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<ネタバレ>様々な意味・意義を備えている歴史的なエピソードだと思うのですが、その中で見どころは明確に絞ったうえで映画にしている、という感じを覚えました。本作が真に描きたいのはやはりクライマックスのヘレンの目覚めであり、もう一つはソレを引き出したサリヴァンの信念かと思います。ややもするとある種、現代に至ってこのお話の例えば社会的(歴史的)意義の描き出しであるとか、或いは教育論だとかいった側面までに何らかの深い(またはモダンな議論に耐えうる)クオリティを期待したとすると、少しそーいう感じでもないかもな…と思ったりもするのですよね(そりゃまあかなり昔の映画ですからね)。
ただ、そのメインコンセプトたるひとつのシーン(とソコに繋がってゆくシークエンス)、そしてそれらの場面での2人の演技のクオリティとゆーのは、これはもう確実に映画史に永遠に残るというモノだったかと思います。前述どおりのアン・バンクロフトの毅然たる様子も素晴らしかったですが(最近『コーダ』を観た時にも感じたコトですが「魅力的な教師」のひとつのパターンとして「揺ぎ無い」とゆーのは割とオーソドックスかなあと思いました)、それ以上にパティ・デュークの迫真の演技・表情とゆーのが目に焼き付きましたですね。たぶん、全人類が観るべき映画のひとつだと言えるでしょう(出来れば義務教育の時分のうちに)。