘にモテモテなのに、おまえらときたら(TT)
3. シティ・オブ・ゴッドを思い出す。
ニュースでは得ることがで .. >(続きを読む)
3. シティ・オブ・ゴッドを思い出す。
ニュースでは得ることができない、現在進行形の現代を生々しいリアルを
感じ取ることができる良質な映画。
ジャーナリスティックであり、娯楽にも昇華しているこいういう映画をもっと見たい。
4. <ネタバレ>列車の屋根に無断に乗り込み、強い雨風を凌いで、アメリカに不法 .. >(続きを読む)
4. <ネタバレ>列車の屋根に無断に乗り込み、強い雨風を凌いで、アメリカに不法入国するヒスパニック達。アメリカに行けば希望があるとは限らない。だが暴力と貧困と汚職が根強い祖国に残っても希望も未来もないのは確かだ。幼い少年ですら真っ当に生き残るためにギャングに入る現実。そしてどこまでも地の果てまで裏切り者の主人公を追いかけてくる絶望感。彼が蜂の巣にされようが、多くのものを失ってまでアメリカに辿りつこうが、ヒロインにはハッピーエンドとは程遠い困難が待ち構えているだろう。共倒れしたくないからと、国境に壁を作ろうとする大統領。明日も分からない彼らに寄り添っているため、蝕まれているアメリカ側を忘れそうになるが、善悪を二分にできない複雑さは双方の血と涙と犠牲によって作られている。
5. <ネタバレ>救いようのないメキシコ社会。隣のアメリカとの貧富の差をまざま .. >(続きを読む)
5. <ネタバレ>救いようのないメキシコ社会。隣のアメリカとの貧富の差をまざまざと見せ付けられる映画。
演技をしているか、どうかも分らないくらいの自然さが良かった。
現実に暴力が日常だと、アメリカ映画のような子供だましのバイオレンスにはならないと言う事か。
6. <ネタバレ>ギャングの抗争に美しい風景を混ぜてみました、という感じ…? .. >(続きを読む)
6. <ネタバレ>ギャングの抗争に美しい風景を混ぜてみました、という感じ…?
期待していたが、あまりハマれなかった。主人公に感情移入できなかったからかも。
主人公が被害者という感じがせず、ヒロインに対してもなぜそんな奴についていくんだ…と思ってしまった。
移民やギャングについて考えるには良い題材なのかなー…いまいちスッキリしなかった。
7. <ネタバレ>この映画を『ジョニー・マッド・ドッグ』の直後に鑑賞したので、 .. >(続きを読む)
7. <ネタバレ>この映画を『ジョニー・マッド・ドッグ』の直後に鑑賞したので、少しは救いがあったように感じました。俺はいいけどお前はダメ的なジャイアニズムでまだ幼い彼らを支配し、せっかく愛に目覚めた正義を報復として殺めるギャング、、、。明日の無い国から"自由"があるとされる国へ旅立てた彼女に、せめて幸せになって欲しい。
8. <ネタバレ>セタスを初めとしたアンダーグラウンド集団の巣窟であり、警察や .. >(続きを読む)
8. <ネタバレ>セタスを初めとしたアンダーグラウンド集団の巣窟であり、警察や軍も体を成していないメキシコ。ファーストフードネイションなどにも見られたメキシコの持つ陰を題材にした映画。ギャングの描き方がカッコよすぎてゲンナリ。
もっとダーティに描くことによりギャング達に憎しみの感情を持てたし、主役二人のバックボーンもあまり語られることはなかったため、もっと感情移入できるようにしてほしかった。テーマが重いんだからもっと泥臭くて良かったと思う。
アメリカに行き着くまでにひたすら失い、悲しみを背負い続けるヒロインが真の主役と言ってもいいのかもしれない。
9. 途上国の貧困層における悲惨な現実とかすかな希望を描いた意味の .. >(続きを読む)[良:1票]
9. 途上国の貧困層における悲惨な現実とかすかな希望を描いた意味のある小品やったとは思うねんけど、途中から愛の逃避行のような展開にしてもうてたんはおいら的には失敗で、全体通してとにかく脚本が弱いと感じたし、主人公ふたりの行動にもどうにもうなずけないところが多々見られた。淡々とした列車の旅と、容赦のないバイオレンス描写はよかったんやけどねぇ……。[良:1票]
10. メキシコ、という国に興味をもたされた。アメリカの隣にあんな国 .. >(続きを読む)
10. メキシコ、という国に興味をもたされた。アメリカの隣にあんな国があるとは、、、。
11. <ネタバレ>個人的な話で申しわけありませんが私はクソ男が嫌いだ。その「ク .. >(続きを読む)
11. <ネタバレ>個人的な話で申しわけありませんが私はクソ男が嫌いだ。その「クソ男」が主役でした。主役はクソギャング。クソがクソったれの男の子をギャングに勧誘したことがきっかけで、そのクソの男の子に殺されてしまうというクソドラマなのです・・。救いようがありません。普段なら躊躇なく0点ですね。ただ、映像が恐ろしいほど綺麗でした。こんな綺麗な映像は、タイトルは忘れましたが、台湾の監督が作った日本の北海道を舞台にしたあの映画を彷彿とさせるほど素晴らしかったです。こうみえても私も18切符を使って四国一周旅行をしたことがあるのですが、「闇の列車、光の旅」で、主役のクソとヒロインがアメリカへ行こうとしているその列車の描写は、まさにその「四国」と一緒な印象を受けました。主役のクソは悪党でした。しかし彼は「愛」を知って、理不尽な行動に出る。それが悪の頂点にたつクソボスを殺すという暴挙です。「愛」は見境がなくて怖い。しかし「愛」は損得なんて忘れてしまう。主役のクソはなんと「愛」のせいで、ギャングから「善人」になってしまった・・。それゆえに殺されてしまう。そんな物語、私の知る限り、何百回も観てきた・・。しかし何度観てもやはり切ない。悪が善になったがために自滅するという話・・。久しぶりにクソ男に同情して好感を持ってしまいました。想像を絶する綺麗な映像に乾杯!ワウワウに乾杯!クソ男に乾杯!
12. まだちいさな男の子が大勢のギャングにリンチを受ける。
リン .. >(続きを読む)[良:1票]
12. まだちいさな男の子が大勢のギャングにリンチを受ける。
リンチを終えて痛みに泣きながらも嬉しそうに笑う男の子。
目をそむけたくなるようなこのシークエンスで、この国がギャングにでもならなければまともな暮らしができないことをガツンと知らされる。
そして暴力と貧困の中で生きる主人公は、なまじっか“愛”などという人間らしい心を持ってしまったために、命を追われる身となる。
そんな彼と行動を共にするのもまた、劣悪な環境から逃れ危険を覚悟で米国に向かう移民の少女。
明るい未来なんか何一つない彼らのロードムービーには不似合いなほどに美しいメキシコの大自然と朝日が印象的だ。
人間らしい心を取り戻しながら死に向かう主人公と、人間らしい心を失いながら生きる術を手に入れていく冒頭の少年の対比がただただ悲しい。
ひたすらリアルに中米の貧困、移民の現実を描いた秀作。[良:1票]
13. <ネタバレ>あれ? スマイリーはなぜギャングに身を置いてるんだっけ? た .. >(続きを読む)
13. <ネタバレ>あれ? スマイリーはなぜギャングに身を置いてるんだっけ? ただの憧れだったかな? あれ? カスペルとスマイリーはどういう関係だったかな? ただの知り合い? もうちょっと一人一人を丁寧に描いてくれると、カスペルの最期で泣けた気がするんだけど、こういう現実もあるのかな~?ってなくらいにしか思えなかった。映像の面では良かったと思う。7点に近い6点とお考えいただきたい。
14. <ネタバレ>この映画のただならぬ雰囲気に感動しました、やくざのおやぶん? .. >(続きを読む)
14. <ネタバレ>この映画のただならぬ雰囲気に感動しました、やくざのおやぶん?人間を刻んじゃうし?犬の餌にしたのか?怖くてじっくり見れませんでした、主人公の彼女かわいいと思いました。親分は彼女を味見しようとして殺しちゃうし、あんまりだと想いました。最後の方ですが、父親は電車から落ちちゃうし、川の渡しまで逃げてきたのに、またもや、あんまりな展開,二人で逃がしてあげれば良かったのにと思いました。一つ疑問に感じたのはあのデジカメは列車から落とすシーンがあったような気がするのです。でも素晴らしい映画だと思いました,彼女だけでも助かったのでよしとしなくてはいけないのかも?。
15. 悲しい映画です。貧しいのが悲しいわけじゃなく ギャングだから .. >(続きを読む)
15. 悲しい映画です。貧しいのが悲しいわけじゃなく ギャングだから悲しいわけじゃなく 殺されそうだから悲しいのではなく 信じられないから悲しいのです。 そして信じた相手を守れないから悲しいのです。
16. 予告編を観て、期待半分、不安半分で、観ることに..ほぼ、期待 .. >(続きを読む)
16. 予告編を観て、期待半分、不安半分で、観ることに..ほぼ、期待通りの出来でした..後半は、よくあるベタな展開でしたが..娯楽作品には無縁の、リアルさがイイですね..救いようのない、結末と、やり場のない怒り、そして貧富の差..真面目に創られた社会派作品です...
17. <ネタバレ>「明日」など遠い未来。次の一瞬を迎えることさえ命懸けのギャン .. >(続きを読む)[良:1票]
17. <ネタバレ>「明日」など遠い未来。次の一瞬を迎えることさえ命懸けのギャングと少女の道行きは、常に熱気を帯びていた。まだほんの子どものスマイリーが、生き抜く手段としてギャング業にしがみつく姿もまた然り。望んだ明日を掴むのとはほど遠い、最後それでも足を踏み出す若者の姿、その目の光がこの映画のパワーとなっている。ラストの“ms”は、ニッと笑うと見えるように彫ったのかな。どのみち待ち受けるのは張り詰めた瞬間。サイラもスマイリーも。[良:1票]
18. <ネタバレ>主人公が、まだあどけなさの残る少年をストリートギャングの世界 .. >(続きを読む)[良:2票]
18. <ネタバレ>主人公が、まだあどけなさの残る少年をストリートギャングの世界に引き入れる冒頭から、この映画の世界は深い闇に包まれています。暴力と殺戮に支配された世界で、ひたすら鬱々とした物語が続いてゆくばかりなのですが、情感をもって詩的に語られる映像と共に少女に託された仄かな希望の輝きは、見終わって清々しさすら覚えました。救いのない旅の終わりに、幾つもの閉ざされた未来の中に、ほんの少しだけ輝くもの。破滅の中にあって、みんなが望んだ夢。堕ちてゆく少年の姿と対比されたそれは、現実を嘆いてはいても、決して絶望はしない、前を向いた姿。物語は最初から約束された道を進むような、ひねりのないものですが、役者達から発散されるリアルな存在感、そしてそれを的確に捉えてゆく映像が、がっちりと心を掴む力作でした。[良:2票]
19. 「スラムドッグ・ミリオネア」のようなお伽噺とは違い、「シティ .. >(続きを読む)
19. 「スラムドッグ・ミリオネア」のようなお伽噺とは違い、「シティ・オブ・ゴッド」のように血生臭いリアルな話です。絶対的な絶望感の中から、ほんの僅かな希望を見出す主人公たちの姿は、清々しくあります。ストーリーはとてもシンプルで、似たような話は探せば見つかりそうな位なのに、この映画は心を打つ何かがあります。