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161.  デビルゾーン 《ネタバレ》 Youtubeにて原語鑑賞。一つ一つは20分ごとと短く、また内容も非常にオーソドックスなので、ホラー慣れしている人にとっては物足りないかもしれないけど、冗長にならずにテンポよく進むので見ていて快適。 ■一話目:これだけがほぼ唯一現実で起きそうな話。全編嫌な雰囲気は漂っているが、ラストはあっけない。ハッピーエンド的だったのも意外。 ■二話目:流れ的に大体オチは予想できたが、これだけはホラー色は弱い。しかし冷静に考えると唯一の完全バッドエンドではあるのだが。 ■三話目:展開はほぼ「激突!」、しかし地中から飛び出してくる車というのはさすがに予想を上回ってビビった。これで信仰取り戻すのかよとも思ったけど。 ■四話目:「ジョーズ」「トレマーズ」の系統。お化けネズミが出てくるわりには、子供返すとあっけなく退散して、あれは一体何だったんだろうとは思わなくもない(そもそもなんで最初にあの家にいたし) ■全体的に教訓めいているのも特徴的か。「煙草はやめろ」「ゲームしすぎるな」「信仰を持て」「動物は大事に」ホラーでこういうのも珍しいような[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2013-03-21 01:11:12)《改行有》

162.  JFK 《ネタバレ》 誰もが知るケネディ暗殺の謎を描いた作品。この映画で語られることがどれだけ真実なのかは甚だ怪しいが、「ジョンソンまでもが関与していた巨大陰謀説」は「オズワルド単独犯説」の反対側におくにはいいのではなかろうか。 ■基本ストーリーは、証拠を集めていき疑惑は深まるも、証人は次々消され、召喚も妨害され、証拠不十分で追い詰められない、というもの。決してすっきりとは終わらないが、バッドエンドという感じでもない、まあこれが現実という感じのエンド。 ■ラストのギャリソン(コスナー)の演説は圧巻だが、しかしそもそも裁判でショーを有罪に出来る証拠はどう見てもなくて、裁判戦術としてはかなりダメだったのではないかと思う。映画でも「ショーが犯人であることを示す」のは最初から放棄しているようにさえ見えるし。なんというか、正義への思いは強いけれども、戦略の側がギャリソンには欠けていたのではないか。 ■3時間超という尺は若干長いが、しかしそれだけの内容はあると思う。[DVD(字幕)] 9点(2013-03-05 00:54:11)《改行有》

163.  4デイズ 《ネタバレ》 拷問をテーマにした重い作品。肉体的に痛いシーンは多いけれども、むしろ精神的な痛さを感じさせられる。 ■拷問は、一見すると拷問している側が圧倒的に有利なように思う。だが、いかなる苦痛にも耐えしのぶ覚悟と、適宜相手を錯乱するだけの戦略を持っていると、一転して拷問される側が有利になる。本作は、核爆弾をこっそりと配備した男と、拷問のスペシャリストとを登場させている。そしてその微妙な力関係をあぶりだすことで、互いの精神的な追い詰められ方を描いている。 ■誰も決定的に間違った行動をとっているわけではない。拷問をしてでも市民を救わざるを得ない状況もある程度理解できる。Hが拷問のたびに薬(恐らく精神安定剤)を飲んでいるのも、拷問が決して楽しいものではなく、自らの精神を削るものであることを示している。まさに情報を引き出すために必死なのだ。 ■しかしヤンガーは狡猾である。爆弾が同じ場所にあったということは、つまり「4つ目の爆弾」の存在は誰も確認できないのである。処理班が失敗したのか、彼がウソをついていたのか、それはヤンガーと処理班以外は知り得ない。だが両者ともに死んでしまっている以上「拷問をした」という汚点と、実際の核爆発の被害だけが残る。妻が死んでも口を割らなかった男が、たかだか子供であっさり口を割るのは怪しいと思ったが、狙いはそういうことであろう。「子供で口を簡単に割ったのは不自然」という意見が散見されるが、あれは「子供を使った脅迫に屈した」のではなく「屈したように見せかけた(4番目の爆弾があるから問題ない)」と解釈するのが正しいのだと思われる。 【追記】アメリカ版ではラストの「4つ目の爆弾」がカットされているらしい。日本公開版のラストの方でないと、そもそもストーリーとして成り立っていないように思う。9・11後のアメリカには精神的によくないとはいえ・・・[映画館(字幕)] 9点(2013-02-26 01:07:27)《改行有》

164.  リバース(1997) 《ネタバレ》 B級タイムトラベルもの。過去に戻って問題解決させようとするものの、ますます悪い方向へ行くというお約束の展開。しかし若干しつこいのと、脚本の工夫がそれほどないのとで、飽きないけれどもこのくらいの点数どまり。 ■落とし所が一向に見えないなあ、と思いながら見ていたら、え、あれで終わり、という感じの終わり方だった。もう少し工夫の使用はあるんじゃないのかなあ。雰囲気のチープさと設定は悪くないのだから。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2013-02-26 00:56:00)《改行有》

165.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 久しぶりにいい作品を見た。本作は有名な(しかし自分はあまり評価していない)「十二人の怒れる男」のパロディであり、また自分のあまり得意ではないコメディ調ということもありやや不安視しながら見たが、そうした不安は杞憂に終わり、日本人というか人間をよく描き出している作品だと思った。 ■「怒れる男」が「一人除き全員有罪」から出発するのに対し、こちらは「一人除き全員無罪」からの出発。しかも理由が「被告人が美人だから」「可哀想だから」という議論をする以前の状況。しかしそうした心情も一方では理解できるものでもあり、なかなか興味深い。 ■また、「怒れる男」がフォンダによって有罪を一人一人無罪に切り崩していくという展開で、変化も「有罪→無罪」の一方向なのに対し、本作は有罪と無罪を一人の人の間で行ったり来たりして、「人間の考えは簡単に変わる」ということがよりよく表れている。 「怒れる男」がそのため基本的に「フォンダ=ヒーロー=正義」的な位置付けであったのに対し、本作は軸となって仕切る人物が次々と交代していき、展開も目まぐるしく変わって、より現実的である。今まで全然筋の通った意見を言えていなかった人が核心を突く指摘をしたり、今まで理路整然と話していた人が少し不利になるといきなり感情的になったりと、「議論で制圧する」よりも「一人一人の話を真摯に聞く」ことの重要性を訴えているように思う。 ■結果的に見れば、無罪から始まって無罪に戻っているわけだが、議論の過程によってさまざまな「見落とし」や「偏見」が明らかになり、そして論拠を明確にしてきちんと納得する形で結論に至ったという点で、「結果が同じだからいい」のではなくて「その結果を支える論拠は何なのか」という部分の大切さをも、この映画は伝えているように思う。 ■一つ難を言えば、しかし最終盤は基本的に弁護士「役」によって突き崩して決していく展開で、あれを一人の人によってではなく色々な人の「気づき」の積み上げでいければなおよかったように思う。特に最後の「あなたの奥さんが裁かれているのではない」というセリフは、弁護士役によってではなく他の、最も目立っていなかった人によって言われるとより効果的であったように思う。 ■とはいえ、十分に見ごたえのある作品であった。 [DVD(邦画)] 10点(2013-02-25 00:28:32)《改行有》

166.  奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 いい話だし、ヘレン・ケラーとサリバン先生が本当に大変だったのはわかるけど、その事実に負い過ぎてしまっていて、映画そのものとしての深みというか、そういう部分が弱かった気がする。 ■ただし考えさせられたのは、教育と愛、哀れみの対立。サリバン先生のやり方よりも、良心のやり方の方が「優しい」けど、それは甘やかしているだけで結局全く当人のためになっていない。当人を思えば心を鬼にするしかない。という難しさ。自分にも子供ができたらこういうことに悩むのかなあと思った。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-04 00:22:34)《改行有》

167.  ミケランジェロの暗号 《ネタバレ》 ミステリー仕立てだが、ミステリーとして見ると拍子抜けする。でも人間ドラマとして見ると、従来的な「ナチス・ユダヤ人もの」とは違っていてなかなか面白い。 ■チャップリンの「独裁者」のように、ナチスとユダヤ人の立場が入れ替わってしまう話。ではあるのだが、入れ替わる二人が小さいころからの友人でありながら、雇い主と使用人というこれまた微妙な関係であるところがなかなかに難しい立場にしている。「金持ちのユダヤ人」は「使用人のドイツ人」を雇って、ユダヤ人の側はとても友好的にやっていて、また面倒を見ているつもりでいる。しかし一方で使用人の側からすればどことなく常に屈辱を感じ続けてきたのではないか。それがナチスによって立場がひっくり返ってしまう。ここに一つの立場転換がある。 ■もう一つの立場転換はもちろん入れ替わりなのだが、この二重の入れ替わりを経ることで、お互いがお互いを見る目というのがかなり複雑になっており、その辺の人間関係はなかなか面白い。ラストの展開はすっきりしすぎていて逆にあれだったが[DVD(字幕)] 8点(2013-01-27 00:47:56)《改行有》

168.  フランス特殊部隊 GIGN ~エールフランス8969便ハイジャック事件~ 《ネタバレ》 タイトルが何かあれだが、エールフランス8969便ハイジャック事件を再現的に描き出した作品。アクション映画という感じはほとんどなく、サスペンス的なやり取りが中心。 ■モノクロ風で淡々としているが、決してヒーローがいるというわけでもなく、静かに交渉が進み、突入はあっという間に終わる。現実はこのようなものかという感じ。コンパクトに上手くまとまっていたと思う。[DVD(字幕)] 9点(2013-01-13 23:50:57)《改行有》

169.  真夜中のカーボーイ 《ネタバレ》 なんというか、主人公たちの行動があまりにも現実を見ていないというか、まともに「この環境から逃げ出したい」と思って闘っているように全く見えないので、ただ適当に流されているだけのまとまりのない作品になってしまっているように見える。 ■「女の相手をして金を稼ぐんだ」とか、言ってるわりにまともにそれをやる技術も持っていないし、どうしたいんだかさっぱりわからない。もっと必死に働いているのに、不運や軽蔑等でまったく泥沼から抜け出せないというのなら分かるが、これだと何がしたいのやら。なぜ名作と言われるのか理解できない。ニューシネマの時代は、どん底に落っこちて暗いまま終わる作品ならばよかったのであろうか・・・[DVD(字幕)] 5点(2013-01-02 23:22:37)《改行有》

170.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 こんなにも有名なのになぜか敬遠していて今まで見ていなかったのでついに鑑賞。ううむ、確かに単なる娯楽映画でも怪獣映画でもないし、邦画として世界に名だたる理由も分かる。 ■なかなか姿を見せないのはパニック系の鉄板だが、容赦なく船が沈められるのに姿は一向に見えない。そして出現が白昼いきなりで、しかも山の向こうからというかなりの不意打ちで上手い。 ■ミニチュアのセットなどはいま見るとあまりにお粗末であり、むしろ可愛らしいぐらいだが、その辺は時代を割り引いてみるべき。それでも、東京中が火の海になるのは、戦後間もない映画としては相当に衝撃的だったはず(他のレビュワーさんによると、ゴジラの通った経路は東京大空襲のそれと同じらしい)。撮影の裏話はプロジェクトXで以前やっていたが、相当苦労したらしい。 ■しかし何と言っても最大のジレンマは、大量破壊兵器(水爆)の生んだ怪物は、大量破壊兵器(オキシジェン・デストロイヤー)で倒すしかないというあたりか。メッセージは明確に反戦ではあるが、それへの対抗としては武器をもってするしかなかったという苦渋さが感じられる。最後は科学者の良心が自らを投げ打って日本を救うわけだが、全くすっきりはしない終わり方。[DVD(邦画)] 9点(2012-12-31 00:17:47)《改行有》

171.  裏切りのサーカス 《ネタバレ》 正直な感想「分からなかった」。これまでもSAWやインセプション等の映画は見て一応は理解できるのだが、時間軸が三本存在して、しかも特徴付けも抑揚も特に付けてくれないので、ものすごい複雑で、かなり辛かった。リンチ映画やフェニーニ映画のように「分からせないタイプの映画」でもないストーリーが明確にある映画なだけに、ある程度ポイントは定めて描写して欲しかった。 ■あと映画として見ると辛いのは、人物の掘り下げがよくわからない(原作を見ないと正しい解釈に至るのは困難)という点。ストーリーを変に複雑にするぐらいなら、人間像の掘り下げの方にエネルギーを注いだ方がよかったように思う。 ■骨格のストーリーそのものはそこそこ面白い(のであろう)し、映像や雰囲気はすごくよく取れているのでもったいない。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-06 01:49:41)《改行有》

172.  アルゴ 《ネタバレ》 結末は分かりきっているのに、しかも別に派手なシーンは一切ないし格闘なども全く存在しないのに、手に汗握ってしまう。その上、これが実話だというのだから驚かされてしまう(もちろん細部はかなり脚色あるのだろうが)。久しぶりに見た良作。 ■イランのアメリカ大使館人質事件において、6人が事件の際に大使館を脱出、カナダ大使私邸にかくまわれた。しかし逃亡がばれるのは時間の問題、そこでCIAが打って出たのが「映画作製を偽装してクルーとして国外逃亡させる」というとんでもない案だった。 ■入国から出国まで、映画として見れば大したことはしていないのだが「ちょっとでもばれたら殺される」という状況が描き出されているので、否応なく緊張する。グループ内で仲間割れがあったりと、状況も結構シリアス。最後の空港の脱出がほぼすべて「ぎりぎりのところで間に合う」の繰り返しになっているのは脚色だろうがまあご愛敬の範囲。 ■ほぼ不可能と思われた任務が達成されても、手柄はカナダであり、主人公の業績は地下にしまわれる、というところが実は印象的だったりする。目立つためのヒーローでないところはこの映画の良さ[映画館(字幕)] 10点(2012-11-18 23:08:36)《改行有》

173.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 自分勝手で子供を抱えつつバツ2のダメな女性が、ひょんなことから弁護士事務所で働き始め、巨大企業相手に公害の賠償金を勝ち取るまでを描くサクセスストーリー。気軽に安心して見ていられるタイプの映画。 ■シングルマザーの子育ての問題と、公害訴訟の問題、二つを抱えて奔走していた姿は分かるが、全体が広く浅くなってしまっている印象。恐らく最も力を入れたのは「住民との親密なコミュニケーションにより、信頼を勝ち取ること」の部分なんだろうから、そこ(特に困難)をもっと描いた方がよかったように思う。 ■ラストも、もともとこの訴訟で重要だったのは「500万ドル」という金額じゃなくて、企業に非を認めさせてきっちりと責任を取らせることだったはずなんだから、あの終わり方は何かしっくりこない。 ■でものんびり見る分には楽しめると思います。ジュリア・ロバーツが鼻につく人もいるかもしれませんが・・・[DVD(吹替)] 8点(2012-10-04 23:12:23)(良:1票) 《改行有》

174.  テイク・シェルター 《ネタバレ》 夫が繰り返し見る悪夢や幻覚から破滅の予兆を感じ取り、周りなど無関心にシェルター作りに奔走する。一方の妻と耳に障害を持つ娘は、精神を病んでしまった夫とどう接していくか・・・ ■この映画は、夫の幻覚がただ精神疾患なのかそれとも予知夢なのか、は実はほとんどどうでもいいのであろう。ここでの主題は、夫も妻もともに「家族のため」を思って最善と思う行動をとっており、しかしそれぞれの信じる世界の違いゆえに全然噛み合わない、という状況をどう乗り越えるか、というところ。 ■妻は本当に献身的で、夫に家計ギリギリのところの金を勝手に使われようと、好き勝手して会社をクビになろうと、必死に夫を支えてくれる。夫の方も家族のことは考えて入るのだが、それにしては家族に話さずにいすぎであろう。 ■しかしラスト、夫の方が正しいことを暗示させて終わる。あそこでいう「分かったわ」は「あなたの予知が正しい」ということではなく(なら嵐の段階で終わっている)、「あなたがどういうことを恐れ、そのために必死で行動していたかが分かった」ということであろう。[DVD(字幕)] 7点(2012-08-14 00:34:56)(良:3票) 《改行有》

175.  ビー・デビル 《ネタバレ》 これは壮絶な作品。アングルは全く違うが「オールドボーイ」にもひけを取らない壮絶さがある。 ■舞台は島民が10人にも満たないような孤島。主人公ボンナムは生まれてこの方一度も島を出たことがない。島は徹底された家父長制、男尊女卑で、毎日こき使われ、殴られ、そして夜は島の男どもの慰めの道具にされるという、想像を絶する虐げられ方を生まれてからずっと受け続けている。 ■そんなときに、ソウルでの生活に嫌気がさして、一週間ほど島に幼馴染ヘギョンが避難してくる。喜ぶボンナムだが、ヘギョンはなるべく島の問題には触れないようにして助けてくれない。島からの脱出をヘギョンに懇願するも断られ、早朝に娘とともに脱出しようとするも見つかってしまい、娘は殺されてしまう。 ■最後の支えの娘が死んでしまい、ボンナムは「太陽を見ていたらわかった」と島民を皆殺しにしていく。 ■ラストは壮絶だが、しかしあれだけの怨念がたまるのは誰もが理解できるような構成で、むしろ今まで我慢していた方が信じがたいほどである。「発狂」というよりは、まさに「重しが外れた」という方が近い。 ■しかし一番つらかったのは、娘が殺されるのをヘギョンは見ていたにもかかわらず、それを取り調べて言ってくれなかったことであろう。こここそが「最後の綱が切れた」瞬間だ。 ■エンターテイメント性は全くない、見終わって疲れ果てるタイプの映画。でも一度は見ておきたい映画。一人で見ることをお勧めする。[DVD(字幕)] 9点(2012-07-27 23:55:15)《改行有》

176.  ラングーンを越えて 《ネタバレ》 実話を元にして書かれたミャンマーの現状。基本的には社会派だが、エンターテインメントとしても十分に楽しめるように出来上がっているのは素晴らしい。 ■主人公が政府に反対して英雄的行動をとるとかいう話ではなく、ただ単純に亡命するさまを追った話だが、こういう「何も抵抗できずただ翻弄される」人々の方が市民の圧倒的多数なのだし、実際もそういうものなんだろうなと思う。英語以外はあえて訳さないというやり方も、言語の分からない主人公に共感させる意味ではうまい手法。 ■ちなみに、アウン・コーは本人がこの役を演じている。実際に彼は弾圧経験を持っているのだとか。すごい。[DVD(字幕)] 9点(2012-07-15 00:31:56)(良:1票) 《改行有》

177.  灼熱の魂 《ネタバレ》 最初の方は筋道が見えず、バラバラの物語が投げ出されているように見える。だが、すべてのピースが組み上がると、その意味と悲劇が分かる。 ■最初は「なぜこんな謎ときみたいなのを死んだ後に子供たちにさせるのか?」と、これは映画を面白くするための設定なんじゃないか、と思って見ていたが、最後まで来て、なぜ母がそういう行動をとったか、がピシッとはまって、同時にその悲しさが見えてくる。 ■こんな悲劇に会い、しかもそれを誰にも言わずに半生を送ってきたというのは本当に想像を絶する。いささかやり過ぎな設定だが「報復に報復で応える無意味さ」を引っ張り出す設定ではある気がする。[DVD(字幕)] 9点(2012-07-11 00:58:25)《改行有》

178.  牛泥棒 《ネタバレ》 人は自らの正義を簡単に信じてしまう。そして、その「正義」の実現のための障害は力でもって簡単に取り除いてしまおうとする。信じた「正義」の目から見れば、手続を踏む法はあまりにも遅く、そして間違えることもある。 ■しかし、「正義」を信じて走るとこういうことになる、といういかにもすぎるぐらいに教訓的な話。面白いか、というよりは意義深い作品。75分の短さで骨格だけでストレート勝負している。[DVD(字幕)] 8点(2012-07-01 00:39:21)《改行有》

179.  マスク(1984) 《ネタバレ》 障害者ものはあまり好きではないのだが、本作では障害をメインに出さず、むしろ好き勝手しているが息子のことを思っている母親との葛藤を描いた部分の方が大きくなっているところが特色だと思う。あのような病気を抱えながらも常に前向きに生き続ける(ただ「希望を見て、優しい人」とかじゃなく、本当に普通の青年のように遊んでいる)のが極めて印象的だ。 ■しかし、彼を根本的に受け入れてくれるのが、ある意味「不良的な仲間」になってしまっているというのは皮肉だろう。世間的には「まっとう」とされている人々ほど、実は上っ面でしか人を見ておらず、単なる外見でロッキーを蔑み、他方「不良・アウトロー」な人々の方が、外見ではなくその心で人を見ようとしている。 ■けど、ラスト直前の展開は悲しい。好きな子とは遠く離れることとなり、ヨーロッパ旅行はなくなってしまう。学校は再び居場所がない。すべての歯車が悪い方向にかみ合い「生きたい」気持ちが失われたことが、彼の最後を引き寄せてしまったのだろう。 ■ところで、彼女は目が見えたとしても、果たして彼のことを受け入れてくれただろうか。。。。。。[DVD(字幕)] 8点(2012-07-01 00:38:48)(良:1票) 《改行有》

180.  サラの鍵 《ネタバレ》 1942年の、ナチスドイツに協力していたフランス政府によるユダヤ人強制収容と、2009年のジャーナリストとを行き来させながら悲劇性を浮き彫りにしていく作品。重い。 ■弟を納戸に閉じ込めて収容所に送り込まれたサラ。そこの謎もいろいろと残されたままの樹はするが(引っ越すまで、中に死体があって異臭を放っていても一度も開けずに放っておくか?何か知っていたのではないか等)そこへ深入りはしない。主眼はむしろ、サラの苦悩と悲劇、そしてそれがどう受け継がれていくか、であろう。 ■一度は過去を完全に消し、息子は50年後に初めてそれを知る。しかし悲劇はそれを消してしまえばいいというものではない。むしろ引き継いでいくことこそが悲劇の生き残りの意義を組みだしていく上で必要だともいえる。ラストで娘にサラと名付けたのは、そういう意志の表れではないだろうか[DVD(字幕)] 8点(2012-07-01 00:38:16)《改行有》

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