<ネタバレ>登場人物それぞれの視点でひとつの事象(及びそれに付随する事柄 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>登場人物それぞれの視点でひとつの事象(及びそれに付随する事柄)を描くスタイルは、目新しいものではありません。しかしそれでも唸らされます。それほどにつくりが巧妙です。芋づる式に明らかになっていく真相。ごく普通のラブストーリーと思われた本作が、いつの間にかサスペンス、気付くとコメディに化けています。いくつもの顔を見せる作品に、どんどん引き込まれていきます。BGMの使い方も秀逸で、作品づくりの技術の高さを感じさせます。また、登場人物たちも皆いい味を出しています。人を疑うことを知らない男、友人思いの探偵、女詐欺師、組長さん、そしてひとりぼっちの女。それぞれに暑苦しくない、いい雰囲気がでていたと思います。そして主軸となる2人の恋物語。ラストがいいじゃないですか。物語の構成といい、偽りのエンドクレジットといい、観客をいい意味で欺き続けてきた本作。「運命じゃない人」というタイトルも、もちろんフェイクですよね。