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1. 七人の侍
《ネタバレ》 何度も観ている映画
(これからも繰り返し観るであろう映画)です。
内容について散々語り尽くされているので省略。
今回観ていて感じたのは、侍達/野武士達は、侍らしい死に場を
求めて合戦に参加したのであろう、ということ。
もはや侍の時代にあらず、時代遅れの侍という存在でありながら、
そこから抜け出せない悲哀。戦場で死ぬことも適わず、素浪人として
仕官先を求め各地を転々とする生活-そんな人々が冒頭、町に溢れていました。
野武士達も同様に、仕官先の見つからなかったが故に
野武士に身をやつしたものもいるのでしょう。
そんな環境で、ふいに現れた侍らしい死に場を
素通りできない不器用な男達だったのかなと。
この合戦でも死ぬことの出来なかった勘兵衛らは
死に場所を求めてこの後も彷徨うのでしょう。
まだまだこの先何度も観たいと思っているので
新たな発見への期待を込めて10点でなくこの点数で。[DVD(邦画)] 9点(2018-04-04 23:52:53)(良:1票) 《改行有》
2. 十二人の怒れる男(1957)
《ネタバレ》 脚本のお手本として語り継がれる時を超えた名作。構図から人物設定、話の流れなど文句のつけようがありません。初めて見たとき、雨上がりの階段を降りるヘンリー・フォンダの清々しい姿に民主主義の素晴らしさを感じました。正義を貫き、偏見を打破した正義の人といった印象。ところが時を経て再見してみるとまったく印象が変わりました。冒頭でヘンリー・フォンダは、もっと議論が必要だからと無罪に一票を投じます。その後の投票でも、皆が有罪なら自分も有罪で良いとまで言います。少年の無罪を信じているわけでもなく、正義の人でもない。単に自分が気にかかることが見過ごせない神経質な男が議論をふっかけただけ。なのですが、話の流れで嫌みな人間や、頑固な人間、偏見を持った人間といった対立軸ができ、持ち前の弁舌で相手を叩き、巧みに有罪の証拠の信憑性を揺らがせていく中で、相対的に正義の人といった印象が強くなっていく。最後まで抵抗を続けた男が折れた瞬間の、やった、と手を叩きたくなるような爽快感。多数派の同調圧力に従おうとしない人間を叩きつぶした快感。あれこそが民主主義の持つ危うさなのだと改めて思い直しました。優れた扇動家の怖さを感じてしまった映画です。[DVD(字幕)] 10点(2015-01-25 22:39:58)(良:1票)
3. 大いなる西部
《ネタバレ》 テレビなので大幅にカットされていたためでしょうか、良くわからないというのが正直なところ。二家族の確執も、それを取り巻く周囲の状況も。主人公に至ってはこいつは何者で何を考えてるんだろうとずっと疑問に思ってしまう。誰にも感情移入できず置いてきぼりにされたようないやーな後味が残りました。[地上波(吹替)] 3点(2008-01-23 11:48:36)
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