泥棒は盗む。そして逃げる。この映画はただそれだけを延々と映し .. >(続きを読む)
泥棒は盗む。そして逃げる。この映画はただそれだけを延々と映しているにすぎない。それなのに面白い。いや、それだから面白い。例えばリメイク版との比較、、、と思ったけどカーアクションに差があるので、例えば『バニシングIN60”』の脚本にリメイク版のように車を盗まざるをえない理由を描いたり依頼人がどんな人物かを描いたりしたとしよう。この『バニシングIN60”』は面白くなるだろうか。ならないに決まっている。そこが映画の面白いところであり難しいところなのだ。何を見せ、何を見せないか。この作品は実に潔い。そして、そりゃ潔くもなるだろうカーアクションの凄さ。何が凄いって本気で公道をぶっ飛ばしてるのがビンビン伝わってくる。けして華麗じゃない。スピードを上げれば必然的に高まる事故の可能性をひしひしと感じながらのカーアクション。そこには生が死に限りなく近づこうとしている瞬間が映し出されているかのよう。これはもうほとんどドキュメンタリーです。