原作が名作であればあるほど、それの実写化は大抵失敗に終わるも .. >(続きを読む)
原作が名作であればあるほど、それの実写化は大抵失敗に終わるものだが、
この映画を観ると、黒澤明が原作「白痴」をどれだけ深く理解し、
確信をもって制作に臨んだかが分かる。
前半を文章で紹介してしまうのは映画の長さ上しょうがないのだろうが、少し残念な部分。
キャストはもう全員が適役といっていいほどだったが、中でもナスターシャを完全に演じ切った原節子に感動。
原作の荘厳な雰囲気を見事に映像化し、なおかつ黒澤ならではのエネルギーが全体に満ちている。
数ある黒澤映画のなかでも、本作の映像の力強さ、美しさは本当に素晴らしい。
札幌がロシアに見えました。
個人的に一番お気に入りのシーンは、階段を上ってくる亀田と綾子の後ろで、待ち構えていた赤間がオルゴールをパタッと閉じるところ。
三船が放つ凄まじい負のエネルギーに息をのみました。