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プロフィール
コメント数 127
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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61.  狂死郎2030
徳弘さんのギャグは苦手なんだけど、これに関してはかなり引き込まれた。  たぶんセックスを前面に押し出したことが功をそうしたのだと思う。狂死郎と志乃はバーチャルリアリティの世界で出会って愛し合うようになるものの、どんなに求め合っても結局はバーチャルでしかなく、生身では触れ合うことができない。セックスはできるのに、満たされているようで満たされていない。快楽を重ねるごとに誤魔化せない寂しさと空虚感が積みあがる。お互いにさんざんひどい目に遭っても助け合うわけにも行かず、独りではないとわかっているのにどうしようもなく独りだ。だからこそ死地を乗り越えて志乃に会いにいく狂死郎の愛が、切実なまでに真に迫ってくる。大筋ではお涙頂戴のラブストーリーでしかないはずなのに強い説得力があり、ほとんど息苦しいほどだ。  下品なギャグがてんこもりだから楽しく読めるけど、実はとんでもなく切ないラブストーリー。これでシリアスタッチだったら読むのも辛かっただろう。徳弘正也以外には誰にも描けない、唯一無二の傑作恋愛漫画だ。
9点(2007-11-29 01:45:01)
62.  敷居の住人
途中から作者の意識が変わったのが明らかに見て取れます。序盤は多田由美のものまねなどが見られて少々苦しかったりするんだけど、中盤からは俄然面白くなってくる。わかりやすく成長するでもなく、あーでもないこーでもない、とぐだぐだ悩んだり凹んだりする主人公を見ていると笑ってしまうんだけど、いたたまれなくもある。ああ、こういうのって思春期だよなあ。何気に自己中心的な女性陣の振る舞いにもリアリティがある。そうそう、精神不安定な女の人って本人は悪気はないんだけど、かなり残酷なことするんだよね。著者の出世作、まだ青い部分はあるとしても、やっぱり面白いです。
8点(2007-11-29 01:17:34)
63.  うたかたの日々
実は岡崎作品のなかではあんまり好きじゃありません。岡崎さんが原作に共鳴したのはわかるけど、あまり漫画化した意味が見い出せない。原作を読めばそれで充分、というのが率直な感想です。
6点(2007-11-29 01:03:40)
64.  ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
なんともいえない独特のけれん味が好き。可愛らしいものは可愛らしく、不気味なものは不気味に、という自由自在の画がいい。非常に個性的な画風で、たまにジョジョのスタンドっぽい質感の化け物までいる。毎回この世ならぬものたちのが召喚される際の、おどろおどろしい演出がまた楽しい。好き嫌い別れる作風とは思うけど、個人的にはかなりツボにはまっている。
7点(2007-11-25 01:38:23)
65.  漂流教室 《ネタバレ》 
人、死にすぎ。まだあどけない小学生の死体が累々と積み重なっていくさまに、開いた口が塞がらない。殺人鬼と化す大人たち、砂漠から現れる異形の怪物、狂ったコンピュータに支配される遊園地、鉄砲水から黒死病まで、ありとあらゆる災難が子ども達に襲いかかる。まあ人がたくさん死ぬ話ならそう珍しくはないのだけれど、年端も行かない子どもばかりがこんなにも大勢、容赦なく殺される作品は後にも先にもない。かつてはホラーの分野でも幼い子どもの死を描くのはタブーとされた時代があったはずだし、そうでなくとも無意識のうちにブレーキをかけるのが普通の感覚だと思うんだけど、そこが天才楳図かずおのすごいところであり、怖いところでもある。そういう意味では連載当時は残酷描写が騒がれたそうだけど、連載されているのがたとえ現代だったとしても衝撃的なのには変わりなかっただろうと思う。  たとえば鉄砲水が校舎を襲うエピソードで、戸を押さえていた女の子の手首が激しい水流のためにあっさり千切れてしまう場面がある。これを普通に描けてしまうのは、語弊があるのを承知ではっきりいえば、頭がおかしい。登場人物に対して容赦のない作家は大勢いるけれど、楳図かずおの場合、それがあまりにも普通だ。上手い言い方が見つからないが、これが平凡な作家ならどこかしら「ほうらすごいだろ、こんなに残酷だぞ」という気負った感じがするものだが、対する楳図氏は至極冷静に、平然とやってのけてしまう感じがする。  野暮な突込みをさせてもらうと、現実の小学生がこうした状況に置かれたとしてもけっしてこのマンガのようには行動しないだろうとは思う。またクライマックスでIQ230の天才少年が「学校がタイムスリップしたのは、ダイナマイトのために光の速さで校舎が揺さぶられたからだ!」と説明したのには腰の骨がこんにゃくになった。しかし楳図氏の天才思考回路に異を唱えても無益というもの。おそらくは作者当時のアイディアのありったけを注ぎ込んだに違いない、常軌を逸した世界。読んでよかったと思う。こういうぶっ飛んだ漫画も、一度体験しておいて損はない(害はありそうだけど…)。
6点(2007-11-25 01:16:51)(良:1票)
66.  お茶にごす。
今のところ茶道はあまり関係なくて、人口における不良の割合が異常に高い相変わらずの西森ワールドで、強面の主役が殴ったり殴られたりしている。茶道は文字通りお茶をにごすような感じでしか扱われてなくて、なぜこんな拡げにくそうな題材を選んだのか、ちょっと不思議だ。や、普通に楽しいのは確かだけど。
7点(2007-11-25 00:34:24)
67.  アイシールド21
王道だけど、優れた画力と演出の上手さで読ませる。筋書きは目新しさがないようにも感じられるけど、日本人には全然馴染みのないスポーツをここまで普通に面白く語りえているというのは、やはり並々ならぬ力なのだと思う。現在のジャンプ連載ではもっともバランスがとれていて、いい意味で癖がない。とても少年マンガらしい少年マンガで、素直に面白いと思う。
7点(2007-11-25 00:22:16)
68.  ラブマスターX 《ネタバレ》 
『脂肪という名の服を着て』に並ぶ、安野モヨコ氏初期の秀作のひとつ。さまざまな登場人物が有機的に絡みつく複雑な展開が見もの。主役の少女はもちろん、その両親まで恋愛に突っ走る。なぜかおじいちゃんと小学生の弟君がいちばんの決め台詞を吐く。恋に酔ったり病んだりしている連中よりも、恋愛に距離のある人間がもっとも適切な判断力を持っている、ということか。かと思うと意識的に冷静さを捨てることで最大限に恋を楽しむキャラもいる。どちらとも、違った意味でラブマスターなのかもしれない。……「ラブマスター」って素の文で書くと異様に恥ずかしいな。
8点(2007-11-20 02:40:56)
69.  学校怪談
けっしてメジャーにはならない、自分のような一部のもの好きにしか薦められないタイプの漫画。同じ一話完結ものの学園ホラーでも、『地獄先生ぬ~べ~』などとは遠く隔たったマニアック臭がする。線が太くて暗い独特の画風に、昔の怪談を思わせる物語構成。幽霊も妖怪もオリジナルのものが多く、ラヴクラフト並みにどぎつい化け物が多い。悪いときには怪物が強烈過ぎてかえって怖くなかったりもする。でもねえ、この陰惨な一方で能天気な味わいが、一度はまるとたまらないのですよ。まあ、薦め難いのは間違いないんだけれども。
7点(2007-11-20 02:22:40)
70.  ボーイズ・オン・ザ・ラン
なんかもう、イタいとかそういうレベルを通り越えてる。それだけはやってくれるなよ、というのを見事にやってしまう。  でも人間の生命力っていうのは、堕ちるところまで堕ちて、それでも懸命に這いつくばって進もうとするときがいちばん輝くのかもしれない。史上最もかっこ悪い主人公が、ときおりものすごくかっこいい。あんまりアホで汚いので、読み進めるのが嫌になることすらあるんだけど、きっと最後まで読まずにはいられないだろう。長渕の歌を熱唱するところでは、正直ちょっと泣いた。  現実というのはなかなかかっこよくは行かないものだから、どうしてもフィクションの世界にはきれいなものを求めたくもなる。けれども読んでエネルギーをもらえるのは、こういうばっちい漫画なのだ。主人公を応援している気でいたのに、いつのまにか勇気をもらっている自分に気づく。このどうしようもない主人公がどこまで走っていけるのか、最後まで見届けてやりたい。
8点(2007-11-20 02:08:45)
71.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 
ジブリアニメというのは良くも悪くも純粋な少年少女が平和と自然を守るお話であって、親が子どもに見せたくなるような優等生的な作りになっている。でも実は宮崎駿の頭の中にはもっと複雑で一筋縄ではいかない、大人も価値観を揺さぶられるような突き詰めた思索がある。それが盛り込まれているのは、アニメ映画ではなくこの長編漫画作品の方だ。  映画版ナウシカは原作漫画の本の一部でしかなく、慈愛心の強い少女でしかない。しかし遥かに長大な原作では、ナウシカはさまざまな試練を越えて、善悪をも超越した場所にたどり着き、登場人物の台詞を借りれば「破壊と慈悲の混沌」となる。こういう言い方をすると怒られるかもしれないけど、アニメ版とは深さがまったく違う。手塚治虫の『火の鳥』に並べても遜色のない、名作中の名作です。
9点(2007-11-20 01:46:26)
72.  幕張サボテンキャンパス
気楽に楽しめる大学を舞台とした四コマもの。各タイトルがオチに繋がっているのが絶妙に上手い。マンガ内での時間の経過がいったんは停滞するもののちゃんと卒業まで続くので、ゆるゆるとドラマ性も生まれ、さりげなくいい台詞があったりして軽く感動してしまう。『ここだけのふたり!』や『あずまんが』でもそうだけど、登場人物がきちんと年をとっていくのを見ると、少し寂しい半面で登場人物へのいとおしさがいや増していく。地元ではまったくないけど千葉のローカルネタも楽しく、読み終えたあとではマザー牧場とピーナッツに妙な愛情すら持っていた(笑)。  ちなみに無駄にインパクトが強かったのはファンレターに対する著者の返答コーナー。津田沼さんと結婚したい、という女性ファンを「こんなもん言ってみりゃ紙とインク。現実見なさい」とあっさり切り捨てていた。いや、そうだけど、それをあんたがいったらお終いでしょうが。
8点(2007-11-18 20:28:21)
73.  なるたる―骸なる星、珠たる子 《ネタバレ》 
バカバカしいラストを別にすれば、面白かった。  愛らしい絵柄にはまったくそぐわない凄絶な内容で、茫然とさせられる。目を背けたくなるものばかり見せてくれたあげく、ラストでは世界をリセット。こんな醜い世界は消えてしまえばいい、ということだろうか。他にも似たような結末の作品はいくつかあるが、素直にいいと思えたことがない。これだけ長いこと付き合わせといて、結局いいたかったのはそんなに子ども地味たことなのかと思う。人間ドラマにしても娯楽性にしても(あざといのがたまに瑕だけど)相当な力を持った作者だとわかるだけに、この結末は残念。  もっとも、多少の欠点があるにしても、ありふれた凡作よりはこういった問題作のほうが好きだ。
8点(2007-11-18 20:12:07)
74.  失踪日記
ホームレス時代の生活やアルコール中毒者病棟での日々を、ダウナーになることなく飄々と語り、乾いたユーモアに満ちた独自の空気を獲得している。とても面白いし、よくできているとは思う。とはいえ、新聞等世評の圧倒的高評価を見ていると「そこまでのものか?」とは思っていた。上手いのは確かだけれど、深く揺り動かされる部分はない。絵柄といい内容といい、普段活字しか読まないような人でも褒めやすいのかもしれない……というのは穿ち過ぎでしょうか。
7点(2007-11-18 20:04:22)
75.  夕凪の街 桜の国
この作品に関しては、上手く語る言葉を持たない。不用意に「感動した」なんていったら申し訳ない気がする。  原爆で亡くなった女性と、後遺症を受け継いだ世代の物語を、何のてらいも交えずに、ただ静かに描く。イデオロギーとも戦後教育とも距離をおいて、あの時代に生きた人とその血を継ぐ人々をごく普通の人間として、ありのままに語る。  やや話が飛ぶようだけど、たとえば誰かから相談ごとを受けているときや重い打ち明け話をされているとき、自分は単純に励ましたり、通り一遍の言葉で応答しないようにしている。それどころか相槌も満足に打てず、黙って話を聞くことしかできないことが多い。このマンガを読んでいるときの気持ちはそんなときに似ていた。  戦争を扱った作品に接するとき、とくに日本人であれば「反戦」や「平和」といった言葉を使わずに感想を語ることは少ないだろう。もちろんそれが間違っているとは思わない。  けれどもこの作品から感じ取れるのは思想という形をとる前の体験であり、普通の生活を送る人としての感情だ。そうしたものを受け取ってしまうと、実感したこともない決まり文句で感想を述べるのは、難しい。まずは黙って話を聞いて、その気持ちを少しでも共有しようとする、素朴な聞き手でいたいと思う。  肉体的に残酷な描写がないだけに、精神的な痛みが染み入るように伝わってくる。それでいて後味は優しく、朗らかだ。折に触れて読み返したい。読み返さなければならない気持ちがする。それでなにが変わるでもないとしても、彼女達のことを知らなければならないような気がしてくる。そんな作品だ。
9点(2007-11-18 00:50:20)
76.  ザ・ワールド・イズ・マイン
阿部和重、伊坂幸太郎と帯に並ぶ名前が異様に豪華ですが、実際これほど衝撃的な読書体験は小説の世界でもなかなかない。  殺人鬼“モン”の理屈もなにもない狂気じみた台詞が奇妙な魅力と説得力を持って、読むものの倫理観を揺らがせる。殺人鬼をヒーロー扱いする世相の描写もリアルで、現代における倫理の頼りなさを巧みに伝えている。一方で、対するマリアやユリカンの唱えるきれいごとが不思議なほど感動的に響く。類型的な人物やありがちな台詞といったものは皆無に等しく、登場人物は皆尋常ではない人間臭さと存在感をもって話しかけてくる。  賛否両論分かれたラストについてはどちらかというと否定派につきたいが、それを補って余りある内容だと思う。暴力の恐怖と魅力、倫理のもろさと力強さ、命と善悪をめぐる相反する側面が力強く活写されている。終盤には作者の自己陶酔や意味のわからないぶっ飛びすぎた展開が増えてやや残念なところもあるけれど、とくに前半は文句なく素晴らしかった。  名作だと思います。……たぶん。
9点(2007-11-17 23:42:14)
77.  乙女ウィルス
良い。
8点(2007-11-15 01:56:02)
78.  監督不行届
もはや異次元の領域にある夫婦生活。アホと天才は紙一重というけれど、庵野秀明はもうなんていうか、真っ直ぐにアホだ。議論の余地なくアホだ。アホの中のアホ。でもすごく楽しそうで、うらやましいアホでもある。二人の生活は大変そうだけど、とても幸せそうだ。  惚気の要素がまったくないのにも関わらず、夫への強い愛情が明らかに読み取れて、読んでいるこっちが気恥ずかしいほどでもある。まるまる一冊夫のネタで描いてしまうなんて、そりゃ愛してなきゃできませんよね。巻末付録の庵野監督自らによる解説も、奥さんに対する尊敬の念が素直に伝わってきて微笑ましい。  こんな夫婦の間で育つのはどんな子どもなんだろう? 日本一のオタク・サラブレットが――続編の育児マンガを、今から勝手に楽しみにしています。 
9点(2007-11-15 01:54:36)
79.  ガンスミスキャッツ
銃器に対する強い愛情と知識に裏打ちされた、秀逸なガンアクション。  銃を使ったアクションは星の数ほどあるけれど、大抵はヒーローは百発百中なのに敵の弾は足元を抉るだけというしょうもないファンタジーに終わる。それに比べると、本作も主役が凄腕であるのは変わりないとしても、武器についての豊かな知識を利用して敵の裏を掻く過程が説得力をもって描かれている。常に読者の意表を突いた展開が心憎い。ハリウッドのアクション映画の作り手たちはこれを読んで勉強するべきだろう。  ただ、ちょっとHなのはご愛嬌だとしても、さすがにミニーメイの設定には引いた。露骨にロリコンの願望充足のためのキャラクター。主役の設定にもどうかと思うところはあるけれど、これはあんまりだ。  銃と車と、美少女。良くも悪くも、男性のためのマンガだろう。
8点(2007-11-15 01:22:51)
80.  花とみつばち 《ネタバレ》 
安野さんにしては切れ味に欠けている感じ。さくさく読めるんだけど、冴えない男が頑張っているというだけで話に深みがなく、ギャグについても無駄に下品なだけで普通。ラストに至っては登場人物が勝手に動いてしまったのかあるいは強引に終わらせたのか、完全に普通のラブストーリーになってしまった。きっとこのテーマではストーリーを広げるのも深めるのも難しかったんじゃないかと思う。
5点(2007-11-15 01:00:21)
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