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プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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41.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 90年代にVHSのレンタルで見たのが初見だが、その時点で印象に残ったのは近代科学への警鐘でもなく愛する人の幸せを願いながらの悲しい自己犠牲ということでもなく、ゴジラ襲来後に収容された重傷者や母親を呼んで泣く子ども、立ち働く白衣の天使とその映像に被さる女学生の歌声だった。これは先の大戦に直接関わる慟哭の思いと鎮魂の祈りの表現としか思われず、この映画だけは他のゴジラ映画と異質だというのが率直な感想だった。 また今の目で見直すと、放射線の測定機器を子どもに直接向ける光景が、5年前の現実の事故のことを思い出させて非常に痛々しい。放射能を帯びた怪獣との設定はその後も一応引き継がれていたわけだが、これが虚構のキャラクターの単なる一属性というだけでなく、いつの時代にも再現されうる現実の脅威を表現したものであったことが改めて思い知らされる。 そのほか単なる怪獣映画として見た場合にも、特撮映像は昔の映画ながら文句をいう気にならない迫力があり、巨大な生物に対して地べたを這う人間の恐怖感が表現されている。この映画では魚・牛・豚(と娘っ子)を食うことになっていたが、これはその後に引き継がれなかった設定と思われる。また出演者では何といっても河内桃子さんが可憐で可愛らしい(やたらに触るな、と宝田明氏に言いたい)。巡視船PM20こうず、PM21しきねの撮影協力もご苦労様でした。[DVD(邦画)] 8点(2016-07-30 21:40:53)(良:1票) 《改行有》

42.  怖譚 コワタン<OV> 《ネタバレ》 「最恐の女子校生ホラー」とのことで、全5話のオムニバスである。[ ]は点数。 【集金人】 冒頭のナレーションで回想譚とわかり、本人は無事だったと確認されるので安心してしまう。“あとで聞いたらこうだった”というオチまでついているのは、実話というより古風な読者投稿の雰囲気を出しているともいえる。暗闇の顔が不気味。[3] 【異界からの招待状】 怖いことは怖いが心霊写真の怖さである。主人公の行動が不自然で、ベランダに出た時点で右側が気にならないはずがない。[3] 【理想のトモダチ】 時間が最長。子役時代からキャリアの長い役者を出してエピソードとしての充実を図ったのかも知れないが、出来事自体に新味がなく、ただの女子高生?が超自然的能力を発揮して無理矢理な流血沙汰に至る話を素直に受け入れるわけにはいかない。主人公が錯乱した場面で、近くの仮設ゲートが風で揺れていたのは巧妙な表現かと思ったが、これは実際に風の強い日に撮影したようでどれだけ意図したものか不明。童顔の殺人者に+1点。[3] 【ユウタイリダツ】 時間が最短。美少女がパンツを下ろして便器に腰かけているのは大胆。怖いというよりほのぼの系。[4] 【覗き魔】 個人的好みとしてはこれの主役の人(青山奈桜)が一番かわいく見える。見た目は可愛いが近所のオバサンと比べると明らかに長身で(165.5cm)、最近の日本人は体格がよくなったものだという感慨がある。この人に+1点。[4] 【ベッドの下に…】 大変よろしくない特徴を備えた最低ホラーである。題名だけでわかる古いネタを使っているが、原話を改変した結果として何の捻りもないただの殺人になってしまっている。これで警察の追及を受けなくて済むと思っているのかどうか。意外性を優先して現実味を簡単に犠牲にしたように見えるが、超常現象に頼らないつもりならもう少しありそうな話にしてもらいたい。ただし「みんな言ってるよ」が2回出たのは少しよかった。[1] SDPが製作し、スターダストプロモーションの所属タレントが多く出演するオムニバスホラーで、今回は若手女優に重点を置いたらしい。 女子高生から取材した実話をもとにしたとのことだが、どこまで実話なのか怪しい話ばかりである。オーソドックスな怖さを重視した面もあるが、外と思ったら中にいた、とか、どこかと思ったらここだった、といったありがちなパターンで済ませたところもあり、全体的に納得できる水準ではない。[DVD(邦画)] 3点(2016-07-03 18:52:44)《改行有》

43.  昆虫大戦争 《ネタバレ》 登場人物の説明によれば、劇中の「亜南群島」は「二十数年間日本の手を離れてた」とのことで、これは小笠原諸島を念頭に置いていたものと思われる。この映画の公開は1968年だが、実際に小笠原諸島は同年6月26日に日本に返還されており、劇中の黒人兵が死んだのが1968/10/19だったのをまともに受け取れば返還直後だったことになる。劇中で妙にアメリカ軍がのさばっていたのはまだ完全に影響を脱していなかったということか。そうした歴史的背景のほか、映像的にも微妙な南の島感(熱帯ではないが本土でもない)が出ており、これは撮影地が八丈島だったことによるものかも知れない。 ストーリーとしては、戦後の東西対立と日米の微妙な関係に加えて前大戦の亡霊のようなものが劇中にまとめられており、単純な二項対立の構図に終わっていないのが好印象である。その上で、昆虫の集団意思のようなものが人類に宣戦する、という大きな動きが見えて来る展開は悪くなかった。また序盤からいきなり重要人物が外人女と浮気していたり、その新妻が雇用主に乱暴されそうになったりするのはその後の月並みでない展開を期待させる。複雑そうに見えた人間関係がやがて解きほぐされていき、ラストの意外さも単なる肩透かしに終わることなく、未来にわずかな望みを託すような終幕はわりと良心的に感じられた。これ自体が面白いかどうかは別として、他の松竹特撮映画と比べると、地味ながら普通にまともな感じの映画だったのが感動的である。 ところで登場人物としては、劇中に男女の組み合わせが2つできていたが、まともな大人同士の方はいいとして若い方はいかにもバカップルに見える。誰も頼れる人がいない、というのは自分ら(特に男)のせいだろうと言いたいところだが、虫を捕る以外に生活の道がないというのも情けない話で、頼りがいのありそうな学者先生と比べるといかにも愚かな連中に見える。アメリカ軍にとっては「虫けら」同然だろうが、それでも最後に互いの愛情が本物だったのを見せたのが哀れを誘うということだろう。ここが昆虫とは違う人間の証と言いたかったのかも知れない。 新藤恵美という女優の最盛期はよく知らないが、この映画では悲しげな表情が愛らしい人だった。またキャシー・ホーランさんが今回は大活躍で、なかなか色っぽいところを見せていたのもよかった。[DVD(邦画)] 5点(2016-05-21 09:27:25)《改行有》

44.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)《改行有》

45.  コープスパーティー 《ネタバレ》 前田希美さんが出ているのでとりあえず見た。 しかし「リアル鬼ごっこ4」(2012)の頃ならまだしも、今になって女子高生役はさすがに似合わない(同じ時期の別のホラー映画では女子大生役だった)。もう少し大人の女性役で出てもらいたいものだが、ただしラストの悲劇が強く印象づけられたのはこの人あってのことかも知れないとは思う。 なお続編があるようだが次は見ない。 [2020/1/4追記] 「もてなしのまち熱海」で撮影された映画らしい。今なら「おもてなし」の方が普通だろうが。 もとのゲームの再現度としてどうなのかはわからないが、ストーリー的には特に面白味もなく単調に見える。実際の見どころはグロ場面の方ということだろうが、それも安手の作り物でしかなく、どこがアンリミテッドというほどのものかわからない。何かこの程度で喜んでみせるお約束でもあるのか。 この映画だけではないが、人が残酷に殺されるのを見せるための映画のようでいて、実際は本当の残酷さのはるか手前で止めているようなのは意味不明というしかない。しかしまともに考えると、とにかく人が残酷に殺されるのが見たくて仕方ないが、本当にやってしまったらどうなるか想像できていない低年齢層(中学生程度?)を対象に、本人が精神的な悪影響を被らないようセーブしながら適度な残酷場面を提供するのが本来の意図なのかも知れない。そんなことは常識かも知れないが今回一応考えたので書いておく。 なお、最後に帰れなかった者がいたことを一瞬でわからせた映像はよかった。また前田希美さんに女子高生役は似合わないが、なかなか曲者の役を務めているとは思った。それでも今回せっかくの機会なので1点減にしておく。[DVD(邦画)] 2点(2016-04-07 19:55:11)《改行有》

46.  ゴジラVSビオランテ 《ネタバレ》 これは以前にTV放送で見たが(成人後)、湖・植物・沢口靖子しか憶えていなかったので、当時としても印象の薄い映画だったようである。最近になって若い連中(といっても30前後)が名作だと言うので改めて見たが、これは一体どこに感動すればいいのかわからない、と感想を述べたところ、思い出補正があると本人も認めていた。 今回見たところでは、変に各種要素を詰め込んだようで騒々しく落ち着きのない映画になっている。エンターテインメントとしてはこれでいいのだろうが、ビオランテの最後がファンタジー調(沢口靖子再登場!)なのは好みでなく、エンディングのバラも悪趣味に思われる。 真面目な社会批評の部分でも特に心に訴えるものがなく、単なる形式論を述べただけで終わった印象がある。ただ劇中で前提にしていた相互確証破壊による核抑止とか、国際資本の市場支配といったものはこの頃らしい話題で懐かしい気がした。遺伝子資源の争奪というのも今日的な問題として捉えられていたものか。また昭和29年の第一作の時点ではまだ日本の原子力開発が始まっていなかったわけだが、この映画では原発とゴジラの関係付けができていた(前作から?)のも時代の差を感じる。若狭の原発銀座をゴジラが襲うという展開は「天空の蜂」(2015)どころの話でないだろうが、この映画ではそれほどの緊迫感もないままで終わった。放射能(放射線)への恐怖心に関する実感のない、呑気な時代の映画だったようである。 ところで登場人物のうちでは高橋幸治氏がいかにもという感じのはまり役で、劇中では○チガイ科学者のような扱いだったが、この役者との関係で見れば全く違和感がない。この人に「もう私たちの時代じゃないのかも知れない」と言われると少し寂しいものがあった。 ほかに無関係な芸能人を出すのはふざけた感じで歓迎できないが、デーモン閣下の登場には不覚にも笑ってしまった。また斉藤由貴が大阪城ホールで声だけ出演した場面では、そういえばこの人はこういう歌を歌っていたな、と思い出したので肯定的に捉えたい。「避難してくださーい!」というのがほのぼのしていい感じだった。 [2018-02-14追記] 上記の「遺伝子資源の争奪」に関して、その後に別用で生物多様性のことを見ていたところ、この映画は生物多様性条約(1992年5月採択、1993年12月発効)の「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分」を少し先取りした形で制作されていたことがわかった。だから何だということもないが少し不勉強だった気もして反省した。[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:28)《改行有》

47.  こっくりさん 劇場版 《ネタバレ》 アイドル主演のホラー映画など最初から全く期待していないわけだが、結果的にこの映画はそれほど悪くなかった。 特に傑出したものがあるわけでもなく題材からしてありきたりだが、落ち着いた雰囲気で一貫した不安感を出しているのが好ましく、いわば標準的というかプレーンタイプのホラー映画を見た感じだった。劇中では、何か起こりそうに見せておいて結局何も起こらない場面が多かったが、それがかえって緊張感の維持につながっている。またときどき出現するバケモノは、明るいところ(メイキング)で見ると苦笑するようなキツネ面だが、劇中では特殊効果でよく見えないようにしていたのがかえってよかった。ホラーに刺激を求める人々には受けないだろうが、安手ながらも一定水準が確保され、かつ失点がそれほど多くないのが相対的な好印象につながっている。 ただ残念だったのは最後の締め方である。世間的には都合のいい終わり方を嫌う傾向もあるだろうが、別にそれが高級なわけでもなくかえって通俗的に見える。それよりも、例えば終了間際までずっと不安感を引っ張っておいて最後だけすっきり終わる、という方が意外感もあって新鮮だったろうと思うが、まあその辺は趣味の問題だと言われればそれまでである。 ちなみにキャストについて、主演は鈴木まりやという人(当時AKB48チームB)だが個人的には知らない人である(続編もこの人が主演だが監督は違う)。また教員役の片岡明日香という人は「再現ドラマの女王」とのことだがTVを見ないので知らない。魅力的な女優だとは思うが、この人がもう少し色気を出すような形だともっとよかったかもしれない。それも趣味の問題か。[DVD(邦画)] 5点(2016-03-04 19:51:13)《改行有》

48.  校歌の卒業式 《ネタバレ》 三重県志摩市大王町船越という場所にあった志摩市立船越中学校が2013年3月をもって閉校することとなった際に、「船越中学校閉校記念事業推進会議」の委員だった地元の人物が、同校出身の映画プロデューサーである山際新平氏に相談したことがきっかけで製作されたとのことである。その経緯からしても学校統廃合の方針自体に異を唱えるものではなく、世の趨勢はそれなりに受け止めた上で、人々の思いをどのようにすくい取るかを主題にしたものらしい。 脚本・監督はアニメ中心に活動してきた宇井孝司氏が担当しているが、出演者に関して本物の役者は中学生の「喜田明日香」役1人だけである。ほか役者のように見えなくもない音楽教員役は映画音楽を担当する音楽家(佐田詠夢)、また飛入りのバイオリニスト役も本職のバイオリニスト(佐田大陸、佐田詠夢の実兄)の飛入り出演とのことである。有名人はここまでで、その他はどうやら地元のまるきり素人らしい。中学生は当時の在校生で、役のある人は一応のオーディションを経てそれなりに選抜したようだが、主人公役については全く別の観点から選出したらしく、この人物の素人感が突出していたのが微笑ましい。ほか「ガールズトーク隊」の4人組などは結構こなれた感じで、やはりこういう場面では女子の方が器用に立ち回るもののようである。 本筋としては題名通りの「校歌の卒業式」になっているが、劇中ではこれと並行して中学生の素朴な青春ラブストーリーが進行する。シナリオ自体が笑えるように書かれているわけだが、これに主人公役の朴訥な演技が輪をかけて大爆笑させられる場面が多く、そういうところがこの映画の自然体でほのぼのとした印象づくりにも役立っている。ラストもあまり作為的でない自然な終わり方になっており、具体的成果というより思いをあとにつなぐ形になっていたのが印象深かった。 劇中に出ていたように、歌は単なる音響芸術というだけでなく人の思いを担う存在でもある。特に校歌は全ての在校生が間違いなく習う歌であり、人口移動のあまり激しくない場所では、世代にかかわらず地域住民が一緒に歌えるという意義を持つことにこの映画で気づかされた。この映画も、映像と音楽と人々の思いを全部まとめて後世に残すことにつながれば部外者としても幸いに思う。 なおついでに、今年の伊勢志摩サミットが平穏裡に開催されることを願っている。[DVD(邦画)] 6点(2016-01-13 23:39:13)《改行有》

49.  骨壺 《ネタバレ》 主要人物4人をそれぞれアイドルグループから選抜した形になっているが、アイドルという割には見事に全員可愛くない。このようになっている意図は不明だが、自分にとってホラー映画で可愛くない人物はいつどのように死んでも構わないから勝手にしろということになるので、こういう救いのない映画にはこれがふさわしい。 かえって1人生き残ったのが気に入らないわけだが、この人物も最初から悪印象のため観客の共感を妨げるものがある。この映画を見て素直に共感できるとすれば、“基本は性悪な女子高生だが実は悔い改める素質を持った者”(要は劇中人物そのまま)に限定されるように思うが、そんな人間が都合よくこの映画を見るものか、あるいは一般に女子高生とはそういうものと見極めた上でやったのかはわからない。原作と映画の比較でどこがどうなったのか知りたいところもあるが、この原作者の著作は読む気にならないので自分にとっては永遠に不明のままである。 そのほか、真に最悪だったのは終盤の叫び声がやかましいことだった。悲痛な叫びとかいう以前にやかましいこと自体が耐えがたい。こういうのはもう理屈も何もなく最低点を付けるに十分な動機になるが、ただし憎悪するほどではなく嫌悪という程度にとどまるので0点にはならない。[DVD(邦画)] 1点(2015-11-16 00:49:00)《改行有》

50.  恋空 《ネタバレ》 好きな女優が出ているわけでもないので、これを見たのは完全な冷やかしである。この手の映画としては「天使がくれたもの」(2007)を見たことがあるので一定の耐性はついている。 まず劇中人物のほとんどは異性のことしか頭にないようで、いったい何しに毎日学校へ行っているのかわからない。こういう生殖本能だけで生きているような連中も高校生かと思うと、同時期に見た「幕が上がる」(2015)とのあまりの落差に呆れてしまう。まあその種の人間はいつの時代も人口の一定割合を占めているわけなので存在自体は否定できず、自分としてもここはそういう世界なのだからと納得して多少のことは見逃すようにしていたが、しかしその後に主人公が大学に進学することになっていたのは非常に驚いた。この映画で最も違和感の大きかったのはここである。 ただ自分としては実際のところ、意外にまともに見ていられる映画という印象だった。ストーリーも一応できており、時間は少し長目だがとりあえず最後まで見られないことはない。原作に対するネット上の酷評(罵詈雑言)を見る限り、そのままでは一般人には受け入れがたかった内容をさらりと通るようきれいに映像化して、ある程度見られるものにしたのは映画の功績だろうから、ここはそれなりの点数をつけておくことにする。 なお、この話の内容が不道徳だからといって原作者を責める筋合いのものではなく、また書籍の出版や映画化に関わった業界関係者に倫理感など求めるつもりもないが、一方でこの映画に関して心底呆れたのは、O県教育委員会という公的機関が制作に協力していたことである。学校内で生徒が妊娠させられる映画に協力する教育関係者は脳の機能が疑われるわけだが、さらにその県教委が映画公開の次の年に組織体質の問題で世間を騒がせていたことを思い出すと、自分としては本来この映画に感じるべき悪感情を、常識外れな県教委への怒りに転化させずには済まなくなった。O県出身・在住の人々全体の不名誉につながらないように願う。[DVD(邦画)] 3点(2015-09-20 10:23:17)《改行有》

51.  告白(2010) 《ネタバレ》 映像・音響が刺激的で中身も痛快な高級エンターテインメントである。 何より主人公の元教員が一貫した姿勢を堅持していて安定感がある。心の葛藤が外に見える場面もあったが、これは主人公の行動が間違っていることを示唆していたわけではなく、本来この主人公がどこにでもいる普通の人間であって、決して特殊な性向の持ち主ではないことを示しただけと思われる。 またラストの一言には安堵した。直前の台詞がご立派すぎたのでそういう幕引きなのかと落胆しかけたが、ここまで来ておいて正しい教育映画のように終わるのでは到底納得できるものではない。これはいわば刑吏の温情のような形で一応まともな説明をしてみせてから、ただし自分は復讐者の立場であるから実はそのような観点はなく、あくまで非情なだけである、と突き放したと解される。 ところで、いわゆる綺麗事というのはそれ自体が間違いともいえないが現実妥当性の面で難があり、また一方では耳触りがよく反論されにくい、あるいは自己陶酔しやすいといった発言者に都合のよい性質を含むのが厄介である。劇中で最強の綺麗事は主人公の夫の教育論だろうが、そのほか“他人を疑うのはよくない”だとか、また劇中の少女が信じたがっていた“誰の命も重い”も含めて、この映画では綺麗事全般があっさり否定されて終わったようである。 しかし現実には綺麗事に含まれるもの全てを叩き潰していいわけでもなく、例えば少女の“私の命も重いと言ってほしい”という心情まで踏みつけにすることはできない。綺麗事を粉砕してしまった後に、改めて従うべき行動規範が残されるかどうかは別の問題であり、その点主人公は思慮深い人物なので自制していたと思われるが、それでも最後の爆発が事実であれば適正な復讐の範囲を逸脱していた恐れがある。 別に主人公が個人でここまでしなくとも、公権力が適切な刑罰とともに遺族感情の慰撫(公権力が復讐を代行したと感じさせる)をまともに行えればいいはずだが、綺麗事にまみれた社会では今さら何を期待しても仕方ないという諦めもある。まあ世の中などその程度のものであって、何かを期待することの方が間違っているのだろうが。 なお余談として、生徒役のうち別映画で見たことのある近藤真彩と三吉彩花と山谷花純は発見できたが、能年玲奈は最後までわからなかった(探す気がないわけだが)。[DVD(邦画)] 9点(2015-06-30 23:49:01)《改行有》

52.  こわい童謡 裏の章 《ネタバレ》 予定通り「表」の謎は解いているが、真犯人に関していえば映像的にほとんど説明済だったため意外感は全くない。一方「表」では主人公の母親が死んだ理由も示唆されているように見えたが今回は説明がなく、これは観客向けの謎解き要素として残したということなのか、あるいは単に当方の思い違いだったのか。 今回の特徴点は、「表」で心霊現象としか思われなかった事件の謎を音響のプロが合理的観点から解明していく形になっていることである。映像面でのホラー風味は維持しながらも、謎解きの面では“この世に科学で解明できないものはない”というかのような勢いが感じられたが、しかしその説明が面倒臭くて無理やり感があり、また主人公の口調が一本調子なこともあってあまり感心できるものにはなっていない。 ただし、ラストで一つだけ合理的な説明のできない問題を残して終わっていたのは実は期待通りだった。自分としては昔の特撮番組「怪奇大作戦」(1968)を思い出したが、原作・脚本・監督の人物は1967年生まれのようで、これと直接の関係があるかどうかはわからない。 なお今回の主演女優は個人的に好きなわけでもないが、この映画では普通に清楚な正統派美女に見えるので印象は悪くなかった。[DVD(邦画)] 5点(2015-04-25 19:59:11)《改行有》

53.  こわい童謡 表の章 《ネタバレ》 童謡を扱っていること自体は特に目新しいものではない。学者に監修してもらっているのはいいことだが、劇中に出ていた説明がどこまで本当なのか見る側としてはわからない。舞台は今どきお嬢様学校とのことで、これは外見と内情(表と裏)のギャップを表現しようとしたようにも取れるが、ただし全寮制というのはどちらかというと生徒が夜間の学校に出入りするのを不自然でなくするための設定かと思われる。 ストーリーに関しては、初めから「裏の章」で謎を解くという構成のため細かいところはわからないにしても、まあ大体のことは想像できる。この「表の章」で不明なまま残るのは主に何でこの学校にこういう事件が起きるのかということだろうが、普通一般のホラー映画のわけわからなさに比べれば特に支障はない。単純なホラーとして見るならここで終わりにしても問題ないだろうが、裏もあるというなら一応見なければと思ったので総合評価は保留しておく。 なお主人公が可愛いのは大変結構なことだった。これだけは間違いなくこの映画の見どころである。[DVD(邦画)] 4点(2015-04-25 19:58:49)《改行有》

54.  コネコノキモチ 《ネタバレ》 ネコの出番は意外に少ないが、映像面での美しさは全編にわたり徹底されていたようで、また音楽の使い方もオーソドックスで心地いい。監督はPV制作で有名な人とのことで、その面の特徴も出ていたものと思われる。 主演はアイドルグループ「アイドリング!!!」3号の人(ただし2014.2月卒業)であり、この人のPV的な意味があったような感じもある。別映画で主演していたのを見たときは、役どころのせいもあって茫洋とした感じでどこをほめればいいのかわからなかったが、この映画では喜怒哀楽も出ており、ちゃんと普通の人間だったことがわかって好印象だった。この人の歌う「空の木」が映画のテーマ曲であり、劇中でも墨田区が舞台だったことから、東京スカイツリーのプロモーションを兼ねたような印象もある。  それでストーリーとしては、父親/夫の死による心の欠落を埋められずに2年が経過した家で、ネコの登場により娘と母の心境変化が促され、やがて家族の再生に至るという話である。そのようにまとめてしまうと非常にありきたりな感じだが、実際見れば相応の感動がある。娘と母それぞれの年代に応じた気づきや悟りが描かれているが、特に母親が“生きている今が大事”と思い至る場面は印象的だった。言葉のほかに状況や映像で語られている内容も多いので、一つひとつの場面を大事に見なければという気にはさせられる。 ただし中盤以降では、なぜか意味不明な登場人物が乱立している印象もあった。しかしこれは一見意味がないようでも、世間ではどこで何がどう関係して来るかわからないので、一瞬のつながりでもとりあえず大事にしておこうという意味に取ればいいのかも知れない。  そのほか友情出演のアイドリング!!! 6号(外岡えりか)が、終盤でネコ役になって登場していたのは斬新な試みかも知れない。演じるヒトとネコの年齢がイメージ的に一致せず、とても同一人とは思われないのだが、まあ微笑ましい趣向とはいえる。この擬人化ネコがラストで再登場するのも失笑というかユーモラスだが、ただしいくらアイドルでも本物の子ネコには絶対かなわないだろうと一応書いておく。[DVD(邦画)] 7点(2015-02-04 22:50:39)《改行有》

55.  子猫の涙 《ネタバレ》 大阪の映画というととにかく怒鳴り散らす人物が出るとか暴力沙汰が頻発するのは呆れる(本当にそういう土地柄なら仕方ないが)。ギャグも多いのだろうが自分としては笑えるところがない。 また主人公の人生については特に積極的に肯定する気にもならず、単にこれはこういう人だと思うだけである。個人的な感覚としては、オリンピックで銀メダルを取り、その後の途中経過はいろいろあったにせよ、子息に継承したボクシングジムが現在も続いているというだけで普通人としては十分な業績と思われる。そのため本人のボクシングに対する思いがどうだったかというようなことはそれほど重大事にも思われず、葬儀の場面に至って蒸し返されても何の感慨もない。 一方で、主人公の娘は毒舌だが邪気がなくて愛嬌があり、この人が映画全体を支えているのは間違いないようだが、成人後のイメージがあまりに違っているため統一感が全くない。その他の人物も半端な感じで、実母は娘を棄てるためだけに出て来て、また継母は娘に説教するためだけに出て、それぞれの役目を果たすと用済みになって存在感を失ってしまう。猫を拾って来たのも、途中で死なせて一家を泣かすためだけのようだった。 以上、個人的には見どころがない上に、全体構成としても個別エピソード優先ということなのか、ストーリーとしてのまとまりが不足しているように感じられ、残念ながら面白いとはいえない映画だった。 なお余談として、娘の友人2人のうち1人は、後のAKB48→NMB48所属の市川美織(みおりん、レモンちゃん)という人のようで、この時点で結構な美少女に見える。もう1人が誰かも大体想像はつくが、根拠が見つからないので書かない。[DVD(邦画)] 5点(2015-02-04 22:50:34)《改行有》

56.  婚活バトルロワイアル<OV> 《ネタバレ》 どうせどうしようもないバカビデオだろうと思っていたが、しかし見ると結構まともな話になっていたので驚いた。 最初は作り手の良心が全く信用できない状態に見えたが最終的には許容範囲に一応収まり、また演者それぞれの性質に応じて適切な役が振られている(当然だが)ので、何でこの人がこんなものに出ているのか、という不審の念も一応解消される。中盤のインタビューで出ていたシンデレラ観には少し感心したが、最後は少なくとも主人公に関してはちゃんとしたシンデレラストーリーになっていた。 そういうことで、当初のマイナスイメージと、終了後のそれなり感とのギャップが感動的なお話だった。 なお主演女優はこれまでかろうじて存在だけは知っていたという程度だが、これを見るとけっこう可愛いタイプの人だったらしい。汚れ役になりそうでならないハラハラ感が大変結構でした。[DVD(邦画)] 4点(2014-10-26 20:50:58)《改行有》

57.  ゴースト・リベンジャーJK<OV> 《ネタバレ》 主演女優が別のOVでこれの宣伝をしていたので見たが、これを見るよりなら、同時にPRしていたグラビアDVDを見た方がよほど有益だろうと想像する(見てないが)。 これもジャンルとしては「アイドルもの」なのかも知れないが、その性質を除くと他にほとんど何も残らない。笑えるわけでも泣けるわけでもなく、復讐の爽快感もない一方でラストが感動的なわけでもない。あまりに出来が悪いために怒るならまだしも、なぜかそういうこともない(これは自分が寛容な人物だからか)。見た人間の記憶に残さず、スルーさせることを意図して作ったとさえ思えるのが不思議なことである。また「アイドルもの」としても、この人のファンにとって本当に見るべきものになっていたかどうかは怪しいものだが、それは自分が判断すべきことではない。 以上、基本的には見どころのない話だが、それだけでは感想として冷淡すぎるので少し特徴点を書いておくと、主人公の姉役が怪演だったのと(この人は誰?)、魔女館や秘密基地の設えが若干目を引いたとはいえる。 なおどうでもいいことだが、ヒロインは彼氏より背が高く(しほの涼172cm、野崎純平170cm)、かつ顔が小さい。[DVD(邦画)] 1点(2014-10-26 20:50:40)《改行有》

58.  高校デビュー 《ネタバレ》 [2018-01-07 BD視聴による修正] 原作は読んでいない。世間では「のだめカンタービレ」のキャラクターを真似ていると指摘されていたようだが、自分としては「のだめ」のコミックは全巻読んだが映像化されたものは見たことがない(見る気がない)ので気にしないことにする。 この映画に関しては、初回は宴会後に帰宅してから見て序盤から大笑いしたが、酔っぱらっていたため13分くらいのところで寝てしまった。しかし次の日に改めて見たところ、素面の状態でも序盤から大笑いしたのでこれは本物だと確信した。とにかく最初から最後まで笑える泣けるの大感動作で、細かいネタが連続して飽きさせず、ある意味しっかり作り込んだ映画と感じさせる。終盤では次第に泣かせる場面に移行しているのにまだギャグネタを出してきて(黒ネコは好きだ)、笑い泣きしながら感動のフィナーレに突入するのは最高の幸福感を与えてくれる。 登場人物に関しても、ヒロインが超素朴で悪気がない(変な色気もない)ので純粋な好意を寄せることができる。相手の男もいい奴だったようで安心したが、そのほかヒロインのまわりが自然にいい人たちで固められていくのもいわば人徳のおかげだろう。一つだけ障害のように見えた元彼女にしても、ヒロインが善人のため対立関係にもならず、かえって元彼女の方がかわいそうになったが、しかしこれはヒロインのまっすぐさには誰も勝てないという教訓かと思われる。 ちなみに主演女優は映画初出演とのことだが、この場にふさわしい人物像が適切に表現されていて全く問題を感じない。視覚的にも彩度の高いポップでファンシーな映像によって映画の世界観が端的に提示されている。また音楽としては懐かしめの「愛のしるし」(1998年、PUFFY)が印象的に使われていたが、エンディングの主題歌も切ない感じの曲で好きになった(「フォーリン・ラブ」(2011年、7!!))。 以上により、意外に自分の人生を豊かにしてくれる映画を発見した、というのが初見時以来の実感である。少なくともこれまでの経験では、少女マンガ原作でこれほどしあわせな気分になれる映画は他に見たことがない(脚本が福田雄一というのと関係あるか)。当初段階で9点などという破格の点数を付けてしまったので、いずれ見直しが必要かと思っていたが、改めて見ても修正する気にはならなかった。[ブルーレイ(邦画)] 9点(2014-02-17 22:53:19)《改行有》

59.  高速ばぁば 《ネタバレ》 「先生を流産させる会」の内藤瑛亮監督の映画ということで注目される(が、個人的には女優の未来穂香を見ようとしただけである)。 まず登場するアイドルグループはコンセプトが極めて適当で、持ち歌を聞いても脱力感を免れず(これのフルバージョンをぜひ見たい)、こんなののファンもバカばっかりだろうと思わせるものがある。メンバーそのものは劇中に出た通り少し性悪な普通の女子なわけだが、アイドルグループとしてのおバカな印象とのギャップがほのかに可笑しい。 またストーリーとしては、最初の事件が起こってこれは大騒ぎになるだろうと思うと場面が飛んで、また何事もなかったように芸能活動が続いているのがとぼけた感じだが、その後も事態が進展して登場人物が次々に破滅していき、これはさすがにただでは済まないだろうと思うような大事件が起きても、なお無反省に脱力系アイドルの営業を続けているのが非常に変である。画面上では公園のステージや事務所の外観が出るたびに、まだやるつもりなのかと呆れてしまう。まったく懲りない連中だと思うが、結果としては微妙にシュールでブラックな世界が表現されていたようで、これは意外に面白い(変な)ものを見せられた気がする。最後のソロデビューの曲は「夢見る少女日記」とのことで、これも聴きたかったが果たせずに終わったのは無念だった。  ところで出演者としては、アヤネ役の女優(未来穂香)はある程度キャリアもあり、この人が主役と思っていたら実際はそれほど出番がなく、かえって他の2人に焦点が当たる場面が多くバランスがいいと感じられる。特にナナミ役(北山詩織)はモデル出身らしく細身で美形だが、劇中人物としてもわりと良心的で実質的な主役のように思われる。一方で最も可愛くなくてアヤネに嫉妬していたという設定のマユコ役(後藤郁)も、現実にはアイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーとしてファンに愛されているらしい(よく知らないが)ので決して侮ってはならない。 [2014-05-13追記] 先日、マユコ役の後藤郁が6/7を最後に「アイドリング!!!」を卒業するとの発表があった。映画の価値には関係ないことだが、かおるんの新しい旅立ちを祝して+1としておく。[DVD(邦画)] 6点(2014-01-09 21:24:08)《改行有》

60.  ことりばこ<OV> 《ネタバレ》 ネット発祥の著名な怪談を題材にした映画ということになっている。 冒頭に文章で延々と説明が入るので、元の話を下敷きにしているのはわかるが中身は別物になっている。元の話がかなりまともにできている(素人の創作とすれば秀逸)ので、その通りに映像化したものを見てみたいとは思うが、そのようにできない事情があるのかも知れない。 ホラー映画としてはどこかから既成のイメージを借りて来ただけのところもあるが、しかし見せ方や演技でけっこう雰囲気と迫力を出している。出演者も若年者らしく自然にふるまうべきところは自然に見せる一方、演技すべきところはそれなりに演技しているように見えており、主要キャストについての印象は悪くない。 物語に関して真面目に考えると、機能不全のおかげで(いわば代償として)生き延びたはずの主人公が、結局は逃れられずに終わったことで、やはり本当に怖いのは呪いよりも生きた人間だということが言いたかったのかと思われる。しかしそれが見る者の心情に訴えかけるかというとそうでもなく、やはりまず村人の演出に問題があって真面目に見る気がしなくなるのと、片思いの先輩がそれほど魅力的な人物でもないので、主人公の純な心情が素直に受け取れないというのが残念なところである。またその機能不全ということ自体も理屈先行という感じで、特にこの主人公をめぐるドラマがもう少しうまくできていればという気がした。 結果として、それなりに作ろうとしているようには見えたが惜しい映画だった。[DVD(邦画)] 3点(2014-01-09 21:24:04)《改行有》

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