|
タイトル名 |
人情紙風船 |
レビュワー |
まぶぜたろうさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2003-12-03 20:54:37 |
変更日時 |
2003-12-03 20:54:37 |
レビュー内容 |
ふとしたきっかけで友情を交わし、そして破滅へと向かっていく二人の男…。29歳という若さで戦地にて病死した山中貞雄が、まるで死を予感したかのような物語。
しかし、深い諦念と絶望の中に、それでも生きていこうという極限の希望が、演出や撮影技術などとは別のところで、目に見えない力として存在し、この映画を動かしているような気がします。
今までに何度見たのかわかりませんが、その度に、カッティング、撮影、構図、演出、照明、あるいは偶然、謎の力、ようするに映画のすべてを堪能し、発見し、感動します。 絶望的なまでに青い空と白い雲、土ぼこりが緩やかに舞う大通り、縁日に降るにわか雨、雨宿り、魔がさす瞬間、残された傘、暖簾、手紙…。
「映画」は1930年代に完成し、しかし今なお、新たな発見や可能性を生み出している。1本だけ映画を選べ、そう言われたら迷わずにこの映画を挙げます。私のベスト1です。
|
|
まぶぜたろう さんの 最近のクチコミ・感想
人情紙風船のレビュー一覧を見る
|