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性別 男性
年齢 53歳

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221.  荒野の一つ星 マカロニウェスタン恒例の、オープニングのアクションシーン。今回は、遠くから狙撃されてひとりの男が倒れるのだけど、見ればそれはジュリアーノ・ジェンマ。別に弾が当たった訳でもなく、死んだフリでその場を切り抜ける。これを見ると、本作の主人公はきっと、(いかにもジェンマらしい)チャッカリしたキャラクターなんだろう、と思っちゃうのですが、本編に入ると必ずしもそうでもなくって、結構ちゃんとした保安官なのでした。これだから、マカロニのオープニングはよくわからない(別にいいけど)。そんでもって、内容はというと、ジェンマ保安官が派遣されてきた町では、ある悪だくみが行われており、その悪事に手を染める連中からすれば、他所者が保安官としてやってきたことが面白くない。できれば身内のものを保安官にし、自分たちの身を安泰にしたい。と言う訳で、ジェンマ保安官の身を狙い、彼を蹴落とす策略を張り巡らす。これに立ち向かうジェンマ。という比較的単純な構図で、意外な真相とかドンデン返しみたいなものは特にありません。その代わり、ジェンマの活躍、ジェンマのアクションを、ディテール豊かに描かいており、その意味ではアクション映画らしいアクション映画です。悪人どもの行っている悪事というのが、でき過ぎというか、トンチが効き過ぎているというか、まあこれもオモロイからいいんですけれども。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-28 13:32:36)

222.  真昼の用心棒 本作の残酷描写についてとかく語られるのは、監督のルチオ・フルチンが後にスプラッタ―の帝王と呼ばれたことからの後付けのような気もするのですが、とは言っても、まずタイトル前の「人間狩り」のシーンからして妙に描写が長い。主人公トムが鞭でしばかれるシーンも確かにしつこい。まあ確かに残酷ウェスタン、なんでしょう。しかし一方で、帰郷したトムが家でくつろいでるシーンだって、やたら念入りに撮られており、ワンカットごとにカメラの位置をどうしようこうしようと、妙なこだわりを見せております。要するに、このしつこさというものが監督の持ち味であって、映画全編にわたって何かと見せ方にこだわった結果、どうしてもリンチシーンの印象が強めに残ってしまうのではないのかなあ、と。ということは要するに「残酷描写が見もの」でええやんけ、ということになりますが。ただ他にも、例えばクライマックスの銃撃戦なんかも充分しつこくって楽しめますよ、ということですね。秘儀・宙返り4人撃ちの場面など、連射の最初の一発目ですでに4人ともが悶絶しているようにも見えますが、そういう派手なアクションも見どころ、ということです。[DVD(字幕)] 7点(2014-08-28 10:47:30)(良:1票)

223.  紅の銃帯 和製ウエスタンとも呼ぶべき作品のひとつですね。そう呼んでしまうと、いかにもキワモノっぽい感じですが、いや、そんな変テコな作品ではなく、ちゃんと日本が舞台の、日本のオハナシ。ただちょっと、西部劇かぶれしたような主人公が西部劇のような雄大な光景の中で西部劇のように銃撃戦を行うというだけなんです。まあ、銃が当たり前のように出てくるのはやっぱり変かも知れませんが、でも日活アクション必需品ですからね。西部劇っぽいところがあっても、物語は例によって例のごとく、地上げ屋みたいな連中が出てきて云々かんぬんという、アリガチなパターンで、うん、これは確かに日本のオハナシだね。主人公を演じるのは宍戸錠。まさにアクションスター、この身のこなしはやっぱり大したもの。小林旭みたいなキビキビしたイメージとは違って、普段はノラリクラリしながら、見せるところは見せてくれる。ただしノラリクラリの部分の印象の方は強いので、まーはっきりいって、変、ではありますが。さて、悪徳連中に狙われた鉱山の権利の行方は、そして、主人公の過去に隠された秘密とは。って言ってもこれはまあミエミエでして、それがイイんですけれどもね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-20 21:52:52)

224.  キャット・バルー まず冒頭、コロンビア映画お馴染みの自由の女神が、拳銃をぶっ放し、いかにもコミカルな幕開け、と同時に、カラミティ・ジェーンみたいな女傑が活躍するオハナシなんだろう、とも思う訳ですが、映画が始まり、オヤ、と思う。ジェーン・フォンダ演じる主人公、あわれ縛り首になろうとしている囚われの身なんだけれども、それが女傑とよぶには程遠い、可憐な姿。どうしてこういう事態になったのか、そこに至るまでの成り行きが描かれていきます。もちろんコメディ調、ナレーションがわりの歌が挿入されるのもバカバカしくって楽しく、また一方、長廻しのダンスシーンにおける見事なかけ合いなど、味な演出も披露してくれます。主人公の敵役の怪人物にはリー・マーヴィン。と思いきや、主人公の助っ人にもリー・マーヴィンが登場。それぞれの役でアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞、という訳でもないのでしょうが、一人二役で大活躍。今だったらジョニー・デップあたりがやりそうなハチャメチャな演技をよりにもよって、コワモテのリー・マーヴィンがやってます。あはは。と言う訳で、いたってバカバカしく、見せ場はしっかりと見せる、ゴキゲンな映画です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-12 23:50:30)

225.  日本海大海戦 日露戦争の開戦から、旅順港封鎖作戦、黄海開戦、旅順攻略を経て、東郷大将率いる連合艦隊とロシア第二・第三太平洋艦隊(いわゆるバルチック艦隊)とが激突した日本海海戦までを、まあ言って見れば再現ドラマを交えたドキュメンタリー番組みたいに語っていきます。日本海海戦を描いた記録文学としては吉村昭「海の史劇」などが圧倒的な描写でその戦況を描き切ってますけれども、この小説が書かれたのよりも、本作の製作の方が先。精巧なミニチュア撮影を駆使しての迫力ある映像に、矢島正明さんの説得力ありまくりのナレーション、そりゃ盛り上がろうってもんです。表向きは、明るく勇ましくいささか素朴な音楽にも見られるように「我らが日本海軍!」というイケイケムードですが、一方で、未曾有の大航海を成し遂げた末に敗れ去ったロジェストベンスキー中将の悲劇なども描いていたり。とまあ、ドキュメンタリー番組を観る気持ちで見たら、確かに面白いのですけれども、経緯を語る、ということに力点を置いている分、焦点が定まらないというか、淡々と先へ進め過ぎるというか。例えば「船が沈んでいくこと」そのものの持つドラマを、もうちょっと描けなかったものか、とも思います。あと、海戦はミニチュアを交えてダイナミックに描く半面、陸戦はどうも迫力が出しにくい。ある程度エキストラを集めて撮影してるんですけれども、広大な荒野を舞台にしては、どうしても、こじんまりした印象になってしまいますが、極力、遠方にも人を配置して撮影しているのは、限られた人数でスケール感を出す工夫なのでしょう。でももう少し頭数が欲しい…。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-17 23:02:54)

226.  夕陽に立つ保安官 これぞまさにパロディらしいパロディ映画。ギャグ映画というのとはちょっと違うので、単純に大笑いしたい、という方には、あるいはご不満が残るかも知れませんが。この映画、表面的にはあくまで正統派西部劇を踏襲していて、ゴールドラッシュに沸く西部の町にやってきた流れ者のヒーローが華麗なガン捌きで悪党どもを懲らしめる、というオハナシ。クライマックスの決闘シーンまで、基本的な西部劇の流れがちゃんと楽しめますが、その一方で、肝心なところがデタラメ。墓穴から黄金が見つかって大騒動となる幕開けから、派手な割にオフビートな決闘シーンまで(さらにはお話の顛末まで)、いちいちズレてます。飄々とするにも程がある主人公に、冴えないにも程がある相棒。悪役たちも何だか憎めないい。ヒロインは手に負えない。これであと、もうちょっと丁寧に撮られていたら良かったんですが、パロディを楽しむには最適な一本でしょう。逆に、間違っても「西部劇を観るのは本作が初めて」なんて事だけは、無いように…。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-13 08:34:50)

227.  西部悪人伝 しばしば「007」になぞらえられたりするマカロニ作品ですが、「ルパン三世」を思い起こさせたりもします(札束舞うラストシーンなんか特に)。なにせ、主人公サバタを演じているのが、悪人ヅラのリー・ヴァン・クリーフで、ここでも眼光鋭い寡黙なイメージはそれなりに維持しているものの、どっちかというと悪人というよりはイタズラ小僧みたいな表情でもって、変テコなギミックを駆使しながら悪に立ち向かう。基本的にイイ人です。あと、「変テコなギミック」がポテンシャルとして充実しているマカロニ界において、本作のそれは、まだ小粒な印象(カバンに仕込んだ銃、グリップにも銃口が仕込まれた拳銃、等)。一番イカしてるのは、主人公とライバル(の割りにはイマイチ強いのか弱いのかわからない)のキャラである“バンジョー”が持つ、銃が仕込まれたバンジョー(とりあえず、バン銃(ジュー)とでも呼んでおきましょうか)ですね。で、また本作の「ルパン三世」的な所以に話を戻しますと、二人の助っ人の存在。次元役の“カリンチャ”は、ヒゲが生えてるだけが共通点で、薄汚いデブ男、しかしナイフ投げの腕は一流(彼の方で一方的にサバタに付きまとっているだけなんですけれど、サバタも満更でもないように彼と付き合ってるあたり、サバタの人の良さが感じられますな)。そしてゴエモン役の“野良猫”は、飛んで跳ねて胸のすくアクロバットを繰り広げる、頼もしい男。で、サバタと二人の助っ人(この共闘がイマイチ噛み合っているような噛み合ってないようなところがあるものの)が、マモーのような粘着質のステンゲル率いる悪党軍団と死闘を繰り広げます。小粒なギミックだけじゃなくって、ダイナマイトを使った派手な戦闘も、ちゃんとご用意。さらにはその両者の戦いに“バンジョー”も絡んできて。あと銭形警部がいれば完璧なんですが、そこな大目に見ていただくとして、ハチャメチャさと支離滅裂さ、このマカロニの基本的な二大ツボを押さえた、良くも悪くもお手本のような作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-29 08:48:39)

228.  刑事マディガン リチャード・ウィドマーク演じる主人公のマディガン刑事。コワモテでまるでギャングのように見える風貌、時には手荒なことも辞さないけれど、「ハミ出し刑事」モノの作品に出てくるような常人離れしたヒーローではなくって、あくまで人間臭い存在。騒動の発端である、拳銃を奪われる顛末も何だか情けないし、しばしば言動にヒトのよさがにじみ出る。何にせよ、悪人に拳銃を奪われてしまったのは彼にとって災難なワケですが、彼に限らず、登場する人それぞれ、何だかうまくいってない。彼の上官として登場するヘンリー・フォンダ、『ワーロック』の頃からすでにウィドマークの手の届かない存在である彼も、色々と問題を抱えている(こちらも善人とも悪人とも言い難く、人間臭い)。この二人の物語がそれぞれ並行して語られていく中で、思わぬところで二人がバッタリ顔を合わせる、いや別にココで喧嘩が始まる訳でも何でもなく、どうという展開にもならないのだけど、ドキリとするシーンです。というワケで、倦怠感を伴う人間臭いドラマの果てに、突如、すべてをナギ払うような銃撃戦のクライマックスがやってくる。このインパクトが凄いんだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-17 22:52:02)

229.  網走番外地 望郷篇 《ネタバレ》 健さん演じる主人公・橘真一が、長崎に帰ってきた。そこでは、安井組が幅を利かせ、旭組を圧迫しているが、安井組組長は、かつて橘がヒットマンとして襲撃しケガをさせた、因縁の相手。で、旭組を取りまとめることになった橘と、いやがらせを繰り返す安井組との対決、と相成る訳ですが。旭組の元に舞い込んだ、港での荷降ろしのビッグプロジェクト、この仕事をやり遂げるためには何とか人手を集めたいが、安井組の脅迫のため、なかなか人が集まらない。荷降ろしの日は近づいてくる、さてどうするか。→→→ここでまさかの展開、何と、邦衛さんを先頭に、網走仲間のポンコツ軍団アバシリーズ(仮称)が、健さんのために一肌脱ごうと、ここに集結。え~~~、そういう「トホホだけどちょっとエエ話」系の作品だったのか、これは。トホホホホ。な~んか、「大草原の小さな家」あたりで登場しそうなほのぼのとしたエピソードですよねえ、これでポンコツ軍団でさえ無ければ。しかしここで登場する、お祭りを背景にした臨場感たっぷりのシーンが見事で、ヤケに盛り上がったり。で、無事、荷降ろしの仕事をやり遂げるも、安井組の怒りも頂点に達し、その怒りたるや、任侠モノへと映画の路線をさらに変更させてしまう。もう何でもあり。だけど、冒頭から引っ張ってきたハーフの少女(途中まで少年だと思ってたぞ)との関係をここで絡めたり、クライマックスの殴り込みも、斬りまくりの大殺戮ではなく、ライバルの殺し屋(変です)との関係に絞って行ったり、映画は意外な纏まりを見せて、やっぱりコレ、なかなかよく出来た作品だったりしちゃうのでした。 なお、あの変な殺し屋の末裔が、カウリスマキの『コントラクト・キラー』なのではないかと。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-09 23:22:10)

230.  網走番外地(1965) これぞまさしく男泣き。破れかぶれになりそうな健さんを、丹波が、そしてアラカンが、何とか食い止める。しかしその歯止めをついに突破してしまった時、男はどこまでも破れかぶれになる。そうならざるを、得ない。その破れかぶれ具合が、暴走するトロッコとして、あるいは迫りくる機関車として、執拗に描かれる。そしてその先のどうしようもなくなった最後の最後に、自暴自棄になりかけた男を食い止める、究極の一言。いやあ、みんな、孤独なんだ。寂しいんだあ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2014-06-04 22:43:52)

231.  飢餓海峡 《ネタバレ》 この作品では、タイトルとは裏腹に、「飢餓」というものはあまり描かれていません。というのはつまり、三國連太郎演じる主人公・樽見の過去については必ずしも深く描かれてはいない、ということでして。もうひとりの主人公、左幸子演じる八重との出会いから、彼女を中心に描かれる戦後の描写は、貧しさはあるけれど、一種の自由さもあり(無論、犬飼から渡された大金のお陰ではあるものの)、その自由さは例えば東京の光景をどこまでもクレーン移動するカメラで拡がりをもって描く場面などからも感じられます。それに比べると、戦後10年以上たち、過去から決別し封印したはずの樽見が描かれる後半の、不自由さと圧迫感。貧しさイコール悪、とかいう単純な図式ではなく、暗い過去に閉じ込められた人間の姿そのものを、刑事との対決の中で描き(過去に閉じ込められた人間は樽見ばかりではない、伴淳三郎演じる弓坂刑事もその一人であり、その事実がまた樽見を過去に閉じ込める)、また北海道行きの船上という、開放感の光景の中で、「死」という最後の逃避を選ぶ姿を描く。もう、これ以上に追いつめられた三國連太郎を見ようと思ったら、『真剣勝負』の宍戸梅軒を見るしかないでしょうなあ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-02 23:33:17)

232.  大西部への道 西部へ向かう開拓民たちの旅路を、雄大な自然をバックに、さまざまなエピソードを織り交ぜて描いた壮大な映画。と言う場合は要注意、「物語が壮大過ぎて、映画にまとめ切れなかったね」と陰口を叩かれかねない。でまあ、本作にも、確かにそういう面がありますわなあ。さまざまな登場人物が現れ、さまざまなエピソードが積み重ねられて、それらが絡まり合うことで、ひとつの大きな物語を形成しているのですが、これがうまく噛み合うか、はたまたエピソードの羅列に終わるか。というのは、やはり、登場人物とエピソードをどれだけ印象的に描けるか、に懸かっているのでしょうが、本作、大味な感じは否めません。カーク・ダグラス、ロバート・ミッチャム、リチャード・ウィドマーク、という大物を並べて、とりあえずの貫禄は見せつけるものの、彼らの絡みが特定のエピソードに集中している感じなもんで、貫禄があるように見えた程には、人物像の幅が見えにくい。亡くした妻の話とか、あるいは息子の話とか、様々な膨らみがそこにはありえるハズなんだけど(中でも、カーク・ダグラスと息子との親子関係のエピソードなんて、こんな扱いでいいんだろうか?)。ま、しかし、時には容赦ない残酷な運命をも描きながら、特定の人物に入れ込むことなく、人々の苦難の行程をそのものを物語ること、それが本作の持ち味と言えるかも知れません。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-24 14:14:56)

233.  ヘルファイター 油田火災と戦う男たちの映画。って言ってもパニック映画じゃなくって、時々電話がかかってきて出動しては消火、というエピソードの寄せ集めみたいな、あまり緊迫感のないおハナシ。別に逃げ遅れた人々の救出、みたいなこともなく、呼ばれたら世界のどこにでも出かけて、じっくりと消火作業にあたる。出動要請の電話がかかる度にソレっぽいBGMが流れるのがまた、かえってノンビリした雰囲気を醸し出してます。主人公のジョン・ウェインはその道の大物であって、若いパートナーが居て、生き別れの娘も居て。と、何ともアリガチでベタな設定でして、実に大らか。どんな設定であれ、ジョン・ウェインが主演すりゃ、まあ、そんな感じですわな。ただ、油井が燃え上がるシーンはミニチュアなんぞ使うことなく、しっかり盛大に燃えあがらせております。最大の見所は、映画始まっていきなりの火災、「ユニヴァーサル・プレゼンツ」と出てくる前にもう大炎上してますから実に気が早い。そしてオープニングのクレジットの背景で燃え続け、クレジット終了とともに鉄塔が崩れ落ちる、神業のようなシーンであります。あとはノンビリしたドラマと同じような火災シーンの繰り返しですが、ラスト、飛行機から現れるジョン・ウェインの笑顔がいいのです。やっぱりこのヒト、神サマです。まあ、そういうノンビリした映画ですから、USJのアトラクションはやっぱり、「ヘルファイター」ではなくって「バックドラフト」でなくてはいけないんでしょう、なあ。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-15 10:36:26)

234.  縄張はもらった まあ何とガラの悪い映画。一応は日活のスター映画なんでしょうけれど、長谷部安春監督がやりたい放題、女優の皆さんはやられたい邦題で、刺激的なシーンの数々でございます。街を闊歩するチンピラどもを見てると、ここは無法国家かと。主演の小林旭もここではコワモテの役柄。彼が刑務所を出所した時、彼のいた一文字組に昔の面影は無く、ハザマ組に呑まれかかっている。そのハザマ組の密命を受け、小林旭は、街で幅をきかせている別の2つの組の対立をあおって殲滅を図る。この計画のために集められた精鋭(?)たちが、役に立ちそうな立たなそうなユニークなメンバーで、なかなかに魅力的なのですが、危険な作戦の中で、ひとりまたひとりと犠牲になっていきます。非情に徹する小林旭。しかしやがて彼は、ハザマ組にも反旗を翻す。という訳で、抗争に次ぐ抗争。またそこにはライバル同士の友情なんかもあったりして。こだわりのカメラにトンがった演出、エロあり暴力あり、そして男の哀しさ、女の哀しさがある。この映画、カッコ良い。[CS・衛星(邦画)] 9点(2014-03-13 23:30:25)(良:1票)

235.  コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五歩のマーチ 大金を持って鹿児島から上京してきた、やや鈍重なところのある二郎さんと、江戸っ子で気風がいい、というよりノリがやたら軽い板前の欽チャン。ひょんなことから二人は意気投合し、新しい料理屋を構えようとするも、店舗購入には資金が足りず、そればかりかうっかり手を出した競輪でスッてしまって、前途多難。さらには欽チャンたちが住むアパートの立ち退き問題も巻き起こる。ってな内容は、さすがにこのタイトルからは想像できませんねえ。しかし「汗かきベソかき」ってのは、いつもコントで欽チャンに無理難題をふっかけられ訳の分らぬ奮闘を繰り広げてきた二郎さんにピッタリの歌詞。本作でも、演出なのやらホントの汗なのやら、大奮闘。「ボケに対するツッコミ」というより「ツッコミに対するボケ」みたいなところがあります(今でいうとサンドウィッチマンの芸風が少し近い?)。当然ながら欽チャンはさらに若く、実に溌剌。さらに脇を固める面々も賑やかで(キックの沢村に、浪曲社長の圓歌師匠、西村黄門様に仮面ライダー1号。マエタケもいれば、財津一郎も忘れないでチョ~ダイ。あ、そういえばチーターもいたけっか)、物語は手堅くって派手さはありませんが、実に楽しい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-16 10:14:52)

236.  やればやれるぜ全員集合!! 「やればやれるぜ」って、一体どういう意味よ。って言っても、タイトル以上に訳がわからんのが映画の中身。コメディ映画らしい突飛なシチュエーションや、売りにするネタが、まーったく無くって、ビックリするくらい取り留めが無いのです。これぞ真のナンセンスドタバタコメディ、これでオモシロかったら言う事無いんですが、残念ながら、実に面白くない(笑)。しかし、これだけナンセンス路線を徹底すれば大したもの(これで面白ければ・・・)、音楽も豊富にとりいれた賑やかな映画です。ラストでバンド演奏するドリフの面々、ビートルズを彷彿とさせるではないですか。って、ちょっと無理がありますかね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-05 22:40:01)

237.  渡り鳥北へ帰る 小林旭が流れ者・滝伸次を演じる渡り鳥シリーズは、一応、本作が最終作ということになるのでしょうか。最終作なので、シリーズ原点たる函館に戻ってきたのかと思いきや、時系列で言うと実は本作が第1作の前に来るのかしらん? 滝伸次がなぜギターを手にするようになったのか、の謎が明かされます。って、どうでもいいけど。この滝伸次という主人公、何を考えているかわからない(というより何も考えてなさそうな)ニヒルな感じが良かったのですが、本作では珍しく心情を吐露し、怒りを露わにするのが、異色。ただしそんなのは一部のシーンだけで、基本的には何も考えていなさそうなので、御心配なく。目の前で射殺された友人の遺骨を持って函館にやってきた滝伸次が、友人の実家の造船所を乗っ取ろうとする悪党どもと戦うオハナシなのですが。途中、彼の乗った車がハネそうになった子供(自ら倒れたようにしか見えないが、一応、交通事故でケガをしたという設定らしい)の母親が、実は亡き友人の妻であったり(ってことは、その子供は友人の息子なのか? という極めて単純な点が曖昧なのはどうしてなのか)、造船所乗っ取りの一味と戦ううちに亡き友人の仇である“ハジキの政”への復讐もできちゃったり、何かとチャッカリした脚本になっております。交通事故の子供や、その母親が入院する病院、作中で重要な舞台なのですが、院内のセットが異常に投げやりな気がするのですが、何とかならなかったのでしょうか。また、今回も残念ながら、宍戸錠は出ていません。代わりを務めるは、前作に引き続き、弟・郷鍈治。イイ味出してます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-04 22:02:07)

238.  群盗荒野を裂く 列車襲撃に始まる派手なオープニングといい、随所で見せる大胆なカメラといい、マカロニらしい楽しさが溢れてはいるのですが、物語は意外なほどに人間ドラマだったりして、ラストなんぞはもう、マカロニにあるまじき切なくも「エエ話」になっております。政府軍の銃を奪い革命軍へと供給する盗賊団のリーダー、チュンチョ。襲撃した列車に乗っていたアメリカ人青年ビルを何となく仲間に入れる(このヒト、やたら顔色が悪いなあ、と思ったら、『カサンドラ・クロス』のテロリスト氏でしたか)。最初、チュンチョは、「オレが掟だ」的な豪傑かと思っていたら、中盤だんだん人間臭さが見えてきます。素朴でなかなかいいオヤジ。次第に親密になるビルとの関係、しかしあくまでチュンチョが主でビルが従、であった筈なのだが……実はチュンチョの方こそ小さな世界に生きていて何も知らない井の中の蛙、外側には彼の知らない力学が働く大きな世界があり、ビルも実はそこの住人であった、ということ。外側の世界の存在を知り、さらにはその外側の世界から手を差し伸べられたチュンチョは、最後にいかなる行動をとるか。いやこれ、人間ドラマっちゅうより、プロレタリア映画ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-27 23:18:48)(良:1票)

239.  悪名(1961) 《ネタバレ》 シリーズ第1作、朝吉が“悪名”をとどろかす前のオハナシ。まだまだ駆け出しのチンピラで、ブラブラしては女性に手を出す、まさに若気の至り。女性に手が早いという点を除くと、喧嘩がやたら強いとか酒が飲めないとか、何だか「じゃりン子チエ」のテツみたいですが、そういう目で見ると、“シルクハットの親分”って、ちょっと地獄組のボスを連想させますな。いや似てる訳じゃないんですけれど、この妖怪的なキャラが、「じゃりン子チエ」の世界と繋がっていて、その白眉が、2000人の部下を引き連れているという女親分イト。演じるは浪花千栄子さんですから、『宮本武蔵』のオババ並みにコワイ。という訳で、狭い世界に生きてきた朝吉青年の成長譚であり冒険譚、モートルの貞という舎弟ができ、誘拐された遊女の救出のため妖怪キャラが闊歩する因島へと乗り込む。そして、(後の作品ならクライマックスで相手を殴るのは朝吉の役目なのだけれど)因島の女親分にタコ殴りにされるという痛い洗礼を受ける。というのは要するにアレですな、“ナントカ族の成人式”でバンジージャンプしたりするのと同じ、一種の通過儀礼ですな。そういうホロ苦い、お話。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-21 23:58:44)

240.  女王陛下のダイナマイト リノ・ヴァンチュラ演じる元ギャングのコワモテ男、ひょんなことから、とある小心者の男と腐れ縁になり、彼を狙うイギリス金髪ギャング軍団と戦うオハナシ。ははは、意味不明ですね。隣国をここまでおちょくって許されるなんて、東アジアの某諸国間ではなかなかマネできません……。前半はそれなりにノワール調、とはいっても線が一本抜けちゃってる感じですが、後半に至るともう何本の線が抜けたのやら、ハチャメチャな脱調ぶり。敵味方、ひたすらダイナマイトの応酬、マンガのようなウソ臭いミサイルも登場し、(テレビ番組のコントみたいな)爆発また爆発。映画のストーリーまでもがどこかに吹き飛んじゃいます。それにしてもあの橋のシーンはビックリ。『TAXi』ってなツマラナイ映画があって、基本的には『フェラーリの鷹』のパクリだと思ってたのだけど、こういう映画にも元ネタがあったんだなあ、と。しかしバカバカしさへの徹底ぶりはこちらが数枚上。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-04 09:37:28)

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