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<ネタバレ>「700年間独りぼっちだったロボットが恋をした」という「お涙ちょうだいぼっちラブロマンス」的な宣伝をされていた本映画ですが、その本質は古典的なハードSFのそれです。
汚染された地球からの脱出というのは「インターステラー」あたりと同じテーマですし、コンピュータが人間に反乱を起こすのは「2001年宇宙の旅」のそれ。
実際、オートと船長との闘い(笑)のシーンでかかるBGMはまさに「ツァラトゥストラはかく語り」であり、この映画の本質が古典的なSFである事を表しています(てかオマージュなわけですが)
一方、表面的なストーリーは、もはや映画というより一種の寓話。
何しろ主役たちが片言以上の会話を行わないわけですから、それだけでもかなり変わった映画です。
PIXAR作品の中でもかなり毛色の異なる作品であり、好き嫌いがわかれやすい作品かもしれません。
とはいえ、基本的にPIXARですから厳しいラストが訪れないのは自明で、映画中随所に出てくるスリリングなシーンも安心して見ていられるわけですが、それがプラスかというと微妙なところ。
「結局、最後はハッピーエンド」とわかっている映画の中でに存在するスリリングなシーンは、どうしても緊張感を欠いてしまいますから。
あと、世の中のありとあらゆる映画の中でも、観客がゴキブリに対し「あぶないよ!逃げて逃げて!」と思う映画はこれだけかもしれません。
そういう意味ではこれは大変貴重な映画だと言えます。[良:1票]