<ネタバレ>一風変わった怪談風ファンタジー。
12才のとき事故で亡くな .. >(続きを読む)
<ネタバレ>一風変わった怪談風ファンタジー。
12才のとき事故で亡くなった両親に、浅草で再会した孤独なシナリオライター(風間杜夫)。
懐かしい両親の家に通いつめるうちに、精気が吸い取られるように衰弱していく。
胸に傷のある女・桂(名取裕子)は男を心配するが、男は通うことをやめられない。
片岡鶴太郎と秋吉久美子の両親が下町夫婦のいい味を出していて、ノスタルジーを刺激する。
桂との結末では、冒頭に男の部屋を初めて訪ねたシーンを振り返らせ、女の孤独感が浮かび上がってくる。
両親とのファンタジーと、桂との怪談は、それぞれまとまっているが、まったく異質なもの。
なので、二つの物語を無理に一つにしたような違和感はある。
あくまで両親との話がメインで、女との話を入れるならテイストを統一したほうがいい。
化け物変化する仰々しくてチープなホラーシーンを変えて、両親とのテイストに合わせてファンタジー色を強くしたなら、違和感はなかったかも。
原作は読んでないけど、山田太一の作風から、あのホラーシーンは考えられない。
そこは大林監督の演出の問題だろうが、傑作になりそこねた気がする。