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ピアニストを撃て

Shoot the Piano Player
(Tirez Sur Le Pianiste)
1960年【仏】 上映時間:88分
ドラマサスペンスコメディモノクロ映画犯罪ものロマンス小説の映画化
[ピアニストヲウテ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2015-01-16)【ESPERANZA】さん


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監督フランソワ・トリュフォー
キャストシャルル・アズナヴール(男優)シャルリ(エドゥアール・サローヤン)
マリー・デュボワ(女優)レナ
ニコール・ベルジェ(女優)テレザ・サローヤン
アルベール・レミー(男優)チコ・サローヤン
ダニエル・ブーランジェ(男優)ギャング エルネスト
ロール・パイエット(女優)(ノンクレジット)
ミシェル・メルシェ(女優)クラリス
原作デイヴィッド・グーディス「ピアニストを撃て(Down There)」(早川書房)
脚本フランソワ・トリュフォー
マルセル・ムーシー
音楽ジョルジュ・ドルリュー
撮影ラウール・クタール
製作ピエール・ブロンベルジュ
配給新外映配給
あらすじ
シャルリ(シャルル・アズナヴール)は、かつて有名なピアニストであったが、今は場末のカフェでピアノ弾きをしている。人生を諦観している彼だが、ウェイトレスのレナ(マリー・デュボア)が思いを寄せる。二人は、シャルリの兄弟とギャングのいざこざに巻き込まれていく…。

ヒゲ太】さん(2005-07-14)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想(7点検索)】

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9.《ネタバレ》 1970年の映画「栄光への賭け」で、気になる俳優の一人になったシャンソン歌手としてあまりにも有名なシャルル・アズナブール。

彼の本格的な映画出演は、歌手デビューよりずっと後ですが、その代表作とも言えるのが、ヌーヴェルバーグの代表監督フランソワ・トリュフォーの「ピアニストを撃て」だと思います。

この映画でのアズナブールは、歌手が片手間に映画に出演したというのとは全く違って、根っからのプロの役者という印象だ。
頭で考えるより先に、生理的な次元で役を取り込んでいるように見えるのです。
だからこそ逆に彼は、シャンソンという、ある意味、物語性の強い音楽のジャンルで、あれだけの成功を成し遂げられたとも言えるだろう。

下がった太い眉、丸く肉付きの良い鼻、厚目の唇、そしてあまり高くない身長。そして何よりも、その二重の大きな目を瞬く度に目につく、男にしては長すぎる睫毛だ。
極端に言えば、可愛げのある男性的なものからは程遠いソフトなイメージに、「ピアニストを撃て」の気弱な主人公の役は、まさにはまり役だと思います。

~カフェでピアノを弾くシャルリは、かつて世界的なピアニストとして成功した男だった。それが妻と興業主との駆け引きの結果だと知って、妻を自殺に追いやり、身を隠したのだ。そんな気弱な彼に好意を抱く娘のレナ。二人は、彼の兄が起こした事件に巻き込まれていく。レナは銃弾に倒れ、彼はまた一人、ピアノを弾き続けるのだった-----~

この映画は、アメリカのギャング小説が原作とは思えない作品だ。
フランス的なエスプリの中に、恋も事件も死も、淡々と、しかしリズミカルに弾き語られた印象だ。

ピアノを弾くことしか能がないと、自身の現実生活の気弱さを諦めているシャルリは、妻を自殺に追いやった辛い過去から、素晴らしい才能を伸ばそうという野心さえ捨てたのだ。
傷ついた物静かな男を、ぴったりの雰囲気で演じるアズナブールの歌う、これは一つのシャンソンなのかもしれない。

それにしても、この主人公のシャルリは、臆病さゆえに、愛する女性に、気持ちをうまく伝えることの出来ない男-----。
しかし、彼の面白さというのは、それを地で演じているように自然に見せながら、その気弱さの裏にある、音楽家としての才能との二重性を微妙に演じているところだ。

音楽に浸る時にのみ、気弱な男が見せる、芸術への強い執着。その神経質なまでの思い入れは、臆病さの裏返しではあるが、芸術に心酔する、芸術家独特の顏なのだ。
外見が非常に柔らかなために、それと相反するものを秘める役で、彼は独特の雰囲気を演じきっていると思います。 dreamerさん [DVD(字幕)] 7点(2019-04-05 20:29:10)

8.必死な洒落っ気、そんなものを感じた。脂っこいものを抜くの。これはもうシャンソンの世界。微笑む以外にないような哀しさ。白と黒を対照させるのを、象徴ととったら野暮になる、洒落っ気として捉えたい。白と黒をきれいに片づけたでしょ、と親しい友人にちょっと照れながら自分の部屋を見せてる感じ。ちょうどピアノの白鍵と黒鍵のように。その洒落っ気に必死な感じがある。脂っこい人生の現場に耐えられない弱さを、繊細さと捉えるか、単なる逃避と捉えるか、ってこともあるが、この監督が忌避したその真剣さは、ある種の強さに裏打ちされている。それを「必死な洒落っ気」と呼びたいわけ。二人組の悪漢がおかしい。主人公が試験を受けに行くとこ、前の受験者のバイオリニストの女性を軸に描く。彼の部屋に差し込むネオンの変化。そして何よりも彼の弾くピアノがよろしい。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2013-08-13 09:37:42)

7.有名な作品ですけど、これってトリュフォー長編二作目なんですね。とてもそんな若造が撮ったとは思えない技巧を見せてくれますが、ストーリーテリングには若さゆえの荒削りなところも目立ちます。でも私、このオフビートな雰囲気は好きですね。登場人物たちのちょっとピントが合わない会話も、タランティーノの得意技みたいで今観ても斬新です。それにしても同時期に盟友ゴダールが撮った『勝手にしやがれ』と比べると、ゴダールのレベルの高さには驚かされます。 S&Sさん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-16 00:53:06)

6.《ネタバレ》 【編集】冒頭の逃走シーンで、人にぶつかったと思ったら、一緒に歩き出し、和やかな話をする。そしてまた逃走。酒場で弟に助けを求めたと思ったら、女をくどいている。見つかり、また逃走。その後歌手が歌うシーンが長々続く。一本につながらない難解な編集。他にもある。孤独な男と思っていたら、娼婦と和気藹藹に寝る。二人組が部屋を見張っていたら、子供のいたずらで車に液体を落とされる。誘拐したと思ったら、穏やかに家族などの話を始める。根は悪くない二人組と思わせておいて、最後は銃撃戦で恋人殺害。意表を突きます。
【難解】難解なのは、人生は一筋縄ではいかないという意味。娯楽映画の善悪二次元論的展開を拒否。悪人の兄や二人組にも家庭的、人間らしい部分があるし、善人の妻も夫の出世のためにプロモーターと寝ていた。逃走や誘拐しているときでも心が緩み、ふと人間性が表れる瞬間がある。人間の持つ複雑性を表現したかったのだろう。
【内なる声】男の内なる声(科白)は臆病であることの告白。臆病故に、ピアニストとしての成功も一時的なものであり、女への態度も本心とは裏腹のものとなり、女を不幸にする。この内なる声は不要。あくまで映像で見せるべき。
【題名】男は絶望しておらず、開き直っている。死神に対して今度は女ではなく、俺を撃てという意味。開き直りが運命を切り開く場合がある。「piano player」は「pianist」より格下の存在。
【感想】男はピアニストとして成功したが、自信が持てない。妻はプロモーターと寝て自己嫌悪に陥り、又男がいつまでも自信がないことへの苛立ちから別れを持ち出し、自殺する。そのショックで、名を変え、場末の店でピアノ弾きに。恋人ができ、新出発の矢先、三角関係が発覚し、店主を正当防衛で殺害。兄のトラブルで引き取った弟がさらわれ、恋人も死亡。場末のピアノ弾きに戻る。一連の事件で開き直った男にとってピアノだけが自信の存在証明となる。さぞ演奏には深みが増すことでしょう。最後は自信を持った顔付になっている。悲劇が男を強くしたのだ。これも人生の皮肉、深み。映画で言いたいことはわかるが、手法がこなれていない気がする。人間劇よりも、細切れ、継ぎはぎの印象の方が残るのは欠点。悪人の孤独や悲劇も描けていればもっと深い作品になっていただろう。 よしのぶさん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 03:25:23)

5.《ネタバレ》 この映画、もう最初っからオカシイ。
最初、追っ手から必死に逃げまとう男が捕まったと思いきや、何事もなかったかのように普通に身の上話をしたり、シャルリとレナが連行されてどこかに連れて行かれるのかと思いきや、あっさりと逃げ出すことが出来たりと、見る人を煙に巻くようなプロットがいくつかあって、そこが凄く好きです。
また、ベッドシーンで2種類のカットを交互に組み合わせる手法など、映像面でも実験的な手法がいくつかあって、俺はゴダールを観ているのか?と疑いたくなるほどで、これもまた好き。
ストーリーを考えると、賛否両論ある作品だろうなとは思うけど、それよりもこの映画の一番の魅力は、やっぱり何と言っても、劇中で人が3人も死ぬようなストーリーにミスマッチであるかのような仄かに明るいピアノのBGMでしょう。
それと、トリュフォーの以後の作品でも出てくるのですが、何故、雪山をラストシーンにもってくるのでしょうかねぇ~?何か因縁でもあるのかな?※ もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 7点(2007-11-20 00:28:40)

4.不条理劇のようなサスペンスのような音楽劇のような恋愛ドラマ(しかも若干アキバ系?)のような。当然計算して作られるべき所を時々メチャクチャやっっちゃってる一方、普通は計算しないような所をしっかり計算して作っている、といった感じの作品、一見散漫でパッチワーク的、なのにどこかミョーなまとまりがあります。名セリフの一歩半くらい手前の微妙な会話と、耳に残る(いやでも残っちゃう)ピアノの音色が、ちょっとした毒消しになってて、イヤミのない作品に仕上がっております。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-08 23:48:07)

3.トリュフォー監督の映画に対する考えの一面が、はっきり見えてくる作品です。型にはめなくていいんじゃないの、関係ないけど入れてみよう、アングルを変えると観客はこう思うんじゃあないかな、とか、映画の概念を自分なりに進化させていこうという意欲が感じられました。見方を変えると、実験的でまとまりに欠けるような気もしますが、才能はあっても、生き方がへたな落ちぶれたピアニストの感じは良く出ていました。 パセリセージさん 7点(2004-11-03 17:25:50)(良:1票)

2.冒頭の兄の逃走劇の後の助けてくれた通行人との会話、シャルリとレナが拉致されたときの二人組みのギャングとの車中での会話、末の弟が誘拐されたときの同じく車中の会話、ストーリーにはあまり絡んでこない。いわば無くてもよいシーン。当時の(特にアメリカ)映画ならすべて描かないシーンを描くことで(結果として?)リアルな人物描写に成功しているように思う。へたすりゃ退屈なシーンになりかねないが、主人公が他のシーンであまりしゃべらないせいか、ストーリーと無関係なこれらの会話が楽しくさえある。 レナと初めていっしょに歩くシーン、そして二回目の歩くシーンのシャリルの内なる声を男のリアルな心情と思えたのは私だけではないはず。恥ずかしながら、めちゃくちゃ共感してしまう。 女に救われる男というのは、トリュフォーの分身として描かれるアントワーヌ・ドワネルとかぶるところもあるが、総じてこういう男はもてる。そしてそんな男に惚れた女は総じて損をする。(”損”は適当な言葉ではないかも。)トリュフォーもこんな男だったのか? R&Aさん 7点(2004-06-14 14:38:08)(良:1票)

1.主人公がウディ・アレンにかぶって仕方が無かった。サスペンスのはずなのにさっぱり緊迫感の無い展開。昔のフランス映画は何をやってもけだるくなってしまうのだろうか。音楽に耳を傾け、身をゆだねるだけでも十分楽しめる。 ラーションさん 7点(2004-03-29 01:44:03)

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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 21人
平均点数 6.76点
000.00% line
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400.00% line
5419.05% line
6419.05% line
7942.86% line
829.52% line
914.76% line
1014.76% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review2人
2 ストーリー評価 6.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review2人
4 音楽評価 8.00点 Review2人
5 感泣評価 Review0人

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