黒澤明監督が自身では脚本を書かずに演出した2作品のうちの一本 .. >(続きを読む)
黒澤明監督が自身では脚本を書かずに演出した2作品のうちの一本。前半はストーリーがつかみ辛くやや退屈したが、後半はけっこう引き込まれた。特に原節子演じる主人公が野良仕事をするシーンはかなり壮絶(「七人の侍」エンディングの田植えシーンとはえらい違い。)で、そこに黒澤監督らしいエネルギッシュさを感じるし、その演出に見事に応えている原節子の熱演ぶりがまたすごい。以前原節子を見たのは木下恵介監督の「お嬢さん乾杯」だったと思うけど、その時の令嬢役とはまるで違う逞しい女性を堂々と演じていて驚かされる。黒澤監督の作品の中では珍しく女性の生き方について描いている点も(描き方がちょっと男っぽく感じられてしまうのだが)新鮮だった。