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プロフィール
コメント数 296
性別 女性
ホームページ kawamari7.hatenablog.com (質問と建設的な指摘をお待ちしています。JTNEWSに届けてあるほうでは文字化けします。)
自己紹介 取り締まる法律が必要な(1)XX中毒。生まれた場所のせいで3歳で兆候が現れ、13歳で表彰状物の重症に、今ではより強い刺激を求め(2)X屋の中だけではなくこのサイトに出没、ネットで(3)XXXXXXがないかと探し回るのに誰も助けてくれません。KW = 「かわまり」「はてなブログ」で原子力開発関連の「プロメテウス達よ」と19世紀ヨーロッパを夢と詩で描いた「黄昏のエポック」を公開しています。  (Xの数に文字数が一致する言葉を入れてください。)

空欄の答え:(1)XX=「言語」、「活字」も可、(2)X=「本」、(3)XXXXXX=「読める外国語」、キリスト教国際病院で生まれ、宗教は仏教。

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121.  オーケストラ・リハーサル 《ネタバレ》 「道」などの大作で知られるフェリーニ監督のアレゴリカル(寓話的)な小品佳作として見る価値が大いにあります。冒頭の教会内部の案内と団員の自己陶酔的な自己紹介(「私はこの楽器に選ばれた。」なんていうのもいる。)で「寓話モード」に頭がマインド・コントロールされてしまいます。(注:過激な言葉ですが巨匠といわれる監督が共通して用いる手法でエンドロールと共に解けるので人体や精神生活に悪影響はありません。)もし違った結末になるのだったらその過程はどのようなものかと想像してみるに・・・まず途中で役割を放棄してグランド・ピアノの下でうじゃじゃけていたピアニストの姉ちゃんがすっくと起き上がってショパンの革命のエチュード(英雄ポロネーズもいいな)を弾き始め、バイオリニストがチャイコのカデンツァを弾き始め、チェリストがバッハの無伴奏組曲を弾き始め、ソロ演奏のレパートリーがない団員は拳を振り上げてビートルズの「レボルーション」を歌う。そうこうするうちに、団員間で銃撃戦が始まって誰がレーニンか毛沢東か、はたまたカストロか金日成かが決定される・・・あれ、結末はやはり同じだ・・・。8点(2004-04-25 01:58:26)

122.  變臉~この櫂に手をそえて~ 《ネタバレ》 子役が可愛くてその演技が真に迫っていることは巻頭から最後まで変わらず、この作品の内容では当然とも言えるので軽く書いておくだけにして、作品中に登場する老人のペットの猿の表情がその時々に応じて時には哲学的といえるような表情で老人の感情や境遇を反映しているのが印象的でした。こういう猿の細かい表情は訓練してやらせているのでしょうか?それとも、飼われていて表情豊かな(と飼い主が思っている)猿からオーディションでこの採用した?あるいは、表情でコミュニケーションをする猿の群があってそこから抜擢したのでしょうか?四川劇の女形のスーパーヒーロー的なアクションでハッピーエンドとなるのですが、今までなじみのなかった四川劇を垣間見させてくれたのも良かったです。北京の京劇と異なって超自然的な役柄には隈取ではなく仮面を使い、演技もパターン化されていないようです。8点(2004-04-14 00:24:13)

123.  愛のイエントル どうせフィクションなのだからどうでもいいと思うのも結構ですが、アビグダーや周囲の人間がイェントルの男装を見破っているのかいないのかがわからず、「ここで見破ったんじゃないかな・・・。」なんていろいろ想像するのが面白いと思います。裸で川に飛び込んで「君もやれよ・・・。」と挑発したりするのは、学問はしっかり身につけているのにひげも生えていない成長不全でひ弱(?)なイェントルをからかっているのか、あるいは正体を見破った上で困らせているのかのどちらともとれますよね?結婚の件にしても「ここまでやればさすがに正体を白状するのでは・・・。」と考えて提案しているような気がします。建前の上では女は学問をやってはいけない時代だったけれど、本人が完全に男として扱われるよう学問に励み、周囲も男として扱っている分には実害はないわけだし・・・。ユーモアたっぷりでしかも守るべき節度はきちんと守るアビグダーは私が抱くユダヤ人の男性のイメージにぴったりです。東欧の美しい風景とユダヤ人男性の黒づくめの服が対照的で美しく、バーブラの歌も子供の頃から歌っているだけあってすばらしいです。ミュージカルに私がつける最高点の8点を献上。8点(2004-04-11 09:53:16)

124.  ドライビング Miss デイジー 高齢者の自立が云々言う前にこれはアメリカ版親孝行ストーリーですね。息子の厄介にはなりたくないというデイジーさんの意地はわかるけれど、運転手を雇えるような金持ち、しかも親思いに息子を育てた母ちゃんの勝ちですよ。全ての老人がこのとおりにいくわけはないけれど親子間の情愛は本当に良く伝わってきました。運転手が鮭缶を盗んだの盗まないのでもめる場面のオーバーな演出は爆笑ものでしたが、これも息子が財布からお札を取り出して「これで鮭缶買ってきな。」と水戸黄門よろしく解決・・・でも運転手のほうが上手だったりして・・・。親孝行に関してはどの民族も同じのようでユダヤ人が特別だという話も聞かないし、主人公がユダヤ人だということに何か意味があるのかと考えてみましたが、多くのユダヤ人は何十世代もの間、他の民族と商売をしてきたので商売相手や使用人を外見ではなく中身で判断する伝統があるのではないでしょうか。運転手が文盲だとわかってもデイジーさんは動じないでしょう・・・。運転手は運転手として優秀ならばそれでいいのです。ストーリーの舞台、アメリカのジョージア州はいわゆるディープ・サウスといわれる地域で、子供の頃に学校に満足に行けなかった文盲の人が珍しいくないそうです。人間はいつかは死ぬのだけれど、ずっと生きていて欲しいと思うような高齢者が近所にいるので身につまされました。自分の親のことに至っては年金をもらう年になっても高齢者だとさえ思いたくないのがどら娘である私めの本音です。8点(2004-03-19 14:01:35)

125.  サヨナラ アメリカの有名俳優が出演する日本ものはとりあえず見ておこうと思ってビデオを借りたのですが、期待したよりも良かったです。アメリカ兵が日本人女性を一時の慰みものにしないよう、日本駐留のアメリカ軍はアメリカ兵と日本人女性のデートを禁止しますが、アメリカ兵である主人公たちが日本人女性を真剣に生涯の伴侶として考え、また日本人女性も自分の人生を大切にする誇り高き存在として描かれているのが良かったです。「日本の男はどうした!」という方もご安心を・・・。作中に登場する歌舞伎俳優は、英語が巧すぎるのが少し気になるものの、アメリカ人女性をスマートにデートに誘って人生相談の相手にまでなるという国際性で満点をもらえるような紳士として描かれています。主人公ロイド(マーロン・ブランド)の歌舞伎と文楽で退屈した時の表情と和服を着流した時の姿がとてもセクシーでした。マーロン・ブランドのアカデミー主演男優賞ノミネート、ケリー役のバトンスの助演男優賞受賞、ケリーの妻役、梅木さんの助演女優賞受賞、音響賞美術賞受賞などの快挙が目白押しです。ラスト・サムライ以前にも日本を礼賛するまともな映画はあったのです。8点(2004-03-18 03:17:48)

126.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 痛快!アカデミー主演男優賞をもらい損ねた(私はそう思いたい・・・。芸達者な点では彼が絶対に一番だったと思います。)ジョニー・デップの演技、総督のお嬢さんの自立した行動、等々々・・・。でも、英国海軍が骸骨集団と戦って鬨(とき)の声を上げるシーンに感激するなんて、私ってちょっと単純かな・・・?8点(2004-03-12 01:54:42)

127.  エビータ(1996) 新大陸がヨーロッパからの移民を盛んに受け入れていた頃に「アメリカは広いけれど、生活水準はアルゼンチンのほうが上だし・・・どちらに移住しようかな?」なんて考える移民志願者がいたなんて今では信じられない話かもしれません。今でもアルゼンチンの生活水準はある意味でアメリカよりも上かもしれませんが、貧富の差に起因する不安定な政治情勢や累積対外債務のせいでアルゼンチンがアメリカと同等の先進国だとは誰も思わないのです。エバ・ペロンは政権の福祉厚生担当大臣に任命しようという意見さえあったほどのやり手で、癌によるわずか33歳での死は本当に惜しまれます。彼女がもう10年か20年長生きしていたら貧富の差による民衆の不満はかなり緩和されていて、現在の世界でアルゼンチンはアメリカと肩を並べていたかもしれません。”Don’t cry for me Argentina”なんて歌われてもアルゼンチン国民ではないこちらのほうが泣きたくなります。エビータの死去がアルゼンチンに及ぼした影響を考えればドキュメンタリーなんていう生々しい手段は重すぎます。第一、ペロン政府の是非など、これからの歴史の判断を待たなければいけない内容に触れないわけにはいかないでしょう。一方で一人の女性としてのエビータの人生は永遠のシンデレラ・ストーリーなのでミュージカルにはぴったりだと思います。数々の政治上の問題にもかかわらずアルゼンチンはラテン文化を純粋培養している国で、この国に花開いたラテン文化の粋を堪能したい方はカルロス・サウラ監督のアルゼンチン映画「タンゴ」を、政情不安が庶民に及ぼしてきた影響に興味がわいた方は「オフィシャル・ストーリー」を是非ご覧ください。8点(2004-03-07 09:36:22)

128.  いつか晴れた日に ジェーン・オースティンのような多作な作家が今の世にいてパソコンを使って仕事をしていたら、ハーレクィン・ロマンスやら昼メロの脚本なんかでひっぱりだこで大儲けしていたことでしょう。登場人物も全て普通の女の子に普通の男の子に普通の売れ残りの男性(おっと失礼)だしテーマはいつもロマンスだし・・・でも、幸か不幸か、オースティンは19世紀のイギリスの郷紳(田舎の地主)階級に生まれたお嬢さんでお金にも困らず、パソコンももたず、作品の中でも出てくるように羽ペンを使って日がな一日優雅にもの書きをやっていればよかったのです。だから、普通の女の子や男の子やおじさんやおばさんの日常生活を描写していても、そこに商業主義とは縁遠い人生への深い洞察を反映させる余地があった・・・というのが私の意見であります。夏目漱石が「則天去私そのものだ。」と絶賛したという「高慢と偏見」も普通の人間の普通の営みを描写したものらしいですが、豪華キャストと英国のすばらしい現地ロケでもう一度映画化してほしいです。8点(2004-03-05 14:29:15)

129.  ウェディング・バンケット 《ネタバレ》 小気味よいストーリーの展開、ユーモラスで笑いを誘う演出と演技、そして心に響くラスト・シーンなどにもかかわらず、この作品のレビューはむずかしいんですよね。でもこの作品は傑作や名作ではないとしても間違いなく佳作や秀作と呼べると思います。評価がむずかしいのは主人公ウェイトンの親と相棒のサイモンの両方を思いやる気持ちと全世界的に見て小数派に属するゲイとしての主人公のライフスタイルのせいかもしれません。事情を承知した相手に永住権を与えるというギブ・アンド・テイクでも迷ってしまう主人公は真面目そのものです。「おい、オカマ野郎!」なんて揶揄を受けながら誠意と確信をもって自分の生き方を選んでいるのに、子孫繁栄を願う親の思惑には簡単に揺さぶられてしまうんですよね。アメリカ(あるいはニューヨーク)だからこそ許される独自の生活の均衡状態からグローバルな文化と矛盾しないもう一つの生活形態への移行が描かれた・・・なんて大上段に構えるとこの映画の面白みは半減してしまうけれど・・・。それにしても女はゲイに惚れても歩があります。ウェイウェイはニューヨークで画家として成功するための着実な一歩を踏み出したようです。画家として成功し、「ねえサイモン、この次の出張展覧会までに洗濯物を全部済ませてコートをクリーニングに出しておいて。」なんて叫んでいる未来の姿が目に見えるよう・・・。8点(2004-02-27 03:51:25)

130.  ウエスト・サイド物語(1961) サントラ版ではなくレナード・バーンスタイン指揮、オペラ歌手のキリ・テ・カナワ(マリア)とホセ・カレーラス(トニー)のCDを持っていますが、やはり踊ってセリフをしゃべる俳優による歌が一番です。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の現代版だということを念頭におきながら見ると恋愛シーンのさわりで二人が歌いだしたり、対立する若者グループが火花を散らすシーンでダンスが入ったりするのが気にならず、かえって現代的な感覚で楽しめると思います。話は飛びますが、人間国宝の80歳の名手(もちろん男)が能楽の中で若い女性を演じて違和感がないのは題目が全て古典だからです。「ロミオとジュリエット」という古典を時代考証などもきちんとした時代劇の古典として見たければオリビア・ハッセー/レナード・ホワイティングの「ロミオとジュリエット」があるし、移民の国アメリカの社会問題を映画化した作品もそれなりにあると思いますが、多様な選択肢の一つとしてこの作品は気に入っています。 みなさんがあまり印象に残らないとおっしゃるラスト・シーンはしつこいようですが能楽の終わり方にそっくりなんですよ・・・。 ミュージカルで私がつけることにしている最高点を献上。8点(2004-02-18 10:37:51)

131.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 字幕なしにフランス語の吹き替えがわかるまで見ることになっているのでとりあえず、四回目を見て書き直しています。本当はアダム・スミスの理論を叩き込まれた経済学徒の端くれとして、アンチ・テーゼとしてのゲーム理論を理解したいのですが、それは映画では無理でしょう。四度も見るとさすがに感情移入を通り越して俳優陣の名演を堪能しながらも、「もっといい表現がなかったのかな?」なんて考えるようになります。この作品では精神病との闘いにおけるインシュリン療法や投薬が強調されているわけではなく、単にそれらが素人にとって目新しいので印象に残るだけで、ロン・ハワード監督が本当に描きたかったのは後半、インシュリン療法や投薬を拒否して幻覚と共存することを選び、「自分らしさ」と「現実との協調」の両方を得ようとするナッシュの精神的戦いの過程とヒロイズムなのだということを確信しました。「統合失調症は投薬で直るので他の病気と同じ。」という意見にだけは賛成できません。「悪性腫瘍は出来た場所を切除すればいいからたいしたことはない病気だ。」なんて言ったら悪性腫瘍のせいで腕や足を切断した方に怒られてしまいます。「自分らしさ」というものはどうあっても確保しながら統合失調症を治療してほしいものです。またナッシュの統合失調症は「天才と気違いは紙一重」の例だというのにも賛成しかねます。この病気と表面的には無縁な人間にも友情や愛情や社会的評価に対する憧れはあるわけで、主人公の場合たまたま、彼独自の性格に加えて過酷なプリンストン大博士課程の環境と冷戦下で数学者に課せられたプレッシャーのせいで、飢餓に直面した人間に無機物が食べ物に見えるのと同じ精神メカニズムでもって友情や愛情や社会的評価に対する憧れが視覚や聴覚を伴ってしまったのでしょう。東西冷戦時代には国連上級職員が恐怖神経症にかかって自殺したという笑えない事実まであるのです。いろいろ考えさせる作品ですが、学生時代にナッシュを囲碁で負かしてニンマリしていたいかにも秀才のマルチンがナッシュが社会復帰できるよう環境を整えたことを指摘しておきます。彼も人間的に成長したのでしょう。ラストで「友情や愛情や社会的評価に対する憧れ」を象徴する幻影が、現実にそれらを手に入れてしまった主人公にはさすがに色あせて見えたでしょうが、ひっそりとたたずんでいたのも良かったです。8点(2004-02-15 15:01:41)

132.  羅生門(1950) “Rashomon syndrome”という言葉がある。権威のある英語辞書(Oxford やRandom Houseなど)にこの言葉が熟語として収録される日も近いと思われる。この熟語の発祥の地である日本で対応する言葉、「羅生門症候群」が一般的に使用されていないのは不思議な気がするが、英語圏でこの熟語が市民権を得てきた背景にはキリスト・ユダヤ教に基づいた一元的世界観、また裁判を好むアングロ・サクソン民族の風土が存在する。西欧の一元論において真理は一つしかないとされる。しかし裁判など「人」がどうあっても真理を探りそれに基づいて何らかの結論を下さなければならない場合において、「人」の証言というものは各人の背景や利害、証言を行う環境などに容易に左右されてしまう。“Rashomon Syndrome”は一つの真理に対して複数の見方を存在させるに至るような集団の心理状態を指す。この熟語が権威ある英語辞書に収録された場合、語源は[Rashomon < Japanese, the title of a film by Akira Kurosawa]と記載されることは間違いない。なお、“Rashomon syndrome”に対して ”Trashomon”という言葉がある。この単語が権威ある英語辞書に収録されることはまず無いが、一応意味と語源を日本語を交えて記しておく。意味:どうでもいいようなくだらないことに複数の人間がやかましく意見を述べること。また、その状態。  語源:[trash(はきだめ)+ Rashomon < Japanese] (付記:黒澤の他作品でこの作品を越えるものが多数ある、という理由で初投稿後2点減点しました。)[映画館(字幕)] 8点(2004-02-04 03:30:49)

133.  尼僧物語 子供の頃にテレビでこの映画を見て「神様のお嫁さんになるって大変だ。アフリカに行って一生懸命働かなくてはいけないし・・・。」なんて真剣に感動しました。最近になって貸しビデオ屋さんでこの作品のビデオを見た時、箱に写っている尼僧に扮しても華やかで色っぽいオードリー・ヘップバーンの写真のせいで同じ作品だとは思わず「まさか、あの話じゃないよね・・・。」なんて思いながら借りてみたらやはり同じ作品でした。そして「ローマの休日」では王女だったのにこんなつらい目に、かわいそう、まあ頭がいいのにそれを隠せって、そんなのないでしょ・・・なんて子供の頃に比べて随分すれた感じ方をしてしまいました。これも「ローマの休日」や「ディファニーで朝食を」なんていうロマンチック・コメディーで好演したオードリー・ヘップバーンを見たせいです・・・と、トップバッターの南浦和の三波さんに続いて、と言おうかそれ以上に不真面目なレビューしか書けませんでした。真面目な作品なんだから誰か真面目なレビューを書いてください。「あらすじ」を書いて許してもらおうかな・・・でもそのためにはもう一度ビデオを借りてこなくっちゃ。 このストーリーを本で読んだら真剣に感動したと思いますが映像になるとオードリーの色っぽさが印象的すぎるんです。8点(2004-02-01 14:10:39)

134.  フォレスト・ガンプ/一期一会 画面を舞う白い鳥の羽とかわいい音楽のオープニングでもうわかってしまいました。これは「おとぎ話」。こんな出だしのホラーやスペクタルは絶対にないのです。この映画を「おとぎ話」として見てくださいよ、という製作者の合図みたいなもんです。そしてアメリカでは「おとぎ話」はサクセス・ストーリーと相場が決まっています。主人公が母子家庭に生まれてIQが特殊学級すれすれの75というのも、「こいつは何かの才能(たとえば数学や音楽の)や環境に恵まれてラッキーだった。」なんて言わせないようにするため、主人公がひたすら走ったり卓球の球を追ったりする才能(?)に恵まれたのは知能が低くて要領が悪いせいだし、誰かが大金をくれたり、嵐の時に自分の船だけが助かったりするのは・・・あまり目くじら立てないでおきましょう。「フィラデルフィア」や「アポロ13号」で知的な役を演じたトム・ハンクスがIQ75の主人公を演じている様は「レインマン」で自閉症の男を演じたダスティン・ホフマンを彷彿とさせます。主人公のセリフに耳をよくすませると私たちが中学校で習うレベルの英文法の間違いがたくさんあります。ご苦労さまでした。8点(2004-01-29 12:09:11)(良:2票)

135.  真夏の夜の夢(1999) 《ネタバレ》 ストーリーを原作ではなくてチャールズ・ラムが書き直したバージョンで読んでいる人でないとわかりづらいかもしれません。四人の恋人たちが夜の沼地で泥試合をし、翌朝目が覚めたら全員真っ裸で妖精が洗ってアイロンまでかけた服がたたんで横に置いてあるシーンがいかにも現代的で良かったです。ミシェル・ファイファーは以前アカデミー作品賞を受賞した「羊たちの沈黙」の主演獲得でジョディー・フォスターと競ったそうですが、ファイファーはラブ・コメディーに特化させたほうがいいという配慮でフォスターが選ばれたとのこと。この作品での妖精の女王は正に当たり役です。ヘレナ役がコミカルでよかったし最後は結婚式(ここでは専制的な大公とその婚約者を含めた三組のカップルによる観劇と妖精の王と女王の和解)というコメディーの伝統的パターンを守っているのもちょっと冗長だったけれど良かったです。妖精パックは本の挿絵ではいたずらっぽい少年になっていたのですが、ここでは老練な下僕という感じで、パックのセリフに良く耳をすませれば少年には発言できないような人生に対する洞察などが聞こえるのかもしれません。 (閑話休題)英語圏の高校生向けに古典を解説しているサイト(http://www.cliffsnotes.com/WileyCDA/LitNote/id-78,pageNum-56.html)はこの作品をけちょんけちょんにけなしていました。この作品中の妖精たちは宴会気違いでしかないし、ミシェル・プファイファーにシェークスピアを理解してその役柄の雰囲気を演じる実力があるとは思えない。原作では尊大な君主として描かれている大公はただのくたびれたおっさんになっている、パックが中年のおっさんなのも変だ、等々・・・。私は結構楽しんだんですが、シェークスピアの戯曲がいろんな空想を喚起するせいか、演出によっては「こんなのあるかよ!」という人もぞろぞろ出てくるようです。キャストを変えてまた、映画化してほしいです。[映画館(字幕)] 8点(2004-01-29 06:27:24)(良:1票)

136.  シャイン この映画は何度も見ましたがわけがわからず、レビューを敬遠していました。最近ベルギー映画の「仮面の中のアリア」をスポーツ根性ものとして見たと書いてみたのでこの作品もその線でいきます。ただ、通常のスポコンものでは主人公は自分が選んだ道で成功しますが、ここでは人間性の回復において勝利する(ことになっています)。音楽ファンとしてはあまりいただけない話です。なぜかというと主人公の父親が息子の尻をたたいて弾かせるのは演奏技巧をみせびらかすためのようで、サーカスで曲芸をさせるのとそう変わらないし、その上「この子はモーツァルトなんて初心者向きのものは弾きません。」なんていう暴言まで吐くからです。また、父が主人公の留学に反対する理由もわからないし、留学後に主人公が精神錯乱に陥る理由もわからない。オーストラリアに送り返された後でもまだ狂っているのだからホームシックでもない。でも主人公の心の謎が全部簡単に説明できるようだったら世の中に精神病院は必要なくなりますよね。人間という捕らえどころのない存在、主人公の心の闇を演じきってアカデミーの主演男優賞を受賞したジェフリー・ラッシュと助演男優賞にノミネートされた父親役のスタールに敬意を表して超甘の点数をつけます。なお、妻や友人の愛情や友情による人間性の回復という結末はこの作品の原作者が実在の主人公の妻だということで何だかセンチメンタルなこじつけのような気がします。アカデミー賞の授賞式でピアノ演奏を披露した本人はやはりどこか変でした。8点(2004-01-27 13:16:48)

137.  黄色い大地(1984) 中華人民共和国建国直後から文革期に至るまで、中国では共産党を讃えるミュージカルやオペラが数多く作られました。そのほとんどは同じストーリーの焼き直しで何十年か先には忘れられる運命にあります。でもわりと最近に作られたこの映画は、その系列にありながら生き残る数少ない作品の一つになるでしょう。伴奏なしのソロで個人の感情を切々と歌い上げている民謡の一つ一つが歌っている人物と切っても切り離せない正に作品の中心と言えます。この時代、中国の農村にはテレビはもちろんラジオもなく、地方の人々がインターネットを利用して情報の発信まで行う現在とは異なり、農村の人々は共産主義を多角的に評価するどころか読み書きさえもできなかったのです。ですからこの作品を鑑賞する上で、私たちは共産党に関する固定観念や現在の私たちが持っている知識等を排除した上で、「どん底の生活をしていても人間には美しい音楽を作り出す能力があるんだな・・・。」とか「暗い生活をしているから、一筋の光が見えた時に必死になってそちらに手をさし伸べるんだな・・・。」といったピュアな見方でもってこの作品を鑑賞するべきでしょう。自分の運命を自分で切り開く決意をした時の主人公の少女が最高に美しかったです。作品の暗さのせいで点数はちょっと辛めです。8点(2004-01-25 08:47:55)

138.  仮面の中のアリア 私はこの映画をスポーツ根性ものとして見ました。しかも何度も・・・。大の音楽好きの私がですよ・・・。私の子供時代にはスポコンものはコミックやアニメではしょっちゅう見ましたが、映画でスポコンものにあまりお目にかからないのは、やはり一流のスポーツのパーフォーマンスを撮るのがむずかしいからではないでしょうか?でも映画や漫画のファンのみならず、私たちは一般的に試練に耐えたり競ったりする人間の姿に強く心を惹かれます。だから音楽やダンスなどをネタにしてスポコン(ミュジコン?)ものの映画をいっぱい作ってほしいと思います。この映画では映像はきれいだし、主人公にしごかれる女の子は可愛いし、音楽はいいし、文句なしです。ストーリーに関して言えば・・・やはりスポコンものです。これ以上は何も言えません。もっともっとスポコンに徹していれば(二人の若い歌手の苦闘と成長を詳しく描写していれば)満点をつけるところでした。題名は原題そのままの「音楽教師」にしてほしかったです。こんなタイトルじゃあまり魅力を感じません。8点(2004-01-23 13:48:57)

139.  紅夢 強い女の役が好きそうなコン・リーが地のままでやっているような演技がとてもいい。チャン・イーモウ監督の映像美にかける執念がこの映画からも伝わってきて、とにかく映像が美しい。コン・リーの主人公もライバルの第三夫人も美しい。この上、正妻と第二夫人もきれいだったらこの映画は中国モードのファッション・ショーになってしまうでしょう。主人公が大学中退だということはストーリーの時代がかなり現代に近いということで、もう少したてば毛沢東が中華人民共和国建国を高らかに歌いながらこういった前近代的な妾制度を廃止し、主人公たちを解放することになるのだけれど、もちろんそんな明るい結末ではないからこそこの映画は世界中で上映されるような芸術度を達成しているのです。閉鎖された環境の中で衣食住等物質的には何一つ不自由なく、正にモルモットのように飼われている女たちがどう考え、どう行動するかを冷徹な目で見つめている、美しくかつ残酷な作品です。日本語の題名は「紅楼夢」とまぎらわしいですね。8点(2004-01-23 12:40:20)(良:1票)

140.  ニューオーリンズ・トライアル 原作を中途まで読んだ時点と読破後の二回見ました。作品の優れた娯楽性のためか「12人の怒れる男」と比較することに反感を覚える方もいらっしゃるようですが私は10点をつけた「12人の…」からの減点方式で点数をつけます。同じ陪審員もので刑事訴訟を扱っている「12人の…」に対して民事訴訟を扱っているこの作品は原作では対煙草メーカー訴訟を描いています。対煙草メーカー訴訟は目下全米の多数の州で係争中で、制作者は映画が持つ影響力を勘案して被告企業を銃メーカーに替えたようです。対銃メーカー訴訟なら現実には引き受ける弁護士さえいません。この事実だけからもわかるように民事法廷の映画化は非常に困難です。また特殊な民事訴訟を除いて作品中の法廷でのやりとりや陪審員の審議過程での法的整合性を確立することは不可能で、この映画でその点に知的な関心を寄せる方はがっかりされることと思いますが、製作者の良心を評価に加味してこの点では私は一点しか減点しません。でももう一つ、謎の二人組が悪徳陪審員コンサルタントにいどむ動機が原作では金で正義を買う風潮に水を差すため、しかも合法的な行動を常習的に取っているのに映画では個人的な動機と一人が陪審員に選ばれた僥倖を利用した非合法手段にすり替わっていて、この点は被告企業の業種を替えても変える必要はなく、原作のままのほうが真面目な作品になったと思うのでさらに1点減点しました。陪審員(裁判員)制が近い将来日本で導入されるのでアメリカの法廷物の映画から学ぶことが多くあると思います。裁判員は学歴や職業と関係なく抽選で選ばれるので多くの人を教育価値のある映画に引き付けるためには娯楽性も不可欠です。弁護士資格を持つ現作者にもっとこういった小説を書いて欲しいと思いますし、ハリウッドも豪華キャストを配しながらのアカデミー賞ノミネートゼロや全米での低評価にめげずに民事訴訟版「12人の怒れる男女」を作る努力を続けてほしいと思います。(実は私、数年前に米国で顔見知りが未成年時に殺人を犯したことのある男に射殺され、その件で米人弁護士に相談しました。遺族が銃メーカーや地方公共団体を訴えることは絶対に無理だそうです。)8点(2004-01-22 14:09:03)(良:2票)

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