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タイトル名 |
わが青春に悔なし |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2010-09-13 23:05:07 |
変更日時 |
2010-12-23 15:19:27 |
レビュー内容 |
いつも言ってることだけど、原節子は好きな女優じゃない。あの中途半端な笑い顔がどうも苦手だから。だけど本作の後半で、野良仕事をしながら差別に抗する芝居の引き締まった顔には、はっとさせられた。こんな顔もできるんだ、と。同じ黒澤作品としては、比較的最近に観た「一番美しく」とは正反対の内容。健気に頑張る女性を扱っている点は共通しているけれど、観賞中から「一番美しく」とのスタンスの違いばかりが気になった。軍国主義から民主主義へ。実情は分からないけれど、コロコロと体制になびくその制作態度はいかがなものか。どうも、プロパガンダ映画を見せられているようで気分が塞いで行く。ちなみに黒澤本人は「一番美しく」を「いちばん可愛い映画」と振り返ったらしい。本人にしか分からない思い入れがあるのだろうが、第三者としては理解に苦しむところだ。黒澤明という人は、基本的には思想家ではなくエンタテイナーなのだろう。この戦中と終戦直後の二作はもう一度観たいと思わない映画です。 |
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