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タイトル名 |
帰ってきたヒトラー |
レビュワー |
Cinecdockeさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2016-06-30 20:55:46 |
変更日時 |
2025-07-12 01:51:44 |
レビュー内容 |
もし、ヒトラーが現代にタイムスリップしたら? 誰もが思いつきそうな題材を、そう来たか、こんな方法で調理するとは。
現代ドイツの社会問題と矛盾を劇映画、ドキュメンタリー、さらには同名の劇中劇と 虚実入り乱れた構成で鮮やかに切り取り、あれがドイツ国民の本音だとは信じたくない。 ダース・ベイダーに近いノリで、ヒトラー(を演じる男優)と一緒にスマホ写真を撮っているんだもん。 この閉塞感の前に絶対的なカリスマにしがみつく弱さと、不安を煽るマスコミに振り回される愚かさを目の当たりにし、 シリア難民流入のニュースとシンクロする演出にゾワっ。 認知症の老婆と真実を知ったダメ男の言動にも強烈な皮肉を感じた。
コメディはコメディでも、ただただ真っ当にシリアスな、笑えないコメディ。 あまり笑えなかったが、自分だったら大衆(マジョリティ)とダメ男(マイノリティ)のどちらの側に立ち、 どちらがガス室に送られるだろうか?
【2025年追記】 参議院選が迫り、極端なある政党が脚光を浴びている以上、 「最初はみんな笑っていた。途中から笑えなくなった」が現実にならなければ良いけど。 |
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