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プロフィール
コメント数 1880
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 あの時、死んでいたはずのヒトラーが生きていた!しかも二十一世紀の現代へとタイムスリップし、マスコミやインターネットを駆使して再び活動を開始!最初は物まね芸人だと笑っていた人々も次第に彼の演説の魔力に捉われていき…というかなりきわどい風刺を効かせたブラック・コメディ。やりたいことは分かるし、当事国であるドイツがここまで踏み込んだ内容のものを制作したという意義も評価したいと思う。ただ、これはあくまで個人的な感想なのだが、全体的に笑いが足らないような気がする。ヒトラーという稀代の独裁者とそれに振り回される国民を徹底的に揶揄するような視線が欲しかったところ。もっと突き抜けたものを期待していた僕としては少々期待外れだった。[DVD(字幕)] 5点(2017-10-16 22:49:54)(良:1票)

22.  顔のないヒトラーたち 《ネタバレ》 これは迷宮だ。己を見失うな――。1958年、ナチスやアウシュビッツといった悲惨な過去が徐々に風化しつつあった西ドイツ。正義感に燃える新人検事ラドマンは、陳情に訪れたある一人のジャーナリストの言葉に衝撃を受ける。アウシュビッツで多くのユダヤ人に言語を絶する行いをした元ナチ党員が、今や平気な顔をして小学校の教員をしているというのだ。ジャーナリストと共にすぐさま調査を開始したラドマンだったが、様々な手続きの壁や社会の実力者たちのあからさまな妨害工作に邪魔され、捜査は難航する。「常に正義であれ」。尊敬する父が遺した言葉を支えにそれでも捜査を続行した彼は、やがて衝撃の事実を知ることになる。元ナチ党員とされるドイツ人のリストは全部で60万人分あり、アウシュビッツに関係した者だけで約8千人もの〝容疑者〟が存在することを…。第二次大戦後のドイツで一時期タブーとされていたナチスドイツの罪を告発したことで、戦後社会そのものと戦うことになった青年の苦悩を重厚に描いた政治ドラマ。史実を基にしたということで非常に意義深いテーマを扱った作品であることは僕も認めるところなのですが、一本の映画として見ればいかんせん演出が稚拙というほかありません。とにかく無駄なシーンやエピソードが多く、中盤からの中だるみ感が半端ではありません。主人公の恋愛要素は果たして必要であったのでしょうか。サスペンスが盛り上がりそうになるといちいち違うエピソードが挿入されるのでとてもイライラさせられます。後半で明らかにされる衝撃の事実も予想の範囲内のもので、僕にとってはそこまで心に響くものではありませんでした。おそらく素材は良かったのでしょう。ただ、監督に才能がなかった。残酷なようですが、それが本作を観ての僕の率直な感想です。[DVD(字幕)] 4点(2017-03-21 22:32:05)

23.  完全なるチェックメイト 《ネタバレ》 東西冷戦が激化し始めた1970年代、プロチェスプレイヤーのボビー・フィッシャーはその類稀な才能でもって輝かしい戦績を挙げていた。だが、極めて偏屈で自己中心的な性格からその私生活はかなり破天荒なものだった。スタッフに到底不可能な要求を何度も繰り返し、見るに堪えない悪態など日常茶飯事、気に食わないことがあれば試合会場にすら現れない…。それでもひとたびチェス盤に向かえば、天才的なひらめきと緻密に考え抜かれた戦略でもって相手を翻弄する。天才の名をほしいままにする彼が当時の世界王者、ソ連のスパスキーと対戦することになった。世界中から注目を浴びた彼らの対戦は、いつしかアメリカとソ連の代理戦争の様相を呈してくる。すると、ただでさえ細いワイヤーの上を歩くように張り詰められていた彼の精神は、ますます崩壊へと向かうのだった――。実在した天才チェスプレイヤーの破滅的な生涯を、世界王者スパスキーとの今や伝説となった対戦を軸に描き出す社会派ドラマ。監督は、社会性に富んだエンタメ・アクションを得意とするエドワード・ズウィック。病的な性格で回りを翻弄するボビー・フィッシャー役には、まさにはまり役とも言えるトビー・マグワイヤ。もうこれだけで映画として一定の水準は保証されたようなもの。その期待に違わず、ズウィック監督のストーリーテリングは手堅く纏められ、狂人一歩手前のボビー・フィッシャーというこの人物の生きざまが濃厚に伝わってくる佳品となっていた。数奇な運命を歩んだ彼の人生を、その生涯の中でも最高の対局と評されるスパスキーとの第6局へと収斂させる流れも巧い。特に、精神が崩壊寸前まで追い詰められたボビーを鬼気迫るように演じたT・マグワイヤはなかなかのものだった。これまで馴染みのなかったチェスという世界の凄みを充分味合わせてもらった。だが、正直何か物足らないものを感じてしまったのも事実。例えば、同じようにプレッシャーから狂気へと捉われるプリマを描いたアロノフスキー監督の傑作『ブラックスワン』などと比べると、その狂気の迫力が幾分か劣るように感じてしまうのだ。これは監督の資質の問題だろう。ズウィック監督の才能はこのような個人の精神世界を描くのにはいまいち向いていないように思う。あと、この対戦の後にまるで世捨て人のように世界中を放浪した彼の人生を自分はもっと見たかった。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-08 21:26:47)

24.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》 アメリカ西海岸を中心にマグニチュード9.5の大地震が発生。各地に甚大な被害が出る中、主人公のレスキュー隊員・レイが家族を救うために大活躍する姿を描いた大災害パニック・ムービー。こういういかにもベタベタなディザスターものって、映像6割・人間ドラマ4割くらいがちょうどいいバランス配分だと思うのですが、本作はそのバランスがかなり悪いような印象を持ってしまいました。まあいかにもお金掛かってそうな迫力満点の映像は充分鑑賞に耐えうるレベルだとは思うのですが、いかんせん人間ドラマがあまりにもお粗末。こういう頭空っぽにして観るべきエンタメ映画でも、最低限押さえておかなければいけないツボっていうのがやっぱりあると思うんです。でも、本作ではこのツボをことごとく外しているから、一向に面白くないんですよね、これが。以下、この映画の駄目な点を思いつくままに挙げてみました。①主人公である父親と娘の仲が最初からかなりうまくいっている。気難しい年頃の娘と頑固な父親が最初はいがみ合っていたけれど、困難を乗り越えるうちに絆を取り戻すというお話にした方が盛り上がると思うのになんでこんなのっぺりとした展開にしちゃったんでしょう?②別居中の妻の現在交際中の男が、あり得ないほどの大金持ちでリアリティ皆無。大都会に高層ビルを幾つも持つ大富豪が、多少美人で巨乳とはいえ、なんで子供つきで旦那つきのオバハンをいこうと思ったのでしょう?普通、もっと若くてきれいなピチピチギャルをいくでしょうに。③けっこう重要な役どころである地震学者が「地震が来るぞ!!」と警告するだけの役割でしかなく、ドラマの中でほとんど意味をなしていない。きっと、こういうディザスタームービーは群像劇にしなきゃいけないという監督の固定観念があって、だから群像劇にしたいがために無理やり作り上げた人物としか思えないんですよね。④主人公をはじめとする全キャラクターに全く魅力がない。特に娘を助けることになる兄弟の弟なんか、ほとんど居る意味がありません。⑤レスキュー隊員である主人公が大災害を目の前にして、家族を最優先して職場放棄するばかりか先々で窃盗行為を繰り返す。この点に関しては改めて言うまでもないでしょう。結論。映像はそこそこ迫力があったけど、肝心のドラマ部分がこれではね~。ぎりぎり暇潰しにはなるかなぁってくらいの凡作でありました。4点。[DVD(字幕)] 4点(2016-10-09 23:56:40)

25.  カイト/KITE 《ネタバレ》 近未来――。経済が崩壊したアメリカはもはや無法地帯と化していた。実質的に地域を支配するのはギャング集団である「ナンバーズ」。次々と子供をさらい人身売買組織に売り捌くことで豊富な資源を得ている彼らは、人々から最も恐れられている。組織のボスの名は、エミール。絶大な力を持つ彼には、警察ですら手出しできない。だが、そんな彼に密かに復讐を誓う少女がいた。幼いころに彼に両親を殺された彼女の名は、サワ。辛い過去を忘れたいがために麻薬に溺れながらも、今日もサワはその真紅に染められた髪を揺らし、男どもを密かに葬り去ってゆく……。日本の成人向けアニメをサミュエル・L・ジャクソン主演でリメイクしたスタイリッシュ・ハードボイルド・アクション。と、言えば聞こえはいいのだけど、まぁなんとゆうか、ぬるーい映画でしたね、これ。とにかく脚本が穴だらけ。「そこ、けっこう重要なトコですやん」っていう映画の見せ場になりそうなところをことごとくナレーションやテロップで説明するものだから、全く物語が盛り上がりません。最大の突っ込みどころは、敵であるギャング集団がどいつもこいつもアホばっかりで、サワという女の子に簡単にやられまくるところでしょう。もう最後のラスボスであるエミールまで、びっくりするくらいあっさりとやられちゃいます。サワが過去に超人的な力を手に入れたという設定でもあればそれでもいいんですけど、そーゆーのんは一切ないんで後半見事なまでにグダグダになっちゃってます。「あ、ここまで簡単にいくってことは、これは最後にどんでん返しがあるなぁきっとあいつが真犯人で最後はああなるんやろうなぁ、でもまさかそんなベタベタな展開って今どきないよね?」って思ってたら、びっくりするくらいその通りの展開に(笑)。期待のエロ要素もサワちゃんが下着姿でくねくねするだけだし、かなり拍子抜けでした。うーん、完全なる凡作です。主役のサワを演じた女の子がヒットガール時代のクロエ・グレース・モレッツにちょっぴり似ていたので、+1点で。[DVD(字幕)] 5点(2016-09-29 23:23:50)

26.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 このストーンをもし自由に操ることが出来れば、世界などいとも簡単に消滅させることが出来るだろう――。地球暦2014年、銀河系の片隅にひっそりと浮かぶ廃墟の惑星モラグにある一人の男が降り立つのだった。彼の名は、スターロードことピーター。幼いころに地球外の未知なる者どもに連れ去られて以来、いまや銀河を股に掛けて活躍するようになったトレジャーハンターだ。今回の獲物はオーグという名の謎のストーン。易々と手に入れることが出来たものの、依頼主に届けようと訪れたザンダー星でいきなり見たこともないような緑色の肌をした女アサシン・ガモーラに襲われるのだった。さらには、偶然それを目にしたアライグマ姿の賞金稼ぎ・ロケットとその部下で植物型のヒューマノイド・グルートも加わり、ザンダーの街で大立ち回りを演じることに。当然、彼らは捕まり、刑務所にぶち込まれるのだが、そこでこのストーンを巡って悪の化身のようなロナンという反逆者が暗躍していることを知る。このままでは銀河が危ない!同じく刑務所に収監されていた、ロナンに家族を殺された大男・ドラックスと共に脱獄に成功した彼らは、銀河の平和を守るために危険な大冒険へと出発するのだった…。マーブルの人気コミックを原作に、個性豊かなキャラクターが銀河狭しと大活躍する姿をコミカルに描いた波乱万丈SF冒険活劇。いやー、十中八九予想していたこととは言え、もう超が何十個も付きそうなほどの超々王道エンタメでしたね~、これ。よく言えば家族揃って最後まで安心して観ていられる安定の娯楽作、悪く言えば新しい部分が一切ないベタベタな薄味作品。でもまあ、けっこう脚本がしっかりしていたりお金をたっぷり掛けただろうCG映像はさすがの迫力だったりで、僕はぼちぼち楽しめたかな。途中まではいがみ合っていたけど、なんだかんだ色々あって最後は大きな目的のために一致団結して戦うって、もはや「映画ドラえもん のび太のナントカカントカ」みたいなノリ(ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんとほぼ揃ってるじゃん笑)。でも、ここまでベタに徹してくれたらこれはこれで好感が持てるわ。全編に散りばめられた小ネタもキレがあってなかなか良かったしね。難があるとすれば、悪役の目的がいまいち分かりづらいところか。思いっ切り続編が作られる感じで終わっていったけど、きっと一週間もすればほとんど内容忘れちゃうだろうね。ま、でも別に問題なく観られる(笑)。そんな感じの作品でございました。6点っす。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-26 22:56:11)(良:1票)

27.  カニバル(2013) 《ネタバレ》 初めて獲物を愛してしまった――。普段は仕立て屋として真面目に働き、家では静かな独り暮らしを謳歌している孤独な中年紳士、カルロス。少々変わり者だが、仕立て屋としての腕も良いと近所の人たちからも評判で、教会の司祭からは高価なマントの修繕を頼まれるほど信頼されている。ところが彼はその仮面の下に、誰も知らないドロドロとした醜い欲望を隠し持っていたのだった。そう、彼は生まれついての冷酷な殺人者であり、殺した若い女の肉を夜な夜な食べる恐ろしい食人鬼でもあったのだ。その暗い欲求を抑え切れなくなった彼は、いつものように近所に越してきた女性を殺すと、切り分けた彼女の肉を冷蔵庫へと保管する。ディナーのごちそうとして、カルロスはその肉をワインと共に夜毎味わっていたのだった。そんなある日、彼の犠牲者の妹を名乗る美しい女性が現れる。彼女の名はニーナ。新たな獲物の出現に欲望を抑えきれなくなったカルロスは、「一緒にお姉さんを捜そう」と彼女に提案し一緒に警察署や行きつけの場所を廻り始める。ところが、しばらく一緒に過ごしていくうちに、カルロスはそんなニーナに名状しがたいある“感情”を抱き始めるのだった……。生まれついての快楽殺人鬼とそれを知らない若い女性との間に芽生えたそんな禁断の愛を淡々と綴ったサイコ・ラブ・ストーリー。なんですけど、ホント退屈極まりない映画でしたね、これ。映画が終わるまでほとんど音楽も流れないし、主人公である根暗~~な殺人鬼とコチラも同じく根暗~~なヒロインとの大して面白くもない言ってしまえばしょーもないラブストーリーが延々と垂れ流し。もう5分に一度は強い睡魔が襲い掛かってきて、僕は最後まで観るのが苦痛で苦痛で仕方なかったです。肝心の主人公が食人鬼という設定も、どうして彼がそんな猟奇的な行動に走るようになったのか、生まれついての宿命なのか、それとも過去に経験した強いトラウマが原因なのか、最後まで一切説明されないので物語に全く入り込めません。このおっさん、ただ単にナイフとフォークで、ずーーっと肉喰ってただけですやん(笑)。監督としては恐らく芸術映画を撮ったつもりで良い気になってるんだろうけど、もう独り善がりもいいところ。ホント久し振りに、「時間と金を返せーーー!」と大声で叫びたくなるほどのこんなにもつまんない映画を観てしまいました。[DVD(字幕)] 3点(2015-08-25 21:40:14)

28.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 普段、積極的に邦画は観ない。何故かというと、安易な商業主義に走るあまり、アイドルのPVもどき・昔のアニメの実写化・テレビの連ドラの延長でしかない「ナントカ・ザ・ムービー」等というほとんど中身のない類型的な作品ばかりが公開され、僕が映画に求めるものがそこにはないように思えるからだ。そんな邦画の世界で僕がその新作を心待ちにする数少ない傑出した才能の持ち主である中島哲也監督の待望の最新作ということで、もう期待に胸を高鳴らせながら今回ツタヤでレンタルしてきた。夕食を食べ終え、トイレで用を済まし、部屋の電気も暗くして、映画の世界にどっぷり浸かろうともう万全の体制を整えてDVDプレーヤーにディスクをセットする。長い最新映画情報も終わり、ようやく本編が始まるといきなり主役を演じる役所広司が口汚く罵る「この糞が!!」という言葉…。さらに続く、極彩色の映像で描かれる不穏なバイオレンス&エロ描写に、「ああ、これこれ。この誰もが最後まで安心して観ていられる“無難な”娯楽映画ばかりを求める昨今の邦画の観客たちにガツンと挑戦状を叩きつけるような、いかにも中島哲也監督らしいこのアンモラルで淫靡な世界観。これを待っていたんだよ~」と僕のテンションは否が応でも上がっていくばかり。『告白』という中島の生んだ傑作を髣髴とさせる、心に闇を抱えた中学生たちが織り成す不穏な世界と、狂った大人たちの狂った欲望がどんどんとエスカレートしてゆく阿鼻叫喚の地獄絵図を交互に展開させ、さらにはそんな狂った世界を彩るポップでサイケな抜群の映像センス、「やっぱ、中島哲也は天才だ!」と僕はそんな不穏で淫靡な世界にますます嵌り込んでいった。だが…、1時間が過ぎ、完全にぶっ壊れてしまった役所広司が暴走していく後半からそんなヒートアップした僕のテンションは急速に萎んでしまうのだった。加奈子という悪魔的な美少女が周りの人々をどんどんと不幸にしていく過去パートと、アクの強いキャラクターたちが織り成すもろにタランティーノを意識しただろう現代のバイオレンス展開が完全に乖離しているのだ。この2つの世界が上手くリンクしていない。これが本作から僕の心が離れてしまった最大の原因だ。僕が中島哲也の作品に求めるものは、極端なまでにシニカルな暴力描写と人間の心の闇に鋭く切り込む冷徹な視線、そしてその狭間に垣間見える豊かな詩情性だ。もう言わせて貰えば、この役所広司演じる狂った父親の暴走ストーリーは完全に要らなかった。加奈子という悪魔的魅力に満ちた美少女がその持って生まれた“美貌”と“悪”でもって、周りの世界をどんどんと破滅させていくというこの耽美的ストーリーだけを徹底的に追求していたら、既存の道徳観を爽快に踏み越える物凄い傑作になりえただろうに。残念と言わざるを得ない。とはいえ、それまでの作風に安易に留まることなく、さらに新しい世界を追求する中島哲也監督のそのアグレッシブな姿勢を僕は素直に称えたいと思う。今回は残念な結果に終わったが、これからも彼の新作を期待して待とうではないか。[DVD(字幕)] 6点(2015-08-17 22:46:25)(良:1票)

29.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 素晴らしい。この竹取物語という日本人なら誰もが知っている日本最古の物語を現代に甦らせた本作は、アニメのみならずここ10年の間に製作された全ての映画の中でも歴史に残る傑作と言ってもいいくらいの素晴らしい出来栄えだった。高畑勲という日本を代表する映画作家は、この平安期の日本に古色蒼然と埋もれていたかぐや姫という女の子をその見事なまでの芸術的才能によって、千年の時を経た現代の日本に活き活きと生き返らせたのだ。水彩画を思わせる淡いタッチの絵の中で瑞々しく躍動する、このかぐや姫ほど魅力に満ちた主人公を僕は他に知らない。光り輝く竹の中から生まれた小さな女の子であった彼女が心優しき老夫婦の元ですくすくと成長していくさまを自然に見せていく冒頭部分から僕は心を鷲掴みにされた。最初は心優しき翁だった父が都に出てくると、次第にその出世欲と見栄を増大させ、単なる俗物へと変化していくのは、このかぐや姫という物語の本質を象徴している。生きることは、その純粋さを少しずつ穢していくこと――。常日頃からそう思っている僕にはとても共感できるテーマだった。光り輝く魅力に満ちたそんなかぐや姫も都に出たことによって、社会の序列化の波に組み込まれていく。やがて、彼女は男どもの横柄な支配欲――その裏には必ず醜い性欲が潜んでいる――によって、その美しさと純粋さを完全に奪われそうになるのだ。ただ綺麗なだけの着物を脱ぎ捨て、楽しかった生まれ故郷の里山に帰ろうとするかぐや姫(絵のタッチを意図的に荒くして描かれるこのシーンは息を呑むほどに美しかった)だが、男社会の論理はそれを許さない。何とかしてそんな男どもの支配欲に抗おうとするかぐや姫だったが、とうとう帝に見初められることによって追い詰められてしまう。そして、彼女を後ろから抱き締めようとする帝の醜い支配欲…。かぐや姫はその純潔を守るために自らの意志で迎えを呼び、そして“穢れなき”月の世界へと帰ってゆく。だが、そんな俗世にまみれたこの世界でも初恋の思い出や鳥や虫たちの健気に生きる姿、そして父母の情愛という彩りに満ちた素晴らしいものがあると悟り、かぐや姫は涙を流す。不覚にも、僕はこのラストシーンを見ながら涙が止まらなかった。映画でこんなにも泣かされたのは久し振りのことだった。理不尽で醜い現実に満ち充ちたこの世界で、少しずつ穢れていきながら日々の生活を送る僕たち人間の悲哀を象徴的に描いたこのラストシーンは白眉としか言いようがない。そうなのだ。だからこそ、僕たちは物語というものに純粋さ・美しさ・あるいはユートピアを求めていくのだ。それは竹取物語が誕生した千年前も現代を生きる我々でもなんら変わることはない。そんな普遍的なテーマを追求した本作は、近年稀にみる傑作と言っていい。[DVD(邦画)] 9点(2015-08-02 16:41:20)(良:2票)

30.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 きっと信じてもらえないわ、オールドマンさん。実は私、人と会うのが怖いの。15歳のころからこの館の外へと出たことはないわ。それだけじゃない。館に誰か人が居る時は、私はこの隠し部屋に閉じこもるの。しっかりと鍵を掛けて…。両親が居る時だってそうだった。だから私、両親ともずっと会わずに過ごしてきた。そう、壁のこちら側にある秘密の部屋で、私は12年もの間ずっと独りで生きてきたの――。優秀な美術鑑定士であるヴァージル・オールドマンは、極度の潔癖症と偏屈な性格のせいで何十年もの間、ずっと独りで過ごしてきた孤独な男。ある日、そんな彼は両親の遺産を処分したいので鑑定してほしいという若い女性の依頼を受けるのだった。古びた館へと足を踏み入れたオールドマンは、クレアと名乗るその依頼人に会おうとするものの、彼女は一向に姿を現さない。彼女のそんな無礼な態度に次第に苛立ちを募らせるオールドマンだったが、館の壁の向こうから突然クレアが声を掛けてくるのだった。絶対に人前に姿を見せないという謎めいた彼女に、これまで一切女性と交際したことのないオールドマンの心は少しずつ掻き乱されてゆく…。孤独な初老男性と壁の向こうに隠れ住むうら若きミステリアスな女性との恋を妖艶に描き出すダーク・ラブ・ストーリー。正直に告白すると、実は何年も前に、この監督の代表作にして名作の誉れ高い『ニュー・シネマ・パラダイス』を観たのですが、僕の感性とはまったく合わないのか、何処が良くて何に感動していいのやらさっぱり分かりませんでした。「これの何処が傑作なの?」という疑問だけが心に残ったまま、以来この監督の作品はずっと避けてきたのですが、本作の世間での評判がすこぶる良かったので、「もしかしたら…」と今回鑑賞してみました。結果は…、やっっっぱり僕の感性とは全く合わなかったです(笑)。どうしてこんなにも魅力的な設定を扱ってるのに、ここまで凡庸なつくりにしてしまったのでしょう。これをもし、P・アルモドバル監督やR・ポランスキー監督が手がけたならきっと淫靡で怪しげな魅力に満ちた良作になっただろうに。だって“顔のない依頼人”とか言いながら(まあ配給会社が勝手に付けた邦題ですけど)、中盤でその肝心のクレアちゃんが早々に顔を見せちゃうばかりか、陰毛まで晒しちゃってますやん。これじゃ物語の核となるべき、彼女の妖艶さや神秘性なんて欠片もありゃしませんですって。それからは、それ程綺麗じゃないそんな彼女と偏屈じいさんとのどうでもいい恋愛論が延々と繰り広げられて、正直僕は退屈で退屈で仕方なかったです。最後のオチも容易に読めてしまう凡庸なもので、別段心に突き刺さるわけでもなく…。まあ、僕のような人間は世間では少数派なのかもしれませんが、この監督の作品はやっぱり自分とは合わないと十数年ぶりに再確認した次第であります、はい。[DVD(字幕)] 4点(2015-07-14 16:17:53)(良:1票)

31.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 国民的〇〇という言葉がある。現代の日本において、たとえば国民的作家といえば村上春樹が挙げられるだろう。あるいは国民的バンドといえばサザンオールスターズ、あるいは国民的アイドルといえばAKB48、国民的プロ野球選手といえばイチロー…、もっとも村上春樹に限ればもちろん愛読者は多いのだけどそれと同じくらいアンチも多いので必ずしも“国民的”とは呼べないかもしれないが。そんななか、国民的アニメ監督といえば、まず間違いなく彼――そう、宮崎駿の名前を誰もがまず真っ先に挙げることだろう。日本という狭い国の枠を飛び越え、いまや世界の巨匠となってしまったそんな宮崎駿監督の事実上の引退作を、子供のころからずっとジブリ作品に慣れ親しんできた僕としては深い感慨と共にたったいま観終えました。うーん、しみじみと胸に来るものがありますね。バブル経済の熱狂とその崩壊、その後に訪れる長い景気低迷と社会の不安定化、911とイラク戦争、景気回復に伴う行き過ぎた拝金主義、そして今回の震災と原発事故…、そんな日本という国の激動の半世紀を共に生きてきた宮崎駿監督がアニメ映画という表現活動を通して最後に辿り着いたであろう「生きねば」というシンプルでありながら力強いメッセージは、彼の遺言として僕の心に深く響きました。ゼロ戦を設計した人も、爆弾を作った人も、体の毒でしかない煙草の原料をずっと育て続けた人も、そしていまや日本という国を内部から壊しかねない危険な原発を造った人たちも、その善し悪しは歴史の審判に委ねるしかないとしても、誰もが真剣に生き自分の仕事に打ち込みこの日本という国の歴史を築きあげてきたという事実を宮崎監督は最後まで優しく肯定的に描き出してゆきます。なのに、いまや日本を含む世界は理不尽で残酷な現実に満ち溢れていて、もしかしたら未来には希望なんてないのかも知れない(最後に二郎が見る夢の中で大量のゼロ戦が瓦礫と化しているのがそれを象徴しています)。巨大な歴史のうねりの中では、ともすれば悪人としてその名を刻まれることにもなるちっぽけな人間たち。それでも誰かを愛し愛されながら必死に生きる人々の姿は無条件に美しい。“国民的アニメ監督”の最後を飾るにふさわしい、慈愛に満ちた良作だと僕は思う。[DVD(字幕)] 8点(2014-09-14 20:05:02)

32.  華麗なるギャツビー(2013) 《ネタバレ》 村上春樹に、もし無人島に一冊だけしか本を持っていけないとしたらまず間違いなくこの本を選ぶとまで言わしめた有名な小説(僕はそこまでではないですけど、間違いなく10冊のなかには入る)を、なんとあのバズ・ラーマンが映画化、そしてギャツビー役はまさにはまり役としか思えないディカプリオと聞いたとき、もうそれだけで7点付けちゃうくらいテンションあがっちゃいました(笑)。そして期待に胸を高鳴らせながらこの度鑑賞。おい!いつまで経ってもギャツビー(ディカプリオ)出てこねーぞ!と思っていたら、もう焦らしに焦らせて30分近く経過したころ、満を持して不適な笑みを湛えたギャツビーがこちらに振り返ったときに、もう思わずテレビ画面に向かって拍手しそうになっちゃいました!いやー、やっぱカッコいいっすね、ディカプリオ。まかり間違えてニコラス・ケイジがキャスティングされなくてホント良かった(笑)。そして肝心の内容のほうも、異常なまでの情熱でもってたった一人の女性を愛し、彼女が結婚しようが子供を作ろうが「いや、デイジーはおれの事を絶対に愛して待っているはずだ!」と戦場で武勲をあげ、ビジネスで成功し時には違法な行為にまで手を染め、彼女の家の対岸に大豪邸を建てて帰ってきて、そして夜な夜な人も羨むパーティーを彼女の気を惹くためだけに開くという、まさに全ての男の敵にして全ての男の憧れでもある、愛情と情熱と狂気がせめぎ合うギャツビーの類稀なる魅力が見事に描けていたと思います。特に、デイジーが夫に別れを切り出すシーンの、居合わせた4人の四者四様の思惑がぶつかり合う心理戦の息を呑むような緊迫感といったら凄かったです。欲を言えば、バズ・ラーマンらしいどこか下品で猥雑だけど最高にエネルギッシュな歌唱シーンをもっと見たかったかな。でも、女性はこれをどう見るんだろ?一度はここまで男に愛されたいと思うんだろーか。やっぱりひく?でも、ディカプリオだったらアリなのか?などと、クリスマス(投稿日付注目↓笑)だというのに、たった一人でそんなこと考えてる自分という現実にいま気付いた…(泣)。[DVD(字幕)] 8点(2013-12-24 18:07:41)(良:1票)

33.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 突っ込みどころは多々あるけれど、そこは映画のマジック、画面の勢いと役者陣の華やかさで誰でも楽しめるエンタメ映画を創ろう!と、いうスタッフたちの熱意と情熱はビシバシ伝わってくるのだけど、いくらなんでもこの「無実の罪を晴らそう&ダイヤを盗んで悪玉を懲らしめてやろう計画」は無茶苦茶過ぎるだろ!エンタメ映画なんだし頭空っぽにして心の底から楽しんでやろうと思っても、さすがに「ちょっと待て!」と主人公たちにガンガン突っ込んでしまって、途中から乗れなかったよ、もう。役者陣は華があって良かったけどね。[DVD(字幕)] 5点(2013-07-26 22:41:51)

34.  顔のないスパイ 《ネタバレ》 残念ながら、そんなに面白くなかった。主人公の新米FBIが追う伝説のスパイは、実は一緒に追い掛けていた同僚だった!という設定は充分に魅力的なのだけど、演出が冴えていないせいで、映画はクライマックスに近付いているというのに一切盛り上がないという残念な結果に。優れた脚本家が、必ずしも優れた監督にはなれない、という見本のような作品だった。でも、変に奇をてらったりセンスをひけらかしたりせず、オーソドックスでも面白い映画を創ろうという、製作者サイドの率直な熱意のようなものは好感がもてたので5点。[DVD(字幕)] 5点(2013-06-08 12:01:27)

35.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 良くも悪くも宮崎駿印の家族みんなで楽しめるほのぼのアニメ。本当にそれだけ。宮崎駿の過去の作品の魅力ってそんななかにも、ちゃんと心に残る印象的なセリフがあったり、社会の残酷さをその片鱗ながらも感じさせる絶妙の演出手法が際立っていたりしたのだけど、このところの宮崎作品ってそんな魅力が顕著に減じているような気がして仕方がない。それでもあのグロテスクな魚たちの大津波のシーンだけは心に残ったので及第点で。[DVD(字幕)] 6点(2013-05-02 19:09:51)

36.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 この映画、完全に出オチ。冒頭10分の平凡だけどささやかな幸せのなかに生きた、ある老夫婦の歴史と、その後、誰にも心を開けず偏屈になったじいさんが沢山の風船を家に付けてファンタジックに空に飛び上がるところで、もう全精力を使い果たしたといった感じ。さすがにその後はアイデアが続かなかったのか、以降はかなり退屈な作品になってしまった。冒頭10分が素晴らしい出来だけに、残念![DVD(字幕)] 6点(2013-04-03 12:52:36)

37.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 あの奇才ザック・スナイダー監督が初めて挑んだ、ファミリー向けファンタジー映画。所々にこの監督ならではの映像センスを感じるけど、ちょっとその才気が十分に活かしきれていないような印象が残った。やはり、この監督のセンスは(色々と制約のある)大衆受けするようなエンタメ作品には合わないんだって。それでも最後まで飽きずに観れるところはさすがです![DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 19:47:19)

38.  カウボーイ&エイリアン 《ネタバレ》 正直、面白くなかった。西部劇の世界にエイリアン襲来という単なる一発アイデアのみで企画を進めたのか、脚本に穴だらけ。だいたい本拠地である宇宙船に登られてダイナマイトを爆発させられるまで気付かないエイリアンてどれだけ間抜けなんだ!それならそれで、とことんお馬鹿なB級映画にしてやろうというなら分かるけれど、それもなし。無駄に豪華な俳優陣が勿体なかったなぁ、という感想しか浮かんでこない。[DVD(字幕)] 3点(2012-09-06 18:48:49)

39.  影武者 《ネタバレ》 うーん、黒澤明が初めてカラーで撮った時代劇だと思うのだけど、それで肩に力が入り過ぎたせいか、幾分かそれが空回りしている感が否めない。どうにも無駄なシーンが多いような気がする(特に何度も繰り返される大量の馬の転倒シーン)。次作「乱」では、その力みがちゃんとコントロールされた傑作になるだけに、その習作のような残念な映画に思えた。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-16 17:33:47)

40.  監督・ばんざい! 《ネタバレ》 下品な悪ふざけ。面白みのかけらもない。一切笑えず、不快感だけが残るどうしようもない映画。それだけ。[DVD(字幕)] 1点(2012-06-14 16:20:35)

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