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<ネタバレ>いや、こんな穴だらけのハイジャックプロットでこれはサスペンス映画ですよ、とは制作サイドだって思っちゃいないはずだ。これはヒーロー映画なのだよ。おそらく9・11以降、それまでの正義がぐらついてきたアメリカが、全世界共通認識であろう“子供を守る”というテーマを新たなネタとして標榜してきたんじゃなかろうか。何を差し置いてもわが子を守る母、J・フォスターは新しいヒーロー像なのだ。
ほとんどの人がしたことがないであろう、座席間の通路を疾走し、犯人(女)をぶん殴り、爆煙の中、子を抱いてかっこ良く現われる。これが英雄の描写でなくてなんだろう。
“子供を守るため”なら、全てがチャラになるのだ。正義だから。濡れ衣を着せられたアラブ人(ここポイント)も、だから最後にジュディと和解するのである。
ややオーバーアクト気味な演技は妄想と紙一重と観客に思わせることに成功しており、J・フォスターは相変わらず上手い。
と長々分析したところで、でもやっぱこの脚本は無いよなあ。